概要
CV:内田雄馬
転生したらスライムだった件の映画「紅蓮の絆編」に登場するキャラクター。
リムル=テンペストに仕える六人の他にもいた事が判明した大鬼族(オーガ)の生き残り。一族の若殿であるベニマル達の兄貴分だったとされベニマル,シオン,ソウエイからは「兄者」(ゲームによるとクロベエも同様の呼び名となっている)、シュナからは「あに様」と呼ばれている。
容姿
目の下に紫のアイシャドウの様な模様があり、赤い髪を後ろでポニーテール状に束ねている。2本の角の左側は幼少期にベニマルを庇って一度折れてしまったとの事で黒い右側と違い生え変わったのかもしくは義肢のようなものを取り付けているのか白くなっている。
回想では肌色が濃かったがトワによる名づけで鬼人へと進化しており、ベニマル達同様東洋人に近い色で角は細く左側は極端に小さいもの(代わりに折れて晒されていた断面が塞がっている)になっている。
他の鬼人同様和服を基本とした服装をしており、手首に棘付きの腕輪をしており、長巻を武器としている。この刀に炎を纏う事もできる。
ここから先は一部ネタバレになる可能性があります。その点を承知した上での閲覧をお願いします。
人物
ベニマル達と同様幼少期から大鬼族の里で共に育った幼馴染で当時の若者達の中で随一の実力者と称されていた。その強さはベニマルを悉く稽古で打ち負かしており(ヒイロ本人によるとベニマルが勝った事もあったとの事ではあるが)シオン達と共に目標として長年挑まれ続けていた程(実力だけで言えば指南役の爺(後のハクロウ)が一番だったとのこと)で進化した現在ではゲルドを加勢しようとしたソーカを振り払った上で(彼がかつての因縁による後ろめたさで全力を出せなかったとはいえ)苦戦させた程となっている。実力に加え人望もあり彼が里から旅立つ際には大勢が同行を志願していた。洞察力も高くベニマル達の戦法に個性が見られるのはヒイロが彼らの素質を見極めた事での助言に基づいている。
命の恩人で居場所を与えてくれたトワには絶対の忠誠を誓っているが、「自分の命はトワにもらったもの」と考えてる事から彼女のためには自分の命を投げ出しうる事にも厭わない危うさがある。当のトワからは(亡き同胞達の思いと命を背負っている事もあるのだからと)逆に案じられており、「貴方のしたい事をしていいのですよ」と言われている。
それとは別に名づけにより魂が繋がった関係である事からか心理的にも近しい距離にあり、追い詰められている国の現状に心を痛めるトワに親身になって話し相手となる事も多い。
作中での活躍
物語の数年前里の外に出稼ぎに旅立っており、クレイマンの領地ジスターヴで傭兵として雇われていたが大鬼族の郷への侵攻計画を知り、仲間と共に脱走するも、ヤムザ率いる追手に斬られ瀕死の重傷を負ってしまう。成り行きを見守っていたラージャ小亜国の者達に連れ出されてラージャの女王トワは大鬼族達を進化させて生命力を上げる事に賭けて名づけを試みたが、トワに全員に名付けて分け与えられるだけの力は無くまだ息のあった仲間達が彼を生かすのを優先して生命力を与えた事で分け与えられる力が十分となり「ヒイロ」の名を与える事に成功、仲間達の命と引き換えに救われた。その間に里は豚頭族(オーク)の軍勢に滅ぼされて蹂躙から逃れたベニマル達は故郷を離れざるを得なくなり、ヒイロも結果的に戦場にいなかったため生き延びる。10日ほどして目覚めたあとすぐに駆けつけたがすでに豚頭族も去った後で荒廃し同胞も死に絶えていた里を目の当たりにして豚頭族への恨みと何も出来なかった自分への無力感に打ちひしがれていたが行く当てが無かった事と恩人であるトワに恩義を返すためラージャ小亜国に戻りトワに仕える道を選ぶ。
国内では軍の部隊長を務めている。
