概要
「鉄血のオルフェンズ」(二期)に登場するヴィダールとジュリエッタ・ジュリスのカップリングタグ。
辿った経緯こそ違うものの月外縁軌道統合艦隊アリアンロッドの総司令官ラスタル・エリオンに拾われる形で同僚(?)となった二人。
後から入ってきたにもかかわらずラスタルに絶大の信頼を受けるヴィダールの存在が面白くないジュリエッタは彼を一方的にライバル視しており、また決して素顔を見せない事から信用ならぬ人物と注視していた。
劇中での動向
以下、本編のネタバレを含みます
- 30話
劇中で初めて会話を交わす。勝気な彼女はそうした溜め込んでいた気持ちを真正直に彼へぶつけ(ラスタル様の)えこひいきだと愚痴を漏らすが、ヴィダールは同じ様に君も噂されてたと意趣返す。
「ラスタルを信用しているんだな」
「尊敬すべき上官ですから」
「そうか・・・誇り・・・か」
上記のやり取りを皮切りとして、それ以降度々二人は言葉を交わすようになる。
- 33話
身寄りの無い身を拾った恩人であるガラン・モッサを失った事に哀しみと怒りに震え自分は強くあり続けねばならないと吐露する彼女にヴィダ-ルはその様な人物を知っていると語る。
「その様な立派なお知り合いがいたとは。貴方は想定していたより真っ当な方なのかもしれません」
「君は想定したよりシンプルな精神構造をしている」
「?それは褒めているのですか」
「もちろん」
「フッ、どうも」
かわいい
- 34話
交流の機会は出来ても以前正体不明な彼に対し、ラスタルの害となる存在ではないかとの疑いの晴れない彼女はなんの為に貴方は戦っているのかと問いかける。
そこで普段穏やかな人物の様にみえていた彼は復讐という意外な言葉を口にした。
「機体名がヴィダール…自身と同じ。自らの身をMSと1つにし、本来の自分を捨て去ろうというのですか。復讐のために…」
ジュリエッタの感性から復讐とは本来黒く汚らわしいものの筈だった。
しかしヴィダ-ルの戦いは強く、とても美しかった。思わず綺麗だと口にしてしまう程に。
「あぁ忘れていた。今はただこいつ(ガンダムヴィダール)と戦うのが楽しかった」
「本当に変わった人。私は貴方に不信感を持ったままです。…ですがこれから共に戦うのに不安はない事は解りました」
- 35話・38話
ヴィダールの実力を実際目にし、またセブンスターズの内情に詳しい事に対して「物知り」と評価したりとマイナスだった彼への仲間としての信頼度は徐々に上がるものの、レギンレイズ新型への搭乗許可をラスタルから正式にもらったのかと暗に行動を諌められる等され、気に食わなさは変わらないのだった。
- 43話
新型MSでの初戦も散々な形で終わり、謹慎処分で身動きの取れないジュリエッタの焦りは頂点に達しており、強くなければ自分に存在価値など無いと整備主任のヤマジンに吐き出す一方で、ヴィダールはついに仮面を捨て復讐の相手に一矢報いろうとしていた。
なんと彼の正体は先のエドモントンで死んだとされていたセブンスターズが一角、ボードウィン家嫡男ガエリオ・ボードウィンその人だったのである(知ってた)
メタ視点で捉えなければかなり衝撃の事実にもかかわらずジュリエッタは平常運行で戻ってきた彼に動揺一つ見せずに接する
「想定していたより整った顔をしていました」
「貴方もまた力を欲する人だったのですね」
ブレない
ヴィダールからガエリオに戻った彼はそれでも彼女の生き方を否定しない。
自信を持てという様に肩に手をおき彼女をしっかり見据えて告げる。
「いつか話した事があったな。君と共通点のある戦士の事を。
人であるからこそ想いが生まれると俺は信じている。
自分を否定するな。
尊敬し、信頼できる人物を持ち、その為に向上したいと願える君は正しい」
- 46話
バルバトスと交戦し重傷を負ったジュリエッタは、その後ガエリオが回収したおかげで一命は取り留めた。
ラスタルの前では「船に戻る途中偶然見つけただけだ」と言っていたが、その後意識の戻ったジュリエッタの元へ行った。
「目を覚ましたと聞いてな」
「それは半日以上前の話です
随分と見舞いに来るのが遅かったですね」
「すまない、待ち焦がれているとは思わなかった」
見舞いに来たガエリオに対してジュリエッタは「人として強くなる」と宣言する。ガエリオも「それがいい」とほっとしたような表情で返した。
オルフェンズのプロデューサーである小川正和氏は二人の関係性(会話劇)について、言葉を交わしているが二人とも頭では自分の事から考え、相手の言葉を自らの思い出に置き換えて自らで納得している。それは主人公的な心理描写の方法だと公言している。
その言葉を借りるとするならば、一期でのガエリオの運命を知っている視聴者からすると彼がジュリエッタに伝えた言葉はどうしても切なく思えるところだろう。
マクギリスにアイン、彼をかつて取り巻いていた人々。またカルタやアルミリアといった女性達には愛情を捧げつつもどうにも聞き手であり受け身であった事を思えば伝えたい事をはっきり言葉にして告げる彼の姿には一つの成長を感じさせる。
小川プロデューサーは現在の二人の関係を「お互いに恋人がいるなかで息抜きで会話すると気の合う仲間」と表現しており、ここでいう恋人とはそれだけ二人が執着心を抱く相手という意味でマクギリスとラスタルの事を指している(アニメディア2017年3月号記事抜粋)
ジュリエッタはラスタルを護り、ガエリオはマクギリスを追いかける。
そんな目的の異なる二人の戦士が行き着く先は・・・
- エピローグ
数年後、ジュリエッタは髪を伸ばしており若干彼女に似た髪型になっている。服装が、以前の彼を意識しているように思えるデザインになっている。
ジュリエッタに車椅子を押してもらっており、首に包帯が巻かれているガエリオ(現時点でどのような状態なのかは不明)。
ただ、本来の「ガエリオ・ボードウィン」をある程度取り戻したらしく、一期の頃を思わせる笑顔を見せ、ジュリエッタを食事に誘った。
「随分と軽薄になられたものですね、仮面を被っていたころは…」
「いつの話をしているんだ?
俺は元々こんな人間だよ
それとも、あの頃の方が好みだったか?」
これに対し、ジュリエッタは否定はせず「肉を所望します」と食事の誘いを受けた。
ガエリオは「いいね、もう少し肉が付いた方が俺の好みだ」と失礼な事を言い、ジュリエッタは思いっきり車椅子を押して走った。「ちょ、速!おい、乱暴だって!」
余談
中の人が両方とも特撮でそれぞれ別の作品だが、ブルーヒーローとイエローヒロインを演じていたこともあり、二期序盤の頃から一緒に映った時にスーパー戦隊の二人と言われていた。