概要
イギリスにかつて存在したレコード会社。
EMIとは「Electric and Musical Industries Ltd」の略称。どっかの黒い夢さんが言ってた「Easy Money Island」では断じてない。
1931年にイギリスコロムビアとイギリスグラモフォンが対等合併して設立された。なお、両社とも1897年に設立されている。
1955年にはアメリカのレコード会社であるキャピトル・レコードを傘下に収めた。
ビートルズ、コールドプレイ、Radioheadといったイギリス出身の大物ミュージシャンをたくさん抱えていた。Queenやデヴィッド・ボウイも元々はEMI所属だった。
2011年にイギリス本社のレコード部門をユニバーサルミュージックへ、音楽出版部門をSonyMusicへそれぞれ売却されることになり消滅した。なお、キャピトル・レコードに関してはユニバーサルミュージックの関連会社という格好で2019年年末時点活動中。
日本での展開
東芝の音楽ソフト子会社だった東芝音楽工業(1960年に設立。ちなみに東芝自身は1955年10月から洋楽を中心にレコードの販売を行っていた。東芝音楽工業はそのレコード部門を子会社化したもの)に資本参加する格好で1973年に東芝EMIを設立。松任谷由実、BOØWY(3rdから)、宇多田ヒカル、椎名林檎などの人気アーティストを抱えていた。しかし2000年代に差し掛かるとCDバブルが弾けて所属アーティストの移籍が相次ぎ、その多くがユニバーサルミュージック日本法人(ユニバーサルJ)へ移籍してしまう。2007年には東芝が経営撤退してEMIミュージック・ジャパンに名を改めた。
2011年にはイギリス本社が分離売却される事態に陥り、国内唯一の世界的レコード会社であったEMIの解体はイギリス国民に大きな衝撃を与えた。その余波は当然日本の子会社にも影響し、2013年3月ユニバーサルJに吸収されて現在は『EMI_RECORDS』というレーベル名だけが残っている状況である。
エピソード
嵐などが所属するジャニーズ専用レーベルである『Jストーム』のCD販売もこの会社が行っていたが、2006年からSonyMusicの販売になった。
東芝音楽工業時代から演歌を扱っていたが、東芝の経営撤退に伴い東芝の名前が使えなくなってしまった、されどもEMIの名前を使うのは難しい、と言う事で、演歌用レーベルとしてサクラスターレコード(SACRA_MUSICではないので念のため)を立ち上げた。山川豊や坂本冬美などが在籍していた。
東芝音楽工業・東芝EMI・EMIミュージックジャパン全てに、一度も離れる事無く在籍したアーティストはデューク・エイセス、由紀さおり、松任谷由実の3組だけである。しかも3組ともEMIミュージックジャパン消滅後もそれを引き継いだユニバーサルJに移籍しており、デューク・エイセスは2017年12月に解散したが、由紀と松任谷は2020年2月時点でもユニバーサルJに在籍している。また先述の山川豊と坂本冬美もユニバーサルJに移籍・在籍している。