「私が今、こうしてここにいられるのはあなたのおかげ……あなたは私の命の恩人……心から感謝しているわ、琢矢……だから、私はあなたにお礼がしたいの。もちろん、私流のやり方でだけど……」
「初めてあなた出会った時からわかっていたわ。いつか必ず、あなたは私のものになると……誰にも渡さないわ、琢矢………あなたは私のものよ」
久我山天善の娘で国土創成社の企画開発部長を務める。その美貌は痛め付けられる富沢琢矢が気に止める程。アメリカのビジネススクールでかつてない成績を納めており、まさしく才色兼備。
琢矢に冷酷な仕打ちを繰り返し、彼曰く「天善と同じ位人生を滅茶苦茶にした」。愛も信じる心も不要と公言する。
人間性の欠如は幼い頃天善に道具としか見なされず、冷遇されたことに起因する。過去のことも掘り下げられていくことから、もう一人の主役と云える。