解説
スタートアップ企業をテーマにした青年漫画。
破天荒な陽キャ・ハルと陰キャなエンジニア・ガクのW主人公となっており、二人が出会い、起業し、成長していく過程を描く。
単行本の最初に収録される回では、既に億万長者となったガクが過去を思い出し、本編自体はガクの回想という体裁になっている。
『アイシールド21』や『Dr.STONE』などのヒット少年漫画を手掛ける稲垣と、御年70歳のベテラン劇画家の池上というギャップは、主人公の二人のギャップにも通じているようである。
あらすじ
お台場の高層ビルの最上階に本社を構える大企業「トリリオンゲーム」。その共同代表の一人・ガクは、自分が思い描いていた朴訥な夢とかけ離れた現実が、いったいいつから始まったのかを回想する。
始まりはガクが中学最後の春を迎えたとき。不良に買ったばかりのノートパソコンを取られそうになったところを、学友だがほぼ知らないハルに助けられる。
その数年後、世界有数の企業ドラゴンバンクの面接に落ちて清掃会社に就職したガクは、ドラゴンバンクに採用されながら入社式の途中で退職したというハルと再会。
ハルはガクのエンジニアとしての手腕を見込み、二人でならドラゴンバンクを超えて1兆(トリリオン)ドルを稼ぐことができると豪語する。
果たして二人の会社「トリリオンゲーム」は、成り上がることができるのか。
キャラクター
- ハル / 天王寺 陽(てんのうじ はる)
主人公の一人。コミュニケーション力と行動力に長じ、息をするように嘘をつき、周囲が思いもつかない奇策で事態を進めていく。
一方で、会社のために自分の私物を売り払ったり、能力よりも人柄を評価するなど、人を大切にする性格であり、特にガクには全幅の信頼を置いている。
- ガク / 平 学(たいら まなぶ)
主人公の一人。コミュ障のパソコンオタクだが、(ハルのサポートがあるとはいえ)世界トップレベルのハッカーたちと一人で渡り合う実力を持つ。
ハルの行動にはいつも驚かされっぱなしだが、一方で彼が無策で動くことはないと理解しており、自分にできる精いっぱいを尽くしている。
- 桐姫(きりひめ) / 黒龍 キリカ
大企業ドラゴンバンクの社長令嬢。
派手な外見だがすでに企業経営者としての風格と能力、どんな相手とも渡り合える胆力を備えている。
ドラゴンバンクの採用面接で語学力やトーク力を発揮し、その後も自分と渡り合うハル、そしてハルが信頼するガクの二人に対して注視しており、特にハルには恋愛感情にも似た執着心を抱いている。
- 高橋 凛々(たかはし りんりん)
トリリオンゲームの「社長」として採用された女子大学生。
真面目過ぎる性格が災いして就職活動がうまくいっていなかったが、誠実な精神をハルとガクに見込まれ採用される。
暴走するハルと、流されてしまいがちなガクの二人をサポートする、トリリオンゲームになくてはならない存在。
- 祁答院 一輝(けどういん かずき)
サングラスにテンガロンハットという派手な風貌の投資家。「~じゃねえの」が口癖。
セキュリティ・チャンピオンシップに優勝したハルとガクを気に入り、3000万円の融資をする。
- 水樹(みずき)
アルバイトで祁答院の秘書をしている、しっかり者の女子高生。歯に衣着せぬ物言いで、ガクや祁答院にもビビられている。
トリリオンゲームが大成した時代では、ガクの秘書になっている様子。