神は人の行いに激怒し
God is angry on your doing
火の洪水をもたらすことを欲している
and want to bring fire flood
概要
インフェルノイドは遊戯王OCGの特殊カテゴリーの名称。
所属するモンスターは全て炎属性・悪魔族であり、原則として特殊な召喚条件を有している。
解説
遊戯王OCGのカテゴリーの一種で、第九期のノーマルブースター第三弾「シークレット・オブ・エボリューション(THE SECRET OF EVOLUTION)」にて初登場した。
所属するモンスターは全て炎属性・悪魔族であり、メインデッキに入る「インフェルノイド」モンスターは「デカトロン」を除き全て「特殊召喚モンスター(通常召喚できないモンスター)」に分類される。
現在レベル11以下の全てのレベルに存在し、このうち上級・最上級は全て異なるレベルを持つ。
クリフォート同様”邪悪の樹”「クリフォト」に由来するテーマであり、それぞれの名前も各クリファの悪徳に当てられた悪魔の名前から、レベルを対応するクリファの番号を元としている。
なお、英語版においては悪魔の名前を使用できないため、各々のレベルの数字を各国の言語で表現したものが名前となっており、一種のコードナンバーといった趣となっている。
また、エネルギーポットと思しき真空管も、それぞれ対応するクリファを象徴する色に発光している。
共通の効果
特殊召喚モンスターのインフェルノイドは、それぞれの固有の効果である①効果の他に召喚条件である効果外テキストを共有しており、また自分のモンスター1体をリリースすることで発動するフリーチェーンの②効果を持つ。
召喚条件を示す効果外テキストは以下の物。フリーチェーン効果については後述する。
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が8以下の時、
自分の手札、墓地から「インフェルノイド」モンスターを○(1~3)体除外した場合のみ手札(・墓地)から特殊召喚できる。
詳細
インフェルノイド全種について、以下の法則にしたがって簡単に紹介する。
レベル:名前
・固有効果
・相当する番号、悪徳、悪魔
・真空管の色と対応するクリフォート
下級インフェルノイド
レベル1~4のインフェルノイド。
召喚コストとして除外する「インフェルノイド」は1枚で、こちらは手札からしか特殊召喚できない。
②効果は相手ターン限定の墓地除外。
基本的に、上級以上が場に出るのを補佐する尖兵的存在として認知されている。
- レベル1:インフェルノイド・シャイターン
・相手のセットされたカードをデッキバウンス。この時対象のカードを相手は発動できない。
・1i。バチカル(無神論)のサタン。
・白色。「アポクリフォート・カーネル」
- レベル2:インフェルノイド・ベルゼブル
・相手の表側表示のカードを手札にバウンス。
・2i。エーイーリー(愚鈍)のベルゼブル。
・灰色。「クリフォート・エイリアス」
- レベル3:インフェルノイド・ルキフグス
・1ターンに1度、攻撃できなくなる代わりに相手モンスター1体を破壊する。
・3i。シェリダー(拒絶)のルキフグス。
・黒色。「クリフォート・シェル」
- レベル4:インフェルノイド・アスタロス
・1ターンに1度、攻撃できなくなる代わりに相手の魔法・罠1枚を破壊する。
・4i。アディシェス(無感動)のアスタロス。
・青色。「クリフォート・ディスク」
上級・最上級インフェルノイド
レベル5~8のインフェルノイド。
召喚コストとして除外する「インフェルノイド」は2枚で、手札・墓地のどちらからでも特殊召喚できる。OCGのルールにおける最上級である7・8も条件が2枚なのが特徴的である。
②効果は自分・相手ターンどちらでも使用可能な墓地除外効果。
「ヴァエル」「アドラメレク」の二大インフェルノイドを擁し、高い火力を持つ。総じてデッキとしての【インフェルノイド】の主軸となりやすい。また、インフェルノイドの召喚条件のレベル制限は「8以下」の為、こちらは最大各2体まで並べることができる他、エクシーズ、リンクすることで後続を呼ぶ余裕もできる。
- レベル5:インフェルノイド・アシュメダイ
・モンスターへの攻撃でダメージを与えた場合に1枚ハンデスを行う。
・5i。アクゼリュス(残酷)のアシュメダイ。
・赤色。「クリフォート・アクセス」
- レベル6:インフェルノイド・ベルフェゴル
・攻撃宣言時、相手に自身のエクストラからカードを1枚選ばせ除外。
・6i。カイツール(醜悪)のベルフェゴル。
・黄色。「クリフォート・ツール」
- レベル7:インフェルノイド・ヴァエル
