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陸軍中野予備校の編集履歴

2023-06-28 16:23:28 バージョン

陸軍中野予備校

りくぐんなかのよびこう

安永航一郎による漫画作品。

概要

『陸軍中野予備校』は、安永航一郎による漫画作品。


週刊少年漫画雑誌『週刊少年サンデー』(小学館)に1985年42号から1986年52号まで連載され、連載終了後に読み切り2本(週刊少年サンデー増刊号1991年10月号、11月号掲載)が描かれた。単行本は少年サンデーコミックス(小学館)より全6巻が刊行されている。


内容

「陸軍中野予備校」出身の主人公、酢堂大雑が、先輩の有川雄妻らの助けを借りて、世界の政治・経済の掌握(=合法的な世界征服)を狙う秘密国家「南蛮帝国」の手下ゲゲーベン一味と、しょうもないバトルを繰り広げるギャグ漫画である。


あらすじ

昭和19年(1944年)、陸軍中野学校生の質を向上させるべく酢堂綱正少将が「陸軍中野予備校」を設立した。「陸軍中野学校」は戦争終結と共に消滅するが、予備校だけは現在まで存続している。

酢堂少将の孫の酢堂大雑は「陸軍中野予備校」から進学すべく、愛犬のコバヤシ丸と一緒に東京の旗本家にやってきたが、太平洋戦争終結とともに「陸軍中野学校」が無くなったことを知り大落胆する。が、すぐに気持ちを切り替えて旗本家に居候する。


大雑は必要書類をすべて偽造し、枕返高校1年生に転入する。

同高校の生徒会に在籍する先輩の女子生徒・有川雄妻は、大雑が自分と同じ「陸軍中野予備校」の生徒であることを確認し、秘密国家「南蛮帝国」との戦いに引き込む。


こうして、中野予備校生と、南蛮帝国との戦いが始まったのであった。


登場人物

  • 酢堂 大雑(すどう だいぞう)

陸軍中野予備校 酢堂大雑

本作の主人公。「陸軍中野予備校」創設者・酢堂綱正少将の孫で、予備校から「中野学校」進学のため上京。「中野学校」など既に存在しないと知らされ、旗本家に居候する。

中野予備校で、様々な特殊技能を習得している。骨格変形による(女子への)変装術では、美少女に変装し、女湯に入っていた。

また、聖徳太子が編み出した「十七条拳法」を習得。それをもって電柱を素手で破壊した。

能力はあり、愛国心も有した若者であるが、同時にバカでスケベで、お調子のりでセコイ。また、予備校時代は苦学生だったらしく、日本人の主食である「米」を見ただけで涙を流す(米倉庫に閉じ込められ、米に埋もれそうになった際にも、足で踏めないからと脱出できなかったほど)。

誕生日は、兄と同じく元旦。そこから両親の「好物から名前を付けよう」というところから「大福もち」「雑煮」から一文字ずつ取られて「大雑」と命名された。


  • コバヤシ丸(コバヤシまる)

大雑の愛犬。大雑と一緒に上京し旗本家に居候する。犬種は雑種。

一応は軍用犬であり、大雑以外の人から与えられた食料は毒味するよう訓練されている。2桁のかけ算、連立方程式ができる。その他、雄妻によると「コバヤシ丸にかなう犬はそうそういない」との事。ただし性格は大雑に似てややバカでスケベ。


  • 有川 雄妻(ありかわ おづま)

センシティブな作品

※画面左

「中野予備校」出身者で大雑の一年先輩。枕返高校生徒会総務部長であり、成績優秀・品行方正で人望に厚く、生徒会を実質的に仕切っている。

登場当初は落ち着いた性格だったが、大雑と関わっているうちにどんどん顔や性格が崩れていき、ギャグキャラ化していった(劇中でもその事を指摘されている)。

中野予備校生として、大雑と同じく様々な中野式特殊技能を心得ている。米を見るだけで涙を流す点は、大雑と同じ。


ゲゲーベンの屋敷に潜入する際には、制服を奪って警備員に変装したが、パンツも統一している事を知らず、ズボンを脱がされパンツを見られて見破られてしまい逃走する。

次の機会には制服とともにパンツも奪おうと、悪臭のするパンツ(一か月履きっぱなしらしい)を脱がして自分で履こうとするが、その様子を目撃され痴女扱いされ逃走。

パンツを自作し再三侵入したが、警備の方もパンツをモデルチェンジ。新しいためそれを脱がし履こうとするが、警報装置が付いていたためにまたも発見され、またも痴女扱いされつつ逃走する。

