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VR38DETTの編集履歴

2013-11-21 20:51:27 バージョン

VR38DETT

ぶいあーるさんはちでっと

日産自動車のV型6気筒ガソリンエンジンである。排気量は3.8L、バルブ数は24バルブで、2基のターボチャージャーで過給される(ツインターボ)。R35型日産・GT-R専用に開発・製造され、基本的には同車種のみに搭載される。

概要

2007年10月に発表された初代R35型GT-R専用に完全新設計された。最高出力は480PS(2008年12月より485PS、2011年より530PS、2012年より550PS)を発揮し、最大トルクは60.0kgf·mに達する。(2011年より62.5kgf·m、2012年より64.5kgf·m)

また、それまでスカイラインGT-RではS20、RB26DETTの直列6気筒エンジンを伝統的に搭載していたが、世界最高レベルの動力性能とするためには60kgf·m以上の最大トルクとエンジンの軽量化が必要であると判断されたため、今回GT-Rの名を冠する車に搭載されるエンジンとしては初のV型エンジンとなった。

シリンダーブロックは、先代GT-Rまで搭載し続けてきたRB26DETTの鋳鉄製から金型成型のアルミ鋳造製に変更し重量を抑えた。また、高出力時の剛性を確保するためVQエンジンのオープンデッキではなく、クローズドデッキを採用した。また、低炭素鋼をプラズマ溶射でコーティングしたライナーレス構造を採用し、ボア間温度を約40℃程度下げ、約3kgの軽量化を実現させている。ライナーを持つ構造の場合はその厚みが数mmとなるが、プラズマコーティングはわずか約0.2mmの皮膜しか持たない。それにより熱効率も向上し、高出力エンジンでありながら良好な燃費を確保することに成功した。

シリンダーヘッドは、ペントルーフ型の燃焼室に4つのバルブ(吸気2、排気2)を備え、吸気側のカムシャフトには可変バルブタイミング機構が組み込まれる。日産VQ型エンジンで採用される、可変バルブタイミング(吸気・排気)や可変バルブリフト機構は備えられず、コンベンショナルな形式がとられている。なお2012年モデルから出力増加等の影響で燃焼温度が上がったため、冷却性に優れかつてRB26DETTで採用されていたエキゾーストバルブのナトリウム封入化が採用された。

ターボチャージャーは、IHIと共同開発したエキゾーストマニホールドとタービンハウジングとが一体化された(これにより排気効率を上げる)インテグレーテッドターボが採用されている。

高い横Gのかかる状態でも問題なくオイルの潤滑を行うために、ラテラルウェット&ドライサンプ方式を取り入れている。冷却系の多層式ラジエター、ツインインタークーラー共に、サーキット連続走行、300km/h走行が可能な容量を持っている。

ハイパワーターボエンジンとしては珍しく、全域でA/Fセンサーからのフィードバック制御を実施している。一般的な過給エンジンは高負荷領域ではフィードバック制御を行わずに、安全率を見込んだ多めの燃料を噴射するのに対し、必要な量だけを計算して噴射することにより高負荷域で約5%燃費を向上させた。通常走行時(エンジントルクがおおむね40kgf·mまでの領域)は理論空燃比燃焼で巡航運転できる。6速ギアで200km/h巡航を行う場合も、理論空燃比での燃焼が可能である。

排気ガス対策は、2次エアシステムと左右併せて4つの触媒で対応している。トランスアクスル レイアウトを採用しているため、エンジン直後に無理なく触媒を配置することが可能になった。これにより、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」を達成している。なお、2011年モデルでは超低貴金属触媒やマイコン搭載のECM(Engine Control Module)の採用により「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」達成となった。

組み立ては横浜市神奈川区鶴見区にある横浜工場で行われ、通常の流れ作業ではなく、クリーンルームで1基を1人の職工が担当する「手組み」となっている。また量産車では珍しく品質検査も抜き取りではなく全数に対して行われ、万一 上記の性能を満たしていない場合、そのエンジンは出荷されず再組み立てとなる。完成したエンジンを車体に組み合わされた後に、全車両に対して慣らし運転が行われ、問題がなければ出荷となる。

なお、使用燃料は無鉛プレミアムガソリン専用で、無鉛レギュラーガソリンの使用は禁止されている。プラズマコーティングボアを採用した高出力エンジンであるため、メーカー指定品以外のエンジンオイルを使用した場合は、保証対象外とされている。


関連タグ

日産 GT-R RB26 RB26DETT

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