ゲーム概要
株式会社アルヴィオンが開発した、PS3対応の配信用タイトル。2010年に発売された3Dアクションゲームである。「malicious」とは英語で「悪意のある」という意味の形容詞。
PlayStationNetworkでのダウンロード専売タイトルであり、800円という低価格ながら、練りこまれたシステム、重厚なバックストーリー、ステージにマッチしたBGM、独特の幻想的なビジュアルが魅力の作品である。
2012年に続編である「再誕編」を加えたPSvita用タイトル『MALICIOUS REBIRTH』が発売され、2017年初春には完結編であるところの『MALICIOUS FALLEN』がPS4で配信予定。
ゲームシステム
「魂の器」と呼ばれる人の形を取ったプレイヤーの分身を操り、自在に形を変えるマント状の武器「灰の外套」を駆使してステージ内に鎮座するボス「力の保持者」を撃破していく。
特徴としてステージ開始時からボスと対峙するという形を取っており、ステージを踏破してボスへ辿り着くという既存のアクションゲーム的な過程は一切ない。ステージをクリアするとボスが保有していた能力を扱うことが出来るようになる反面、残るステージのボスが手強くなっていくという仕様があり、どのステージから攻略していくかという戦略も必要となる。
ステージ内に湧く雑魚敵を倒したり、敵の攻撃を寸前でガードするなどの行動で「オーラ」が溜まり、攻撃力の底上げ、「魂の器」自体のパワーアップや回復に利用できる。
一定以上のダメージを受けると「魂の器」の身体各所が破損していく。プレイヤーにはHPゲージが表示されないため、「器」の状態を確認しながら戦闘を行わなければならない。オーラを消費して回復することで破損した身体は修復されるが、破れた服はそのままになる。……何が言いたいかはお察しください。
灰の外套
「魂の器」に装備された黒い布状の武器。
ゲーム開始当初は能力を完全に発揮できず、初期に使える形態は2つのみ。
「力の保持者」である5体のボスを倒すことで、各ボスが使用していた武器や能力を取り込み、使用できるようになる。
■魔弾
ゲーム開始時から使用できる遠距離攻撃。灰の外套からオーラの弾丸を撃ち出す。
威力は小さいが追尾能力があり、複数の標的へ同時に撃ち出すことも可能。
形態はオーソドックスなマント状。
■拳
灰の外套を二本の腕状に変化させ、多彩な拳打を繰り出す能力。
ゲーム開始時から使用できる能力だが、当初は不完全形態であるため
一部のコンボや攻撃が使用できない。
力の保持者「フィストゴーレム」を倒すことで能力を完全に発揮することができる。
形態は四本指の巨大な双腕。
■槍
灰の外套を鋭利な槍に変化させ、強力な突進攻撃を繰り出す能力。
力の保持者「ブックハウンド」を倒すことで使用可能となる。
ヘビーアタック版では足に槍を形成して長距離を移動する突進を行う。
形態は左腕に灰の外套が螺旋状に巻きついた槍。
■翼
灰の外套を一対の翼に変化させ、空中を自在に飛行する能力。
力の保持者「王国騎士団長」を倒すことで使用可能。
攻撃能力はないが、ジャンプ回数の増加、滞空能力の追加など、
機動力が大幅に強化される。待機形態は存在しない。
■盾
灰の外套を堅固な盾に変化させる能力。
力の保持者「シールドゴーレム」を倒すことで使用可能。
通常のガードでは防げなかった攻撃もガード可能になる他、攻撃を防いだ瞬間に
コマンドを入力することで周囲の敵を弾き飛ばすこともできる。
翼同様に待機形態は存在しない。
■剣
灰の外套を巨大な両刃剣に変化させ、強烈な斬撃を繰り出す能力。
力の保持者「狂王」を倒すことで使用可能。
単発での攻撃速度は遅いが、コンボに組み込むことで素早い攻撃が可能になる。
形態は柄尻が鎖のように伸びた巨大な両刃剣。
不使用時は襟元が剣の鍔状になったマントの形を取る。
