概要
呪力を込めた自身の血液や、血液の付着した物質を操作する術式。
攻撃の他に防御や拘束や身体強化にも転用できる。
かなり応用性が高いが、水気には弱く多用すると失血するリスクもある。
脹相の場合は呪霊と人間のハーフという特殊体質からより自在に赤血操術を扱う事ができる。
副次的効果として、赤血操術者の血は呪霊にとって有害。その血は毒となり、特級レベルの呪霊にも通用している。
逆に、脹相の血は人間にとって有毒。これは、人外の血が交じり拒絶反応を起こすためである。
技一覧
- 「赤鱗躍動」 (せきりんやくどう)
自身の体内の血液を操作することで、身体能力を爆発的に向上させるドーピング技。
赤血操術では血流は勿論のこと、体温・脈拍・血中成分まで操作する事ができ、身体能力の向上以外にも低温に対する耐性や外傷の止血などといった恩恵も術者にもたらす。
- 「赤縛」 (せきばく)
血液パック中の血液を使用し、縄状に編み上げ相手を拘束する。
- 「苅祓」 (かりばらい)
血液を手裏剣や刃のようにしてに相手に投げつける。
距離もそこそこで使いやすい技のようである。
- 「百斂」 (びゃくれん)
血液を加圧して限界まで圧縮する。どうやらこれの加圧の具合などで練度や技術を図ることができるようである。
加茂憲紀は手の中にひとつしか作れないが、脹相は自分の周りに3つ程浮かせてストックすることが出来る。
- 「穿血」 (せんけつ)
「百斂」で圧縮した血液を両手で挟み、矢のようにして飛ばす奥義。
初速は音速を超え、禪院直哉でも「穿血だけは気をつけなければならない」と警戒するほど。
威力は前述の「苅祓」を大きく凌ぎ、地下から放たれたものが地上まで貫通し通過したものをレーザー宛らに悉く切り裂く程だが、直線でしか攻撃できないため、初動を見切られると躱されやすい。(しかも手と体の向きでどう打ってくるかはだいたい予想が着く)
- 「超新星」 (ちょうしんせい)
宙に浮かせた「百斂」を解き放ち、散弾のように血の飛沫を飛ばす。今のところ脹相しか使えない技だが、直線でしか攻撃できない穿血と異なり、前方全ての範囲を攻撃できる。
- 「血の矢」
脹相が使用。穿血のような血の矢を飛ばす。穿血ほどの威力は無いが、タメ無しでさらに複数同時に打てるため、小回りがきく。脹相以外の術式保持者が使えるかは不明。
弱点
優れた対応力を持つ赤血操術であるが、血液を媒介とするゆえの弱点やリスクも存在する。
- 失血死
赤血操術最大のリスク。使用するのに呪力とは別に自身の血液も消費するため常に失血死のリスクが付きまとう。血液パックで自身の血液を保管しておくなどの事前準備である程度リスクを減らす事は可能。出血した血液を再び体内に戻すことで失血死を回避することも可能だが、術師には大きな負担がかかる。
脹相のような特異体質でもなければ、自分の血を刃物や矢に少量つけて操るのが一般的な使い方になる。
- 血栓症
赤血操術では血液を凝固させて鎧としたり銃弾のように撃ち出したりといった操作も可能だが、その際に体内に血栓が形成されるリスクが存在する。赤血操術では血液を一つの臓器のように認識するため、一部の血液を凝固させると全身の血液まで凝固する可能性がある。
- 水
血液が水にさらされると浸透圧で血球が破壊され赤血操術のコントロールを失うため、大量の水がある場所では体外での血液操作はほぼ不可能となる。
余談
- 絶対不可侵、大規模攻撃に領域展開での無限の強制など華がある五条家の無下限呪術、あらゆる事象に適応するというチート性能の式神を携える禪院家の十種影法術に比べると正直性能は微妙である、という意見が後を絶たない。しまいには、宿儺が十種影法術の万象の水を利用して「穿血」を打ってしまったりともう「水でいいじゃん」状態である。
- だが、無下限呪術や十種影法術に並び、脹相は赤血操術の解釈を広げ、壊相の翅王のような使い方をして九十九と共に羂索を追い詰めたり、渋谷事変後には直哉と一騎打ちをして勝利するという結果を収めているほか、加茂憲紀は死滅廻遊編で桜島結界で特級相当の呪霊に対して善戦している。(こちらに関しては他者の介入&禪院真希の覚醒により決着はそちらでついたが。)
- このため、総じて「別に派手な動きができるものでは無いが、バランスのとれた堅実な戦い方ができる」術式という評価になっており、本編でもバランス力が売りと評価されている。
- 赤血操術者の血に他人が触れた場合、その人物も赤血操術の操作対象に出来る可能性がある。人物(純粋な人間)ではないが、脹相と禪院直哉戦にて、布に染み込んだ血を固めて重くしていた。さらに、その戦いにおいて直哉は「この血を被るわけにはイカン!!!」と強く警戒していた。なので、大量の血を相手に付着させることで、再起不能にすることも可能かもしれない。
- ただしそれを行うには、膨大な呪力と反転術式、あるいは脹相のような特異体質が必要なのでかなり無理がある。
- 前述されているように地味な術式かもしれないが、脹相のように使い方と使用者によっては派手で強力な動きが出来る可能性は残っている。
- 偶然か否か、血を操作する術式だけに使用者は血の繋がりを大事にする家族愛に溢れた人物ばかりになっている。