概要
1978年(昭和53年)に登場した京阪電車の通勤型電車。2000系スーパーカーの車体や一部の機器を流用して製造された0番台と、車体等も含めて新規に製造された30番台が存在する。
0番台103両と30番台28両で計131両が製造され、京阪電車で最多の在籍数を誇ったが、2001年から廃車が始まり、2016年現在は7両編成7本、計49両に減っている。
投入の経緯
1959年に登場したスーパーカーの愛称で親しまれた2000系車両が、冷房化や架線電圧の1,500V昇圧化への対応が困難であったため、1983年の昇圧に向けて代替するにあたって、1978年から車体・台車・一部機器を流用しながら、複電圧仕様の回生ブレーキ付き制御装置への換装、冷房化など改造を施して、2600系0番台として落成した。代替新造は京阪電鉄寝屋川車両工場で実施された。
また、1800系の代替として1980年から1981年にかけて基本的に0番台と同一の設計ながら車体や台車も含めて新規に造られた30番台が、川崎重工で製造された。
性能
編成 | 7両編成7本(49両) |
---|---|
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常) |
全長 | 18,700mm |
全幅 | 2,720mm |
全高 | 4,185mm |
車体材質 | 普通鋼 |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
主電動機 | 直流複巻電動機(出力155kw) |
駆動装置 | 中空軸たわみ板継手平行カルダン駆動 |
歯車比 | 79:14=5.64 |
制御装置 | 界磁位相制御方式 |
台車 | wikipediaを参照 |
制動方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ |
保安装置 | 京阪形ATS、K-ATS |
製造メーカー | 京阪電気鉄道寝屋川車両工場(0番台)・川崎重工業(30番台) |
余談
0番台は書類上は「新造」ではあるが、実質的には2000系の昇圧対応/冷房改造車とも言える車両である。種車となった2000系がもとから様々なタイプの台車を採用し、2600系でもその台車の多くがそのまま流用されたことから、車体の形状の違いを含めて「同一形態の車両がほぼ皆無」というくらいバラエティに富んでいた。また、老朽化した台車を別の廃車発生品の台車に振り替えることも行われていた。最終的には30番代を含めて17種類の台車が2600系には使用されている。ある意味「台車の京阪」を象徴するような形式であった。
関連イラスト
走行音
0番台。ドアエンジンは座席下に搭載されており、1つの扉の左右の動きにばらつきがある。モーター音の出だしは1オクターブ+完全5度。歯車比は5.64で高音、外扇式のため、爆音を出している。歯数比が79:14なので、基本周波数と低音の関係が短7度で、基本周波数に短3度下の音が鳴るため、物悲しさを感じる。