時は一年戦争、ホワイトベース隊によりガルマ・ザビ大佐が戦死した頃から始まる。
主人公「ユージ・アルカナ」はカナダのトロント基地に所属する元プロボクサーのエースパイロット。
彼はある日、ジャブローより新設されたMS教導部隊、通称「ネメシス隊」に配属を命じられる。
連邦とジオンとの戦いが終局を迎えつつある中、大いなる陰謀が動き始めていた・・・。
概要
舞台を一年戦争とした作品。作業用ザク、ジム・スナイパーカスタムなどが登場するなどかなりマニアックなMSが登場する作品としても有名。
ガンダムタイプの登場が少ないことでも知られる。
部隊説明
ネメシス隊
連邦軍が新設した、サキ・デッサウ少佐を指揮官とするMS教導部隊。
部隊紋章は「翼持つ獅子」
連邦兵のMS操縦技術向上、訓練の仮想敵(アグレッサー)を主任務とした部隊である。
有事の際には実戦にも出撃する。
操縦教練を指導する立場ゆえ、所属するMSパイロットの腕はかなりのものである。
配備されているMSはどれも最新型のMSばかりで戦力は充実している。
MSのカラーリング、部隊の軍服は黒を基調としており、特殊部隊然とした風格がある。
スレイプニール隊
量産機のみで「V作戦」の検証、研究を行う「V作戦評価試験部隊」
ホワイトベース隊と同じ編成のエースパイロット部隊でもある。
MSパイロットでもあるショーン・キャシティ大尉が部隊の指揮官を務める。
登場人物
地球連邦軍 ネメシス隊
ユージ・アルカナ
本作の主人公。階級は中尉。カナダのトロント基地に所属している。好物はマメッコ-ラ
(同僚からは不評の味のようだがアルカナは好んで食している)
性格はよくも悪くも「不良青年」といったもの。
「Dead」が口癖
とはいえ、MSパイロットになったのもコロニー落下災害における救助隊を見て憧れたためなど軽い印象とは裏腹に軍人であることに誇りを感じている。
相手がどんな者でもおかしいと感じた際にはとことん自分の信条を貫く正義漢でもある。
作戦時のコードネームは「タフドッグ」
元プロボクシング選手でもあり、MS戦闘における戦闘スタイルも格闘戦を得手とする。
どんな状況でも生還することから、「ゾンビー・ジム」と異名づけられている。
ネメシス隊に配属される以前の戦績ではザクを2、ドム、グフを1機づつ撃破している。
ネメシスに配属後はジム・ストライカー後期型に乗り込み戦った。
幼少期を日本で過ごしていたと推測される場面がある。
ホーク・ロイザー
MSパイロットきってのベテランパイロット。階級は大尉
作戦時のコードネームは「プレジデント」
連邦宇宙軍では「東の鷹」の異名を持つ凄腕。
前線での指揮を務める。落下しながらジムのパラシュートラックを狙撃して開かせるなど卓越した操縦技術を持つ。
常に葉巻を咥えている。大の女好きで美女を目にしては口説いている。極度の豆アレルギー持ちであり、一度口にするとすさまじい腹痛、下痢に襲われる体質を持つ。
(だが工業用メチルアルコール入りの酒を飲んでもなんとも無かった)
口は悪いが、ユージの潜在能力を初期から見抜くなどパイロットを見る目は確かなものがある
「ネメシス四十八手」と言われる奥義を体得しており、度々戦闘を有利に運んでいる
乗機はジム後期型。
ジャン。ディベビエ
作戦ではスナイパー、中距離支援を担当している。階級は中尉。コードネームは「エイプ」
キザな性格で、初期にはユージと対立していた。だがユージが自分を助けたことで信頼関係が生まれた。
過去に溺れた自分を助けようとした人物が、自分を助けて死んだという過去があり、それをトラウマにしている。
歳は若いが、ロイザー大尉との連携は完璧であり、優秀な腕を持つ
初期には量産型ガンキャノンに搭乗していたが、大破。代わりにジム・スナイパーⅡに乗り込む。(作中ではジム・スナイパーカスタムⅡと呼んでいる)
エリンスト・ポノワ
ホバートラックで情報支援、索敵支援を担当している。階級は中尉。
コードネームは「コックローチ」
前線では唯一の女性である。かなりの美人であるがアルカナの好みでは無かった模様
過去に自分が支援していた部隊で、事故を起こした隊員を救えなかったことを後悔しており、影をおとしていた。
的確な支援をこなし、隊員をサポートしていた
ダグ・キーソン
大柄の黒人パイロット。階級は中尉。コードネームは「コング」
メガネをつけており、基本無言。(筆談で会話していた。)
僧侶をしていた為か霊能力があるようで、基地で迷子になっていた犬の居場所を一発で突き止めた。
シアトルMS試験場にて急襲してきたガルマ専用ザクらの襲撃からユージを庇い、戦死した。
乗機は量産型ガンキャノン。
イーグル・ロック
ネイティブ・アメリカンの血を継ぐ航空パイロット。階級は中尉。
