『F-8の設計図を踏んづけて出来たヤツ』
1962年、アメリカ海軍はA-4の後継として超音速攻撃機を構想していた。
しかし超音速攻撃機は高価になることが予想されたため、
亜音速の攻撃機で、しかも安価で1967年には運用開始できる事とされた。
国内数社のメーカーに要求仕様を提示し、その中からLTV社が受注を勝ち取った。
機体はF-8をベースとし、要求仕様に合わせて再設計している。
例えば亜音速飛行のため、主翼の後退角や機体の全長などが変更された。
中でも主翼は大幅に変更され、F-8のような主翼の角度変更機構は廃止された。
その代わりに主翼のフラップが増設され、
主翼厚を増すと共に翼内燃料タンクも増設された。
エンジンも新型のターボファンエンジンとなった。
(F-111と同じTF-30エンジン)
活躍の数々
要求仕様の通り、1966年10月には部隊配備が開始された。
しかし機体の下に大きな吸気口があるため、
カタパルトの蒸気でコンプレッサーストールになり易い不具合があった。
この不具合にはエンジンの換装しかなく、程なくB型が開発されている。
コンプレッサーストール
ジェットエンジンは外部の空気を取り入れ、風車(タービン)で圧縮して燃焼させる。
この風車を複数利用した空気圧縮機は、「コンプレッサー」と呼ばれている。
入ってきた空気は、タービンの各段で徐々に圧縮されていく事になるが、
これが円滑に働くためには『設定されたエンジン回転数を保つ』ことが必要になる。
空気を正常に圧縮できなくなるからである。
コンプレッサーストールとは、このバランスが崩れて出力が急激に落ちる事である。