概要
A・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』の第一話「Black Destroyer」に登場する宇宙生物「Coeurl」。
翻訳によってはクアール、ケアル、キアルなどの表記ゆれがある。
肩から細かい作業も可能な吸盤がある触手を生やした大きな黒いネコ科動物を思わせる姿で、耳の代わりに電磁波の送受信ができる巻きひげのような触角をもつ。
また前脚は地球のネコ科動物と比較すると長目である。
おとなしい動物のふりをしているが、人間と同等がそれ以上の高い知能を持ち、他の生物を殺して細胞原形質(イド)中のカリウムを吸収することで活動エネルギーを得ている。
性質は猫に似て好奇心旺盛で臆病だが、基本的には残忍で狡猾であり、身体から自在に放射線を放つ力を持ち、真空中でも生きることができるなど非常に強力で危険な存在である。
その他の創作での扱い
当時としては斬新なデザイン、原作での描写の巧みさも相まって、イクストルと共に数多くのフォロワーを生み出した。
ところが何せ原作が古いゆえに(初出は1939年)、肩から触手が生え耳は触角であるという元ネタすら知らない層が増え、オマージュ本来の意味を成さない事態になっている。(pixivにおいてもこのタグで元ネタをそのまま描いたイラストはあまりない)
ファイナルファンタジーシリーズ
※メイン画像も
現在ではクァールというと、このシリーズの姿のイメージが強くなっている。
初出は『ファイナルファンタジー2』のラストダンジョンで、触手のような髭を生やした黒豹のような初見殺しなモンスターとして登場。
シリーズによっては豹柄のものや「クアール」表記のものもいる。 →クアール
なお、同社のゲーム『LoV』にも登場し、『サムライライジング』では雷属性のものが登場している。
ダーティペア
パートナーの「ムギ」は、舞台の時代におとなしい性質に品種改良された個体という設定。
TVアニメ版では熊のような大きな猫、OVAの『ダーティペアFLASH』では触手の生えた黒猫姿だった。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
姿をモデルにした、存在位置を錯覚させる(所くらまし)能力を持つ「ディスプレイサー・ビースト」が登場する。
CARAVANSTORIES
ユキヒョウのような体色で頭に一本角を持つ。
ギルドウォーズ2
似た姿の「colocal」というモンスターが登場。
ザ☆ウルトラマン
モデルにしたと思わしき「巨大怪猫ヘルキャット」とヘラーのペット「パンサー」が登場した。
未来ロボダルタニアス
クロッペンが飼っている黒豹ノバが登場。これもモデルと思われる。
科学戦隊ダイナマン
メカシンカマシンガンジャガーのモチーフが黒豹及びクァールである。
電撃戦隊チェンジマン
第41話「消えた星の王子!」に登場した、赤い猫のような顔に触手が生えた宇宙獣士ボーラのモチーフである。
マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス
第18話に「COEURL EXPRESS」というクァールのシルエットが描かれたトラックが登場。
新・世界樹の迷宮
グラズヘイムのエリアⅠのボスとして登場。
最初の戦闘では攻撃が全く当たらず、撤退するしかない。
コゥエァルというカタカナ表記について
日本語版 wikipedia に、「英語話者では「コゥエァル」などと発音する人が多い」という記述が見られるが、出典不明。全くのでたらめではないと思うが、実際どの程度「多い」のかも不明。
web 上でも「コゥエァル」なるカタカナ表記は、同 wiki と、それをそのままコピーした文章しか見当たらない。
実際に発声するとわかるが、そもそも「コゥエァル」の発音自体が、よくわからない。