「アリエナイザーに対しては、スペシャルポリスの要請により、遥か銀河の彼方にある宇宙最高裁判所から判決が下される。」
概要
宇宙警察に所属するスペシャルポリスの権限で、宇宙の凶悪犯であるアリエナイザーに止めを刺す際に行使される。
行使の際にはアリエナイザーを追い詰めて確保した後、SPライセンスをジャッジモードに変形させ、アリエナイザーの名前と罪状を読み上げる。
例:「レイン星人アブレラ。銀河消滅及び惑星間戦争における大量殺人の罪で……ジャッジメント!」
そうしてジャッジメント要請がなされると、その後のナレーションにもある通り、遥か銀河の彼方の「宇宙最高裁判所」なる組織にアリエナイザーの起訴が成立。訴状を受け取った最高裁はその場で裁判を開廷し、速やかに判決を下すのだが、そのジャッジメント・タイムは地球時間で僅か1分と非常に短い。
一応後日談の『10 years after』にて宇宙最高裁判所が置かれているゴワシチョル星は、時間の流れが通常の200万分の1と非常に遅く、地球人からしてみれば僅か1分間で判決が下されるジャッジメントタイムも、ゴワシチョルからすれば8ヶ月に及ぶ。
この間、裁判官や検事、弁護士がじっくり話し合って公平に判決を下している、という設定が後付けされている。
反響と物議
実はこのジャッジメントと言うシステムは今作品において、最も物議を醸した点として名高い。
如何に正義と平和の為に戦うヒーローとは言え、あくまで警察官に過ぎないデカレンジャーが死刑執行まで行っているからである。
とは言え、同じく東映の宇宙刑事シリーズでは、宇宙警察官が被疑者に対し裁判もせずに問答無用で抹殺しまくっていたし(そのため海外では肩書が「スペースポリス(宇宙刑事(宇宙警察官))」ではなく「スペースシェリフ(宇宙保安官)」に変更されている)、『機動刑事ジバン』に至っては被疑者の抹殺はもちろん、警察官であるジバンが自己判断のもとで何をやっても許される事が法律で認められていた。単に「警察官が死刑執行までやっている」ということ自体よりは「特撮番組としては画期的なシステムのはずの裁判が想像以上に雑」という部分が物議の本質であるだろう。そしてその原因は放送当時に詳細設定を開示しなかったこと、その一点に尽きる。
そのため、後にアメリカでリメイクされた『パワーレンジャー・S.P.D.』ではアメリカが多民族国家である事から、宇宙人が死刑になる描写が人種が理由で不当な判決を受けてしまうことを連想してしまうことや、現場でデリートする描写が現場で犯人を射殺することが実際に行われているため、「カードに封印」という後述の圧縮冷凍に近い形に変更されている。
なお、このあたりについては『特捜戦隊デカレンジャー』の記事で詳しく触れているため、そちらも参照されたし。
関連タグ
圧縮冷凍:4年前の作品に於ける犯罪者への対処。こちらは殺さずに逮捕している。
警察戦隊パトレンジャー:14年後の後輩で、こちらは起訴すらせずに問答無用で犯罪者達を抹殺している。あえて言うなら国際特別警察機構は異次元人であるギャングラー怪人の人権を認めていないと言う事なのかもしれない(宇宙警察は当然のごとく異星人の人権を認めている)。
機動刑事ジバン:対バイオロン法という法律内で裁判を経ることなくバイロンへの抹殺を許可し、対象がバイロンであるか否かの判断もジバンに一任している。
バック・トゥ・ザ・フューチャー:PART2の2015年の世界では、裁判所そのものが廃止され、警察に逮捕されたら即判決が下る世界になっている。
ジャッジ・ドレッド:警官ながら裁判官であり、判決を下す陪審であり、刑を執行する処刑人の権利を持つ。つまり自己判断で目の前の犯罪者に死刑を宣告し執行することができる。この手のコンパクト司法制度の究極系。