「オレのそばに近寄るなああーッ」とは、『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』の登場人物のセリフ。
※以下5部の結末が含まれます。ネタバレ注意
概要
ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力により何度も死に続けることになった5部のラスボス、ディアボロの台詞である。
GERの能力は結果、すなわち【真実】に到達できなくすること。
これは敵のありとあらゆる行動をゼロにして「始めから何もしていない」事にする能力であり、その事はジョルノや本人にも自覚することはできない。
また、その能力の性質上この能力で攻撃された後に死ぬと、「死ぬという過程」だけを繰り返し続け、死ぬことが出来なくなる。
具体的には、特定の場所で死ぬ⇒死ぬ運命が「真実」として確定するが、GER(ジョルノのレクイエム化したスタンドの略称)により死という真実に到達できない⇒別の場所に飛ばされる⇨死ぬ「真実」が確定し前述の通りなかったことにされる⇒別の場所に飛ばされる⇨また死ぬ…というような繰り返しに陥る。
「死んだという結果に至ることができない」ため、完全に死んでこの状況を脱することができず、死への過程だけをいつまでも体験させられる。無限に続く臨死体験という生き地獄を永遠に味わうことになるのである。
GERによる無駄無駄ラッシュによって川に吹っ飛ばされたディアボロだったが、何とか生き延びていた。たくさんの地下道が通っているというローマの土地勘を利用し、排水溝からの脱走を試みるがそこに突然ナイフが刺さる。ディアボロが流れ着いた場所はホームレスのたまり場であり、ナイフはコートを盗まれると思ったホームレスから警戒されて飛んできたものだった。彼らの周辺には麻薬の注射に使ったであろう注射器が転がっており、自らが広めた薬物の常習者に殺されるという皮肉な死に様を迎えたのが始まりだった。
次に目がさめるとディアボロは手術室のような場所に仰向けになっていた。隣には女医がいたが、話しかけても聴こえていないのか反応がない。彼女の発言からこの場所が遺体安置所で、これからやろうとしている事が遺体の解剖による検死である事に気付く。そして先ほどのナイフによる切り傷を調べるため腹部を切開され、目の前で自分の肝臓を摘出されるのだった。身動きはできなかったが痛みはしっかりとあり、健康な肝臓だと女医は褒めていた。
今度は大都会へと飛ばされるディアボロ。つい先ほど体験したものは夢だったのか、しかしそれにしてはあの想像を絶する苦痛はリアルすぎる、また何か起こるのではないかと動揺していたところを、心配した老人に声をかけられる。しかし老人の飼い犬が吠え出した事に驚いてしまい、歩道を踏み外し猛スピードで車が走行する車道に飛び込んでしまった。(アニメではいきなり背後から吠えられたため驚き、その拍子に縁石に躓いて車道に飛び出している)
ジョルノ・ジョバァーナ「終わりのないのが『終わり』 それが『ゴールド・E・レクイエム』」
ただ死ぬだけならともかく、刺殺、遺体解剖、事故死という三度にわたるリアルな臨死はいずれも壮絶なものばかり。
これらを連続で体験したディアボロは次に草原に飛ばされたとき、どこから「死」が襲ってくるかわからなくなり、とうとう話しかけてきた少女にまで怯えるようになっていた。
くっ ハァ…ハァ…
くう………
ハァー
オ、オレは
何回死ぬんだ!?
次はど……
どこから……
い…いつ
「襲って」
くるんだ!?
オレは!
オレはッ!
オレのそばに近寄るなああーッ
余談
これによりディアボロ=死に怯えるというイメージで語られることが少なくないが、三度のリアルな臨死体験をしても臆病になるに留まり精神崩壊にまでは至ってないためメンタルが頑丈なのかもしれない。生きたままの肝臓摘出やトリッシュの精神ごと自分の腹をぶち抜いて移動するといった場面でも苦悶の声一つ洩らさなかったりと、色々とタフである。
アーケードゲームのラストサバイバーでは、追加カラーとしてこの回の衣装が『苦難のオレンジ』と名前で登場。