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ウェル博士

うぇるはかせ

ウェル博士とは、テレビアニメ「戦姫絶唱シンフォギアG」の登場人物である。
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「愛ですよッ!」

「シンフォギアの適合に奇跡などは介在しないッ! その力、自分の物としたいなら、手を伸ばし続けるといい……ッ!」


CV:杉田智和

人物像

アメリカの聖遺物研究機関F.I.S.の研究者。フルネームはジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。

専門は生化学であり、その知識を応用して聖遺物と生体を繋げる研究にて才を発揮している。

無類の英雄マニアでもあり、菓子類しか口にしない偏食家。

特異災害対策機動部二課に出向し、彼らと共に日本政府より開示された櫻井理論解析に携わる。


ルナアタックから世界を救った立花響を「英雄」と呼び、自らの夢と重ねるが、完全聖遺物「ソロモンの杖」を米軍岩国基地まで輸送する最中、ノイズの襲撃にあい、ソロモンの杖共々行方不明となる。

しかし、この一連の事件自体が彼の仕組んだ狂言強奪であり、その正体はマリア・カデンツァヴナ・イヴを擁する武装組織「フィーネ」の一員にして組織の黒一点であった。


「フィーネ」においてはマリア達の服用するギア制御薬「LiNKER」の調合(以前から存在していた物を彼が改良した事でマリア達はギアを使用出来る様になった)と服用後の体内洗浄の方法の確立、装者のギア適合率を低下させる「Anti_LiNKER」の開発や他のメンバーのメディカルチェックなど、ナスターシャ教授と共に技術面で組織を支えるが、必要とあればソロモンの杖を用いてノイズを使役する指揮官としても立ち振る舞う。


異端技術者としてシンフォギアシステムの運用にも関わっており、時に適合係数の足りない人間をシンフォギアに適合させ、装者の意志を誘導してこれを装着させる事もある。

一方、ギア運用については「適合係数を上げても、本人の意志が伴わなければ意味がない」という結論に至っており、櫻井了子に次いでシンフォギアの真理に深く分け入っている。


「英雄」に憧れ固執するが、その言葉には「指導者」や「征服者」といった意味も含まれていると解釈しており、「新世界の導き手となる」という歪んだ野心を抱いていた。

自分を讃える世界を欲するあまり、支配しきれない分の人間は、むしろ減ってくれた方が好都合とすら考えており、「フィーネ」の志に真っ向から反目する意志に基づき行動する。

もっとも、自身の思い描く英雄像について、「飽くなき夢を見て、誰かに夢を見せるもの」とも語っており、はた迷惑ながら真っ当なロマンチシズムの持ち主であることも窺える。


マリア達がギアを纏わない人間と戦う事に悲観的であるのに対し、彼は武装した特殊部隊はもとより、その場に居合わせた民間人の子供ですら容赦なく手にかける非情さを持つ。

その為、マリアや暁切歌月読調らには快く思われていないが、「フィーネ」のメンバーの中で、病に伏したナスターシャ教授を治療出来るのも彼だけであるため黙認されていた。

(当時のマリア達3人は、世界中の人間達から恨まれるのを覚悟で戦っていたにもかかわらず、肝心な時に覚悟が中途半端になっていたことと比べれば、世界を変える為に自分の手を汚す事を厭わないウェルの方がずっと真剣であったとも取れなくも無い。)

前述の民間人の子供達を手にかけた点に関しても、褒められた行動ではないが、「テロリストである自分達の姿を見られた以上、口封じの為には殺すしかなかった」と言える部分もあり、G終盤の暴挙を除いては、「自分達の目的達成において殆ど『無意味』な殺戮」まではしていない(それに関しては、後にある人物が実行している)。


優秀かつ行動的な人物ではあるものの、やや自信過剰かつ強引な傾向があり、その姿勢が災いして、組織を追い詰める結果を招くことが多々ある。

一方で、何かと偶然性や神頼みを否定し、本人のやる気や努力を重んじる発言から、自信を努力で裏打ちする努力家としての性質も持ち合わせる。


来歴

戦姫絶唱シンフォギアG

フィーネの魂を宿したマリア・カデンツァヴナ・イヴの知識を元に、月の落下から無辜の命を救うべく決起するというナスターシャ教授の誘いを受け、彼女の提唱する「フロンティア計画」に賛同。ソロモンの杖の狂言強奪を仕組んだ。


