喪失――融合症例第一号<さようなら――ガングニール>
概要
2013年7月から9月まで放送された。
戦姫絶唱シンフォギアの続編であり、金子氏曰く「自分達の趣味に付き合ってくれたファンの声援に応えての続編」とのこと。
監督・キャラクターデザインを含めた主要スタッフのほとんどが一新もしくは増員されているが、脚本・音楽は金子・上松両名が引き続き担当。キャラクターデザイン原案も吉井ダンが担当する。
あらすじ
運命に翻弄された少女たちは、FG式回天特機装束「シンフォギア」にてその身を鎧い、
数多の戦いと幾多のすれ違いを経て、決戦の地に集結した。
それから約三ヶ月後。
激闘の末に欠けた月が見下ろす世界にて、物語は再び動き始める。
日常を保障されつつ、日米共同研究に参加するシンフォギア装者たち。
それぞれが、それぞれの現在(いま)を生きる中、ひとつの指令が下される。
特異災害対策機動部と、米国連邦聖遺物研究機関が最優先調査対象としている、完全聖遺物「サクリストS」を米軍岩国ベースまで搬送すること。
日米両国間の協力体制が確立した今、さしたる問題も無く遂行されるはずの作戦であったが、新たな敵は暗い嵐の夜に紛れ、すぐそこにまで迫撃しつつあった。
開け放たれたバビロニアの宝物庫より蔓延するノイズの大群。
統率された動きにて殺到するノイズの群れ。その向こうに見え隠れする人の影――そして歌声。
新たなる局面は、少女たちの血が流れる歌と歌の激突によって幕を開ける。
登場人物
専門用語
- F.I.S.
フィーネこと櫻井了子の米国通謀を切っ掛けに米国が発足した米国連邦聖遺物研究機関。
取り扱う研究内容の性質上、非常に排他的で機密性が高く、秘密結社めいた側面が色濃いのが特徴。また、日本政府がシンフォギア関連技術を開示する以前より存在しており、独自系統のシンフォギアの開発にも成功している。
シンフォギアを個人の才に左右される「歌による起動」ではなく、機械的かつ安定起動させる方法の確立の為に多大な時間と予算を割いてきた(この研究は一応の成果は見せたものの、コントロールが難しくまた歌を介した起動でないと大きな出力が見込めないという結論から研究規模は縮小された)。
また、F.I.S.の擁する適合者はレセプターチルドレンと呼ばれるフィーネの血族の末裔にあたり、新たなフィーネの誕生を観測する為の一種の実験材料として扱われていた。
米国政府の直轄組織であるが、故に米国政府の隠蔽する不都合な事実を知った一部研究者達が武装組織として蜂起する事になる。
フロンティア事変後、斯波田の追及を受けた米政府により存在そのものをもみ消され、それによりマリア達フィーネのメンバーの罪状は消滅することとなった。
- レセプターチルドレン
F.I.S.が新たなフィーネ降臨のための器として観測していた子供達の総称。マリア、調、切歌、セレナもその出身である。
彼女らの他にも数千名が候補となっているが、セレナがシンフォギア正規適合者と判明したことをきっかけに、急遽開始されたテストでマリア、調、切歌の3名が限定適合者となり得ることが続けざまに判明、以上4名だけが装者候補として別途管理された。
なおフィーネの刻印を持つ支族の一つが古代日本に渡来流入した経緯があるため、その割合は日本人に偏っている。
元々了子(フィーネ)が自分が死んだ場合の保険として用意していたが、彼女の死後子供たちの中からフィーネは現れなかった。
当初はマリアがフィーネの生まれ変わりと思われていたが、実際には調が次の器であったが、了子として死んだフィーネが再誕を拒んでいたため、調自身も含めフロンティア事変まで誰もそのことに気づかなかった。
また、装者以外の他のレセプターチルドレンは、当初、フィーネの魂を受け止められなかった為、実験の失敗作として、秘密裏に廃棄処分される予定だったが、彼女らの蜂起に伴いその存在が暴露されたため、全員が解放・保護された。
- 武装組織フィーネ
アメリカの聖遺物研究所「F.I.S.」から離脱したナスターシャ教授らを筆頭に、彼女を慕うシンフォギア装者を戦力として蜂起した武装勢力。
特異災害対策機動部二課の面々はフィーネの名ではなく母体となった「F.I.S.」の名称で呼ぶが、これは彼らが知るフィーネとの区別を目的としており、またかつて拳を交え考えを改めたフィーネが再び世界に刃を向けるのかという疑問を持っていた事も、フィーネの名を使うのを避けた理由でもある。
