概要
阪急電鉄の子会社で、兵庫県川西市の川西能勢口駅と大阪府豊能郡豊能町の妙見口駅を結ぶ路線を中心に運行する、大阪圏の通勤路線である。通称:のせでん(能勢電)
現在の鉄道線(妙見線・日生線)の車両はすべて阪急のお下がりで、一時期は独自のカラー(コーヒー色、フルーツ牛乳とも言われた)の車両を走らせていたが、現在では阪急と同じマルーン色に統一されており、ぱっと見や乗っただけでは阪急電鉄と区別がつかない。
能勢電鉄の能勢は能勢妙見山のこと。能勢妙見山への参拝輸送を目的として開業されたもので、大阪府豊能郡能勢町には路線はない。能勢電鉄の山下・妙見口・日生中央の各駅とJRの亀岡駅などが同町の最寄り駅となっている。
駅は、兵庫県川西市・川辺郡猪名川町と大阪府豊能郡豊能町にあり、路線は大阪府池田市を僅かに通る。
日中は全線で10分間隔で運行され、ラッシュ時には阪急と乗り入れる特急「日生エクスプレス」が走っており(車両はすべて阪急)、そのため、主要駅は8両まで停車可能となっており、能勢電鉄所有車両の年数はともかく(阪急時代から合わせて、走り出して半世紀以上の車両も存在する)、中小私鉄とは言えない施設を持っている。
路線
2013年12月21日に鉄道線(妙見線・日生線)にナンバリングが実施された。NoseのNS
- 妙見線
川西能勢口-妙見口間。
開業以来の本線筋だが、山下以北は単線で、日生線の開業以降はこちらが支線のようになっている(川西能勢口からの列車もある。昼間時間帯は2本に1本)。
妙見口駅から徒歩かバスで妙見の森ケーブル黒川駅に連絡している。
かつて川西国鉄前駅-川西能勢口駅間が存在したが、1981年に廃止。1両による運行で、ラッシュ時のみの運転されていた。
- 日生線
山下-日生中央間。
1978年開業の比較的新しい路線、阪急梅田駅からの列車も乗り入れるなど、山下以北はこちらが中心となっている。途中駅はないが、一庫地区に新駅が計画されている。
- 妙見の森ケーブル(鋼索線)
黒川-ケーブル山上間。
妙見鋼索鉄道の下部線(ケーブル)として開業し不要不急線となり休止、1960年に能勢電鉄により再開業した。
レール幅が標準軌(1435mm)で全国で妙見の森ケーブルと伊豆箱根鉄道十国峠ケーブルの2社しかない、珍しいものとなっている。
妙見線妙見口駅から黒川駅は離れており、徒歩か阪急バスでの連絡となっている。バスでは約5分、徒歩では約20分、府県境まで上り坂。
- 妙見の森リフト(索道線)
ふれあい広場-妙見山間。
妙見鋼索鉄道の上部線(ケーブル)として開業し不要不急線となり休止、1960年に能勢電鉄によりリフトでの再開業となった。
上部線では途中カーブがあったがリフトではカーブを曲がれないため、カーブになる部分にふれあい広場駅を設置しそこまでとなった。
そのため、ケーブル山上駅からふれあい広場駅の間は徒歩連絡となっている。上り坂約5分。
妙見山駅から能勢妙見山の鳥居までは徒歩5分ほど。
上部線の機材が伊豆箱根鉄道十国峠ケーブルに再利用されている。
- 駅一覧
妙見線 | 川西能勢口-絹延橋-滝山-鶯の森-鼓滝-多田-平野-一の鳥居-畦野-山下-笹部-光風台-ときわ台-妙見口 |
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日生線 | 山下-日生中央 |
鋼索線 | 黒川-ケーブル山上 |
索道線 | ふれあい広場-妙見山 |
ナンバリングは、妙見線がNS01(川西能勢口)-NS14(妙見口)、日生線日生中央がNS21。川西能勢口には阪急のHK50も付けられている
車両
歴代でも自社製造車両が非常に少なく、歴代のほぼすべてが阪急の中古車両となっている。1500系導入以前は、規格の小さい、中型・小型車両で占められていた。
現有車両
- 1500系(元阪急2100系)
1983年に能勢電鉄で導入した初の冷房車であり、大型車(19メートル)。2両1編成のみ前面が3100系と同様のものとなっている。
導入時の塗装はマルーンとクリーム。