その様子を写真に撮られ、生徒会から失脚されそうになるが、人望の厚さから逆に支持を受け、生徒会長になってしまう。


のちにバゾクと同棲していくうち、彼女から懐かれるように。

また、足技を自在に用いるバニーに対抗し、自分も足で頭を掻こうとして失敗。股関節を脱臼した事も。


  • 旗本 たけし(はたもと たけし)

旗本家の長女で枕返高校の生徒。大雑と関わったせいでご近所さんたちの前でストリップするハメになる。大雑に好意をもっているが、素直になれない。

あくまで一般人であるため、中野予備校とは無関係。そのため、中野予備校と南蛮帝国との戦いでは蚊帳の外にいる。


  • バゾク・ゲゲーベン

ゲゲーベンの実の娘で、金髪のポニーテールの美少女。

ゲゲーベンから「究極の工作員」になるためと、幼少の頃から訓練を受けていた。基本的に素直な性格だが、あけっぴろげで羞恥心がやや薄い。

ナンヤネンからの訓練により、一応は特殊技能は身に付けている。しかし粗食に耐えられる訓練として残飯ばかりを与えられた結果、ごみ箱を漁るようになってしまい「究極の貧乏人」となってしまった。

このせいで、パンの耳を用いた料理を得意とする。「パンの耳のから揚げカレー味」など、料理自体は好評だが、同時に「便所の脇に生えていた草をむしって作ったサラダ」を作ったりも。また、買い物も値切りを前提とするため、スーパーではなく商店街をよく利用する(八百屋で、キャベツの外側の葉のみを購入しようとして、八百屋の主人にキレられた)。

途中でゲゲーベンに見捨てられた後に、雄妻に拾われ、旗本家にともに居候。のちに雄妻のマンションで同棲し、雄妻に懐くように。


  • 酢堂 綱正(すどう つなまさ)

大雑と玉金の祖父で中野予備校創設者。


  • 桜井(さくらい)

中野予備校出身者で有川とは同期。常に大怪我を負って入院しており、完治してもすぐ何かの拍子に大怪我を負わされ、大抵の怪我は常人の10倍近いスピードで完治している。


  • 玉金坊(たまきんぼう)

大雑の兄で、本名は酢堂玉金。弟と同じく元旦生まれで、大雑と同じ理由で命名された(「玉子焼き」と「きんとん」から)。

年齢は30過ぎ。「中野予備校」出身者で、家電三人衆とは同期でもある。仏法に従う僧侶でありながら、煩悩の塊で、中学生のバゾク相手でもセクハラをしかける(バゾクに対し「男の裸に興味はあるか?」と訊ねたりしていた。さらには雄妻やバニーなどに対し「わしの筋肉を見ろ!一発で元気になるぞ!」と、半裸になって筋肉を見せつけたりしている)。

また、僧侶でありながら、一年の下半期はキリスト教の牧師として活動している。

曰く「坊さんが儲かるのは、正月から盆にかけての上半期のみ」「なので、一年の下半期はクリスマスなど、神に仕える事にしている」「わしの強力な信仰心の前では、神も仏も問題ではないのだ」。


  • 水斑蛇(すいはんじゃ)

帝国陸軍関係者抹殺のため、ゲゲーベンに雇われた家電三人衆の一人。有川の実の姉で本名は有川水斑。

ゲゲーベンの命令で、枕返高校に転校生として潜入する。ただし、玉金と同期のため、30代の見た目であり、その趣味も「文通に編み物」とやや古風なためオバサン臭いと言われたりも。

過去に中野予備校で起こった反乱事件の首謀者と目されている。

雄妻の事を恨んでおり(提出するレポートに醤油をこぼしていたため)、雄妻ともども心得ていた「中野式罵詈雑言」で、互いに悪口を三日三晩言い合った。

後にそれが誤解と知って和解。中野予備校に戻って補習を受ける事で解決した。


  • 仙拓鬼(せんたくき)

家電三人衆の一人。常に眼帯を着けているが失明している訳ではなく(右目が近視・左目が遠視)、行動によって着け換えているだけ(眼鏡をかけろと言われたら「眼鏡はキャラ的に薄い」、いっそ両目に眼帯したらと言われ「その手があったか」と実行し「何も見えん!」と騒いだりも)。

