概要
皇歴2010年に勃発した神聖ブリタニア帝国と日本の戦争、通称『極東事変』で日本は敗北してブリタニアの属領、エリア11となった。
戦後、その降伏を由としない軍人達が片瀬帯刀少将をリーダーに組織したのが『日本解放戦線』である。当時の日本軍人達で更正されている=旧日本軍の残存勢力であるためにブリタニアも不用意に手が出せない相手として最大の警戒をしていた。
実際、ゼロが台頭するまではエリア11最大の反ブリタニア勢力として租界の一般人にも認識され、ナリタ連山を要塞に改造している。山そのものを要塞にする資金と正規軍としての指揮系統と本職故の練度が示すとおり、素人集団である他のレジスタンスとは別格であり、NAC(キョウト)からもKMFの提供を積極的に提供されるほどの支援を受けていた。
内情
が、内情は一枚岩とは言いがたく、草壁を始めとした急進派と藤堂を中心とした慎重派に分かれている。急進派はいかにブリタニア人といえども一般市民を殺害することさえも辞さない。逆に慎重派はブリタニアの軍事力の強大さを熟知しているために独立を是としながらも、不用意に動けば7年前の二の舞になるのを恐れ、本格的な行動に移れずにいた。
最大の特徴は日本が唯一、ブリタニアを撃退した戦闘……通称『厳島の軌跡』を実現した『奇跡の藤堂』こと藤堂鏡志朗と直属の四聖剣を擁している点にある。藤堂はKMFをもたない日本軍が唯一、ブリタニア軍を撃退したその卓越した指揮能力と戦術眼からブリタニア皇族からも最大級の警戒心を抱かれる程の逸材である。
が、それが災いして一般のイレヴンはもちろんのことキョウトや片瀬を始めとした軍人達でさえも『藤堂がいれば神風が吹く』、『厳島の軌跡をもう一度』と本人の能力以上の結果を求める状態に陥ってしまう。
崩壊
草壁ら急進派のホテルジャックで行われたブリタニアの民間人を殺害した暴挙が明るみに出て、イレヴンからの支持は低下。同時に本拠地を割り出したコーネリア・リ・ブリタニアが親衛隊を筆頭とした自身の直属軍を率いて制圧作戦を開始する。
しかも、総指揮を執る片瀬は上記のとおり『最初から藤堂による奇跡』をあてにしている有様であった。
結果、籠城策をとればまだ勝機があった上に『相手が山を登ってくる』=地の利があるにもかかわらず、KMFの性能や練度を差し引いても一方的に蹂躙され、ゼロの策略でブリタニア軍諸共殆どの部隊を壊滅させられる。
最後は流体サクラダイトを逃走資金代わりにE.U.か中華連邦への脱出を図るが、既に用済みと見做されたゼロによって自決に見せかけて抹殺された。一部の生き残りは中華連邦に亡命したが、野盗に成り下がって最後はピースマークによって壊滅した。
余談
考え方自体も前時代的な人間ばかりで『日本人は日本奪還のために戦うべき』というような自国の惨状から来る国民の窮状を目の当たりにしているにも拘わらず、本質的には全く理解せずに独立や反ブリタニア活動の一言で片づけるような悪い全体主義に加えて民族主義の側面もあり、『首相の息子』という特異な出自があるとはいえ『当時10歳の子供でしかなかった枢木スザクを日本のために起つべき』と国の事情を顧みればやむを得ない側面もあるとはいえ、本人の意向を最初から蔑ろにしているというある種腐敗した国家の側面を象徴もしている。
この側面自体は紅月カレンも同級生として過ごしていたにも拘わらずスザクに『首相の息子』を持ち出しており、そうした意味では日本人の意識や国家体制も腐敗していたことを示唆している。
また、KMFの鮮烈なデビューである極東事変がE.U.と中華連邦、ジルクスタン王国がKMFの開発に着手するきっかけにもなる。しかし、肝心の日本軍はKMFを有していてもそれをまともに活かせていないことから、KMFの有用性を正しく理解せず、敗戦から何も学習していないという旧日本軍の腐敗を象徴する形にもなったと言える。
ゲームLOSTCOLORSではライが日本解放戦線のメンバーになるルートも存在する。
