”巻き戻した時間の中で輝く 優しく切ない青春の光”
ストーリー
写真家を目指す学生、マックス・コールフィールドは、ブラックウェル・アカデミー入学の為、5年離れていた故郷であるオレゴン州のアルカディア・ベイに帰ってきた。
そして、疎遠になっていた親友のクロエ・プライスと再会するが、クロエはマックスが引っ越した年に実の父を亡くし、その後に支え合ったレイチェル・アンバーという少女が失踪した事で酷く傷付いていた。
マックスとクロエはレイチェルの行方を追う事を決意する。そして、街の隠された秘密を解いていく事になる……
ゲームシステム
3Dマップ上でマックスを操作し、人物に話し掛けたりオブジェクトを調べたりする事で進行する非常にオーソドックスなタイプのアドベンチャーゲーム。連続した全5章のエピソードで構成され、順次配信された(2015年10月で全章配信)。
最大の特徴はマックスが持つ「時間を巻き戻す能力」で、その場面中に起こった出来事を無かった事にできる。これによって様々な事象や選択肢の結果を見届けてから時間を巻き戻し、異なる結果を選択する事ができる様になっている。ただしこの能力にも限界があり、場面の転換(チェックポイント)を迎えた後に、前の場面に戻る事はできない(そしてチェックポイントを超える度にオートセーブされるので、ロードによる後戻りもできなくなる)。
箱庭ゲーの様に大きな自由度がある訳でもなく、似たシステムを持つ同社の前作「Remember Me」とは異なってアクション要素も殆ど無い(幾つかタイムリミット付きで特定の操作を要求されるイベントはあるが、上記の通り時間を戻せる)。
しかし、美しいグラフィックで描かれたオレゴンの小さな町や、シナリオ全体に漂う切なさと不穏さの同居した雰囲気が非常に魅力的な作品である。
登場キャラクター
マックス・コールフィールド(Max Caulfield)
CV:たなか久美/ ハナー・テル
ブラックウェル・アカデミー入学の為、5年ぶりに故郷のアルカディア・ベイへ帰ってきた写真家志望の学生。基本的に気が弱くておどおどした所があり、「介入者ではなくて、観察者でいたい」と願っているが、ゲーム冒頭で奇怪な体験を経て、突如として「時間を巻き戻す」能力に目覚め、様々な事象に「介入」していく事になる。
アルカディア・ベイで過ごしていた頃はクロエ・プライスと無二の親友だったが、引っ越してからはすっかり疎遠にしてしまった事に申し訳なさを感じていて、再会を楽しみにしながらも積極的に会いに行く事はできずにいた。
一番好きなSF映画は、なんとあの映画版の「ファイナルファンタジー」。
クロエ・プライス (Chloe Price)
CV:Lynn/ アッシュリー・バーチ
鮮やかな青に染めた髪とパンクな服装が特徴的な不良娘で、マックスの幼馴染。無頼ぶっているが内心は繊細で、マックスがアルカディア・ベイを去った年に大好きだった父も亡くし、その喪失感を埋めてくれたレイチェルまで失踪した事で「愛した人は皆いなくなる」と考えている。
レイチェルの行方を探していて、ブラックウェル・アカデミー校内は彼女の印刷したレイチェルの行方を求めるポスターが無数に貼られている。
母の再婚相手であるデヴィッド・マドセンとの仲は険悪を通り越して最悪。
レイチェル・アンバー (Rachel Amber)
CV大津愛理/ ケリー・ブラウン
クロエの親友で、ブラックウェル・アカデミー屈指の人気と知名度を誇る美少女だった。六ヶ月前に、「私の人生を変える人」に会った後に失踪している。
DLC"Before The Storm"に登場する。
ウォーレン・グラハム (Warren Graham)
CV:成瀬誠/ カルロス・ルナ
科学を専攻する爽やかな青年。その見た目や誠実な性格からか、彼を好む女子も多い。
マックスとは仲がよく、ストーリー中では他の人物でさえも「彼を狙っていた」と明かす場面も。
探究心に溢れ、興味を持ったものにはトコトン突っ走る、自他ともに認める「オタク」。成績も非常に良い。
ケイト・マーシュ (Kate Marsh)
CV:武田華/ ダイアナ・ハットン
内気で弱々しい性格をしており、そのためか虐めを受けやすい。ウサギとマックスだけが数少ない心の拠り所。
ネイサン・プレスコット (Nathan Prescott)
CV:間宮康弘/ ニック・シュライナー
富豪の家族、プレスコット家の息子。アルカディア・ベイをプレスコット家が後ろ盾に、様々な問題行動が目立っている。序盤にてクロエを学校で銃殺してしまうのだが……
ビクトリア・チェイス (Victoria Chase)
CV:樋口あかり/ ダニー・ナイツ
裕福な家柄で育った才色兼備18歳。しかしそのためか人を見下したり取り巻きとイジメ行動をするといった問題点が存在する。
シリーズ
- ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム
- 2018年6月7日発売(日本語版)。クロエとレイチェルの交流を描く1作目の前日譚。
- The Awesome Adventures of Captain Spirit
- 2020年2月6日配信(日本語版)。ライフ イズ ストレンジ 2のスピンオフで無料配信された。
- ライフ イズ ストレンジ 2
- 2020年3月26日発売(日本語版)。超能力を暴走させてしまった少年とその兄の逃亡の旅を描く。
- ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ
- 2022年2月25日発売(日本語版)。他人の感情を読み取る能力を持つ主人公が兄の事故の真相を追う。
- ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー
- 2024年10月30日発売。大人になったマックスが友人の死の真相を新たな能力を使い追う。序盤に1作目の最後の選択を問う質問が用意されている。
その他の話
- 2016年3月3日に日本語版が発売された。(PC・PS3・PS4)
- 洋ゲーにしては割と珍しい「現代が舞台で若い女の子が主人公のゲーム」というだけでなく、主人公のマックスも親友のクロエもモデリングにばたくささがなく可愛い。その上、このゲームはこの二人の関係を中心に進んでいくので、百合ゲー的に楽しめる側面がある(海外の掲示板などでもこの二人がレズビアンなのかどうかを議論する人がちょくちょく見られる)。
- 最初のエピソードのみ、無料でプレイ可能。5話まで存在するが、何も考えずにプレイすると1話あたり2時間近くで終了してしまう。…のだが、捜索要素がかなり多くあったり、選択肢も含めて全てプレイしようとすると相当な時間がかかるだろう。
- 2016年に実写化が公式発表されているが、それ以来続報がなかった。しかし2021年に進展があり企画が頓挫していない事が分かった。
- 『ライフ イズ ストレンジ』と『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』を収録したリマスター版『ライフ イズ ストレンジ リマスター コレクション』が2022年2月(日本語版は2023年5月2日)に発売した。
- NHKの番組『ゲームゲノム』で採り上げられた。
関連イラスト
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ゲスト・ローズ賢(ダブルエクスポージャー・ローカライズディレクター)
2024年12月7日配信回
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