ポノワ中尉に惹かれていた模様。追手のGアーマーを撃墜すべく、自身のライトライナーもろとも特攻し、戦死したかに見えたが、最終回にて生存が確認された
タラ・I・キケロ
ネメシス隊に属する技術士官。メカニック担当。
ユージの荒い操縦に対してストライカーを的確に修理していた。小柄で緊張すると嘔吐する癖がある。
しかしその正体は連邦軍の戦争継続派と結託し、戦争を泥沼化させる計画に参加していた。
思想家、タマーム・シャマランの孫であった
ダグを殺害させたガルマ専用ザクのパイロットでもある。戦局を混乱させる為にあらゆる方面に働きかけていた凄腕の戦闘工作員でもある。
声真似が上手く、ガルマ・ザビとそっくりの声を出せる。
サキ・デッサウ
ネメシス隊の指揮官。階級は少佐。冷静沈着で咄嗟の戦闘の際にも的確な指揮を執る。
エルスワーズ基地でのジオン軍急襲の際には迅速に指揮系統を回復させ、戦線を再構築。戦局の立て直しを成功させるなど非凡な指揮の才を見せた
候補生時代に思想家「タマーム・シャマラン」に引かれ、シャマラン思想に賛同する。
しかし、周りの同僚からは「古い考え」と言われ、出世コースを外されている。
民間人よりも高級官僚の保護をユージに命令した際にはユージに「守るべきものが違う」と言われ、自分が忘れていた精神を思い出す。
最後には「私を目覚めさせたゾンビー」だと信頼の言葉を述べていた。
スレイプニール隊
ショーン・キャシティ
スレイプニール隊隊長。階級は大尉。「西の龍」の異名をとるエースパイロット。
ホークとは知り合いであり、昔はともに作戦に従事していた模様。
WB隊で言う「ガンタンク」にあたる
ガンタンクⅡで支援砲撃、対空砲火を行う
カート・ワーグ
中距離支援、火力支援を担当する。階級は中尉
作中ではあまり出番が無く、これといった活躍も無い。WB隊でいう「ガンキャノン」
にあたる。
乗機はガンキャノンⅡ。ちなみに肩のビーム・キャノンは作中一回も使われていない。
スハン・ヤンセン
格闘、白兵戦を担当する。階級は中尉。
常に気だるげで、口癖は「萎えるなぁ」。ジム・ライトアーマーに搭乗し、レニア山にてガルマ専用ザクに扇動されたジオン敗残軍を一機だけで圧倒した。
ライトアーマーを手足の様に操り、ジム・ストライカーを圧倒する動きを見せた。
自分と同等の実力を持つパイロットと対峙すると戦闘に積極的になり、周りが見えなくなる。
準戦闘狂かもしれない。
その他の連邦軍人
ピーター・フォード
陸軍大佐。サキ少佐とは士官学校時代の親友。娘のシェリー・フォード少尉はMSパイロットをしている。
シャマラン派であったが、後に転向するもサキ少佐との友好な関係は続いている。
豪快な性格で、ユージを高く評価している。サキ曰く「陰謀に加担するような人物ではない」
バリーズ
エルスワーズ基地司令官。小柄で猿のような体格で出っ歯
尊大、自己保身に終始する軍人で基地襲撃の理由をサキ少佐に押し付けるなど軍人としての資質に疑問を持つ。
基地襲撃の際にも右往左往するばかりでサキ少佐の活躍がなければ間違いなく基地は陥落していた。
その後は基地襲撃の責任を問われ降格、ジャブローの戦略分析課に左遷された。(本人は栄転と喜んでいた)
ヨゼフ・トラバートン
連邦宇宙軍中将。レビル将軍に次ぐ和平派の巨頭で戦争の早期集結を悲願としていた。
レビル将軍と同じくMSの力を認めており、かなり良識的な軍人であったことが推測出来る。
ジオンのグエイドン参謀との和平会談の際にタラの策略によりザンジバル爆弾を投下され戦死した。
デノーメル
連邦軍准将。ネメシス隊の創設者であり、多方面からネメシス隊を支援していた。
が、その正体はタラ・I・キケロやジオン敗残兵などを巻き込んで戦争の継続を目論んでいた。最終的には地球を荒廃させ、宇宙のコロニー主導による地球の経済支配を画策していた。
彼もまたシャマラン思想に賛同していたが、彼の考えにより歪曲された。
この計画をデノーメルに聞かされたサキは怒りのあまり彼を射殺しかけた。
ウェイン
連邦陸軍中将。戦争継続を主導し、地球上での利益独占を目論んでいた。
デノーメルとは協力関係だったが、計画が進みにつれ邪魔とされデノーメルに射殺された
ジオン軍人
マラナシア・アージャ
ジオン軍少佐。常にキシリア少将のように紫のマスクを身につけている。
ジオン敗残兵を擁し、ガルマ専用ザクの正体を探ろうとしていたが、その目的は連邦軍に将校として出世するためであった。
確保したタラから反撃を受け、顔に大きなキズ痕を残す。
搭乗機は黒いグフ
グリー・グエイドン
ジオン軍参謀。かつてタラがジオン軍人だったころに置き去りにされた作戦の責任者であった。ジオン三羽烏に数えられ、和平運動に参加していたが、策略に巻き込まれ死亡する