内訳としては同じBLでもニアホモとR-18～R-18Gはまったく別の分野であり（少女漫画とTL、女性漫画とレディースコミックが別物なのに似ている）、加えて各種特殊嗜好（女装・性転換・擬人化・ケモノ・リバ・逆リョナetc.）によって細分化されているため、「腐向け」タグのついた作品が、必ずしも全ての腐女子に対応しているというわけではない。

また、夢向け（傍観夢やBLD）やショタなど、別の界隈と領域が重なるタイプの腐向け作品も存在する。

更に、恋愛を扱う以上登場人物が複数人いなければ成立しないように思えるが、主観視点で腐ィルターを通して男性キャラクターを傍観（鑑賞）する作品も存在し、これはキャラクター単体でも成立する。

このように多様かつ複雑なジャンルであるため、棲み分けを意識したタグ付けが求められる。

女性主人公の作品、女性キャラがメインの作品、男女の恋愛がメインの作品であっても、男性キャラがニアホモ風のキャラ付けである作品も存在する。

女主人公の姿が隠れてないと（または、個性が確立した女主人公が恋愛せず、女主人公の飾りの男性が独立して行動していないと）男性キャラに恋できないし、女主人公の性格を覚えられない
ニアホモ風の絵柄じゃないと男性陣に攻め受けが発生したり、蛙化現象を阻止できなかったりし、女主＝（≒）自分として男性キャラに恋できない
女主＝（≒）自分が親友好きなニアレズ風のキャラ付けなので、一緒にいる男性もニアホモ風に描いただけ
公式で三角関係のシーンやヒーローが当て馬と話していて誤解を解くシーンを除き、ヒーローが女主＝（≒）自分以外のフリーの女性と話していたら（我々読者の世界で）炎上してしまうため、ヒーローに恋愛以外の言動をさせる際に消去法で男性と会話をするシーンが多くなった
BL自体よりも、ヒーローが男と会話していたりヒーローが攻めや受けのような仕草をしているとBL風に見えてしまう女主人公の心理を描きたかった（受けやリバっぽいヒーロー単体を気にしていたり、BLの知識があるだけの描写）

と言う夢女子や雑食も多く、一般的にニアホモは腐向けに含まれない。

腐向けとBL

元々二次創作のBLはやおい(801)と呼ばれており、やおいとBLは別物という解釈もあったが、「やおい」に代わって「腐向け」という呼び方が流行りだした頃（2000年代後半）から区別が曖昧になり、二次創作もBLと呼ばれることが増えている。

そして現在(2021年)、二次創作において原作で描写されていないキャラクターの性的指向を捏造・時にヘテロ描写のあるキャラクターの改変も辞さず・恋愛関係と明示されていないキャラクター同士の関係を邪推することから来る自虐として｢腐｣という自称を行うという新しい定義づけに賛同する声が増えている。この定義では、性的指向が捏造・改変されているキャラクターの原作における身体の性や性自認が男性であるか否かは関係ない。創作されるCPがホモセクシャルカプ(GL･BL)だろうとヘテロセクシャルカプだろうと、原作にないCPは棲み分けするべきというものである。ホモフォビア(同性愛嫌悪)や異性愛規範によるヘテロセクシャルならどんなものも容認される価値観への問題提起としてなされた考えだと思われる。

pixivでは創作（オリジナル作品）用に「創作BL」というタグがある。

腐向け（BL）タグの問題

腐向け（BL）は男性キャラ同士のカップリングであるにもかかわらず、男性ではない性別不明、不詳、無性別のキャラとのカップリング作品（二次創作）に腐向けタグが付けられているのもある。それは二次創作を書（描）いた作者がそのキャラを男性だと勘違いしているのか、勝手に男にしているのか、男体化設定にしているのか理由は様々である。腐向けタグを付けていることに関して注意書きをしない作者もいるため、非常に厄介でそのキャラが男性だと勘違いされる原因の一つになっているため、問題の一つでもあり注意が必要である。

腐向けの"問題"

