それでも、無辜の民たちだ。
かつて俺たちが守った愛すべきあいつらと、なんの違いもあるものか
プロフィール
真名 | アーラシュ |
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クラス | アーチャー |
性別 | 男性 |
身長 | 185cm |
体重 | 75kg |
属性・カテゴリ | 混沌・中庸・地 |
サーヴァント階位 | 第三位 |
出典 | ペルシャ神話 |
地域 | 西アジア |
好きなもの | フムス(ひよこ豆のペースト)、平和、人々の笑顔 |
苦手なもの | 全力を出せない戦い、心にわだかまりを抱えた人 |
ILLUST | BLACK(FGO) |
設定担当 | 桜井光 |
CV | 鶴岡聡(FGO) |
FGO舞台版演者 | 西川俊介 |
概要
『Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ』に登場するアーチャーのサーヴァント。マスターはエルザ・西条。サーヴァント階位は第三位。一人称は「俺」。
褐色の肌に赤い大弓を携えた青年。遥か東方の地で、大勢の命を救った大英雄。
宝具の特性から、ファンによって「宝死茶(ほうじちゃ)」なる愛称が付けられた。ちなみに公認。
人物
気さくでサッパリとした青年。
敵を滅ぼすのではなく、戦いを終わらせ人々を救う為に生命を費やした、正に大英雄と呼ぶに相応しい人物。一般人を巻き込むことを嫌って広範囲攻撃の使用を避けるなど、聖杯戦争でもその在り方は変わらず、マスターにも善を成すことを求める。
面倒見の良い兄貴肌で、親しみやすく頼りがいのある人物であり、居酒屋でエルザとビールを飲んだり騎乗スキルが無いのにバイクを乗りこなす姿は普通の好青年そのもの。基本的に人格者で気のいいアニキだが、尺度や思考が神代末期のそこから抜けておらず、ごく稀にだが自分基準でとんでもないことをやらかすことがある。またかなり感覚的な人物で、豪快な言行も多い快男児。
全てを見透かす「千里眼」の持ち主でもあり、エルザが元より抱えていた心の闇も沙条愛歌との接触以降、彼女からの干渉で精神を蝕まれている事も知っていたが、あくまで彼女の決断を尊重する姿勢を貫いた。そしてライダーとの決戦で宝具を解放し、マスターとセイバーの正しさを信じながら散っていった。
ある理由から、独りで何かを抱え込もうとする人間に敏感であり、そうして思いつめる者には彼なりに叱咤激励を飛ばすことがある。
真名
古代ペルシャにおける伝説の大英雄。
西アジアでの神代最後の王とも呼ばれるマヌーチェフル王の戦士として、六十年に渡るペルシャ・トゥルク間の戦争を終結させた。両国の民に平穏と安寧を与えた救世の勇者。
異名は、アーラシュ・カマンガー。英語表記すればアーラシュ・ザ・アーチャー。
西アジア世界に於いて弓兵とはすなわち平穏をもたらせしアーラシュをこそ指し示す。
現代でも彼は西アジアの人々に愛されている。
伝説において、アーラシュは究極の一矢によってペルシャとトゥランの両国に「国境」を作った。大地を割ったのである。その射程距離、実に2500km。人にあらざる絶技と引き替えに、彼は、五体四散して命を失ったという――。
生前の彼は「神秘の残滓」を掻き集めて生まれた、いわば「神代最後の幻想的英雄」。
それゆえにあらゆる困難を全て捩じ伏せ、何もかもを己独りで達成してしまう、まさに超人だった。
だが同時に“己だけで何をも成し遂げられる”という、自身曰く「驕り」が生まれてしまったという。
その驕りから、何を為すにしても“独り”であることを、彼は選んだ。龍の子の末裔である王に仕え、いかなる難局をもたった一人で乗り越え、全て終わらせていった。
同時にそれは自分にとって彼らが「守るべきもの」だったためであり、「守るために戦う」自分とは寄り添い合うことはできないと痛切に感じていたからでもある。己が最期の一瞬に至るまで――。
この生き方を悔いてこそいないが、かつての自分と同じように独りで抱え込んで身を滅ぼしそうな者を見ると、その生き方の息苦しさ・孤独を知るが故に、人柄もあって一言言わずにはいられない模様。
人類史を取り戻そうとするマスターに対して、アーラシュは全力を以て応えるだろう。人々を救う英雄として在ったことを、人々のためにすべてを懸けたことを、今も、彼は忘れていない。
能力
長射程・大威力・高精度・超速連射が売りの、真っ当な弓兵らしい戦法を使う正道アーチャー。
弓矢作成スキルにより瞬時に生成した山をも削り取る威力の矢を、視認できないほどの超遠距離から同時に数十発も標的に当て、空を埋め尽くすほどの矢の雨を降らせることが可能。その威力は、並の対軍宝具では破壊できない太陽王の神殿の外壁をも破壊する。
ステータス
保有スキル
