覚醒の予感
ある朝、私は気づいた
全身を満たす力に
昨日までとは違う自分に
それが今日、確かなものとなった
明日からも私は
上昇していくだろう
過去の私を知る者が
想像できないほどの
はるかな高みへ
そんな予感がするのだ
≪「名馬の肖像」2018年安田記念≫
経歴
2011年3月2日生まれ、父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス、母の父カーネギー。
セールで約1000万円で購入されており、当初はあまり期待はされていなかった。
2歳(2013年)
2013年デビュー。新馬戦を勝つものの続く重賞京王杯2歳Sでは6着敗退。その後の条件戦を勝ってシーズンを終えた。
3歳(2014年)
2014年はシンザン記念5着、スプリングS4着、京都新聞杯7着など重賞に挑戦はするものの勝つことはできなかった。その後栗東の吉田直弘厩舎から美浦の堀宣行厩舎に転厩。
結果的にこの転厩が契機となり、彼の活躍が始まることになる。
4歳(2015年)
2015年1月に条件戦で久々の勝利を挙げそのままオープン入り、ダービー卿チャレンジトロフィーではレコードタイムで重賞初制覇すると、続く安田記念でGI初制覇し、スクリーンヒーロー産駒として始めてのG1制覇となり、グラスワンダーから親子三代でG1制覇を達成した。
秋はマイルCSへ直行。危なげなく勝利して史上6頭目の春秋古馬マイルGI制覇を成し遂げた。
年末には始めて海外遠征を行い香港マイルに挑戦。前年の優勝馬エイブルフレンドに次ぐ2番人気に推される。レースでは好位から抜け出す競馬でライバルたちを制し、2015年を無敗の6連勝で締め括った。
GI3連勝を含むこの活躍ぶりが評価され、JRA年度代表馬と最優秀短距離馬を受賞。短距離馬の年度代表馬獲得はタイキシャトル、ロードカナロア以来3頭目となった。
5歳(2016年)
2016年はドバイ遠征が予定されていたものの疲れが取れず回避、再び香港に渡ってチャンピオンズマイルからスタートすることとした。レースでは圧倒的な1番人気に支持され、これに応えて7連勝、GI4勝目を挙げる。
帰国後は連覇を目指し安田記念に出走するもロゴタイプに阻まれ2着、連勝がストップしてしまう。続く札幌記念は京都新聞杯以来の2000m以上への挑戦だったが重馬場に泣かされ、逃げ馬を捉えきれず2着となった。レース後、年末の香港遠征で引退することが発表された。
秋初戦は天皇賞(秋)。イスパーン賞勝ちのエイシンヒカリ、ドバイターフ勝ちのリアルスティールらと対戦することになったが直線で突き抜け、リアルスティールの追撃を振り切って1着、GI5勝目を挙げる。
ラストランは香港カップに出走。1番人気に支持される。レースではやや出遅れた形となったが、逃げたエイシンヒカリを直線でかわすとそのままリードを保ちゴールイン。2着に3馬身差をつける完勝で自身の引退レースを飾り、日本調教馬としては史上2頭目の海外GI3勝となった。
この年の年度代表馬はキタサンブラックに譲ったものの、香港2勝を含むGI3勝により特別賞を受賞した。
通算18戦11勝。
引退後
引退後は社台スタリオンステーションにて種牡馬となる。
2021年にピクシーナイトが3歳馬ながらスプリンターズステークスを勝利。グラスワンダーから続く父系四代でGI制覇の偉業を成し遂げた。