腐向け作品はpixivに投稿された総数が膨大であるぶん、その表現自体を好まない層との衝突がしばしば起こる。

pixiv初期より、腐女子の増加に伴い、男向け・両性向けコンテンツにおける腐ネタの同居に対して対立が起きるようになった。

初期に多かった男性ネット住民からの批判に関しては、2010年代に『真夏の夜の淫夢』が普及したことでゲイ耐性が付き、若い世代ではその後鳴りを潜めている。一方、今度は非腐女子の女性ネット住民やリアルゲイからの批判が起きるようになっている。

リアルな声リアルな声2 リアルな声3 リアルな声4 リアルな声5 リアルな声6

このような問題は他ジャンルでも存在し、様々な趣味の利用者が存在するSNSでは、各々が不快な表現を避けるべきとする声もあるが、「腐向け」ジャンルは、各利用者の趣向の違いから揉め事が起こりやすく、自主的に対策を講ずることが必要であると慣習的に扱われている。

検索の問題（棲み分けに関する様々な考え方）

他の好みの分かれるジャンルと同様に、マイナス検索を意識してその表現を示すタグを付ける(「腐向け」タグを付ける)ことが棲み分けの手法とされる一方、BLが検索で表示されるだけで軋轢がおきる恐れがある実情ゆえか、検索避けも棲み分けの手法とされる。ただしこの2つの手法はタグを使う上では両立できず、各個人が手法の選択に迫られる。（→棲み分けタグ）

【棲み分けを意識した投稿方法に関する考え方の一例】

タイトルに【○○腐】などの腐向けキーワードを入れて識別可能にする。
タグに腐向け又は腐タグを入れる。
CP名タグだけを使わない。
- これは歴史物での同姓同名や原作CPとかぶるケースが存在するため。ピクシブ百科事典で自分の作品に合った専用タグができていないか調べる。無ければ作り百科事典に記述しpixivマナータグをつけて普及させタグの乱立を避ける。
そのキャラクターのタグを入れたい場合、腐向けだけの絵をまとめ、表紙を腐向けでないものに「腐向け注意」と書いたものにして投稿する。
男性同士の恋愛模様の作品に百合タグを混入しない。

※カップリング(CP)全体の注意点については「カップリング」の記事も参考にしてほしい。

タグ添付にまつわる問題

明らかな腐向け作品であるのに「腐向け」タグをつけない投稿者が存在するなどの理由から、”「R-18」「R-18G」のように「腐向け」の閲覧制限追加を求める"という一部ユーザーの意見も存在する。腐向け作品の愛好家サイドからも腐向けを好まないユーザーとの棲み分けを実現すべく、システムの改善を求める声が上がる場合もあり、トラブルを避けるため腐向け作品をマイピク限定公開にするなど、自ら閉鎖的な活動を行うユーザーも一部では存在する。

これらの声に対し、pixiv運営は2010年7月に「（アンケートにより）検討する」旨の発言をしているが、当該ツイートから数年が経過した現在でもなお実現には至っていない。ただしR-18ランキングの「作品属性で隠す」はそれに近い。

問題回避のための棲み分けではあるが、度を過ぎれば、他人の作品への注文や干渉・嫌悪感や差別観の押しつけ・評価機会の不平等化にも繋がりかねず、逆に衝突を生む要因ともなる。自分の感情と折り合いをつけられるよう努力し、投稿者との建設的な関係を築くよう心がけましょう。

閲覧者がタグ付けする際の留意点

前述のように愛好者の自戒として「腐向け」という言い方を使う投稿者が居る一方、BLを「腐向け」と言い表すのは差別的な表現であると考え、敢えてこのタグを使用しない投稿者もいる。そのため、閲覧者が(検索する際の利便性や実用性を踏まえたとしても)「腐向け」タグを勝手に付けることは避けるべきであり、このタグを付けるかどうかは投稿者に委ねるのが望ましい。

