パノラマSuperは、名鉄特急の車両愛称である。
以下の車両が存在した。
1000系
1988年登場の新型特急（当時）
車両概観
名鉄伝統の赤塗装を脱し、白地に赤線のいでたちとなった。
前面展望の方式は8800系パノラマデラックスより継承したハイデッカー構造となったが、形状は丸みを帯びた流線型となり、より洗練された。
また、内開きの折りたたみ式ドアとデッキの構造を有し、高級感の漂う仕様である。
警笛は複音式で、7000系から継承したメロディにビブラートを加えたミュージックホーン(MH)も搭載する。
編成
当初は全車特別車の単独4両編成で、5300/5700系NSR・7000系パノラマカーなどを一般車と従えて運行されていた。
しかし、誤乗車の際に乗客が一般車へ移動できないのは問題であると運輸局より指摘を受け、1990年より一般車1200系を岐阜側へ従え、一部編成が1000系2両（特別車)+1200系(一般車）の編成で運用を開始した。
その後、2009年10月3日のダイヤ改正をもって名鉄は全車特別車特急をミュースカイを除き全廃することを発表、全車特別車4両編成は全車が廃車され、5000系に流用された。
これにより、現在は一部特別車編成しか見ることができない。
内装
特急にふさわしい回転クロスシートで、非常にやわらかい仕様となっている。
車内はデッキで区切られ、騒音は少ない。
また、前面展望を存分に楽しめる展望席が用意され7000系の運転席のような高い位置からの目線で旅のひと時をすごせる。
但し、展望席へは狭い階段を登って入る構造のため、車椅子での展望乗車は難しい。
そして、名鉄で初めてLED情報表示を搭載し、駅名案内のほか速度計なども表示する。
1200系
1990年、1000系の一般車として新製された電車。
車両概観
塗装は1000系と同様のデザインで、分割した1000系の豊橋側に4両で連結された。
先頭は金魚蜂の6500系後期車などに似た構造だが、ヘッドライトに黄色のフォグランプを搭載し、ライト間にPanoramaSUPERの行灯も装備する。
一般車だが特急用であることから1000系と同様のミュージックホーンを装備している。
ドア数は通勤利用を考慮し3ドア。
内装
内装は転換セミクロスシートなっている。
いわばNSRと6R後期型のあいのこといった仕様だ。
また1000系と同様のLED表示を搭載し、このデザインが3500系などに踏襲された。
1800系
1000系の増結車で、2両編成を組む。
また、竹鼻線などのローカル線で単独運用を行うことも多い。
車体概観
基本的に1200系と差異はないが、フロントの行灯は装備されていない。
また、ミュージックホーンも搭載していない。
1600系
1999年に7000系白帯車置換用に導入された新型特急(当時)。
車両概観
愛称はパノラマSuperを踏襲したが、前面構造は貫通形状となり前面展望は一般的な程度である。
塗装は1000系のものを踏襲した。(そのためパノラマがスーパーしていないと言われることは多い)
また、名鉄では珍しく前パンを装備、その勇ましい姿は際立っていた。
前面には自動で幌を接続できる貫通扉を装備し、初期故障はあったが2005年より使用を再開した。
尚、1600系は2000系で実用化された車体傾斜装置の準備工事をしており、試験的に1601Fは車体傾斜装置を搭載していた。
編成
1600系は3両編成の全車特別車で、短編成の小回りを生かして西尾特急などで活躍していた。
しかし、全車特別車であったことが災いし、2008年12月27日のダイヤ改正で引退、編成中2両は2200系に準じた1700系に改造され復活したが、1両(ク1600)は廃車された。
改造とその後
1600系は名鉄の政策転換で不要となったが、車齢わ若いことなどから1700+1650を方向転換し、新製した2300系一般車を連結、1700系として2009年より復活を果たした。
塗装は2200系に準じたものに改められ、内装も若干変更された。
しかし、かつての前パンや貫通扉は健在である。
1380系（事故復旧車）
事故復旧による改造車として踏切事故で廃車となった1000系を切り離し、連結部に運転席ユニットを設置した車両。
フロントの行灯が埋め込まれ、塗装も赤１色に改められた。
全線で1形式1編成の変り種である。
