概要
※単行本未収録のネタバレを含みます。閲覧注意! |
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漫画『鬼滅の刃』に登場する継国縁壱×継国巌勝のBLカップリング。
この二人の本来の関係は双子の兄弟(巌勝が兄、縁壱が弟)である。
ただし、弟の縁壱は(回想を見る限りだと)他の弟妹キャラと同じように巌勝を兄として純粋に慕っている様子だったのに対し、兄の巌勝の方は兄として接しつつも自分よりも剣の才能に溢れた縁壱に強く焦がれ、本気で憎悪していたという本作における他の兄弟キャラと比較するとかなり歪な兄弟関係になっている。
だが、縁壱が死んだ際に幼少期に自分が与えた手作りの笛を所持していたという事実に気付いて「もうやめろ」と思いつつも涙を流したり、その笛を今度は自身が所持し続けていたことをみると巌勝が縁壱に抱いていたのは決して憎悪だけではなかったことが推測される。
実際、巌勝が縁壱を憎悪するようになったのは自分よりも才能がある人格者だと気づいてからで、それまでは縁壱を哀れに思い、一緒に双六や凧上げをしたり、自分の持ち物だと気付かれないように上記の手作りの笛を渡したりしていた。
「助けて欲しいと思ったら吹け 兄さんが助けてやる
だから何も心配いらない」
そうして父親に見つかると、殴られ青あざをつくっても縁壱の元に通っていたのだ。
それは正に父親から忌み子のような扱いをされている弟を大切にする兄の図であり、この巌勝の冷遇されていた弟への献身に対して縁壱は兄の優しさを感じ取っていた。
巌勝の剣の師範を打ち倒してしまったことを切っ掛けに急に継国家に兄を差し置いて縁壱を跡目とする動きが生まれる中、縁壱は母の死を見届けた後、
「いただいたこの笛を兄上だと思い、どれだけ離れていても挫けず、日々精進致します」
と言う言葉と笑みを残し、継国家を出奔。それから十数年後、二人は予期せぬながらも再会を果たし、以後は共に鬼狩りの戦士としての道を歩むようになった。
縁壱が類い希なる剣の使い手であることは間違いがないことであるのだが、縁壱自身の出奔してからの過去について巌勝は恐らく知ることがなく、完璧な人格者などではないとは解らなかった。また縁壱も兄の苦悩や弟に対する想いについて気づくことなく、双子の運命は暗転する。
兄が無惨の口車に乗って鬼と化し、その間縁壱は無惨と対峙して圧倒するも取り逃がしてしまう。縁壱は鬼殺隊を追放され、数十年間鬼になった兄を追い続けた。
「お労しや兄上」
年老いた姿で相対し、結果縁壱は寿命を迎え命を落とすが、前述の通り幼い頃巌勝のあげた笛を今だに後生大事に手元に置き続けていた。そして縁壱の死後、形見とも言える笛を数百年の間、巌勝も所持し続けていたのだ。
以上のことから総じて、弟らしく兄に甘える縁壱と疎みながらも生来の兄気質から面倒を見てしまう巌勝、またすれ違ってお互いの想いが伝わらない二人が描かれることが多い。