概要
上野国平井城の城主であった千葉采女の娘として生まれる。
やがて上杉謙信がまだ二十代の頃、その軍門に降ろうとした父の意向で謙信への人質にだされる。
伊勢姫と対面した謙信は彼女の美しさに魅せられる。その一方で伊勢姫も自身を気にかけてくれる謙信に気を許すようになっていき、二人は惹かれ合うようになる。
謙信は彼女を側に置こうと試みるが、重臣の柿崎景家が『降将の娘を娶るのは傾国の元』と強く反対し、一部の重臣もこれに同調したため止むなく断念する。謙信と夫婦になれないことを嘆いた伊勢姫は青龍寺で出家し、尼となってしまう。後に謙信の家臣である甘粕近江守が、伊勢姫を還俗させて思いをとげさせようとするが、既に彼女は心痛のあまり病死した後だった（一説には自害とも）。この事実を知った謙信は、悲しみのあまり食事ものどを通らないほどだったという。
伊勢姫の悲恋は謙信に関する代表的な恋愛エピソードの一つだが、彼女の名は『松憐夜話』などの一部の軍記物にしか登場せず、正確な資料が無いため、実在したかはかなり怪しい。
戦国大戦
『戦国大戦』では同じく恋愛エピソードのある絶姫共々カード化している。行動的な絶姫とは対照的に、相手の無事を祈る穏やかな女性として描かれている。彼女の持つ計略『悲恋の結末』は自身を犠牲にして最も武力の高い味方を強化するもので、同ゲーム最高武力を誇る謙信との組み合わせを意識した物であり、他にも伊勢姫の想いを遂げさせようとした近江守とも相性が良いが、その反面自身と謙信を引き裂いた景家とも相性が良いという何とも皮肉な仕様になっている。
『私の想いあの方に届きますように‥‥‥』