しかしラージャは産業である金資源が枯渇しかけ採掘で流出した毒で深刻な水質汚染に晒されており、王家に伝わるティアラの力で汚染を抑制するも力の副作用である呪毒で日に日に衰弱していくトワを案じるも何もしてやれない事を憂いていたが対策としてジュラの森の開墾を思いつく。ヴェルドラの怒りを買う事を危惧されたが懐柔したとされるリムルを介せば可能かもしれないと使者として魔国連邦へと訪れた。そこにいた豚頭族を彼らが魔国の傘下に入った情報は得てなかったため里だけでなく魔国にも襲撃を企てる豚頭族の残党と勘違いし斬りかかる。そのままゲルドに止めを刺そうとしたところ(大鬼族への罪の意識を未だ抱えていたゲルドは報いの時かと言わんばかりに武器を捨て斬られようとした)を止めに入ったベニマル達と再会。リムルへの忠誠の元和解したと聞かされ刃を収め、同胞達と互いに生き延びていた事を知り喜びあった。そしてリムルへと面会しベニマル達も頼み込んだ事もありヴェルドラ共々開墾の許可を得る事に成功した。
ここから先は映画のストーリーの更に深いネタバレへと入ります。
そして一行をラージャへと招きトワへの面会と水質調査をしてもらった結果汚染源の毒を精製する謎の魔法陣は除去され、トワがティアラを使用する必要も無くなり自然回復できる状態にもなった。
一通りの解決が済み同胞達の遺品を弔いに里の跡地へと訪れていた時ラージャの水域は突然毒素が再発生。それを抑えるためトワは再びティアラの力を使ってしまい倒れ込んでしまい更には隣国が戦の準備をして攻め込もうとしているという情報まで入るがトワの様態は戦火から逃がせないほどに弱ってしまっていた。
どうすれば彼女を救えるかと悩んでいたところ王宮に出入りする行商人ラキュアに魂を他者の肉体へと移し替えるという秘術を使えばトワを救えると聞かされる。「トワからもらった命なのだからそれを返すだけのこと」と受け止める側の魂が消える事になると承知の上で自分の体を差し出す事を決める。儀式の成功率を上げるという魔道具「紫縛の宝珠(カースオーブ)」を受け取り飲み込んでおきトワを王宮の地下の祭壇へと連れて儀式に取り掛かった。
しかしラキュアをそんな術など知ってなどおらずトワにティアラを更に使わせ彼女を呪毒で殺すのを企てており、毒の再発や隣国の進軍も彼の工作によるものだった。当然ヒイロは激怒したがその怒りに紫縛の宝珠が反応、強力な力を得た代わりに理性を失ってしまう暴走状態に陥る。ラキュアはヒイロを止めなければとトワにティアラの力を使わせようとしたが、ラージャの救援にやってきたリムル一行が駆けつけトワをティアラを使用せずに済みヒイロの方はベニマルが食い止めに入る。
その力と破壊衝動でベニマルを苦戦させるが咄嗟にトワを助ける行動に出るなど彼女への忠誠という形で僅かに心が残っていた。リムル達により隣国の軍は追い払われラキュアとその一味が倒されるも暴走は止まらなかったが、ベニマルが一か八かの本気の一撃を喰らった事と反撃しようとしてベニマルを庇おうと割って入ったトワの姿を見て意識が戻り、自らを突き刺して紫縛の宝珠を切り口から引きずり出し破壊する事でようやく元に戻る。しかしそれが致命傷となり加えて紫縛の宝珠を使用した代償で肉体は限界を迎え石化する様に崩れ落ちベニマル達への別れとトワに良き主となってくれた事に感謝を告げて散ってしまった。しかしヒイロが死ぬことを認めなかったトワがティアラの力を使った事で蘇生させられたもののその代償で命を燃やし尽くしたトワの方が消滅してしまう。二度も救われながら二度もとても大事なものを守れなかった事で無力感に苛まれるがかつて女王の一族にティアラを授けた女神と伝えられる存在が特別にとトワを復活させてくれた事で二人とも救われる。
そして全ての危機が去った後の宴会で未来へと向き合っていく事を誓うトワの姿に安堵する様子を見せていた。