計画の鍵を握る自律型完全聖遺物ネフィリムの成長を目論むべく二課のシンフォギアに目をつけ、立花響に精神的な揺さぶりをかけた上で彼女の左腕をネフィリムの糧とするが、それがきっかけで暴走した響によってネフィリムが完膚なきまでに破壊され、そのトラウマから精神に異常をきたしてしまう。

この際、辛うじてネフィリムの心臓部を回収出来たものの、この頃を起点に、徐々にその行動に狂気を伴うようになる。

そして、他のギアに比べて性能で劣る神獣鏡を誘拐した小日向未来に改造を施して纏わせ、遂にフロンティアの起動に成功する。


悲願を達成したウェル博士は本性を現し、ネフィリムの因子を含んだLiNKERを使い、聖遺物を取り込む能力を得る。これにより、触れた聖遺物の吸収や操作が可能となった。

この能力によりフロンティアの制御を独占。フロンティアを浮上させるついでに月の落下を加速させるという事態を招いてしまう。

しかし雪音クリスらにソロモンの杖を奪われ、更にナスターシャが月の公転を正常化させようとするなどのイレギュラーが続き、余裕を失ったウェル博士は遂にナスターシャの処分を決断。彼女のいた管理ブロックを月に激突させるために射出するという暴挙に出る。


この後響達に乗り込まれ、ネフィリムの心臓のもとへと逃げ出したウェル博士はその力で追手を一掃しようとした。

しかし、月に激突されながらも一命を取り留めたナスターシャの手によって月機能が回復されたことにより、フロンティア計画そのものが意味を成さなくなり、自らの野望を完全に挫かれた彼はネフィリムを暴走・爆発させ、世界そのものとの心中を図ったのだが、ネフィリムは地球を巻き込むことなくギア装者達の手によって「バビロニアの宝物庫」へと封じ込められ、暴発。


世界を支配することも、理想に殉じドラマチックに死ぬこともできず、更には日本政府による政治取引によってF.I.S.及び「フィーネ」の存在が無かった事にされ、これまでの経歴も行動も全て否定された上で最終的な処分は国連指導の特別保護観察という処分に収まった。

だが、彼は他のフィーネのメンバーとは違い、その左腕をネフィリムと同質化させたが故に「消滅を免れたネフィリムの一部」として異端技術に関連する危険物、即ち「物」として扱われ、それらを保管する海底施設「深淵の龍宮」に隔離される事になる。


余談だが、劇中で初めてソロモンの杖を「杖」として使った(地面について歩行を支えた)のは彼である。


戦姫絶唱シンフォギアGX

フロンティア事変より数ヶ月後、キャロル・マールス・ディーンハイムによる深淵の竜宮襲撃に世界の騒乱を感じ、「世界は英雄を求めている」と、キャロルに協力して脱獄。

彼女の目的も知らぬままに協力し、キャロルが建造したチフォージュ・シャトーをその左腕の力を以って起動させる。


だが、世界の解剖を望むキャロルの真意を知り、彼女が「目的を果たしたその後の展望」を持たないことを「夢を持たない人間などたかが知れている」と批判した事がキャロルの怒りを買う。

ウェル博士自身はチフォージュ・シャトーを操作し、フロンティア事変の再来を目論むも、この時点でシャトーを起動させるという役目を全うしていた事もあり、キャロルによって重症を負わされ、舞台から引きずり降ろされた。


だが、その幕切れを不服と感じたウェル博士は、シャトーへ突入してきたマリア達を左腕の力で誘導することで遭遇し、結託。

ネフィリムの左腕の力を以ってシャトーの機能を反転し世界を再構築、たとえそれが出来なくてもかかった負荷によりシャトーは爆散するという、一世一代の「嫌がらせ」に出る。

