バニッシュト
ばにっしゅと
組織の結成
コヴナント戦争中にアトリオックスらジラルハネイは常に最前線で酷使されアトリオックス個人は戦士としての数々の名誉を得ると同時にコヴナントに対する憎悪を深める。
予言者達から見れば、ジラルハネイは使い潰せる戦力でありアトリオックスは常に同族達を失い続け彼一人だけが基地に帰還する事が多くある戦場でついに彼の怒りと憎悪が爆発、上官と思われるサンヘイリの前で武器を捨てコヴナントの教義を否定した。
彼はその場でサンヘイリにより処刑されるはずがソードを突き立てようとしたサンヘイリからソードを奪い殺害、その場にいた全サンヘイリを敵に回すが彼の戦いに同族達が次々に同調しその場にいたサンヘイリを皆殺しにしたのが全ての始まりである。
戦力の拡大
アトリオックスはコヴナントの施設を強襲して次々に兵器類を強奪する。
ゴーストのような小型の車両から大型機動兵器のスカラベを入手する事に成功し、兵員もジラルハネイの同調者達やアンゴイを集め徐々に拡大を始める。
アトリオックスは自身のカリスマ性と高い人心掌握能力を最大限発揮し続け、ついには種族的に対立していたサンヘイリの傭兵団やレグゴロまで従えるようになる。
サンヘイリはCAS級強襲空母まで持ち込んでおり少数ではあるが戦闘艦艇も保有するに至る。
組織としてのバニッシュト
バニッシュトは基本的に聖都ハイチャリティに対して教義を否定して反旗を翻した勢力である。
軍事組織というより重武装の賊にやや近い。
戦力の拡大に余念が無くアトリオックスの方針から役立つ物を常に奪い取る傾向が強く、コヴナントが崩壊した後はコヴナントでは禁忌とされたフォアランナーの技術を下敷きにした新技術等の開発も行う。
さらには彼らの母星であるドイサックで設計開発したと思われる独自の兵器も保有し、その中にはコヴナント系の戦術を一変させるような画期的な物も存在している。代表格はリーバーと呼ばれる対空ミサイル搭載型ウォーカーで従来のタレットや対空仕様のレイスよりはるかに使い勝手の良い兵器で防空能力が強化され航空兵力に対して大きな脅威となる。
アークでも同様の行動を取り、現地にいたコヴナントとは敵対関係にあった人類すらも獲物として狩り立て、略奪と殺戮を行った。
余談ながら、コヴナントに反旗を翻した同様の組織として2552年頃、アルファヘイローがあった惑星スレッショルドのガスマインにてアービターにより排除された異端者のサンヘイリが率いていた叛乱者が存在した。(このサンヘイリはアトリオックスと違い予言者の嘘を自力で看破したのでなく、アルファヘイロー崩壊後の宙域調査の際に発見されたアルファヘイローのモニターである343ギルティ・スパークからHALO本来の機能等を知りコヴナントに反旗を翻した)
幹部
主にジラルハネイとサンヘイリが幹部として君臨している。
ジラルハネイは基本的には陸戦で指揮を行う事が多いがサンヘイリは戦闘艦艇の指揮運用を任されており地上への支援任務等をこなす。
またアトリオックス自身が指揮を担当する場合元来水と油の関係であるジラルハネイとサンヘイリを同じ戦場で同じ時に同時に展開させ戦闘を行う事すら可能としている。
アトリオックス
バニッシュトの総帥にしてバニッシュトにおける最強の戦士でもある。
ジラルハネイとしては突然変異レベルのカリスマ性と知性を持ちサンヘイリ達すら彼の言葉を真実の言葉であり戦士の言葉として受け止め従っている。
予言者の嘘に散々振り回され現在でも内戦状態にあるサンヘイリ達にしてみれば彼の語る真実の言葉は戦士としての心を動かすほどの力を持っている。
実際に彼の言葉を聞いたあるサンヘイリの近衛兵はもっと早く彼に従うべきであったとすら感じている。
2559年頃アークに到達した際はアークを掌握するため奔走し現地にいた人類を皆殺しいつも通り役立つ物を奪おうとする等ジラルハネイらしい気質もある。(コヴナント所属のジラルハネイは地球での戦闘では核弾頭の確保に勤しんでいたケースがありそこをSPARTANに強襲されたが)
廃墟と化した研究所でSPARTAN-Ⅱ 3名と遭遇し戦闘になるが2531年APEXにおいて十名以上いたであろうサンヘイリの近衛兵達を軽々と殲滅した程の実力を持つSPARTAN-Ⅱレッドチームを単独で圧倒しナイフで刺されようが銃撃されようが全て耐え抜き片手でアーマーごとSPARTANの腕を破壊する等圧倒的な力を見せつけた。
