概要
黒の陣営でただ一人ユグドミレニアの人間ではない女性。黒のアサシンのマスター。
元々は新宿で生活する娼婦。アサシンを召喚しようとした魔術師・相良豹馬に暗示をかけられ同棲相手として利用されていた。彼女は同棲している状況を愛によるものなのかと考えていたが、豹馬に「ジャック・ザ・リッパー」を召喚する儀式の生贄として、殺害されそうになる。アサシンが玲霞の『死にたくない』という強い願いに反応して玲霞のサーヴァントとして現界し、彼女の治療を受けることで一命を取り留める。
自分の『死にたくない』という願いは既に叶っていたのだが、アサシンの『母親の胎内に還りたい』という
願いを叶えるために聖杯戦争への参加を決意する。
アサシンに相良豹馬から剥ぎ取られた令呪を転写され、正式にアサシンのマスターとなる。その数日後に、身支度を整えてアサシンとルーマニアに向かう。
魔術師としての才能は皆無だが、アサシンとの関係は最高で、親子の様な関係を結んでいる。
としての倫理観は持ち合わせてはいるもののそれも破綻気味で、幼い頃から家族はおらず、養子に出された先では虐待を受けていた。もともと生きるという自覚が希薄で、自分の命にも他人の命にも価値を見出せていない。罪にならず、自分以外の誰も悲しまないのならば人を殺すことにまったく躊躇がない。今までは流されるように生きてきたが、アサシンと出会い、彼女の母親として日々を過ごすうちに「幸せになりたい」という願いが生まれた。
アサシンにとっては彼女はもう本物の母親であり、彼女の方もアサシンを自分の娘として扱っている。
能力
決断してからの行動が異常に速い。豹馬の処理の手際もそうだが、アサシン召喚からたったの数日で身支度を整え、ルーマニアに飛んでいる。
間違いなく一般人であり日常に「死」の気配などなく、特殊な戦闘術を身に付けている訳でも無く、魔術師や退魔の家系に連なる人物でもない。アサシンが魔力供給の方法として殺人を提案した時には、「しょうがないか」で済ませており、実際、アサシンによって目の前で男達が生きたまま臓物を引きずり出され、頭を飛ばされ、人の死を直視しても全く動じない。
魔術師である凛やウェイバーが惨状を目撃した際の反応を考えても、彼女の行動力や精神力は異常と言う他無い。
精神力のみならず、深い洞察力と高い戦術眼を併せ持ち、ユグドミレニア側の作戦を看破した上に自分の正体が知られていない事を最大限に活用してジークを罠に嵌めるなど、一般人とは到底思えない高度な戦術を駆使する。
ジークを射殺した際は、標的に不信感を感じさせないためとはいえ、髪を染めたり化粧などの変装に加えてアサシンの宝具である硫酸の霧をわざと浴びるという念の入りようで、目は充血し唇から血を流すなどの激痛に耐えながらも心臓を狙った銃撃を成功させている。
動物的直感にも優れ、彼女が拠点を放棄した直後に、敵の調査の手が及んでいた。彼女達の存在と情報がシロウ達にもユグドミレニア側にも把握できていなかったのはアサシンの働きだけでなく彼女の天性の才能によるところも大きい。
また、ルーマニアにてイタリア製回転式拳銃「ライノ」を入手している。銃身が短く、女性の掌に収まる程の大きさしかない特殊な拳銃で、発砲時の跳ね上がりが抑えられており、至近距離での暗殺に適している。
もっとも彼女がこの銃を選んだのは「一番軽くて一番小さかったから」という余りに単純な理由で、玲霞はこの銃の名前すら知らない。
だが彼女はルーマニアに来るまで銃器に触れたことなど一度もないにも関わらず、異常なセンスで順応しており、空恐ろしいほどに冷静な滑らかな手つきでこの銃を操る。殺した相手が生き返っても「ああ、そうなのか」と事実として受け入れるだけで混乱も躊躇も一切ない。この異常なほど冷静な姿勢は自分の死の間際でも変わらなかった。
作者の東出祐一郎曰く、「Fate/Zeroで言うところの龍之介枠」。