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F-102の編集履歴

2012-09-22 11:02:30 バージョン

F-102

えふいちまるに

アメリカ、コンソリデーテッド・ヴァルティ航空機(コンベア社)が開発した超音速戦闘機。ナチスドイツから押収した研究成果を応用しており、アメリカ初のデルタ翼戦闘機である。だが開発は難航しており、このF-102にしても開発半ばの未完成品に近い。

ナチスの終焉

1945年5月8日、ナチスドイツ降伏。

ベルリンは赤軍に占領され、逃れた市民はかすかな希望にすがって必死の脱出行に身を投じた。

(ハルベの戦い)

国防軍は最後の義務を果たし、親衛隊は降伏も許されないままに最期を遂げる。


そんな壮絶な戦いの果てだったにも関わらず、

アメリカソビエトも次なる戦争への備えを欠かすことは出来なかった。


1945年8月6日、人類で初めて核兵器が実戦投入された。

その威力はそれまでの常識を一新してしまった。

それまで100機の爆撃機の仕事を、たった1発で済ましてしまうようになったからだ。

戦勝国の首脳は『新しい戦争の到来』を感じずにはいられなかった。


ジェット戦闘機、後退翼、そして核兵器。


最初は重要性が高いと見做されてはいなかったが、ほどなく世界は気づく事になる。

『核兵器で敵の首都を攻撃すれば、戦争はすぐに終わるのではないか』

という想定に。


こうして戦勝国の中でも一大勢力を築いたアメリカソビエトは、

お互いの軍事力を警戒して軍備を整えていく事になる。


ペーパー・クリップ作戦

さて、軍事力では及ばなかったものの、技術力ではかつての連合国に決して負けてはいなかったドイツである。

アメリカではその頭脳を求めて、優れた科学者を囲い込む『ペーパー・クリップ作戦』を行った。

この作戦はドイツの技術者をリストアップし、ソビエトの手に渡さない事が目的である。


航空技術や兵器開発、そしてロケット技術の専門家が次々とアメリカへと渡っていった。

こうして渡った科学者の中には『アレクサンダー・リピッシュ博士』もおり、

コンソリデーテッド・ヴァルティ航空機社(略してコンベア社)に就職を決めるのである。


オーバーキャスト作戦

ペーパー・クリップ作戦の中でも、特にロケット技術者の獲得を目指したもの。

本来の目的はこちらの方だった。

もちろん「ヴェルナー・フォン・ブラウン博士」の身柄確保が筆頭になっており、

彼はロケット開発競争で最前線を張る事になる。


XF-92の開発

1945年9月、アメリカ陸軍は

・最高時速1126km/h(マッハ約0.91)

・高度50000ft(約15000m)までの上昇は4分以内

というMX-813戦闘機(迎撃機)の開発をコンベア社に命じる。

だが開発は難航し、一時はとん挫しかけてしまう。


そこで1946年7月、ドイツよりアレクサンダー・リピッシュ博士が渡米し、

(もちろんペーパー・クリップ作戦による)

彼を技術顧問に据えて計画は再始動することになった。


リピッシュ博士は自身が設計した「P.13aグライダー」を基にMX-813を再設計し、

XF-92(当時はXP-92)計画は軍の承認を得て正式に始まることになった。


1947年、試作1号機が完成。

だがエンジンのパワー不足が予想された為、初飛行を取りやめて換装作業にとりかかる。

1948年9月18日、パワーアップしたXF-92Aはミューロック乾湖で初飛行を記録する。


だが肝心の性能はさっぱりで、難産だった割には全くの期待外れになってしまう。

エンジンの出力も足りなかったので音速を超えられなかったのである。

(降下中なら1回だけ音速突破)


こうして最初から戦闘機として期待されたXF-92はモノにならず、

たった1機の製作のみで幕を閉じた。


だが、XF-92はコンベア社のデルタ翼研究には大きな役割を果たし、

ひいてはアメリカの技術向上の一歩となった。

(負け惜しみにも聞こえるが)


デルタ・ダガー

こうして『壮大なスカ』となってしまったXF-92だったが、ほどなく発展も続いて行った。


初飛行の翌年、アメリカ空軍はソビエトの核爆撃機を要撃すべく、新たなる迎撃戦闘機の開発に着手する。

1950年、この計画は「MX1154計画」として、国内各社に開発プランを提出させた。


この中でコンベア社の計画が採用され、F-102「デルタダガー」として採用される事になるのである。

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