その後はやはり役立つ物を奪えと親衛隊達に命じている。
シップマスター
アトリオックスに賛同して加入したサンヘイリの用兵集団のリーダーと思しきサンヘイリ。個体名は不明。
バニッシュトの母艦であるCAS級強襲空母“エンデュアル・コンヴィクション”の艦長=シップマスター。
ヴォリドゥス
パヴィウム
DLCであるAWAKENING THE NIGHTMAREに登場したジラルハネイの2人組。
身長が小さくクローのついたシールドを左手に持ったいるのがヴォリドゥス、身長が大きく腕部装着型ロッドガンを右手にシールドを左手に装備しているのがパヴィウム。
スピリット・オブ・ファイヤと戦端が開かれてから第一次アーク攻防戦の最中にスリップスペースから突如現れて墜落し、放置されていた聖都ハイチャリティの残骸を調査するようにアトリオックスに命じられた。
ヴォリドゥスはこれ以前にアトリオックスからの命令を守らなかったことがあるらしく、相棒のパヴィウムは今回の任務にも失敗しないよう心配していた。
アークを保全するセンチネルを撃破しながら、エネルギーシールドで隔離されているハイチャリティ墜落現場を目指して進攻した2人だったが、出撃前にアトリオックスに「中に入るな」と命令されていたにもかかわらずヴォリドゥスは命令を無視して、ハイチャリティに踏み入ってしまう。
その結果、ハイチャリティの残骸内部に犇めいていたフラッドを解き放ってしまった。
これによりヴォリドゥスとパヴィウムは、目先の利益に釣られて起こしてしまった命令違反の後始末・・・と言うにはあまりにも危険すぎるフラッドの掃除をすることになってしまう。しかも、アトリオックスにバレれば彼のグラビティ・メイスで頭をぶっ潰されてしまうためアトリオックスのいる本隊に救援を求めることもできない。
自業自得としか言いようがない状況で、彼らは持てる戦力と考え得る対策を用いてフラッドを撃破し続けるが、結局この異変にアトリオックスが気づいてしまい、アトリオックスは激怒、彼が後始末をしに現地にやって来ることになる。
状況は悪化し、解き放たれたフラッドはグレイヴマインドが誕生する寸前となっており、コイツを倒さないと銀河がまた滅亡する状況になってしまうが、その前に彼らがフラッドに飲み込まれることになる。持てる知恵と戦力を叩き付けてプロト・グレイヴマインドを激戦の末に討滅する。
討滅が完了すると同時にアトリオックスが現着し、今回の不祥事の後始末を2人はすることになる。
構成種族
コヴナントに参加していた種族が多いがヤンミーや傭兵気質の強いギグヤーは何故か参加していない。(もしくはアーク派兵に参加していない可能性もある)
構成メンバーの多くは同調者だが中には犯罪者や傭兵も存在する。
組織の性質の影響か狂暴化している者もおり一部では問題となっている。
ジラルハネイ
主要構成種族であり指導者層の多くはジラルハネイである。
陸戦に参加する事が多く持ち前の狂暴性は健在だがアトリオックスの親衛隊等は狡猾さが要求されるためコヴナント戦争で人類と戦いひたすら前線で暴れているだけのイメージとはやや異なる。
またエネルギーシールドの普及率がかなり低くなっているようで親衛隊等の精鋭達しかほぼ装備していないため人類の火炎放射や実弾で容易に殺害されてしまう。
武装は独自開発の実弾兵器が多くジェットパックを支給されている者もいる。
一応仲間となったが相変わらずサンヘイリとの折り合いの悪い者もおり傭兵のわりに気取った連中であると評する者もいるが母艦である強襲空母の防衛には共に参加している。
サンヘイリ
アトリオックスへ忠誠を誓った者達で装備面はコヴナント時代と遜色無く狙撃兵等として戦闘に参加するものや艦艇の運用に集中する者が多いが中にはソードを装備する儀仗兵も存在する。
元々は傭兵部隊だったようだが保有する戦闘艦艇等を持参し長い間艦艇を運用してきた経験があるためバニッシュトにおいては戦闘艦艇の運用はほぼサンヘイリが担当している。
気取った連中と言われる事もあるがサンヘイリは生来の戦士の種族であるそのため同じく戦士であるアトリオックスに同調したのだと思われる。(傭兵団としてはバニッシュトは大口の雇用主とも言えるが)
コヴナントでは散々予言者の嘘に振り回され母星は未だコヴナントの教義を信じる者との内戦状態にあるためフォアランナーに対する敬意すら捨て去った者も少なくない。
