概要
原題:Sister Act
主演:ウーピー・ゴールドバーグ
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
制作:タッチストーン・ピクチャーズ
当時既に人気女優として活躍していたウーピーをスターダムに伸し上げた作品であり、アメリカで6ヶ月にも及ぶロングランとなった大ヒット作。
翌1993年には続編『天使にラブ・ソングを2』(Sister Act 2: Back in the Habit)が公開。
日本におけるゴスペルブームの火付け役ともなった。
2006年にはミュージカル化もされており(原題は変わらず『Sister Act』)、日本でも『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』の名で2014年に初公演(後の2016年公演時に『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』へ改題)。
なお、邦題の正式表記は中黒及び三点リーダー入りの『天使にラブ・ソングを…』である。
そのため、『天使にラブソングを…』『天使にラブソングを』『天使にラブ・ソングを』は表記ゆれとなる。
ストーリー
ネヴァダ州リノのクラブ「ムーンライトラウンジ」で働くクラブ歌手のデロリスは、ネヴァダ一帯に縄張りを持つギャング、ヴィンスの愛人。
ある時、ヴィンスの対応についに痺れを切らしたデロリスは、今の関係を終わらせて町を出ようと決意すると、彼のもとへ単身乗り込んだ。
しかしタイミングの悪いことにヴィンスが裏切り者を殺す現場に飛び込んでしまい、今度はデロリス自身が抹殺対象として命を狙われる身となってしまう。
なんとか追っ手から逃れて警察に保護されたデロリスは重要参考人として、ヴィンスの裁判が始まる日まで聖キャサリン修道院に身を隠す羽目に。
堅苦しく厳格な修道院の暮らしに馴染めない彼女だったが、聖歌隊の指揮者を任されるたことで俄然張り切りだす。
歌も伴奏もダメダメな聖歌隊を鍛え上げていき、聖歌をゴスペル風やロック風にアレンジして派手なパフォーマンスを取り入れたことで、聖キャサリン修道院とその聖歌隊は一躍町中で人気を博すことになる。
厳格で保守的な修道院長との対立をよそに、デロリスとシスターたちは歌を通じて友情を築いていった。
デロリスの影響を受けたシスターたちは今まで禁じられていた修道院外での慈善活動へ徐々に歩み出るようになり、聖歌隊の噂を聞きつけたローマ法王がミサに臨席するとの話しも舞い込むなど、閉鎖寸前だった修道院は息を吹き返していく。
しかし平穏な日々もつかの間。
テレビ中継に映ってしまったことからヴィンスに居場所を突き止められ、ローマ法王を迎えたコンサートの前日にデロリスは誘拐されてしまう。
修道院長から彼女の素性を知らされたシスターたちは、たとえデロリスが本物のシスターではなくとも自分たちを導いてくれた彼女を救うため、ヴィンスのアジトであるムーンライトラウンジへと乗り込む。
そして時を同じくして、デロリスはヴィンスの元を辛くも逃げ出していた。
主な登場人物
- デロリス・ヴァン・カルティエ
本作の主人公。リノのクラブ「ムーンライトラウンジ」で働く、しがないクラブ歌手。
ギャングである愛人ヴィンスが裏切り者を抹殺する現場を目撃して命を狙われる羽目になり、シスター・メアリー・クラーレンスの名で聖キャサリン修道院に匿われることになる。
堅苦しい生活にウンザリしながらも、やがて歌う喜びを通じて閉塞感の漂う修道院に改革の嵐を巻き起こし、シスターたちと固い絆で結ばれていく。
派手好きで少々捻くれているが、根は優しくて面倒見の良い、茶目っ気のある性格。
また、気乗りしない事でもいざやるとなれば徹底的にやる性分である。
幼少期はカトリック系の学校に通っており、すでに反抗的な性格をしていたため担任のシスターには見放され、将来を危ぶまれるほどの問題児だった。
とにかく堅苦しいことが大嫌いで、破天荒で型破りな性格が周囲に影響を与えていくが、彼女もまた心境が変化していく。
- 修道院長
聖キャサリン修道院を取り仕切る院長。
自他ともに認める真面目かつ伝統を重んじる厳格な性格で、意外と毒舌家。
所属するシスターたちを等しく大事に思っており、社会奉仕を旨とする修道会でありながら修道院周辺の治安の悪さを警戒して、シスターたちに市内での奉仕活動を禁じている。
デロリスを渋々匿うものの、彼女の人柄と彼女のもたらす新たな風になかなか馴染むことができず、疎外感から一時は「自分はもはや化石」と自嘲して修道院を去ることさえ考えていた。
しかしデロリスが誘拐される事件をきっかけに、秘められた行動力が爆発する。
- シスター・メアリー・パトリック
ぽっちゃり体形の陽気なシスター。
その陽気さは母親をして「将来は尼さんかスチュワーデスになるだろう」と言わしめたほど。
楽しいことが大好きで歌とダンスをこよなく愛し、気さくな性格も相まって修道院のムードメーカー的存在。
歌もダンスも一人で盛り上がりすぎて周囲が見えなくなってしまうこともあるが、だんだんと改善されていった。
シスター仲間の内ではメアリー・ロバートと特に仲がいい。
内気で大人しい見習いシスター。
物静かで口数も少なく常にオドオドとしているが深い優しさと思いやりの持ち主で、修道院になかなか馴染めないデロリスのことを穏やかに気遣っている。
生来の不器用さと引っ込み思案な性格ゆえに自信がなく、こうありたいという理想を抱きつつも、それがただの思い上がりなのではと思い悩んで落ち込んでしまう繊細な面を持つ。
デロリスの指導もあって歌う喜びを知り、明るくポジティヴな性格へと劇的な変化を遂げていく。
ちなみにそばかすがチャームポイントの可愛らしい容姿だが、中の人は当時アラサー。
- シスター・メアリー・ラザラス
聖歌隊の指揮者を勤める年長のシスター。
院長ほどではないものの敬虔で厳格な気難しい性格で、なりゆきで聖歌隊を指導することになったデロリスを当初は煙たがっていた。
しかし彼女の手腕を認めて指揮者の座を譲り、歌う楽しさを知ったことで気難しさが氷解していく。
笑顔が増えて言動にも茶目っ気が見え始め、デロリスにロバート、パトリックを含めて4人組と自ら称するほどに打ち解けた仲となる。
関連タグ
ビル・デューク - マックやクック役で組合員にはお馴染みの俳優。本作の2作目で監督を務めた。