・モンスターを攻撃したバトルフェイズ終了時、フィールドのカード1枚を対象に取らず除外する。
・7i。ツァーカブ(色欲)のヴァエル。
・緑色。「クリフォート・アーカイブ」
- レベル8:インフェルノイド・アドラメレク
・モンスターを戦闘破壊し墓地へ送った時、もう一度続けて攻撃できる。
・8i。ケムダー(貪欲)のアドラメレク。
・橙色。「クリフォート・ゲノム」
最上級インフェルノイド
レベル9、10のインフェルノイド。
召喚コスト3体という重い召喚条件で、こちらも手札・墓地のどちらからでも特殊召喚可能。
①効果及び②効果の両方に独自の物を持つが、2体はそれぞれ対応範囲が対になっている。
コスト3枚と重いカードではあるものの、効果が強力な事や下記のティエラの専用融合素材でもあるので複数枚採用されることも多い。
- レベル9:インフェルノイド・リリス
・特殊召喚成功時、表側「煉獄」魔法・罠以外のカードを全て破壊する。
・他のモンスターの効果が発動した時、自軍1体をリリースすることでその発動を無効にして除外する。
・9i。アィーアツブス(不安定)のリリス。
・紫色。「クリフォート・アセンブラ」
- レベル10:インフェルノイド・ネヘモス
・特殊召喚成功時、自身以外のモンスターを全て破壊。
・魔法・罠の効果が発動した時、自軍1体をリリースすることでその発動を無効にして除外する。
・10i。キムラヌート(物質主義)のナヘマー。
・虹色。「アポクリフォート・キラー」
特殊召喚モンスター以外のインフェルノイド
ブースター第五弾「クラッシュ・オブ・リベリオン(CRASH OF REBELLIONS)」でついに登場した特殊召喚モンスターではない「インフェルノイド」。
通常召喚可能なレベル1の「デカトロン」、融合モンスターの「イヴィル」「ティエラ」、リンクモンスターの「フラッド」が存在する。
- レベル1:インフェルノイド・デカトロン
・召喚・特殊召喚に成功したとき、デッキから「デカトロン」以外のインフェルノイドを墓地に送ることで、そのレベルの数値だけ自身のレベルを上昇し、同じ名前と効果を得る。
・チューナー
インフェルノイドの革命児。このカードの登場により完全純構築が可能になった。
盤面の状況に応じて様々なインフェルノイドの効果に変化させる事が出来る上に好きなインフェルノイドを墓地に用意することができるのは非常に強力。
また召喚でも特殊召喚でも発動する上に1ターンに1度などの制約も無いため、なんらかの手段で何度も場に出す事が出来ればその数だけ墓地を増やす事ができる。スネークアイはレベル1・炎属性モンスターを強力にサポートするカードが多数含まれるためそれらと組み合わせるのも良い。
- レベル1:インフェルノイド・イヴィル
・融合モンスター(「インフェルノイド」モンスター2体)
・融合召喚成功時、自分の墓地の「インフェルノイド」1体を除外することでそのレベルと同じ数だけデッキから「インフェルノイド」モンスターを墓地に送る。(同名カードは1枚まで)
・墓地に送られるか除外された時、デッキから「煉獄」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
融合素材は「インフェルノイド」×2とかなり緩く、また簡易融合で出す事も出来るため比較的出しやすい融合モンスター。
外部の墓地肥やしカードを使わずにインフェルノイドを大量に墓地肥やしでき、さらに「煉獄」魔法・罠のサーチも行える。
レベルも1なのでリンクリボーで簡単に墓地送り出来る他、後続のインフェルノイドに繋ぎやすいため率先して出したいカードとなっており、初動率を上げるためにダーク・フュージョン、合成獣融合などの手札融合が可能な魔法カードが採用されるようになった。
- レベル11:インフェルノイド・ティエラ
・融合モンスター(「ネヘモス」+「リリス」+「インフェルノイド」モンスター1体以上)
・融合召喚成功時、融合素材の種類の数に応じて、
「エクストラデッキのカード3枚を墓地に送る」「デッキの上から3枚を墓地に送る」「除外されているカード3枚を墓地に戻す」「手札を全て捨てる」
の4つの効果を自分と相手の両方に適用する。
最低でも特定のインフェルノイド2体+1体以上と非常に重い素材条件となっているので、煉獄の虚無の効果によるデッキ融合するのが一般的。
効果適用後は耐性も何もない準バニラであるが、3400という高い打点を持つ。また、一度正規に融合召喚すれば何度でも蘇生できる。
ただし自身のレベルが11であるため、何らかの対策をしないと後続のインフェルノイドを呼ぶことができない。
自身の効果でEXデッキから落とした旧神ヌトスでこのカードを破壊するといった退かし方をされる事もある。