この目論見はエルフナインらのサポートによって成功するも、錯乱したキャロルの攻撃でシャトーは崩壊、自身はマリア達を庇い瓦礫に埋もれ致命傷を負う。

マリア達を助けたのは自分の英雄的行為を知らしめるためと嘯くが、戦いに赴くマリアを彼なりに激励し、自らの研究が収められたデータディスクを彼女に託し息を引き取った。

この際、「自分は英雄になれたか」とマリアに尋ね、彼女からは何処か悲しげに「ああ、お前は最低の…」と返されている。


戦姫絶唱シンフォギアAXZ

完全に死亡しているため、本人は登場していない。

しかしLiNKER完成のヒントを得るべく、マリアの深層心理を探る彼女とエルフナインの目の前に、まさかの再登場を果たす

この時のウェル博士は、マリアの記憶とイメージが混在した虚像として登場しており、LiNKERの効力発揮のトリガーとなる鍵――戦いの動機となる「愛」という答えへと、彼女らを導く役割を果たした。


ちなみに本作では、シンフォギアの適合実験を行うに当たって、何故か被験者達のカレーの辛さの好みを記録していたという、どうでもいい事実が明らかになった。恐らくは映像スタッフのお遊びだと思われる。


戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED

エネミーを経てプレイアブルキャラクターとして参戦。攻撃内容は巨大化させた左腕を振り下ろすというもの。本来研究者である彼が直接戦闘を行うのはこれが初となる。

ちなみにサービス開始後初のエイプリルフールにはホーム画面の一部が彼に侵食されるという演出があった。


イベントクエストやXDクエストにて準レギュラー的な立場で登場するのは以下の2名。


先覚の協力者

櫻井了子がフィーネとして覚醒しているがシンフォギアが存在しない世界。なのに性格は本編そのまま。占拠された二課からくすねたネフィリムの細胞をLiNKERで取り込み英雄になろうとするが、一応味方である。



TWIN HEART MELODY

並行世界のきりしらと共に行動している。生化学ではなくロボット工学の科学者。元々の英雄欲求は鳴りを潜めているが、それは調が切歌を想うが故に発揮した感情の力を研究しいつか自分もその境地に至る為と言う何時もの通り利己的な動機でマリアを仰天させた。しかし他のイベントでも類を見ないかなりまともな性格として描かれた。

もっとも、調からはダメ助手として結構な頻度でシバかれている。

立ち絵は独自の白衣を纏っており、他の世界との判別が可能。



他のイベントクエストでは基本的に単発出演。


和装乱舞

米国政府に属する聖遺物研究者。聖遺物に関する研究が未発達でシンフォギアすら存在しない中、来訪したクリスたち別世界の装者に助力を請う。

本編での悪事やその残念な人間性を熟知している調と切歌には露骨に距離を置かれながらも装者たちのサポートを行うが、その裏で何やら計画を練っており、プレイヤーたちからも「また何かやらかすんだろう」と当然のごとく邪推されていた。

そして終盤にその計画の全貌が明かされるのだが、装者たちもプレイヤーたちも、別の意味で呆れ果てたことは間違いないだろう。

さらにひどいことに、別の並行世界ではその野望を半ば叶えてしまっている。


イノセント・シスター

作中開始時点で故人だが、終盤に名前だけ登場しやっぱりやらかしていたことが明らかになっている。


ゴジラvsシンフォギア

ゴジラ対策チーム「Gフォース」の技術主任としてかなりぶっとんだ設定で登場。さらに助手として「アラン・緒川(おそらく並行世界の緒川慎次の弟「緒川捨犬」のことでファーストネームは彼の源氏名「亜蘭」から)がついている。

本作では何と3式機龍を独力でくみ上げさらに自分が操縦するというハイスペックぶりを見せているが、奏やマリアから「メカゴジラって呼ぼうぜ。」と言われ狼狽える素の面を見せた。

そしてやっぱりお約束(いつものパターン)かそれとも3式機龍への性なのか中盤やっぱり暴走を引き起こす

一方で今回状況打破を考えて精神的に疑似心象変化を起こすアイテムサイコトロニックジェネレーターを生み出すな精神技術面に強い面も見せておりさらに怪獣ギアに奏者達の危険性を考える面も見せており本イベントの彼は、技術者関連として芹沢大助、メンタル関連として三枝未希、パイロット関連として家城茜といったゴジラシリーズにおける歴代人間の代表者3人の立場を統合されたと思われる。