水班とともに、転校生として枕返高校に潜入した。が、やはり30代のためにおっさんのように見られていた。

水班同様に、反乱事件の首謀者だった……と言われているが、実は事態が勝手に大きくなった際に、訳も分からず水班と一緒に逃げただけ。そのため、反乱の事実が明らかになった際には「そんなくだらん事でオレは逃げてたのか」「オレの青春を返せ」と慟哭していた。

後に水班とともにゲゲーベンの元を去り、中野予備校の補習を受ける事に。


  • 嶺僧虎(れいぞうこ)

家電三人衆の一人。常に無言だが友情に厚いらしい。ななみに好意を持たれていた。

ななみから、バレンタインのチョコレートを貰った際には、涙を流して喜びつつ口にしていたらしい(ただしそのチョコは、犬の虫下し用チョコ)。


  • ゲゲーベン

秘密国家「南蛮帝国」の先兵でオストワルド貿易の駐日支配人。性格は冷静沈着で、自分たちの活動を嗅ぎ回る大雑に対しては次々と刺客を送り込む。


  • 尾崎 彦吉(おざき ひこきち)

枕返高校の体育教師、実体は南蛮帝国の構成員。肉体派であり、特技は肺の酸素を残らず吸い尽くして失神させる荒技。

大雑と保健体育の授業で、互いにマウストゥマウスでの人工呼吸で争う(見た目は男同士のディープキスにしか見えない)。

後にうやむやのうちに行方不明になるが、実は女子更衣室の開かずのロッカー内にて、隠していたお菓子などをくすねて、ミイラ状になって生き延びていた。バゾクに変装して(見た目はバレバレだが)雄妻と大雑を罠にはめようとした。が、それを利用されてマンションから飛び降りて全身を骨折し、入院する。


  • 鉄拳ジョージ

ゲゲーベンに雇われたボクサーくずれの風来坊。

口がデカく、くちびるも非常に分厚い。ボクサーとしては実力者であるが、ボクシングで大成できなかった理由は「(口が大きすぎて)合う大きさのマウスピースが無かったから」。

口がデカい事を他者から指摘されると激怒する。また、口のデカいもの同士という事で、動物園でカバに対し親近感を覚えていた。

大雑に自慢のパンチを見切られた挙句、古典的な罠に引っかかり敗北し、任務遂行を諦めて修行の旅に出る。


  • ミスター・ナンヤネン

「南蛮帝国」諜報部員養成所の教官。強烈な体臭の持ち主で必殺技は強烈なワキガで、戦場では多くのゲリラの命を奪っている。

かつてはバゾクの教官として、様々な訓練を施してきた。その身体には迷彩塗装を施している。

ワキガのみならず体臭も強烈で、室内を閉め切ったうえでワキガと自身の汗の香りとを漂わせ、大雑を葬ろうとした。しかし雄妻に逆襲され、ごみ袋に入れられてゴミに出される。

が、その臭いはしばらく取れず、マンションの大家および近隣住民からも苦情が殺到。雄妻とバゾクはしばらくの間、旗本家に居候する事になる。


  • バニー・キャラハン

「南蛮帝国」本部から新たに日本へ派遣された監査役で、戦闘力では劇中最強キャラクター。高速で繰り出される蹴りは有川や大雑を敗北させる。見た目は褐色肌の美女。

蹴りのみならず、両手でタイプライターを打ちつつ、両足でコーヒーカップを掴んで飲む、というような芸当も出来る。

更には足で自分の頭を掻いたり、足を使って黒板の高いところにチョークで文字を書く事もできる。

しかし大雑との再戦で、中野式白癬菌のスプレーを足に受け、酷い水虫を患い、それがもとで敗北。さらには南蛮帝国の経営も不安定になった事から退職し、個人的に雄妻と大雑に仕返しするために枕返高校に転入。その際、アパートも雄妻の部屋の隣に引っ越してくる。

水虫はなかなか治らず、毎日靴下を大量に消費するように。また、不良を気取り不良学生たちに因縁を付けられるが、水虫の薬を塗られた事から不良の頭になる。

後に、玉金に付きまとわれる事に。


  • マーキュリー

バニーの愛犬。英国王室犬の血統を持ち、コバヤシ丸よりも頭が良く、微積分が使える。

玉金がバニーの部屋にやってきた際には、ボコられていた。


  • 旗本 鯛窟(はたもと たいくつ)