頑健(EX) | 神代の名残を色濃く有したアーラシュは、生まれついての特別な頑健さを有する。戦場であっても傷を受けず、生来より病を受けたことさえない、というアーラシュの逸話がスキルとなったもの。耐久パラメーターをランクアップさせ、攻撃を受けた際のダメージを減少させる。複合スキルであり、対毒スキルの能力も含まれている。 |
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千里眼(A) | 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。Aランク以上でこのスキルを有しているアーラシュは、一種の未来視(未来の予測)や読心さえ可能としている。 |
対魔力(C) | アーチャーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。Cランクならば魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 |
単独行動(C) | アーチャークラススキル。マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。マスターを失っても、通常であればCランクならば1日は現界可能。 |
弓矢作成(A) | 女神アールマティから授かった智慧たる「弓」の設計者であり作成者でもある彼は、材料さえあればたちまち弓と矢を作成する。弓には物質的な材料が必要だが、矢であれば自らの魔力を削ることで作成可能。これにより、アーラシュは無数の矢を断続的に放つことが可能となる。 |
宝具
流星一条(ステラ)
- ランク:B++
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~99
- 最大捕捉:900人
- 由来:一射で両国に「国境」を作った逸話。
彼の消滅と引き換えに放つ、かつて大地を割った超強力な弓矢の一撃。
詳細な情報は個別記事を参照。
Fate/GrandOrderにおいて
メインシナリオでは第六章「神聖円卓領域キャメロット」にて味方のはぐれサーヴァントとして登場。難民と迫害された山の民が寄り添う東の山村で、呪腕のハサンと共に彼らを聖都軍や荒野の魔物達から守るために戦っていた。また、ある旅人の導き手として彼なりの助言を送っている。
前半では伝承に違わない三面六臂の大活躍をしてくれる。ただ、あまりに親しみやすいので難民の少年から本物のアーラシュとは思われなかったり、彼基準の移動方法として「アーラシュ空を飛ぶ事件」をやらかしたりと、相も変わらず自由気ままでお茶目な大英雄だったりする。
そして一番の見せ場はやはり……。
また、同時実装された彼の幕間の物語「孤独な戦士、獅子の如く勇敢な彼」では、彼とのマンツーマン戦闘訓練を通じて、普段飄々としている彼が心に秘めた物に触れることが出来る。
性能
初期実装アーチャーの一角で、レアリティは☆1。何気にアーチャーで☆3未満は彼だけだったりする。カード配分は、《Quick:1/Arts:2/Buster:2》のセイバー型という変わり種。
宝具を挟むとBuster(Brave)チェインが成立するが、宝具の性質上Extra Attackが発生しないという、異質な特性も持っている。
スキルは、3ターンの間防御力上昇と毒耐性を得る「頑健(EX)」、3ターンの間自身のスター発生数を上げる「千里眼(A)」。特に「頑健(EX)」は、宝具解放まで生き残る事に意義がある彼にとって、重要度が高い。
宝具は、『流星一条』。詳細は個別記事に譲るが、この宝具を放つ事こそが彼の存在意義であると言っても過言ではない。
また、「サーヴァント強化クエスト第3弾」にて第3スキル「弓矢作成(A)」が実装。
効果は【自身のNP上昇&HP回復】で、生存率と宝具解放速度を上げる良スキルとなっている。特にこれまで宝具の速攻解放には他のサーヴァントや概念礼装による補助が必要だったため、習得すればパーティ構成や概念礼装の幅が広がる。
欠点はやはり☆1ゆえのステータスの低さ。基本的に活躍するのは、序盤や種火集め・修練場の周回に限られがちで、特に高火力持ちなボス戦だと宝具を撃つ前に集中砲火を受けて倒される危険性が高くなるため、彼の立場は苦しい。この点は2016年8月6日より実装された「聖杯転臨」でレベルを引き上げれば解消出来るが、このシステムに必須となる聖杯の数はかなり限られているため、どこまで上げるかは各々マスター達の判断が問われる。
とはいえ、新たなサーヴァントや概念礼装が実装される度に運用法が考察されており、レアリティと強さが必ずしも直結しないことを体現する『FGO』におけるジョーカーの一人として、初心者から熟練マスターまで(いろんな意味で)愛されている。
