この項目では、ジャイアントパンダの生物学的項目について解説する。
概要
哺乳綱食肉目クマ科に属する珍獣。原産地はチベット~中国西部。
白と黒の独特な模様、ころころとした体型が特徴。肉食動物の一派であるにもかかわらず食餌の9割以上を竹や笹の葉でまかなっている。コアラのような極端な偏食家ではなく、果物や昆虫なども好み、時には死んだ動物の肉や魚なども食べる(本来は肉食動物であるため竹の葉の消化効率は悪く、一日の大半を食事に費やしている)。
ほぼ植物食性である為か、性質は他のクマに比べ割とおとなしい。しかしそこは矢張りクマ、獰猛な一面もあり、農家のヤギが捕食されたり、動物園で客が襲われた事件もある。
たれ目っぽい毛色の模様とは裏腹に目つきは結構厳しく、良く見ると瞳孔が猫のように縦長になっている。
発情期間が非常に短く(年に2~3日)、また普段は単独行動を好み相手のえり好みも激しいことから繁殖の効率の悪さはかなりのもので、現在の個体数減少や動物園での繁殖の難しさの一因ともなっている。
また産まれた子は体長15~17cmととても小さいため母親が誤って踏みつぶしてしまう事故も発生しやすい。
動物園でよく寝ている動物というイメージがあるが、正しくその通りで、一日の大半は食っちゃ寝である。
童話的な外見から様々な意匠に用いられる。オカピ、コビトカバとパンダを合わせて『世界三大珍獣』と呼ぶ事がある。
また、古文書によっては鉄を食う生き物として伝えられたり、獏の正体(似た姿のマレーバクと混同したようである。)とされたりする事もあり、未確認動物として結構昔から認知されていたようである。ただし、『実在する動物』として発見されたのは1825年に発見されたレッサーパンダが先である。
保護政策
生息地の開発と密猟が原因で、大幅に数を減らしている。現在は厳格な保護政策が敷かれており、密猟で死刑になった者もいる。現在世界各地の動物園にいるパンダは全て中華人民共和国からのレンタル(年間1億円程度)であり、中国政府はパンダ所有権の譲渡は認めていない。この事について欧米圏では『パンダの稀少性につけ込み外貨を稼ぐ悪質な商売だ』と揶揄する声も多いが、レンタル料は野生パンダの保護に充てられている。
中国に「国籍」がある全てのパンダから生まれた子は全て中国政府の所有物となる。レンタルで海外の動物園に移動したパンダが出産した場合、成長すると全て中国に「返還」しなければならない。
その他
- パンダの祖先はヨーロッパ出身であり、しかも現生のパンダとは白黒の部分が真逆だったともされている。
- 南北アメリカ大陸が陸橋で繋がる以前、南アメリカ大陸には「Chapalmalania」という巨大なアライグマが生息していたが、ジャイアントパンダとほぼ同じ大きさでもあったため、収斂進化なのではとする声もある。
イラスト的概要
リアルな作品からディフォルメされた作品、擬人化まで多彩な系統の絵につけられるのは他の動物系イラストと同じだが、パンダの場合はそのころころとした風貌からか、カッコいいアレンジよりは可愛いアレンジの作品が多い。
尚、パンダの尻尾は白い(稀に黒い毛が混ざる個体は居る)が、イラスト化されたパンダにはしばしば尻尾が真っ黒い作品が見られる。
こうした間違いは、イラストのみならず玩具等でも散見される。
関連タグ
パンダ←ジャイアントパンダのキャラクターについてはこちらのタグを参照の事