- リンク4:インフェルノイド・フラッド
・リンクモンスター(「インフェルノイド」モンスターを含むモンスター2体以上)
・リンクマーカーは上/左下/下/右下
・相手がモンスターを特殊召喚する際に、自分フィールドのモンスター1体をリリースする事でその特殊召喚を無効にして除外できる。
・自分の墓地のカードが除外された際に、フィールドのカード1枚を除外できる。
・リンク召喚された自身が破壊されると、デッキから「インフェルノイド」1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。
相手ターン中にも使える強力な妨害効果を持つインフェルノイドの切り札的存在。レベルを持たないリンクモンスターである点もインフェルノイドの性質とよく噛み合っている。
素材にはインフェルノイドを1体以上含んでいれば良い為、賜炎の咎姫と合わせて作るのが基本。
「煉獄」魔法・罠カード
「煉獄」と名のつく魔法・罠のカテゴリー。
一部のカードを除いてほとんどはインフェルノイドをサポートする。
詳細は煉獄を参照。
戦術
様々な手段で墓地を(場合によっては手札も)充実させ、それらのリソースをもとに次々と大型のインフェルノイドを呼び出してはその制圧力で相手を圧殺する。
殆どのインフェルノイドが共通して持っているフリーチェーンの墓地除外効果が、そのテキスト以上に強く様々なデッキに刺さるため潜在的なポテンシャルはかなり高い。
墓地を高速で増やす手段としては、「イヴィル」で高レベルのモンスターを除外する以外にも「通常召喚不可のモンスター」ばかりで構成されたテーマという特徴を活かして「名推理」や「モンスターゲート」を使用したり(いわゆる【推理ゲート】型)、大量の墓地肥しが行える可能性のある「隣の芝刈り」を使った【芝刈りノイド】も多い。
一方で特殊召喚封じや除外封じにめっぽう弱く、かといって墓地利用を封じられても機能停止に陥りやすいため、要対策となるメタ戦術がかなり多い。
特殊召喚・除外メタに関しては「デカトロン」の登場で対策が可能になったが、墓地利用封じに関してはカテゴリー単体での確実な対応はいまだ困難。
「イヴィル」以外の大量墓地肥しカードが軒並みランダム性が強い点や、その成果によって極端に盤面が左右されるギャンブル性から「坊主捲り」、
墓地肥しの主流である魔法カードの名称と、相性の良い「妖精伝姫-シラユキ」の存在から「切り落とした左腕で芝を刈りながら名推理でシラユキに奉仕する芸人集団」
などなど、妙にバリエーション豊富かつシュールな渾名を逐一拝命しているテーマでもある。
環境での変遷
初登場時はユーザーの注目度こそ高かったが、そこまで実力があるわけでもなく、一部の物好きな決闘者が細々と「推理ゲート」をしている程度だった。
「クロスオーバー・ソウルズ」発売後も構築に大きな変化はなかったが、4月の制限改訂で上位を独占していた「シャドール」「影霊衣」「クリフォート」に軒並み規制のメスが入ったこと、さらに「モンスターゲート」が完全に制限解除されたことで一気に勢力を拡大。
「クラッシュ・オブ・リベリオン」の「デカトロン」登場でついにトップメタに躍り出る、かに思われたが、規制を受けてなお勢力を保持する「影霊衣」と「クリフォート」、さらには異常なアドバンテージ生成能力を有する「クラウンブレード」の台頭に押される。さらにトドメとして、「応戦するG」「星輝士 セイクリッド・ダイヤ」などの容易に推理ゲートを完全停止させうるカードが増えてきたことから勢力が衰退。
同じく環境から失脚した「シャドール」と共に、中堅以下と環境クラスとを分ける壁として、稀に結果を残したりするといった立ち位置に居た。
2015年末に登場した「左腕の代償」により、比較的緩い条件で推理ゲートのサーチが行えるようになったため環境入り。位置的には3強のEM竜剣士、帝王、彼岸の一つ下位のともされている。
2015年後半の制限改訂で、ノーデンやプトレマイオスと言った強カードが禁止、E・HEROや影霊衣等の強デッキ群に大きな制限が入っていたのもその要因と言えるかもしれない。
推理ゲート以外にも煉獄の虚無などの重要な魔法カードは多く存在しているために「左腕の代償」の重要度が高く、この頃からインフェルノイド=左腕を飛ばしまくるデッキとされることも多くなった。
しかしながら、2016年4月にてインフェルノイドの心臓とも言える「モンスターゲート」「名推理」が共に制限入りとなってしまう。
大量墓地肥やしカードが左腕の代償を含めても9枚→5枚と大きく安定感が落ちてしまい、環境からは完全に退いたものの、煉獄型の最適化や新たにライトロードなどと手を組むなどの工夫を凝らし、時たま大会上位に名を残す程度にはしぶとく居座った。その光景から、「推理ゲートはやはり許されないな」と思う決闘者も多くいたとか。