ナスターシャ達の目的はフィーネがもたらした月の落下、及びその事実を隠蔽した特権階級の存在を知り、かつてフィーネが月破壊後に人類を統一・支配するための新天地確保として準備していた、完全聖遺物のネフィリムと聖遺物の神獣鏡を利用した「フロンティア計画」を発動させ、ルナアタックによって引き起こされた月の地球への落下によって失われる人々の命を可能な限り多く救うことが目的であったが、計画が暗礁に乗るにつれ、自身が愛する装者達にテロリスト紛いの行為をさせてしまった選択を後悔するようになり、自分達単独での計画遂行断念を決意、米国政府との講和を図るも政府の裏切りに遭い追われる身となり、さらに世界を救う「英雄」になりたいという執念を燃やすウェル博士の独断専行などのメンバー間の綻びによって計画は破綻の一途を辿り、結果、あえて月を落下させ地球を滅ぼし、わずかに新天地に移住した人類を先導・管理する「英雄」となるという自分自身の野望を遂行するウェル博士によりフロンティアの支配権を単独で獲得、「自分だけが生き残ることで人類を救済する」という野望を露わにし、月を強引に引き寄せ落下を早めるという暴挙に出たが、響やマリア達の装者の活躍や月に飛ばされたナスターシャの尽力によって阻止され、死亡したナスターシャを除くF.I.S.メンバー全員の逮捕・拘束を以て一応の事態集束に至る。
米国政府は月落下の情報隠蔽やF.I.S.の組織経緯といった、その裏側にある諸々の隠蔽・口封じを狙い、逮捕されたメンバーの裁判未成年である調や切歌を含めた全員の死刑適用を前提に進められたが、外務省事務次官の斯波田が必要以上の情報を開示したことにより、それらの公への否定に終始せざるを得なくなり、F.I.S.の存在そのものを隠匿、回り回ってメンバーの罪状は消滅することとなった。
- フロンティア計画
ナスターシャ教授率いる武装組織フィーネの計画。
かつて月の落下、及びその事実を隠蔽した特権階級の存在を知り、かつてフィーネが月破壊後に人類を統一・支配するための新天地確保として準備していた、完全聖遺物のネフィリムと聖遺物の神獣鏡を利用して、遥かな昔、カストディアンが異なる天地より飛来してきた際に用いたと伝えられる星間航行船「フロンティア」を起動させ、フィーネがもたらしたルナアタックによって引き起こされた月の地球への落下によって失われる人々の命を可能な限り多く救うことが目的であった。
しかし、ウェル博士の独断専行や暴走により計画が破綻、人類滅亡に追い込まれてしまう。
- 二課仮設本部
三ヶ月前の激闘にて機能不全となった特異災害対策機動部二課が、新たな本部施設の完成までの期間、 新造された次世代型潜水艦内に仮設される事となった本部。
ノイズ発生の検知システムや、シンフォギア・システムの各種バックアップなど、 主だった機能はそのままとしつつも、機密性と機動性を大幅に強化しており、さらに緊急時に脱出装置も完備している。
艦内には、医療施設や生活居住区、娯楽施設までもが設けられており、作戦遂行における長期間の搭乗であっても、装者や職員たちの健康を損なわないよう配慮されている。
フロンティア事変で大いに活躍し、フロンティア崩壊と共に運命を共にしたが、後に新たに新造された潜水艦を配備され、続編であるGXでも活躍した。
- Anti_LiNKER
LiNKERとは逆にギアの適合係数を一時的に引き下げる事を目的にウェル博士が開発した薬品。
ガス状に散布する事で適合者達に気付かれる事無く投薬し、その戦力を削ぐ事が出来る。
適合係数の低下は、シンフォギアからのバックファイア低減率も低下させる為、それだけで装者の戦闘力を大きく殺ぐ猛毒になる。
- ルナアタック
フィーネがカ・ディンギルを用いて月の破壊を試みた事件。
クリスが月の破壊を一部に押しとどめ、翼がカ・ディンギルを破壊。その後、響たちシンフォギア装者に敗れたフィーネが月の欠片を地上に落下させようとするが、即座に対応したシンフォギア装者によって欠片が細かく破砕され被害は軽微に留まり、破片の一部は月の環になっている。
