君が望むなら
それは強く応えてくれるのだ
今は全てに恐れるな
微かに笑えあの星のように
概要
2022年5月18日発売された米津玄師のメジャー通算12枚目のシングル表題曲。前作『Pale_Blue』より11か月ぶりのシングルCDリリースとなる。カップリング楽曲としてプレイステーション5CMソングの『POP_SONG』と『ETA』が収録されている。
映画『シン・ウルトラマン』の主題歌。タイトルは、米津氏のアイデアに庵野秀明のリクエストを反映して決定した。ジャケットイラストのウルトラマンは米津本人による描き下ろし。
通常版、DVD版の他、変身アイテムを模したレーザーポインター付きの初回限定盤も発売される。
映画『シン・ウルトラマン』主題歌の楽曲として
- 主題歌をつけることは米津自身も「だいぶ昔」と語るほど速い段階で決まっていた。庵野、樋口監督を含む製作陣で検討した結果、「今の音楽業界をあらゆる世代を含めてけん引する存在であり、かつ、その楽曲の持つ世界観に底知れない力のある米津玄師にお願いしたい」という意見がまとまったという。
- 『M八七』というタイトルは、ウルトラ戦士たちの故郷であるウルトラの星(光の国)があるM78星雲の誤植前の呼称(本来は採用するつもりだった)「M87星雲」が元ネタとなっている。故意か偶然か、当時の誤植ネタを使用するという伏線が主題歌発表の時点で仕込まれていたと言えるかもしれない。
- 曲の所々に、「ピポポポポポ……」というとある怪獣の鳴き声を思わせる演出が含まれている。
- ミュージックビデオのロケ地は武蔵野美術大学。初代ウルトラマンの造形をデザインした成田亨の母校であった。映像の内容は、ウルトラマンからの視点を連想させる高所からの市街地景観(中盤のある外星人との戦いの舞台を思わせる工業地帯もある)や、米津が宇宙人の登場シーンのように壁を垂直に歩いたり腰掛けたりする特撮風の非現実的なイメージの画面が続き、「ラストシーン」は倒れた姿勢で中空を漂う。送電塔を下から撮ったり夕日を背景に林立させたりと、庵野秀明作品さながらのカットも混じる。
- Aメロの主旋律やコード進行はグスターヴ・ホルストの組曲『惑星』の第四曲『木星』を引用していると思われる。
- 2番の歌詞にある「君の手が触れた それは引き合う孤独の力なら」というフレーズは、谷川俊太郎の詩集「二十億光年の孤独」から影響を受けて詩の一部が引用されていると推測される。
- ウルトラシリーズのファンからは、「原作に対する理解度が高い」と非常に高い評価を得ている。中には「何十年もの間ウルトラマンの事を好きなつもりでいたが理解の度合いで彼に敵わない」という声も。
余談
- リリースタイミングが米津の1stアルバム『diorama』発売から10年経過するタイミングと重なったため、商業施設東急プラザ原宿表参道エントランスで記念イベント『米津玄師「10thゲート」』が開催された。