そして大転換期となったのが半年後の2016年10月。「モンスターゲート」が準制限に復帰したのみならず、新たな大量墓地肥し魔法カード「隣の芝刈り」を獲得。デッキ枚数を増やすことで考えるのも馬鹿らしいレベルで墓地を増やすことが可能になり、以前よりも展開速度とスペアの左腕の重要度が上昇した。
そしてさらに、このデッキも通称「十二王」の宿命からは逃れられず、新たなエクシーズテーマ「十二獣」と提携。安定した墓地肥し効果を持つ「武神帝ーカグツチ」が使いやすくなったこともありデッキパワーが格段に上昇。続く2017年1月に環境上位のライバルが軒並み弱体化を受けたためについにトップメタに躍り出る。
しかし「マキシマム・クライシス」にて手札誘発アイドルの新鋭「灰流うらら」が登場したことで状況が一変。「デッキから直接」の一切を封じるこのカードの効果と、その有用性からあらゆるデッキに搭載されるようになったために瞬く間に失権する。
デッキの地力は変わっていないため活躍の幅は見込める物の、「真竜」などより安定して強固な布陣を構築するテーマの席巻により再び中堅の壁としての位置に収まった。
その後、2017年3月より施行された新マスタールールでエクストラデッキに依存するデッキ・テーマがほぼ壊滅したことと、合わせてレベル・ランクを持たない(=インフェルノイドの召喚制限に一切かかわらない)「リンクモンスター」の登場により今後の活躍に期待と怖れが持たれている。
2018年突入までは、このカテゴリーに負けず劣らずのリンクとの相性の良さを発揮した植物族主体デッキや、登場前の予想に反して凄まじい連続バーン能力を抱えていたトリックスターなどがいたため、一強とまではいかなかったが、侮れない戦果を挙げた。
2023年にはTERMINAL WORLDにてテーマ内での大量墓地肥やしが可能なイヴィル、専用手札抹殺と除外から最大11枚戻せる熾動する煉獄、妨害効果持ちの大型リンクモンスターのフラッドなど非常に強力や効果を持った新規カードが追加された。同時期の炎属性強化の恩恵もまとめて受けており、大会でも再び見かけるデッキとなった。
設定とストーリー
遥かな時間、「ナチュルの神星樹」に「クリフォート」と共に封印されてきた煉獄の使者たち。その体には過去のモンスターたちが囚われているという・・・。
--Vジャンプの紹介文より
封印より解放され、「クリフォート」から現れた「火の洪水」。
その体に持つ真空管はいわばエネルギーポットであり、その中に過去のモンスターを捕えその魂を原動力に活動する「煉獄の使者」である。
元はある破壊神が創星神によって十の欠片に分割封印されたもの。
永い間神星樹の”qliphoto”システムの番人である「クリフォート」内部に封じられていたが、「ミドラーシュ」のハッキングにより復活。「シャド-ル」に囚われていた魂をエネルギーとして駆動し、真なる復活の為、障害となる地上の全存在を煉獄の炎の洪水に沈めんと活動を開始した。
死闘と乱戦の末煉獄の軍勢は敗れたが、第九位「リリス」が連合軍の残党狩りから落ち延び、仲間の真空管を回収し、さらに「煉獄の落とし穴」より「氷結界の三龍」を吸収。かつて世界を亡ぼしかけたほどのその力を我が物とすると、その力によって凍結封印されていた「エルシャドール・ネフィリム」を取り込み、「エルシャドール・アノマリリス」となる。
プトレマイオスより放たれた「ドラグニティの神槍」でアノマリリスはバラバラに砕け散るが、リリスの頭部は「デカトロン」として独立。10の真空管を以って神星樹に対峙し、ついに本体たる「tierra」を起動することに成功、「インフェルノイド・ティエラ」へと至る。
しかし全能の神へと至るにはまだ足りない。ネフィリムの中の「ジェムナイト・ラピス」、そして10機のクリフォートを喰らいつくしてその身に取り込み、”創造”と”破壊”、二つの神の力を完全に己が物とした。
かつてsophiaと世界を二分した大いなる存在、古の破壊神「創星神tierra」の再臨である。
関連タグ
デュエルターミナル(インフェルノイドはこのターミナルのストーリー、いわゆる「DT世界」の後日談に相当するテーマの1つ)
クリフォート(インフェルノイドを収容していたシステムの番人)
セフィラ(影霊衣 霊獣 竜星 テラナイト)(DT世界の原住民およびその協力者の勢力)
シャドール(封印を解放するための駒であり、駆動のためのエネルギー源。)
創星神sophia(宿敵)
征竜 (その特殊な召喚方法から、「新しい形の征竜」と呼ばれることも)