「おかえり、マックス」
ストーリー
写真家を目指す学生、マックス・コールフィールドは、ブラックウェル・アカデミー入学の為、5年離れていた故郷であるオレゴン州のアルカディア・ベイに帰ってきた。そして、疎遠になっていた親友のクロエ・プライスと再会するが、クロエはマックスが引っ越した年に実の父を亡くし、その後に支え合ったレイチェル・アンバーという少女が失踪した事で酷く傷付いていた。
マックスとクロエはレイチェルの行方を追う事を決意する。そして、街の隠された秘密を解いていく事になる……
ゲームシステム
3Dマップ上でマックスを操作し、人物に話し掛けたりオブジェクトを調べたりする事で進行する非常にオーソドックスなタイプのアドベンチャーゲーム。連続した全5章のエピソードで構成され、順次配信される予定(2015年3月現在では第1章「Chrysalis」のみ)。
最大の特徴はマックスが持つ「時間を巻き戻す能力」で、その場面中に起こった出来事を無かった事にできる。これによって様々な事象や選択肢の結果を見届けてから時間を巻き戻し、異なる結果を選択する事ができる様になっている。ただしこの能力にも限界があり、場面の転換(チェックポイント)を迎えた後に、前の場面に戻る事はできない(そしてチェックポイントを超える度にオートセーブされるので、ロードによる後戻りもできなくなる)。
箱庭ゲーの様に大きな自由度がある訳でもなく、似たシステムを持つ同社の前作「Remember Me」とは異なってアクション要素も殆ど無い(幾つかタイムリミット付きで特定の操作を要求されるイベントはあるが、上記の通り時間を戻せる)。
しかし、美しいグラフィックで描かれたオレゴンの小さな町や、シナリオ全体に漂う切なさと不穏さの同居した雰囲気が非常に魅力的な作品である。
登場キャラクター
マックス・コールフィールド(Max Caulfield)
ブラックウェル・アカデミー入学の為、5年ぶりに故郷のアルカディア・ベイへ帰ってきた写真家志望の学生。基本的に気が弱くておどおどした所があり、「介入者ではなくて、観察者でいたい」と願っているが、ゲーム冒頭で奇怪な体験を経て、突如として「時間を巻き戻す」能力に目覚め、様々な事象に「介入」していく事になる。
アルカディア・ベイで過ごしていた頃はクロエ・プライスと無二の親友だったが、引っ越してからはすっかり疎遠にしてしまった事に申し訳なさを感じていて、再会を楽しみにしながらも積極的に会いに行く事はできずにいた。
一番好きなSF映画は、なんとあの映画版の「ファイナルファンタジー」。
クロエ・プライス(Chloe Price)
鮮やかな青に染めた髪とパンクな服装が特徴的な不良娘で、マックスの幼馴染。無頼ぶっているが内心は繊細で、マックスがアルカディア・ベイを去った年に大好きだった父も亡くし、その喪失感を埋めてくれたレイチェルまで失踪した事で「愛した人は皆いなくなる」と考えている。
レイチェルの行方を探していて、ブラックウェル・アカデミー校内は彼女の印刷したレイチェルの行方を求めるポスターが無数に貼られている。
母の再婚相手であるデヴィッド・マドセンとの仲は険悪を通り越して最悪。
レイチェル・アンバー(Rachel Amber)
クロエの親友で、ブラックウェル・アカデミー屈指の人気と知名度を誇る美少女だった。六ヶ月前に、「私の人生を変える人」に会った後に失踪している。
その他の話
・2016年3月3日に日本語版が発売された。(PC・PS3・PS4)
・洋ゲーにしては割と珍しい「現代が舞台で若い女の子が主人公のゲーム」というだけでなく、主人公のマックスも親友のクロエもモデリングにばたくささがなく可愛い。その上、このゲームはこの二人の関係を中心に進んでいくので、百合ゲー的に楽しめる側面がある(海外の掲示板などでもこの二人がレズビアンなのかどうかを議論する人がちょくちょく見られる)。
・まだ最初のエピソードしか配信されていないが、序章的な意味合いが強いせいなのか、非常に短い。何も考えずにプレイすると2~3時間もあればエンディングを迎えられてしまう。DL専売で非常に安価(大体500円以下)なゲームではあるのだが、購入の際には留意の事。