概要
「本好きの下剋上」に登場するダームエルとフィリーネのカップリング。
下級貴族ながらローゼマインに仕える、難しい立場の側近仲間でもある。
年の差は10歳(フィリーネ7歳の時ダームエル17歳)。
フィリーネは、実家から救出された時にダームエルへの恋を自覚した。「子供のわたくしに大人のダームエルが振り向いてくれることはないでしょう」と思いつつも、恋のための努力も続けている。ユーディットいわく「顔に出ている」ほどで、他の側近仲間には想いを知られている模様。
ダームエルは、失恋経験や縁談のなさに落ち込んで見せていたうえ、フィリーネの想い人をローデリヒだと誤解して動いていたが、のちにフィリーネを結婚相手と定め、物語本編の終盤では何らかの進展があったことを匂わせた。
大まかな流れ
出会いはローゼマイン7歳冬の始まりの宴。(※1)
ローゼマインが毒に倒れた後の子供部屋では、共にヴィルフリートとシャルロッテを手伝っていた。
下級貴族ながら領主一族の側近に取り立てられたダームエルに、フィリーネは「自分もローゼマイン様にお仕えしたい」と口にして、真摯な返答をくれたことに励まされ、ローゼマインに捧げるお話を書き続けた。
貴族院で側近に取り立てられたフィリーネは、領地に帰還した後、実家の乗っ取りを企む父の後妻により弟ともども虐待され、監禁されてしまう。それを助けたのがローゼマインの指示で乗り込んだダームエルだった。ダームエルはフィリーネを気遣い、家庭の事情で平民の服を着ていた彼女をマントで包み隠した。フィリーネはそんなダームエルの優しさと頼もしさに恋に落ちる。
恋を自覚した当時のフィリーネは、『一日も早く結婚したいダームエルに対して、子供の自分』という現実などから、叶わぬ恋だと考えていたが、それでも想いを大事にしたいと、前向きに頑張る糧にしていた。
在学女性側近仲間と結婚相手の話をしたさいには、自分が実家を継ぐと語っており、入り婿として支障のないことからもダームエルを意識していた。
ダームエルは、慣れぬ執務+フェルディナンドの無表情に涙目のフィリーネを励ましたり、心ない視線から庇ったりと、フィリーネに親切に接していた。だが、ローデリヒに気があると勘違いしていて、中級貴族にあがれる機会は貴重だとフィリーネに告げたり、自分は結婚と縁遠いことを嘆いて見せたり、結婚相手にフィリーネはどうかというローゼマインの提案に一度は反対したりもしていた。
ローゼマインの中央移動の話が出た際に、フィリーネの弟を貴族に戻すための手段として婚約を提案したが、断られたそうで元気をなくした。『伴侶としての自分の魅力』をかなり低く見積もっている様子で、婚約を断られた原因も、フィリーネのその気のなさだと思い込んでいたらしい。
フィリーネは「ダームエルの言葉に甘えるのはダメだと思った、胸を張って隣を歩けるような女性になってから求婚したい」とローゼマインに語った。
ダームエルはローゼマインからその話を伝え聞き、半信半疑ながらも生気を取り戻して、エーレンフェストに残ってフィリーネの選択を待つ意向を示した。
ローゼマインの婚約式の日、ダームエルは「フィリーネとの関係」を話題に出されて、何度か頷く、という反応を返しており、主人公は何かしらの変化を感じ取った。(※2)
ちなみに主人公は不自然なほどフィリーネの恋愛感情を見落としてきており、相手はローデリヒだというダームエルの仮定もそのまま信じていたらしく、ダームエルだと気づいた時には戸惑った。エラからフーゴへの想いを見落とした描写もあり、主人公が懸想を認めにくい範囲は自分の中だけではないのかも知れない。
それぞれの視点の話
フィリーネ視点(web版)
367『城でのお留守番』
SS10『わたくしの主はローゼマイン様です』
SS44『貴族院からの帰宅』
フィリーネ視点(書籍版)
四部3特典/短編集1『わたくしの騎士様』
四部5『城でのお留守番』
ふぁんぶっく3『主に内緒の図書館見学』
短編集1『わたくしの主はローゼマイン様です』『貴族院からの帰宅』
ダームエル視点(書籍版)
二部3『神殿の昼食時間』
三部5『下級貴族の護衛騎士』(※3)
参考
ダムフィリ関係の話(web版)
336〜338『情報の買取りとフィリーネ』〜『コンラートを神殿へ』
454『別離』
ダムフィリ関係の話(書籍版)
四部3『情報の買い取りと魔力圧縮講座』〜『コンラートを神殿へ』
四部9『出発準備』
ふぁんぶっく4『魔力感知と結婚相手の条件』
主人公のフラグ見落とし
342/四部4『春を寿ぐ宴』
357/四部4『留守番中の生活』
主人公ようやく気付く
540/五部4『青色見習いの受け入れと孤児院の子供たち』
その他
原作者の活動報告やTwitterなどでは、ダームエルの鈍感さやフィリーネの努力だけでなく、卒業式でエスコート相手になること、ダームエル側も恋心を持つこと、キスをする間柄であることなどが、示唆・想定されている。
特に、卒業式のエスコートは、本編の未来の話として決まっている可能性が高い。(※4)
注釈
※1 あくまで推測。洗礼式前のフィリーネがダームエルと出会っている可能性の低さを考えると、洗礼式で出会い、子供部屋で面識を得たと考えるのが自然だが、断言できる描写はない。(2021年7月現在)
※2 婚約式の日にローゼマインとダームエルが面会した部屋には、ジルヴェスター、ボニファティウス、彼らの側近達、エルヴィーラ、アレキ籍になった側近仲間達など、フィリーネを知っているメンバーが多数いる。そんな中でダームエルは、フィリーネの名前つきで恋バナをふられても否定的な態度を取らなかった。フィリーネを相手と見なしていることは周知されていると考えられる。
※3 ダームエル視点の話は、主人公の2年間の眠りの間までしかない。フィリーネは自分の片思いだと考えたが、フィリーネが側近仲間になった後のダームエルの心情は「不明」である。(2021年7月現在)
※4 『ハンネローレの貴族院五年生』が次回作の案の一つだったころに、ダームエル視点の『フィリーネの卒業式』というタイトルも挙げられていた。本編で「交際相手がいないせいで一人だけ貴族院に行けない」という描写のあったダームエルが縁談なしに貴族院に足を運ぶとは考えにくく、それでもなお特例で卒業式を見に行くと仮定するならば『主の卒業式』などのタイトルが妥当だと考えられるため。