旗本家の家長。終戦のどさくさで軍用地に勝手に家を建て、家族に対しては先祖代々の土地だと嘘をついていた。普段は年長者である事と元軍人というところから威張り散らしているが、都合が悪くなるとボケ老人の振りをしてごまかしている。


  • 旗本 藤乃(はたもと ふじの)

旗本家の主婦。たけしと健太郎の母。いわゆるのんきな母さんであり、居候を三人住まわせる。雄妻とバゾクの居候を快く受けていたが、二人がマンションに戻る際、バゾクの事が気に入ったらしく、

「バゾクちゃんの代わりに、うちのたけちゃん(たけし)をもっていって下さいな」

「親子関係も変化があった方が刺激があっていいでしょ」

などと発言し、雄妻とたけしから反対され「ううっ、ふたりしていじめる」と涙を流していた。


  • 旗本 健太郎(はたもと けんたろう)

旗本家の長男でたけしの兄。眼鏡に天然パーマが特徴。初回から十七条拳法の実験台となって骨折し、たけしに変装した大雑に寝床に忍び込まれ、騒動に巻き込まれる。


  • ななみ

たけしと同級の友人。天然ボケで全く人を疑うことを知らない。趣味は田舎の祖父母に手紙を出すことだが、必ず後に起こる騒動の前触れになる。


陸軍中野予備校

陸軍中野学校、および同学校生徒の質を向上させるべく、旧日本軍の酢堂綱正少将が設立した予備校。

太平洋戦争終結とともに、中野学校は解体され消滅したが、予備校だけはなぜか残り現在に至っている。

諜報活動に必要な様々な特殊技能の訓練が行われており、「不眠」、「心拍停止」、「骨格変形による変装」、「超人的格闘術」といった常軌を逸した技能を習得させている。

事実かどうかは定かではないが、(外国人に変装した)大雑は、

空飛ぶ戦艦の開発に成功している」

「織田信長などをクローンで復活させ、軍師にしている」

などと口にしている。


  • 十七拳法

かつて聖徳太子が編み出したと言われる拳法で、大雑が習得している。その極意は、

「対象を殴った際、普通の人間は手に痛みが走るが、この拳法では『痛みが来る前に素早く引っ込める』ことで、痛みを感じずに対象を殴れる」

これを用い、大雑は電柱を破壊したが、そのために警察官に逮捕され連れていかれてしまった。


  • 中野式発声方-

大声を放つ特殊技術。大雑はこれを用い、衛星軌道上に浮かぶ攻撃用レーザー衛星を地上へ落としていた。


  • 中野式罵詈雑言

平たく言えば「悪口」。ありとあらゆる様々な悪口雑言を口にする事で、相手の自信を喪失させ、自死に至らせる中野予備校の特殊技術。言葉が分からない普通の野良犬ですら、近くを通りがかって聞いただけで、自ら首を吊り自殺しようとしていた。

雄妻と水班は、この罵詈雑言を互いに三日三晩言い合い続けたが、決着がつかなかった。


  • 反乱事件

過去に、予備校生が上官に対し反乱を起こしたという事件。

雄妻は幼少時だったため、詳細は覚えていなかった。

その首謀者は、雄妻の姉の水班と目されているが、詳細は不明。この事件後、水班は行方をくらまし、雄妻はこのせいで周囲からいじめられていた。


ちなみに反乱事件の詳細は、

「水班がギリギリで提出した課題のレポートに、醤油の染みを付けていたため、不可になり留年」

「それを撤回してくれるようお願いした際、水班は誤って上官を殴り、気絶させてしまった」

「その様子を他の生徒たちに目撃されたが、上官は普段から予備校生たちに嫌われていた」

「良い機会だとばかりに、他の予備校生たちも便乗して集団で上官を殴る」

「その騒ぎが大きくなり、火事も起こり手が付けられなくなる」

「首謀者扱いされた水班は、仙拓鬼、嶺僧虎とともに逃亡」

というものだった。


当初は雄妻が手渡したレポートに染みが付いていたため、水班は妹が染みを付けたものと思われていた。

しかし実のところは、玉金がそれ以前に水班からレポートを借りており、その際に彼が染みをつけていた。

玉金は返却時に雄妻へと手渡しており、雄妻は水班に手渡している。が、水班はそこから、「雄妻が染みを付けた」と誤解してしまっていた。

なお、醤油をこぼした張本人は、赤ん坊の頃の大雑だったりする。


その他

第5巻の発売後、最終巻(第6巻)が出るまでに4年間近くもかかっている。

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