概要
CV:夏木マリ
演:夏木マリ/朴璐美
八百万の神々が集うと言われる湯屋「油屋」の経営主である強欲な魔女。
二頭身という人間離れした体格で、とにかく顔がでかい。風貌自体も額の大きなイボに大きな鼻、アイシャドウとバシバシの睫毛が特徴の大きな目、大きな口と中々強烈で、怒って詰め寄って来たときの顔はかなり恐い。双子の姉に銭婆がいるが、性格の違いからソリが合わず離れて暮らしている。
引越し先の新居へ向かう途中、偶然にも彼女の経営する油屋のある異世界に迷い込んでしまった荻野一家は、両親は神様の食事に手を出したことで豚に変えられ、二人の娘・荻野千尋は両親を救い出し元いた世界に戻るために湯婆婆の下で働くことになる。
能力
魔女を名乗るだけあり様々な魔法を使うことが出来、手を触れずに対象物を動かしたり、鳥に変身して空を飛んだり、中にはどっかのバトル漫画のように光の弾を放ったりしている。
- 実際、絵コンテには「(ドラゴンボール風)」と監督の走り書きがされていたとのこと。
また、タイトルの「千と千尋」というのも、千尋が湯婆婆の魔法で名前を奪われてから名乗っている名前で、ハクなど他の従業員の中にはこうして彼女に名前を奪われて油屋を離れられない者もいる模様。
- 設定では、本当の名前を奪われたのはハクだけとされており、これはハクの神様としての実直さが仇になったとされている。
人物
息子の坊に対して甘く、客にも常に低姿勢であるが、それ以外の人物(雇用人)に対しては基本的にキツく横暴な態度を見せる。
反面、過去に立てた「働きたいものには仕事をやる」という誓いを渋々ながら守り続けており、態度はともかくとして仕事を望めば必ず雇用する。
河の神の汚れを清めて砂金の儲けをもたらした千尋を褒め、部下たちにも彼女を見習うよう忠告したり、(儲けの見込みがありそうな客に対して)自ら応対に赴いたり、横暴を働く客には自ら撃退にかかるなど、経営者としての度量と資質も持ち合わせている。
また、一方的な意見だったが千尋の人間性を見抜いたり博識で感覚や判断力も鋭く、気概にも溢れるなど、(性格上の欠点があまりにも目立つだけで)それなりにできたところもある。
一方で、他人を奴隷のようにこき使う、非道な行いを平然とする、他人を悪事の駒として利用し用済みになれば処分しようとするなどのあくどさや冷酷さも目立つが、子供が行方不明になった時には取り乱すなど、善悪両面含めて非常に人間臭いキャラクターだと言えるだろう。
- 宮崎は、「本作には本質的な意味での悪人はいない」と述べている。
銭婆の妹だが、仲があまりよくないようで、彼女を性悪女呼ばわりしている。
魔法の技量はあちらのほうが若干上の模様で、絵コンテでは、財力など多くの面で優れる姉に対してコンプレックスを抱いているとされている。
千尋に「お婆ちゃん」と呼ばれた際には面食らうものの否定していなかったり、世界から立ち去る千尋をこっそり振り返って見送っている等、所々に見える性格の端から、決してあくどいだけではなく銭婆の様な性格も多少なりとも持ち合わせてはいるのかもしれない
湯バード、頭などの手下もいるが、湯バードは後に銭婆の与えた姿を気に入っており、頭もネズミと化した坊とハエドリの湯バードを叩き潰そうとするなど、仲間意識は意外とないことがうかがえる。
余談
- バーバ・ヤーガが湯婆婆の名前とキャラクターのモデルとされている。他のジブリ作品だと、『パン種とタマゴ姫』にもバーバ・ヤーガが登場している。
- 絵コンテなどでは、ハートの女王やヘンゼルとグレーテルの魔女、金太郎の母の山姥なども言及されている。
- 設定では、従業員は基本的に三すくみの生物が多い(ハクは設定画では蛇とされており、従業員もカエルとナメクジという設定である)。