概要
犬神とは、狐憑き、狐持ちなどとともに、西日本に最も広く分布する犬霊の憑き物(つきもの)。
呪術としての犬神
犬を首だけ出して土に埋め、その犬から届かぬギリギリのところに食料を置く。
そして犬を飢えさせ、死ぬ間際に首を落とす。そうすると、犬の首は飛んで食料に食いつくという。
そうやって作られた犬の首を媒介として行う呪術が犬神の術である。
また犬神は、一種の式神のようなものである。
術者の意を受けてどこかから物を取ってきたり、あるいは何者かに害をなす。類似に飯綱の術(こちらは管狐を使役する)がある。
飯綱の術にもいえるが、このようなものを宿す家系を「憑きもの筋」といい、古くは差別の対象となっていた。
このような憑き物たちは女性に受け継がれていくと言われ、憑きもの筋の女性との結婚が忌避されていた時代もあった。
一説には弘法大師・空海も使役していたという説話があり、猪の被害に困る村に訪れた際に、犬神を護符に封じて猪の来る方面に貼って畑の番をさせ、これを退けて見せたという。
同名漫画
1997年から2003年まで月刊アフタヌーンで連載された外薗昌也の漫画。
誌をこよなく愛する男子高生の島崎史樹は不思議な犬と出会い、不可解な事件に巻き込まれていく。「23」と名付けたその犬は人語を介し、史樹は23とともに恐るべき真実と運命に関わっていく。