概要
天久鷹央の推理カルテは、医師(内科医)知念実希人による日本の推理小説。シリーズ名は『「天久鷹央」シリーズ』。新潮文庫nexレーベルにて刊行。キャラクターデザイン・表紙絵はいとうのいぢ。
第1シリーズ「天久鷹央の推理カルテ」が全5巻、第2シリーズ「天久鷹央の事件カルテ」が連載中。
刊行においては、第1シリーズ『天久鷹央の推理カルテ』が新潮社より同社文芸誌に小編が掲載され文庫用に書き下ろし、第2シリーズ『天久鷹央の事件カルテ』からは文庫書き下ろしとして刊行している。
東京都東久留米市にある天医会総合病院にて、主人公にして天才の天久鷹央(以下鷹央)が、患者自身や院内の医師・看護師さえも病状を理解出来ず、厄介払いという体で鷹央を部長とする部署「統括診断部」へ追い払われてきた患者を診察(推理)、病名と、対する治療法を患者に諭告、患者の「病気」を「治療」していく医療ミステリ(公式表記は「メディカル・ミステリー」)。
天医会総合病院統括診断部に赴任した小鳥遊優が天久鷹央の活躍を綴る形で物語が展開していく。
登場人物
- 天久 鷹央(あめく たかお)
ヒロイン。年齢は27歳~。天医会総合病院統括診断部部長兼副院長。一見、中学生や高校生と見間違われる幼児体型をしていて本人は20代だと気にしている。その一方で四捨五入による繰り上げにはアラサーではないと怒る。
外出に気力を要する引きこもりで、往診や現場検証といった特別な外出要件がない限り、基本的に自身配属先である10階建て天医会総合病院10階の統括診断部と屋上にあるレンガ造りのファンシーな自宅兼医局「家」を往来する生活をおくっている。
人の機微には疎く、小鳥遊との関係も鷹央本人は小鳥遊に対し恋愛感情は持っていない。普段は小鳥遊を電話やポケットベルを用いて手足のように使用する。普段から携行してはいないものの護身用にスタンガンを所持していて小鳥遊の負傷や不在時、自らの護身用に使用する。その一方で部下としては信頼していて突き放されると深く落ち込む一面を見せる。
好奇心旺盛でホームズ譲りの推理力と患者や関係者に地位も相成った尊大な態度で語り掛ける自信家な一方、推理の外れや長時間真実に辿り着けないでスランプに陥るとメンタルが一気に崩れてしまう豆腐メンタルな一面も持つ。
- 小鳥遊 優(たかなし ゆう)
見習いとして天医会総合病院統括診断部所属に配属。鷹央の下につく鷹央の奴隷(鷹央)/部下(小鳥遊本人)。鷹央からは度重なる自身のヘタレぶりに苗字を捩って「小鳥」と呼ばれている。本作におけるワトソン。
女好きで院内の女性看護師を口説くも失敗し結果的に女好き悪評だけが院内に広まる悪循環を繰り返している。異性でもある鷹央に対しての恋愛感情はない。
愛車はRX-8。武道に通じ鷹央からはボディーガード兼運転手と言う秘書や付き人にも似た待遇を与えられている。小鳥遊本人は、あくまで鷹央からの要望として引き受けている。
- 鴻ノ池 舞(こうのいけ まい)
研修医。情報通で小鳥遊の行動を逐次鷹央に報告している。
- 三木 健太(みき けんた)
ある事件で鷹央達に深い影を落とす事になる元患者。ニューヨーク・ヤンキースの帽子(漫画版は「N」のみ)がトレードマーク。
- 天久 真鶴(あめく まづる)
天医会総合病院院長にして鷹央の姉。鷹央からは恐れられている。
- 天久 大鷲(あめく おおわし)
天医会総合病院院長にして鷹央の叔父。経営者肌で病状の推理に執心する鷹央とは相性が悪い。大鷲本人は経営者としての割り切りで依頼者を買って出る事もある。
- 成瀬(なるせ)
公権力の介入が必要な刑事事件解決で鷹央が懇意にしている刑事。本人は部外者から結果的に業務を邪魔される格好になる事もあり鷹央達ヘの捜査関与には消極的。
メディア化
緒原博綺による漫画版が原作出版社新潮社刊行の雑誌月刊コミック@バンチにて連載。原作小説第1シリーズ『天久鷹央の推理カルテ』第2巻最終話「天使の舞い降りる夜」までをコミック化。全4巻。
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ひきこもり探偵:主人公「鳥井真一」が鷹央同様引きこもり、中学からの同級生にしてワトソン役「坂木司」が27歳、ホームズ役活躍をワトソン役が綴るシャーロック・ホームズ的物語展開、ホームズ役が共に感情の機微に疎い、互いに信頼し、それが故に離れられない依存関係等、共通点がある