万年嵐子
まんねんらんこ
「逝ってらっしゃいませ」
概要
寡黙で、笑顔を見せることのない(というよりは出来ない)、メイドらしからぬ性格。特技や好物からも、メイドと言うよりは、むしろおっさん臭さの漂う人物。一人称は「自分」
一方で、抜きん出た察しの良さ、手慣れた手さばきなど、掴めないところも多い。また、なぜか紹介のときは、「96番、願います!」という謎の番号をコールしてから名前を名乗る。
人物
かつては、「侍女茶館」でメイドをしていたが、抗争事件で逮捕、15年間収監されており、この度出所し、「とんとことん」に配属された。
抗争など修羅場を潜り抜けてきたこともあり、武器の使い方には手慣れており、特に銃の腕前は非常に高く、格闘を織り交ぜながら並み居る敵を百発百中で撃ち抜く、装填に手間のかかるリボルバーを瞬時にリロードするなどの離れ業を見せる。
素手での力も凄まじく、1話では左腕を銃弾が貫通して出血した状態での二挺拳銃で戦闘をこなしていた他(二挺拳銃は片手で発砲する事になるため、特に利き腕でない方の腕は反動を抑えるのにかなりの力を必要とする)、地下格闘技に参戦した際には軍隊上がりのゾーヤと互角以上に渡り合う圧倒的な破壊力を見せつけ優勝している。
また、後述の刑務所時代の影響か、常に敬語で話す(同輩かつ年下のなごみも例外なく)。
芯の通った人物であるらしく、地下格闘技でも(頭では分かっているが、身体が許さなかったため)八百長せず、本気で戦い、また、調教師佐野みのりによる洗脳にも掛からなかった。
本人は、「とんとことん」という店自体を大事に思っているらしく、なごみ他同僚たちには丁寧な態度で接している。4話では、洗脳を跳ね除けた状態ながら佐野による強引な経営改革に表立って逆らう事は避けていた一方、店から逃げようとしたしぃぽんを捕まえず、逆に逃走の手助けもしようとした。その際には、「この店を守りたい」という主旨の発言をしている。
自分の事よりも、店の事、仲間の事を優先する節が見られるが、逆に店や仲間を貶された時には、多少だが感情的になった様子が見られた。抗争の際も店や仲間への侮辱や暴力に対する反撃という形を取っている。
なお、その名前は他の同系列店舗でも有名らしい。
第4話劇中の、「ケダモノランドグループ」の総会時にて、同系列の他の店の店長たちは、「とんとことん」の店長を見て、「『とんとことん』に、あの万年嵐子が入った」と噂していた。
さらに、実話系雑誌でも取り上げられていることから、少なくともその界隈では名の知れた人物であることが窺える。
第5話で、36歳の誕生日を迎えたが、店長らからは素っ気ない態度を取られる。そのため、自らバースデーパーティーの準備を行うが、そのセンスは微みょ…個性的なものであった。一方で竜の水墨画を短時間で仕上げるなど、芸術については妙にセンスが高い(それでも、バースデーパーティー、もといメイド喫茶の雰囲気には合っていないが…)。
さらに、同じ誕生にであることに嫉妬したメイドシープ店員・薫子に、なごみとともに誘拐される。
このとき、当初は抵抗の意思を示すが、なごみを人質に取られると、あっさりと抵抗をやめている。こうした行動もどんなことがあれ、店や仲間が第一であるという嵐子の姿勢の現れと言える。それ故、店や仲間に迷惑がかかれば、自分を卑下したり、大量のトマトジュースをひとりで飲み干そうとするなど、自分を省みない無茶な行動に出てしまう一面も見せている。
誘拐された嵐子となごみはトマトジュースに(羊とともに)沈められそうになるが、間一髪で「とんとことん」の面々に助けられる。
そして、店員たちが秘密で進めていた生誕祭パーティーで祝われる(前述の態度は、パーティーの準備をしていることを隠すためだった)。そこで、嵐子は歌を披露している。
なお、トマトジュース鍋に監禁された際、なごみに刑務所帰りだということを明かしている。刑務所時代は、誕生日に支給されるドーナツとカフェオレが唯一の楽しみだったとも語っている。
第6話で、「赤い超新星」愛美が出所したことで、ケダモノランドとメイドリアンの間に緊張が高まる。
なごみは、親友となっていたねるらが、メイドリアン系列の店に所属しているため、親友と戦うことになってしまうことを恐れ、「姉妹の契り」を結ぶ。
しかし、嵐子はこれに反対する(理由は後述)。
ねるらがなごみに愛美が襲撃する旨の情報を渡したあと、消息を絶ったことを心配した、なごみの行方の捜索に、嵐子も協力する。
ラーメン屋の大将の証言もあり、ねるらを発見するが、同時に密告者狩りをしていた愛美とも遭遇する。
ねるらは「妹」を守るため、「姉」としての筋を果たすため、ドス一本で愛美を仕留めようとする。しかし、実力差は大きく、一方的に叩きのめされる。