どうしても棲み分けタグを付けたい場合は「BL」表記が無難。

参考→Twitterハッシュタグ#腐もNLも使わない

「腐向けタグをつけて」の誤解（ジャンル分けとマイナス検索）

作品のジャンル分けとマイナス検索（検索避けではなく）を望む層にとっての理想は、腐向け作品にジャンルタグの「腐向け」や「BL」が付くことだけである。
- 投稿作品に腐向けタグが付くことで、閲覧側は検索時に「-腐向け」と入力し検索結果から腐向け作品を除外することが可能。現在はこちらが最も簡素で手軽に実行できるオーソドックスな棲み分け手法とされる。
「作品・作者別、腐向け作品リンクタグ」にあるような派生の専用タグとは無関係に「腐向け」か「BL」タグを付けてほしいという要望も含まれる。
- 基本的には「腐」と打てば「腐向け」やこの字のある専用タグを含めて検索できる。1文字の「-腐」のマイナス検索では「豆腐」「腐川冬子」など一般的な言葉や人名も除外される欠点はあるが、それらはさほど多くない（→腐）ので臨機応変に。
- ただし、「-腐」の部分一致検索ができないケースがある（ミュート機能※と、小説のタグ検索）。そのため、専用タグとは別に大元の「腐向け」タグを欲する利用者もいる。

※あらかじめ指定したタグを含む作品のサムネイルを非表示にするミュート機能がプレミアム会員限定で公開されている。検索のたびにマイナス検索の「-腐」「-腐向け」を追加する手間を全般的に省きたいなどの要望があり、特に金銭的な負担を厭わない様な場合にはこちらの検討を参考までにお勧めする。

専用タグでの検索避け

原作ごとの腐向け専用タグ+CP名のみを使う。（作品名による検索に引っ掛からないため（検索避け）の要望。）元の作品名タグを付けず腐向け専用のタグを使用する事で、作品名タグ検索結果からの検索避けをすることができる。（詳細は作品・作者別、腐向け作品リンクタグを参照。）

ジャンルタグの「腐向け」「BL」タグと専用タグは共につけて良い。むしろ共につけたほうが良い。

また投稿前の考えの一助となるものとしてpixivマナー・棲み分けタグ・二次創作・同人・著作権の記事が挙げられる。

専用タグの考え方は黒バス【腐】タグについて - Togetterまとめが判りやすい。

「元の作品名タグをつけないのが望ましい」の二次被害

多くの専用タグの記事でこの一文が入る現状との折り合いは悩むところであるが、検索避けのために作品名・キャラ名を付けないことが、却って検索（マイナス検索含む）の妨げになる場合もある。腐向け専用タグにもカップリングタグにも一般的な言葉と部分一致（ときには完全一致）してしまうものが少なくなく、対処困難な検索妨害になる危険をはらんでいる。

腐向け作品はカップリング絵に限らずキャラ単体の絵でもあり得るので、ジャンル毎の専用腐向けタグを使う場合そのジャンルの専用タグをあらかじめ知っておかないとマイナス検索ができず、キャラクター名を併記している場合検索に引っ掛かってしまうという意見もある。ちなみに原作で腐ネタが存在する作品には、別に元の作品名タグをつけないのが望ましいという事はない。

CP	恋愛、カップリング、男男、男×男
愛	同性愛
別名	ゲイ、ホモ、薔薇
同意語	やおい、yaoi、801、やさい
別表記	BL（ボーイズラブ）、メンズラブ
表記ゆれ	腐向、腐
対義語	GL（百合）、NL（ノーマルラブ） / ノーマルカップリング、ヘテロ（HL）

名称	腐女子、貴腐人、腐男子、腐兄
創作	創作BL、二次設定、腐つくしい、腐向けうごイラ
商業	商業BL
腐	腐敗、腐ってやがる
同士	一緒に腐ろう、腐女子化、腐レンド
曖昧	微腐、微腐向け、腐向け?、腐?
R18	腐R-18、ホモエロ
属性	ヤンホモ、ショタ、ロボやおい
企画	クロ腐オーバー、版権作品企画【腐】
棲み分け	女性向け、特殊嗜好、棲み分けタグ、マイナス検索
他関連	腐向けタグ入れて下さい。、腐向け(-検索用)、オレ達はそんな変態じゃねーぞ