アンゴイ
コヴナント軍と変わらない扱いを受けている。
基本的にローコストで大量生産可能なプラズマガンを持たせた使い捨ての歩兵として運用される一応監視役兼指揮官として一名程度のジラルハネイが統括する。
一応そういった扱いを受けても生きてさえいれば母星に帰る事も出来るようで食事に関しても困るような状態でもないらしく意外にも裏切りや脱走を行わなくなっている。(単純に我慢しているだけかもしれないが)
中には異常に狂暴になったアンゴイが存在し近年の母星の方でも多数確認されているようでバニッシュトではやはりコヴナント軍と同じように自爆特攻に用いられ本人たちも派手に吹き飛ぶ事を良しとしている。
ムガ・レグゴロ
元来サンヘイリ以外との交流の無い種族だが何を思ったのかは不明だが多数参加している。
彼らの参加についてはアトリオックス等ごく少数しか理由を知らないらしい。
コヴナント軍同様強力な重装甲歩兵として運用され装備しているキャノンは戦闘車両にすら高い効果を発揮する。
しかしアンゴイ同様原因不明の狂暴化が起きておりジラルハネイすら無用な虐殺行為を防ぐため対策を練る必要に迫られるほどである。
バラゴック
フォアランナーが生み出した人工生命体でありあらゆる物を修理する事が出来るため重宝されるが扱いは制御装置を無理矢理組み込んだ奴隷である。
元々フォアランナー施設の修理も担当していたためアークでの戦いで次々に来る修理依頼を制御装置が無視させるようにしているためバラゴックにとってバニッシュトへの従属は苦痛でしかない。
保有兵器
基本的な戦闘車両(レイスやゴースト)等はコヴナント軍の物と同等品か独自改修した物が多く赤を基調とした独特のエングレーブのような塗装が特徴でジラルハネイとしての性質かアトリオックスや彼の抱えているであろう技術者達の設計と想定される運用目的かは不明だが火力を強化している傾向が強い。
ジラルハネイ主体の組織ということもありチョッパー等も多数保有し偵察や強襲目的で運用している。
さらにジラルハネイの母星であるドイサックの工房で設計開発されたと思われる新兵器も多数保有しており中にはアークでの戦いにおいて人類側の戦略を転換させるような物まで存在する。
チョッパー
コヴナント軍のジラルハネイでも運用していた軽車両でゴーストとも併用される。
オートキャノンを装備しており火力はあるものの発射機の配置のせいで正面にしか撃てずゴーストと比較すると機動性は劣るしやや小回りが利かない。
車両自体はあまり装甲化されておらず頑丈ではないが体当たり攻撃は非常に強力で歩兵達にとっては脅威になりうる殺傷力を持つ。
ローカスト
コヴナント系車両としては珍しい拠点攻撃用の陸上兵器フォーカスキャノンを装備した戦闘車両だが中身はスカラベと同じくレグゴロで構成される生物兵器に近い。
実をいうとこの車両元々兵器でなく掘削作業等に用いる重機だったようでそれを兵器に転用したらしくコヴナントでもあまり確認されていないが装備化はされている。
キャノンはレイスのプラズマ砲と異なり断続的に照射を続けターゲットを焼き払う。
特に軍事拠点の破壊や戦闘車両への攻撃に有効でエネルギーシールドも装備されている。
しかしエネルギーシールドを破壊されると本体の装甲は非常に薄いため容易に破壊されてしまう。(元々が重機のため過度の装甲化は難しい可能性もある)
リーバー
生産地が不明とされている対空ウォーカーだが車体には製造工場のマークらしき物が確認されておりドイサックにて設計開発されバニッシュトが独自に運用している兵器と思われる。
コヴナントの技術系統の兵器ではなく対空用の兵器はミサイルに似た物を搭載し一応対地用の兵器も装備している。
この兵器のせいでスピリット・オブ・ファイヤ所属の航空戦力は戦略の転換を迫られるほどの影響を見せた。
またバニッシュトにおいても対空兵器はリーバーのみでも問題無いと判断され従来の対空兵器の退役が行われている。
マローダー
ジラルハネイの母星ドイサックでかつて発生した大戦時に運用されていた陸上用のホバークラフト系車両をモデルにして開発された中型の戦車で比較的高速で動くことが可能。
ジラルハネイの独自兵器としては珍しくプラズマ兵器を装備しミサイルも装備されており一応対空戦闘も可能装甲をモジュラー化する事でさらなる重装甲化も可能としている。