そして、彼の絆礼装はその名も「聖なる献身」。自身がやられたときに残された味方全体のHPを5000回復し、更に弱体状態も全て解除してしまうという効果で、単純に回復系として見ても他の礼装によるテコ入れ無しでも5000という破格の回復量を誇り、大凡の逆境を乗り切るだけの希望となる。回復量強化系の効果と合わせると瀕死から完全回復も夢ではない。
当然「流星一条」のデメリットで即死してもこの効果は発動するので、タイミングにもよるが彼の伝説を局所的ではあるが完全再現することも不可能ではない。
流星、雨の如く
2017年のネロ祭再びの「【超高難易度】第三演技 流星、雨の如く」の相手として登場。これまでの超高難易度と違い、彼の宝具を受けきることが重要である。
と言うのも、初手の時点で530万オーバーの体力、三回ガッツ、状態解除耐性UP、スタンや魅了などの行動不能無効、そのどれもが解除不能と、まともな手段で削るのは不可能である。
おまけに宝具には無敵貫通、宝具威力UPに加え、3発目を撃ち終えた次のターンに「一条の光」と言うスキルでガッツとチャージMAXによる4発目のステラが即座に飛んでくるのである
合計5回のステラが飛んでくるという、プレイヤーが考案してきたステラチャレンジが身に降りかかるという恐怖のクエストである。
攻略するには、宝具をしのぐガッツスキル、そのガッツを通常攻撃から守る回避・無敵スキルを有するクーフーリンや天の杯などをうまく活用する。或いはマシュやブーディカ、アステリオスの宝具による多重バフ・デバフでの無力化などが考案されている。
関連人物
生前
最高神アフラ・マズダーのもと世界を管理する七善神『アムシャ・スプンタ』の一柱。その名は『真心尽くし』を意味するという慈愛と豊穣の大地母神。アーラシュに弓矢の作成技術を授けた。
蒼銀のフラグメンツ
『Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ』におけるマスター。
一緒に居酒屋でビールを嗜んだりバイクでツーリングをしたりと良好な関係を気付いていた。
聖杯戦争で競い合ったエジプトの太陽王。
同じ時代を生きたため、彼の名声はアーラシュにも聞こえていた。
そしてライダーからしても、アーラシュはほぼ唯一尊敬の意を示す大英雄である。実際に『Fate/GrandOrder』第1部最終章で共闘した際には、それまでやる気が無かったライダーが彼の参戦を知った途端にかつて見たことがないほどにノリノリになった。
同じ聖杯戦争で競い合った聖剣の騎士王。
『GrandOrder』における旧セイバーの体験クエストにて、マスターが彼に会った話をすると、彼の事を覚えているのか嬉々としていた。
Grand Order
第六章で共闘した青年剣士。
彼の正体と内に抱えるものを見透かし、生前の自分と重なる部分を見たのか、助言を送っている。
余談
ニッチな歴史マニアが潜在するFateシリーズファンをして、「誰だお前は!?」と言わしめた御仁。
なにせ日本語版Wikipediaにすら、Fateで取り上げられるまで記事がなかったという、日本での知名度でいえば歴代一、二を争うマイナーアーチャー。
日本で召喚されていたら、間違いなく知名度補正“0”である。
『蒼銀のフラグメンツ』の文章担当である桜井光氏も、執筆に際して下調べにかなり苦労したという。
ただ「日本では」という但し書きを付けるほどであって、海外ではかなり著名な人物。
特にイスラム圏では、歴史に語り継がれるべき伝説の存在として、文化圏の各所に足跡を残している。もしイスラム圏で召喚されていたならば、恐らく最強クラスのサーヴァントとなっていただろう。
ちなみに、勘違いされがちであるが、アーラシュはあくまで中東における弓兵の代名詞であって「語源」ではない。ペルシャ語における弓兵(Kaman-gir)は弓を意味する「Kaman」と掴むを意味する「Gir」が組み合わさってできた単語と言われている。
ペルシア語ではこのように「名詞or形容詞」+「動詞の現在分詞形」で「~をする者」や「~をするような(人、もの)」という意味の複合名詞を作ることがよくあるんだとか。
ビジュアル面や言動については、デビュー作での活躍がまだ少ないため、『FGO』で具体的に作り込まれたという経緯も持っている。
ちなみに、作中でセイバーがトリスタンと重ねているのは、彼がアーチャーの候補だった名残り。ボツにしたのはランスロット卿とネタ被りしてしまうためとの事。
関連画像
関連項目
Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ Fate/GrandOrder アーチャー(Fate) サーヴァント
フムス:『GrandOrder』の好きなことのマイルームボイスで彼が勧めるひよこ豆のペーストのこと。⇒日本エスニック協会によるフムス紹介(作り方も掲載されている)