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油冷

ゆれい

エンジンなどの冷却方法の一つ。スズキ製のオートバイに積極的に採用されたため、これを描いた作品が殆ど。

油冷とは、エンジンなどを冷却する際にオイルなどを放熱器に循環させて冷却させる冷却方法。

スズキ製のオートバイに積極的に採用された。

概要

エンジンの冷却の問題は、長年技術者を悩ませてきた問題の一つである。

一般的に、空気をエンジン本体に当てて冷やす空冷と、エンジン内部に水を循環させて熱された水をラジエーターで放熱させ再びエンジンへと戻す水冷の2種類がある。空冷はよほど厳しい条件でない限りトラブルが起きづらいが冷却能力が低いためある程度以上の性能向上は難しく、逆に水冷はよく冷えるのだが高コストで設計・部品の品質・整備の三点が欠けるとまるで使い物にならなくなる。

油冷は、エンジン内部の各所に普遍的に存在するエンジンオイルに熱を吸収させて、オイルクーラーで放熱するもので、冷却作用に限った見方をすれば本質的には水冷エンジンの冷却水をオイルに替えただけである。

総じて、エンジン内部の液体が1種類で済むためトラブルが少なく設計次第では小型軽量に仕上がり、なおかつ空冷より高い冷却効果が期待できるとされた。

また、「オイルを冷却媒体として使用する」という前提で設計できるため、シリンダーやピストンの裏といった高温になりがちな部位に積極的に噴射してこれらを冷却することも可能である。つまり、エンジンオイルは冷却と潤滑の双方の働きが求められるため単に空冷エンジンからフィンをそぎ落とすだけでは完成せず、「エンジン冷却用のオイル系統」なども設ける必要があった。


特に欠点がないように見える油冷だが、実際には水に比べるとエンジンオイルは比熱が低いため冷却効率が低く、また温度管理が難しくなる傾向があるという。

エンジンオイルを循環させることが前提の冷却方法であるため、当然4サイクルエンジンのみに使われ、エンジンオイルを最終的に燃焼させるタイプの2サイクルエンジンには使用されない。


スズキでは、SACS(Suzuki Advanced Cooling System)と呼んで1980年代以降のオートバイに積極的に採用された。

現在では先に述べた温度管理の問題が環境規制の達成を難しくしているため日本国内では水冷モデルが主流である。


一方で、空冷エンジンをある程度以上性能を向上させると必然的に油冷となる、という考え方もある。

例えば、有名どころではポルシェ911の空冷モデルがそれで、エンジンフードを開けると大型のファンがあるしエンジンを降ろせばシリンダーには細かいフィンが刻まれているという具合にれっきとした空冷エンジンではある。しかしながら、オイル系統はオイルパンを持たないドライサンプ式で、エンジンに10L前後のオイルを循環させてオイルクーラーやリザーバータンクで冷ますというもので、実際はオイル系統での冷却効果もかなりの比率に上るという。


広義にはSR-71のように燃料で機体を冷やすことをいう

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