またステルス機能の追加も可能で一部の部隊が運用している。
ブリスターバック
バニッシュトが独自開発した最新兵器で主に面制圧を行う。
砲兵の装備する兵器としては革命的な代物で可変機構を備え脚部を折りたたみ飛行する事が可能。
飛行できるため重量のある自走砲等に付きまとう悪路を乗り越えて展開(下手をすると泥等で動けなくなり装甲回収車等を呼ぶ必要すらある場合によっては爆砕すらされる。)しなければならないのに対して山だろうが谷だろうが崖だろうが問題なく乗り越え道が無くともブリスターバックが着陸できるだけの広さがあれば高速で展開し砲撃する事を可能としている。
武装は地上展開時は人類でも運用するようなミサイルをVLSで大量に同時発射し面制圧攻撃を行い飛行形態の場合はプラズマ兵器を用いる。
ただ変形には多少時間が必要なのと近接防御用の兵器をどうも搭載するスペースが無く防空能力も無いので防空と陸上戦力の接近時は護衛に頼らなければならない。
バンシー
コヴナントでも大量運用された軽戦闘機で反重力テクノロジーにて飛行し宇宙用と地上用が存在する。
バニッシュトはセラフを保有していないまたはアーク侵攻に用いていないため基本的に航空兵器はこれと無理をすればブリスターバックのみとなる。
燃料ロッドガンとプラズマキャノンの威力は健在でソフトスキンの車両程度であれば簡単に破壊できるが流石に対艦戦闘に用いるには無理があるがスピリット・オブ・ファイヤとの戦闘ではセラフが無いため使用している。
スピリット降下艇
コヴナントでも運用されている降下艇だがファントムが登場した事もあり第一線から退いていたがバニッシュトでは貴重な航空戦力の一つとして運用している。
運用方法も目的もコヴナントと変化が無いが比較的脆くエネルギーシールドも装備していない。
スカラベ
コヴナントでも運用される最大級の陸上兵器で中身はローカスト同様レグゴロで構成されている。
バニッシュトにおいてもこの兵器は極めて強力な兵器として運用されアークでの戦闘等では重要な局面で投入されている。
他の兵器同様バニッシュトは兵器周りに改造を施しており特に主砲の破壊力を強化している。
代償として中身のレグゴロへの負荷が強くなっているがアトリオックスはそれを許容している。
保有する戦闘艦艇
艦艇の数自体は少ないが最低2隻(うち1隻は艦種不明)は保有している模様。
アークへの派兵ではCAS級強襲空母のみ運用しているようでスピリット・オブ・ファイヤとの戦闘もCAS級のみが行っている。
CAS級強襲空母
コヴナント海軍でも多数運用されていた空母なのだがプラズマ魚雷やパルスレーザーとエネルギープロジェクターを装備しており対艦戦闘と対地攻撃も可能な万能な艦艇。
船体も5000mオーバーと非常に巨大なため大兵力を搭載する事が可能で重力リフトを使えば船から直接地上へ物資類や兵員等も送れる。
エネルギーシールドもコヴナント海軍の物と同様装備されており極めて堅牢な船だが人類が保有するスーパーM.A.Cガン(軌道防衛グリッドで用いる超大型M.A.Cガン)の直撃には耐えられないためコヴナントのCAS級は地球侵攻時に少なくない犠牲を出している。
バニッシュトが保有するCAS級は“エンデュリアル・コンヴィクション”と呼ばれている。
スピリット・オブ・ファイヤとの戦闘ではセラフが無いためバンシーでの対艦戦闘を行わざるを得ず非常に苦労していたようだが一応スピリット・オブ・ファイヤの武装を破壊する等して優勢だったが地上部隊が奇策として粒子ビーム砲で船のシールドを延々と炙り続け徐々にシールドが破壊される。
当然対処のためバニッシュトも戦闘車両や歩兵部隊を向かわせるもすべて撃退されシールドは消失、さらに重力リフトまで人類に奪われるという事態に直面し対処が遅れついにSPARTANの侵入を許してしまう。
このSPARTANはハンドガンで次々とサンヘイリを射殺しAIを船へ仕込み現場へ到着した警備のジラルハネイ達は排除を試みるがSPARTANの圧倒的な戦闘力の前に歯が立たずAIが船の兵器コントロールを奪った頃には死体の山を築いていた。
その後AIはあえて地上をエネルギープロジェクターで爆撃させアークの警備を担当するセンチネル達を刺激し圧倒的な物量の前にエンデュアリングコンヴィクションはズタズタに引き裂かれて破壊された。
空母を失ったバニッシュトは大幅な戦略の見直しを迫られることとなる。