戦姫絶唱シンフォギアXV

故人だが、最終話終盤で台詞なしの魂として登場。

終始そっけない態度をとっている。


余談

杉田智和氏のアドリブ混じりの怪演と、「YOU達歌っちゃえよ!」を始めとする無数の迷言、顔芸に由来する人気キャラクターの1人であり、その人物像はワイルドアームズシリーズのアルハザード(敵組織のマッドサイエンティスト)やジュデッカ(冷酷非道な敵幹部、眼鏡)と共通している。なおジュデッカ同様、自身の悪行で他人が苦しむ様を見て、楽しくてメガネがずり落ちそうになる場面があったが、その逆に恐怖でメガネがずり上がっている演出もなされている。


彼が左腕に移植した『ネフィリム』は、接触した聖遺物を吸収したり、融合することで操作したりすることが可能という、場合によってはチートともいえる性能となっているが、逆に聖遺物以外に対してはただの腕としか機能しない。そのため「深淵の龍宮」での幽閉施設もほとんど普通の獄房のような構造だったとのこと(「GX」用語解説より)。


フルネームが明かされたのは、C85にて頒布されたスタッフ本から。ウェルというのは、ウェルキンゲトリクスの愛称であったようである。また彼の名前と母方の家名ジョン・ウェインと父方の家名ウェルキンゲトリクスはそれぞれ『アメリカの英雄』、『フランス最初の英雄』と称される実在人物の名である。


また、彼の愛称である『ウェル』だが、この愛称を持つ別の名として『ウェルギリウス』などが存在する。

この名はダンテの『神曲』の中で『主人公を導く者』『死後の水先案内人』として『ベアトリーチェ』と共に登場した人物でもある。

AXZにおける彼の登場は、そういったものも下敷きにしていた、のかもしれない。


数奇な運命

その行動により数多くの犠牲者を出した文句なしの悪役であり、動機も身勝手で幼稚という救いようのない人物ではあるのだが、彼がいなければ「フィーネ」はフロンティアを起動する所かそこまで辿り着く事すら出来なかったのはほぼ間違いなく、そうなれば月の落下はまだしもノイズ出現の終息や、更に言えば神獣鏡によって響が健康体に戻ることもなかったはずであり、結果だけ見ればそれこそ「英雄」の如く人々の助けになり、物語を良い結末へ導いた側面もあるという、なかなか評価に困る人物でもある。

まあ、当人にしてみればそんなことは全く望むところではなく、『G』時点では不本意な結末を迎えたことには変わりないのだが。

そして、『GX』ではキャロルへの「嫌がらせ」を命がけで行った結果彼女の計画から世界を救い、マリアからも一応「英雄」と認められた。

なお『G』の用語解説においては、他者を顧みない意志こそが結果を残せるという皮肉で残酷な結末を象徴するキャラクターとして扱われている。


関連イラスト

センシティブな作品


関連項目

戦姫絶唱シンフォギアG 戦姫絶唱シンフォギアGX


マリア・カデンツァヴナ・イヴ 暁切歌 月読調 ナスターシャ教授

立花響 小日向未来


響ショック


アダム・ヴァイスハウプト風鳴訃堂・・・後のシリーズにおけるウェル博士よりも遥かに外道な二人。GXで最後の最後で主人公側を手助けしたことも相まって、彼らの鬼畜の所業が結果的にウェル博士の株を上げている。


シュウ・ビ…頭脳派な中の人繋がり、白髪という点や目的のためなら手段を選ばない点も共通している。ただし、こちらは味方勢力。

Dr.ヘル・・・漫画版ではウェルと同じく、世界征服を英雄の悲願と捉え行動していた人物。金子彰史氏の趣味を考えると、何かしら影響を与えているのかもしれない。

マサキ・ケイゴ・・・こちらも禁断の力を使い、最後は主人公達に協力した努力家の科学者、ただし、こちらは人類を導くという目的であった。

ゴンドウ・キハチ・・・過激な計画行動を行い、主人公側と対立していたが最終的に主人公達に協力しウェル博士と同じく自らの身を犠牲にしている。ただし、ウェル博士とは違い地球と人類の平和を心の底から願っていた。

檀黎斗・・・顔芸やエキセントリックな言動、主人公達に協力した科学者等、共通項が多いキャラである。ただし、目的はウェル博士とは違っている。

宝緑院兼続・・・中の人つながりにして、同じく「愛」を語る場面が印象的なキャラ。ただし、こちらは冷静沈着な性格で良識ある人物である。

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