なごみは嵐子にねるらを助けてほしいと懇願するが、「ねるらさんが決めたこと」として拒否、静観する。
恐らく、メイドリアンにおける事実上の指導者である、愛美を殺せば、報復によって「とんとことん」は間違いなく潰されるだろうし、ならば、ねるらを助けたとして、遅かれ早かれ「とんとことん」の面々共々死ぬだろうと考え、ここはねるら1人の犠牲に止めようという苦渋の選択だったと思われる。
ねるらの死で、自らの弱さに絶望したなごみは「とんとことん」を辞めた。そのため、なごみがやっていたお散歩を嵐子が買って出るが、ここでも感情が上手く出せず、明るさもないという致命的な弱点を露呈してしまっている。
そこで、「忍者カフェ」の店員となっていたなごみを見つける。嵐子はなごみの接客を受けるが、そこには親友を助けられず、自らの腕の中で死んでいったショックから、完全に弱気になったなごみの姿があった。
そんな中、ついに「とんとことん」は愛美らの襲撃を受ける。少数精鋭の面々は多勢の愛美を翻弄するが、衆寡敵せず、少しずつ追い詰められていく。
しかし、そこに「忍者」ーなごみが現れる。そしてなごみの「忍者スキル」の助けを借り、愛美らに怒涛の反撃を見せ、一掃する。
近くの公園に落ち延びた、愛美とみやびをなごみとともに追う。
嵐子は愛美を仕留めようと、銃を構える。しかし、なごみはその前をふさぐ。そして、なごみの説得で改心した愛美は立ち去っていった。
嵐子は立ち去る愛美に銃を向け続けたが、引き金を引くことはなかった。
8話では、「メイドリアン」を「ケダモノランド」が吸収したことを受け、「メイドリアン」改め「ウーパールーパーズ」との親善野球試合が行われた。しかし予想通り、罵倒とラフプレー合戦となってしまう。
そんな中でも、この試合を、ねるらと夢見た、平和なメイドの未来の第一歩にしたいなごみは、敵味方問わず鼓舞する。
その想いを察した嵐子は、進んでフェアプレーに努めようとした。
最終的に、なごみの想いが伝わった両者は後半は真剣勝負で、汗を流したのだった。
試合後、嵐子はある人物と邂逅する。
「ケダモノランドグループ」総帥・凪であった。
凪からはかつて、袂を分かつ原因となった、メイドを巡る考え方について、平和なメイドの時代は終わったとして、銃を手に取るべきだと問う。しかし、嵐子は迷いがあったのか、その問いに明確には答えなかった。
過去
キャラクター紹介では「一度メイドをやめ、また戻ってきた(要約)」とあるが、これはメイド喫茶間の抗争に関与し、投獄されていたためらしい(前述の番号は、刑務所時代の囚人番号と思われる)。→参考リンク
恐らく、15年前のメイド喫茶店長射殺事件が関係していると思われる。
いずれにせよ、階下にあるラーメン店の大将と面識があるのは、そういうことだろう。
上述の手慣れた振る舞いも、元メイドゆえの経験の高さゆえと思われる。
5話で36歳の誕生日を迎えたが、その際には「自分が感情的になるのは、店を貶された時」という発言をしていた。
その時の回想シーンにて、塀の中に入る前(15年以上前)の彼女が登場。「侍女茶館」というメイド喫茶に、勤務している様子が描かれている。
メイド同士の争いが激化しつつある中、嵐子も戦う術を身に付けるべきと先輩メイドたちから言われていたが、当時の彼女は乗り気ではなかった様子。しかしその様子を見ていた店長の老女メイド・美千代からは、「争いが嫌いでも構わない」といった主旨の言葉をかけられていた。
ちなみに「侍女茶館」は、『英国風のメイド喫茶』といったコンセプトらしく、内装もイギリスのカフェ風、メイド服も正統派メイドのようなデザインである。その店舗は、現在「とんとことん」になっているが、なぜそうなったかの経緯や詳細(上述の射殺事件との関係など)は5話時点では不明。
また、6話の回想シーンでは、嵐子は「侍女茶館」在籍中、同じくメイドとして当時在籍していた「ケダモノランドグループ」現代表の凪と、メイド同士の「姉妹の契り(名札を交換する。要するにヤクザにおける義兄弟の杯)」を交わしていた。しかし美千代を守るためには攻撃に出る事も辞さない凪に対して専守防衛の方針を貫くべきだと訴えた結果、喧嘩別れになり名札を返された過去を持つ。その経験もあってねるらとの敵対を避けるために彼女と姉妹の契りを交わすことを考えるなごみに対し、「姉妹の契りも絶対ではない」と忠告した。
また、その後の凪の現状については「今はどうしているか」とも語っており、「ケダモノランドグループ」現代表と同一人物であるとは知らなかった。これは凪が名前を何らかの理由で変えていた(「侍女茶館」時代は「ウズコ(渦子?)」と呼ばれていた)からで、8話で再会した際、本人から事の次第を知り、同一人物であることを知ることとなった。