概要
加熱式タバコとは、火を使わないタバコである。iQOS、ploom、gloなどが代表的。
紙巻きタバコに似た専用のスティックを電気式の加熱器にセットし、発生する蒸気を吸引する。
(※スティックは煙草葉を使ってはいるが電熱向けの葉の加工や植物性グリセリンの添加などがされているため、単体で喫煙する事はできない)
葉を燃焼させないためタール量が従来の煙草の10%程度にまで減少するのが特徴で、ニコチンは摂取したいがタールで肺を痛めたくない(ニコチンガムでは吸った気がしないし、電子タバコ用のニコチンリキッドは個人輸入するしかないため面倒が多い)というユーザーや新しもの好きの喫煙者に受け入れられている。
しかし副流煙や吸い殻のポイ捨て問題は依然として存在する。
余談
なぜ「電子タバコ」ではないのか?
加熱式タバコが知名度を得たのは日本の法律上の問題とも言われる。
近年の健康志向でタールが多い煙草は嫌われるようになったがニコチン需要は健在で、煙草に代わる「吸えるニコチン」の普及は急務であった。
そこに現れたのが電子タバコ(VAPE)であったが、ニコチンを配合したリキッドの流通を日本国内で許可するには大規模な法改正が必要である上、担当省庁が違うため(煙草は財務省、薬品は厚労省)連携が取りづらく、何よりそうして許可されたリキッドはたばこ税の適用外になってしまうのである。
そもため、タバコ葉を使うため今までのタバコと「法律・税制上は」同一に扱うことが出来る加熱式タバコを業界は積極的に展開し、今日市民権を獲得するまでに至ったといわれている。
進むメンテナンスの省力化
市場に出た当初の加熱式タバコはスティックの中央部に加熱用のブレードヒーターが刺さる構造で、どうしてもタバコ葉のカスが本体内に溜まってしまうためこまめな掃除が必須であったが、各社がそれぞれのアプローチで掃除の手間を減らすべく本体の改良を重ねている。さすがにメンテナンスフリーとまではいかないが、現行モデルは初期モデルと比べると大分楽な運用が可能になっている。
gloは発売当初から細いスティックを用い周囲加熱一本に絞る事でブレードヒーターを排し、ploom Xは周囲加熱の高出力・高効率化でスティックの太さを保ったままブレードの排除に成功した。そしてiQOSの現行機「iluma」は使い捨てタイプのブレードヒーターをスティック側に内蔵し本体から磁気を当てることで加熱するという逆転の発想でほぼメンテナンスフリーを実現している。