- 1700系(元阪急2000系)
1990年に能勢電鉄で導入した車両。種車は古いので1960年、新しいものでも1962年で、既に半世紀走ってることになる。2004年に1編成が廃車。
導入時の塗装はオレンジとグリーン。
- 3100系(元阪急3100系)
1997年に能勢電鉄で導入した車両で、1編成のみの存在。前面の標識灯を移設し周りに銀帯が設置され、内装は白系にブルーの座席と阪急時代とは大きく異なる。
導入時の塗装はクリームとオレンジ。
- ケーブル用車両
現在の車両はケーブル再開業時に導入された車両で2両あり、それぞれ塗装が異なり愛称もつけられている。
1号車がミントグリーンで「ほほえみ」、2号車がマーマレードで「ときめき」になっている。
- リフト用座席
一人用で茶色、屋根は緑に塗装されている。
過去の車両
- 610系(元阪急610系)
上記の大型車導入前の主力車両。元阪急の最後の現役釣り掛け車両ともなった。
塗装はマルーン
- 1000系(元阪急1010系)
製造は1500系の前だが、1500系の導入後に入線した。2001年廃車。
導入時の塗装はマルーンとクリーム。
- 50型
かつて存在した川西国鉄前 - 川西能勢口間で運行。1両で運行。最後の能勢電自社製造車両。塗装はクリームとブルー。
- 1型
能勢電鉄開業時(1913年)の車両。塗装はグリーンブルー。唐草模様がデザインされていた。1両の車体の半分が阪急電鉄正雀工場で保存されている。
車両の塗装
- 鉄道線
歴代の多くの車両が阪急と同色の「マルーン」
現在の車両(1500系)は「マルーンとクリーム」→「オレンジとグリーン」→「クリームとオレンジ」→「マルーン」とかわった。
また、1500系と1700系の一部(7編成)では「オレンジとグリーン」と「クリームとオレンジ」の間に試験塗装で各編成で異なる7種類の塗装で登場した。
2008年には創立100周年記念で「マルーンとクリーム」と「クリームとオレンジ」が2編成4両に復刻塗装された
2013年には開業100周年記念で50型の塗装「クリームとブルー」・1型の塗装「グリーンブルーに窓下に金色の唐草模様」が2編成4両に復刻塗装された
- 妙見の森ケーブル
2014年の冬季運休からの再開時まで「ほほえみ」がイエロー系、「ときめき」がピンク系だった。
1993年までは共通したオレンジとクリームの塗装で車両の愛称も無かった。
- 妙見の森リフト
2014年の冬季運休からの再開時までは黄色、屋根はグリーン赤、青、黄色が順番に塗装されていた。
種別
- 特急日生エクスプレス
平日ラッシュ時のみ運行。梅田駅-日生中央駅間。阪急6000系・8000系車両で運行。朝は梅田行、夕方は日生中央行が走っている。
阪急が春と秋に実施する各地と京都・嵐山を結ぶ臨時列車を運行する土休日に梅田行きが2本臨時運行され、十三駅で1本目が梅田発京都・河原町行き快速特急「京とれいん」に、2本目が高速神戸発嵐山行き直通特急「あたご」と連絡する。
また、春に沿線でゴルフトーナメントが行われる時の週末に日生中央行きが朝に運行される。
停車駅:日生中央-山下-畦野-平野-川西能勢口-池田-石橋-十三-梅田(川西能勢口-梅田間は阪急電鉄宝塚本線)
- 妙見急行
平日、土曜に運行。妙見口駅-川西能勢口駅間。能勢電鉄車両で運行。朝ラッシュ時、川西能勢口行のみ運行。
停車駅:妙見口-平野間の各駅と川西能勢口
- 日生急行
土曜に運行。日生中央駅-川西能勢口駅間。能勢電鉄車両で運行。朝ラッシュ時、川西能勢口行のみ運行。
土曜日は日生エクスプレスが運行しないため、その代わりとなっている。
停車駅:日生中央-山下-畦野-平野-川西能勢口(能勢電鉄線内の日生エクスプレスと同じ)
日中は妙見口駅・日生中央駅-川西能勢口駅間と山下駅でそれぞれと接続する区間列車が存在する。日生中央行区間列車は山下駅で折り返す際、乗客を乗せたまま川西能勢口方面へ向かい本線上でスイッチバックする。
この路線図では阪急宝塚線も含む