ストーリー
人々の悪意が寄り集まることで降臨する災厄「マリシアス」を倒す「討伐者」として、預言者に召喚されたプレイヤー。マリシアスに対抗する手段として与えられた「魂の器」と「灰の外套」は、力が分散していてその真価を発揮できないという。器と外套を完全な状態にするため、プレイヤーは力の返還を拒む「力の保持者」たちを倒すこととなる。
- 余談
公式サイトの項目「SPECIAL」にて作品の前日譚である外伝小説を閲覧できる。
作中で対峙する「力の保持者」にまつわるバックストーリーであり、より作品を楽しむことができるため、プレイの前後を問わず是非一読することをお勧めする。
ソフトウェアのアップデートを行えばゲームメニュー内にも追加されるので、そちらで閲覧することも可能。
登場キャラクター
■魂の器
災厄「マリシアス」を討伐するため、預言者たちが数秘術の秘奥をもって造り上げた、浮遊する人型の器。薄青色の髪と瞳を持ち、足元には魔法陣のような図形が浮かび上がっている。基本的な移動は滑走で、ステージ内を駆け回るだけでもけっこう楽しい。
器を制御するためには人間の精神を宿らせる必要があり、プレイヤーはそのために召喚されたという設定になっている。ゲーム開始時に性別を選択可能。
本編中では語られないが、男性版にはヴァレリア、女性版にはエーリカという名前が設定されている。外伝小説を読んでみると……。
■預言者
白いローブをまとった老人の姿を取る存在。災厄「マリシアス」を討伐することを目的としており、「マリシアス」復活に際して討伐のための「力」を人間に与え、討伐完了後に返還させるという行動を続けてきた。
物語開始前に前代の「マリシアス」と戦った者たちが「力」の返還を拒んだため、数秘術を用いて「魂の器」を造り出し、器の制御者としてプレイヤーを召喚する。
超然としていて、力の保持者に返り討ちにされたプレイヤーをちくちくとなじってくるため、イラッとした経験を持つプレイヤーはけっこういる。
■狂王
「力の保持者」の一人としてプレイヤーと対峙する、妙齢の女性。
物語の舞台となる国の女王を務めており、その鬼神の如き戦いぶりから「狂王」と恐れられている。前代の「マリシアス」を討伐するため預言者から「剣」の力を授けられたが、討伐後に返還を拒み百年以上に亘って闘争の日々を重ねてきた。
外伝小説では彼女が狂王となっていく過程が描写されている。
■マリシアス
多くの人々の悪意が寄り集まって降臨する災厄。純粋な破壊者であり、圧倒的な力で目に映るもの全てを破壊するだけの存在である。
悪意の集合体であるため、人間が存在する限り何度倒しても、世界に悪意が満ちれば再び現れる。
作品の最後に登場するラストボス。
マリシアス リバース
PS3版ストーリー+正統続編にあたる新ストーリー「再誕編」を加え、
キャラ性能が変化する「コスチュームチェンジ」、
「爪」、「槌」、「鞭」、「針」、「マリシアスの力の解放」等の新アクション追加
……など前作から実に倍以上のボリュームアップを果たして、2012年12月に移植、発売されたPSVita用ソフト。
PS3版の内容も全て入っているが、単なる移植版というよりは事実上の続編に当たる。
やはりダウンロード専用となっており、価格は1500円。
Vita版の特徴として「翼」の発動と急降下はタッチパネルを使用するようになっている他、前作より全般的に操作の改良が試みられており、防御しながらの回避が可能になるなどPS3版より操作性は向上している。
マリシアス フォールン
『MALICIOUS REBIRTH』にさらなるストーリーとコスチューム、武器を加えたシリーズ完結編。
プラットフォームをPS4に移し、ディレクターが我慢してきた諸々を解き放つとのこと。
関連タグ
関連リンク
MALICIOUS 公式サイト(PS3版)