しかし、この事件の結果、月の公転軌道が狂い、地球への落下コースを取っていた。ルナアタック後の各国の月の軌道計算は全てNASAが送り付けた捏造データからの計算であり、これが後に起きる事件「フロンティア事変」の始まりでもあった。
- フロンティア
遥かな昔、カストディアンが異なる天地より飛来してきた際に用いたと伝えられる星間航行船のひとつ。
正式名称は「鳥之石楠船神」。日本神話に登場する天翔ける船の聖遺物である。
各部が独立機能したブロックとなっており、それらが複合的に組み合わさる事で巨大な構造体となる複合構造船体を採用しており、用途に合わせた機能拡張が容易となっており、トラブルに見舞われた際にそのブロックを切り離す事で外科手術的な即応が可能となっているという利点がある一方で、ブロック単体では一体成型の構造体と比較して耐久性が脆弱という欠点を内包している。
武装組織「フィーネ」(F.I.S.)が月の落下に伴う極大災厄から人類を救い導くべく追い求めていた巨大な星間航行船で、日本近域の海中深くに、古代の超常術式によって封印されている。
本来フィーネ(了子)が月破壊後、起こり得る重力バランス崩壊よりパニックに陥る人類を支配するための新天地として、封印解除手段である神獣鏡及び、再起動手段であるネフィリムと併せて確保していたもので、月の一部崩壊により地球に落下することとなり、これに対応すべくF.I.S.が了子の遺したデータをもとに計画を完遂・始動することを目論み、ネフィリムの稼働及びコアである心臓の確保は紆余曲折あって実現したものの、ナスターシャの研究・視察により、神獣鏡による封印解除の方はF.I.S.由来の機械的増幅技術ではエネルギーが足りず実現には至らないことが判明、やがて「フィーネ」内勢力変容によって、ウェルが発案した装者による神獣鏡の励起を用いる方針へと転換、ウェルの手で装者に仕立て上げられた未来の歌と、機械的増幅を組み合わせることで封印解除に成功、海中からその全貌を露わにした。
しかし、ウェルがLiNKERの応用技術によってその支配権を獲得し、「自分だけが生き残ることで人類を救済する」と言う彼の歪んだ野望のために利用されることとなったが、装者らによって追い詰められたウェルが半ば自暴自棄に船体全てをネフィリムに食わせた末、ネフィリム・ノヴァとして自爆するという末路を辿った。
しかし、一部が残っており、続編である第三期一話冒頭で国連調査団の手により、ナスターシャの遺体と共にフロンティアの異端技術の一部を回収された。
スタッフ
原作:上松範康 金子彰史
監督:小野勝巳
シリーズ構成・脚本:金子彰史
キャラクター原案:吉井ダン
キャラクターデザイン・総作画監督:藤本さとる
アクションディレクター・ノイズデザイン:光田史亮
メインアニメーター:式地幸喜
メカニックデザイン:大河広行 川原智弘
プロップデザイン:森岡賢一
フューチャービジュアル:ロマン・トマ ブリュネ・スタニスラス ニエム・ヴィンセント
美術監督:西村隆
色彩設計:篠原愛子
CGIチーフデザイナー:佐々木達朗
撮影監督:岩崎敦
2Dモニター:影山慈郎
特効監督:谷口久美子
編集:定松剛
音響監督:本山哲
音楽プロデューサー 上松範康
音楽:Elements Garden
アニメーション制作:サテライト
製作:Project シンフォギアG
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
Episode1 | ガングニールの少女 |
Episode2 | 胸に力と偽りと |
Episode3 | 終焉を望む者、終焉に臨む者 |
Episode4 | あたしの帰る場所 |
Episode5 | 血飛沫の小夜曲 |
Episode6 | 奇跡――それは残酷な軌跡 |
Episode7 | 君でいられなくなるキミに |
Episode8 | 繋ぐ手と手…戸惑うわたしのため… |
Episode9 | 英雄故事 |
Episode10 | 喪失までのカウントダウン |
Episode11 | ディスティニーアーク |
Episode12 | 撃槍 |
Episode13 | 遥か彼方、星が音楽となった…かの日 |
関連項目
評価タグ一覧
シリーズ
戦姫絶唱シンフォギアG
カップリングタグ
二人組
三人組
フィーネ組……マリア、調、切歌のトリオ