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概要編集

他者に冤罪を被せる手法の一つ。

創作では主人公などが周囲に不当に嫌われる展開を中心に用いられる他、現実でもいじめの手段として実用される場合があるという。


流れは以下の通り。

  1. 陥れたい相手を呼び出して二人きりになります。
  2. しばらく会話した後唐突に刃物(カッター等)を取り出して自分の身体を傷付けます。
  3. 刃物を投げ捨てて悲鳴(キャー!)を上げ、集まった人に泣き付いて「アイツにやられた!」と主張します。
  4. これで今日から相手は傷害罪の前科持ち! 私は護られるべき被害者! やったね!

※用いる刃物はカッターが主流だが、彫刻刀シチュエーション世界観によってはアイスピック短剣などでもいい。


「雑すぎんか? そんなので騙される奴居る??」

と思うかもしれないが、条件さえ揃えば成立の可能性は意外にある。


まず、悲鳴を聞いて集まってきた第三者加害者の用意したサクラ、及び加害者の外面に騙されて籠絡済みの人物だったら、声高に被害者を糾弾する者と加害者の怪我を心配する者の動きで加害者有利の雰囲気が出来上がる。

次に、被害者側が加害者の非常識な行動やその後の怒涛の展開に混乱し、最適な言動を取れずに戸惑っている内に上記の勢いに負け、どんどん弁解できるタイミングを失う。

更に集まる野次馬の存在も大きい。人間は真相よりも「分かりやすくて面白いかどうか」を重視して信じる対象を決めてしまう心理的悪癖を持つ生き物とされ、こうした考えの野次馬が現場の空気を煽ったり、現場に居なかった人々に無責任なを流したりして、聞いた人々が乗っかってしまうことはよくある。

これで被害者が事件以前から周囲との交流が少なく「そんな事する人じゃないと信用して味方してくれる人」が居なければ多勢に無勢。

教師側も警察沙汰になって調査協力やら管理者責任問題やら風評やら面倒事になるのを嫌がり、物証を没収してそのまま隠蔽、被害者一人を生贄にして楽に事を終息させようとする、というところまで来れば役満である。

あとは「何でもいいから誰かを殴りたい」と思っている人々の前に「悪事を働いた者への罰」という大義名分をちらつかせれば加害者の計画通りというワケだ。

ここまで来ると被害者側に味方の友人が居ても保身のために離れて行ってしまう事態も起き得る。


なお、このように

  • 他者の社会的信用を剥奪し不利益を与える目的で故意に具体的な罪を被せ公然と言いふらす行為は名誉毀損
  • 警察等公的機関にそうした内容を訴え処罰を求めた場合は虚偽告訴罪
  • 「警察に訴えてやる」「親にバラされたくなければ」といった具合に被害者を脅して行動を縛れば脅迫罪もしくは強要罪
  • 事件の真相や事件そのものを隠すために第三者が使用された刃物や当時の衣類などの物証を隠蔽・損壊・破棄すれば犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪

に当たる等と刑法によって定められた歴とした犯罪である。

被害者は丸め込まれる前に自分から警察弁護士に頼ることを意識しよう。


参考リンク編集


創作上の扱い編集

上述の通り主人公を逆境に追いやって悲劇の主人公/悲劇のヒロインにしたい時の導入としてよく用いられ、「異世界転生といえばトラック事故」と同等のレベルで「嫌われのシンボル」と化している。

しかし、設定上主人公と信頼関係が出来ていたはずのキャラクターまで加害者の言い分を鵜呑みにして主人公を早々に見限る展開は描写に説得力を持たせるための下準備を怠っていた場合「テンプレを雑になぞっただけの粗製濫造作品」と酷評され得る。

特に二次創作で原作キャラクターに「容易に騙され親しい相手を信じず見捨て」「挙げ句悪質ないじめに加担する」または「この手段で他者を陥れる」人物像を押し付けた場合は原作キャラクターを貶める表現として対象キャラクターのファンから反感を買いやすく、pixivではランキングシステムでこうした内容の作品が度々表に露出しては各界隈が荒れる要因になった。(キャラヘイト嫌われの記事を参照されたし)

また、「プロットが雑でもとりあえずコレをやっておけば話が進むお手軽要素」とばかりに大いに多用されたがために揶揄の対象にもなり、「安易にこの手法に頼った加害者がその場で主人公に反撃されたり集まったキャラに嘘を見破られたりして自滅する」「あるいはそもそも被害者として心配してもらえる程の関心を引けない」展開もネタとして定着した。


それ以外では、ミステリーサスペンスで犯人が被害者を装い捜査を撹乱するために類似した手段を用いる場合もあるが、こちらを本項目と同じ括りで扱うことはほぼ無い。


関連タグ編集

冤罪 濡れ衣 自作自演 いじめ 被害者面

嫌われ 夢小説

悪女:当手法の常習者。類似の手札として「痴漢冤罪」がある。

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