1916年、米国軍人のJ.T.トンプソン将軍が設立した企業であ「Auto-Ordnance Corporation」において、小型機関銃の試作が開始された。
この小型機関銃は、塹壕戦で膠着状態となった第一次大戦の状況を見て、これを打開できる個人装備の需要予測に基づいて開始され、その動機は純粋に商業的なものだった。
特徴
トミーガンの特徴は主要部品の多くが直角で構成されている点で、円形を基本に構成される事が多かった欧州の製品とは一線を画したデザインとなっている。
上下2つのレシーバ(機関部)によって構成されており、銃身は上部レシーバ先端にネジで固定され、弾倉が接触する部分はドラム型弾倉を装着するため大きく切り欠かれた形状となっているほか、内部はフライス加工によって大きくえぐられ、この空洞内をボルトが前後する。
弾倉は箱型とドラム型の2種類があり、箱型弾倉を装填する際には下側から、ドラム型弾倉を装填する際には横からスライドさせて装着し、どちらもレール溝によって支持されている。簡略型のM1/M1A1では横溝が省略されてドラム型弾倉が使用できないが、上部レシーバの切り欠きはそのままなので、後から横溝を刻むだけで使用できるようになる。
セミ/フル・オートを切り替えるセレクターと、安全装置は別々のレバー状部品として存在しているが、弾倉を固定しているマガジン・キャッチを含めて、位置は全てグリップ上部左側面にある。
バリエーション
・M1919
・M1921
・M1923
・M1927
・M1928
・M1928A1
・M1/M1A1
詳細はwikipediaトミーガンを参照されたし。
普及
アメリカでは禁酒法の恩恵で急成長を遂げていた米国のマフィアが襲撃兵器としても防御用兵器としても優れていたトミーガンに注目し、抗争などで使用したことがトミーガンの知名度を飛躍的に高めた。
第二次世界大戦は軍に制式採用された。
日本でも鹵獲した物を現地の日本兵達は好んで使用していた事が伝えられているほか、日本内地でこれら鹵獲火器に対する性能試験が実施され、その一部は準制式とされた。
戦後の1950年に発足した警察予備隊に対しては、米国からトンプソンサブマシンガンおよびM3サブマシンガンが供与され、“サブマシンガン”の訳語として短機関銃という言葉が作られ、M1短機関銃、M3短機関銃として制式化された。
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