概要
豚は猪をもとに品種改良され生み出された家畜であり、原種よりおとなしいとはいえ凶暴な猛獣になり得る側面もある。
牧場で子供が豚に体当たりされて殺害されたり、牧場内で死亡した養豚家が死体を豚に食べられたという事例は現実にも存在するが、ここでは主にフィクション上の人喰い豚について触れる。
小説・映画『ハンニバル』
ハンニバル・レクター博士に恨みを持つ精肉事業者の大富豪メイソン・ヴァージャーが品種改良で作り出した特殊な豚。異様な数の臼歯と猪のように尖った犬歯を持ち、マネキン人形を襲わせる訓練によって悲鳴を上げた人間を喰い殺すよう調教されている。
メイソンはこれをレクター博士にけしかけて生きたまま捕食させるつもりだったが、FBI捜査官クラリス・スターリングの妨害により失敗。映画版では自らが養豚場に突き落とされ食い殺されるという無惨な結末を遂げた(原作小説では他のペットに食い殺されている)。
ゲーム『Bloodborne』
最初のステージ「ヤーナム市街」の大型モブエネミー(実質的な中ボス)として登場。「聖堂街」方面へ繋がる狭い下水道内に待ち構えている。遺棄された死体を食べていた為か異常成長しており、四足で歩いている状態でも狩人以上の体高を誇る。
狩人を見つけると、ダッシュからの突進、立ち上がって圧し掛かり、遅行毒を含んだ嘔吐、首を振り回すなどの手段で攻撃してくる。特に突進は狭い下水道内ではかわしづらい上に多段ヒットするので、下手に逃げようとすると追いつかれて即死することもある。
耐久力も高めで怯ませることは難しい。対獣属性は有効だが体毛が薄い為かノコギリ属性は無効。ただし銃パリィやバックスタブは有効で、背後さえ取れればバックスタブでハメ殺すことは難しくない。複数の輸血液(回復アイテム)をドロップするので、慣れた狩人にはマラソン対象にされている。
後の「隠し街ヤハグル」や「禁域の森」にも登場する。「隠し町ヤハグル」では複数体が徘徊しているほか、「禁域の森」では大量に現れる蛇玉との連携攻撃が厄介。
聖杯ダンジョンでは低階層のボスとして現れる事もある。ボス個体は攻撃手段が増えており、バックスタブを取ろうと背後に回ると蹴りで反撃してくるほか、専用の連続攻撃を使用する。また、体力が減ると狩人との位置に関係なく唐突に突進する事があり、行動パターンを読みづらくなっている。
また、「メンシスの悪夢」にいる個体は「人食い豚(多目)」という別種扱いされている。こちらは医療教会の実験かメンシスの脳みその影響を受けたらしく、複眼のように多数の目がついた不気味な姿をしている。嘔吐も遅行毒ではなく発狂ゲージを蓄積させるガスに変更されている。ステータスもゲーム終盤相応に強化されているうえ、2体同時に出てくる難所もあるが、付近を徘徊するヤーナムの影と敵対しているので両者を戦わせて輸血液や血の遺志稼ぎに利用する者もいる。
使者の赤いリボン
ヤーナム市街に住む少女に母親の形見を渡すかオドン教会へ避難するよう促すと、少女が家から姿を消す。その後に下水道の人喰い豚を倒すと「使者の赤いリボン」をドロップする。これは「少女が身に着けていた白いリボンが臓物の血に塗れて赤くなったもの」とされており、彼女の辿った悲痛な運命が示唆されている。
その為、人食い豚の周囲には「豚を許すな」というメッセージが残されている事が多い。
しかし、少女の生存を望むプレイヤーの中には、「少女は父親に鍛えられており、リボンを巻いた素手で人喰い豚にバックスタブからの内臓攻撃を仕掛けて逃亡。無事にヤーナムから脱出した」と(ネタ混じりで)主張する者もいる。