「貴方は尊敬に値するヒューマンだ」
「私はいつもやり過ぎてしまう」
「友人を助けることが恥だというのなら、いくらでも甘んじましょう」
「クラネルさん…謙虚なのは美徳でもあるのでしょうが、自分を貶めるような真似は止めなさい。貴方の悪い癖だ」
プロフィール
年齢 | 21歳 |
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身長 | 165C |
種族 | エルフ |
職業 | 冒険者→酒場の店員→冒険者 |
所属 | アストレア・ファミリア→豊饒の女主人→ヘスティア・ファミリア |
Lv. | 4→6 |
二つ名 | 疾風 |
CV | 早見沙織 |
概要
酒場『豊饒の女主人』のエルフの女性店員。同僚であるシルとは仲が良く、彼女経由で知り合ったベルの事を気にかけている。
かつては【アストレア・ファミリア】に所属していた【疾風】の二つ名を持つ冒険者。引退した今も実力は衰えておらず、ヘルメスからは【ヘスティア・ファミリア】や【ヘルメス・ファミリア】が関わる有事の際には「派閥に所属していない実力者」として助っ人として駆り出され、劇中で度々その実力を発揮している。
本編7年前の物語である「アストレア・レコード」と外伝作品「ファミリアクロニクルepisodeリュー」では主役を担っており、「アストレア・レコード」ではベルとも縁がある一人の英雄から希望と未来を託されていたことが判明する。
作中ではいつか【ヘスティア・ファミリア】入団するのではないかと期待されるような描写が多かったが、【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』終結後、遂に【ヘスティア・ファミリア】へ正式に入団。もっともリューにとって『豊饒の女主人』も大切な場所なので、【ヘスティア・ファミリア】に入った後も迷宮探索を始めとした【ファミリア】の活動がない場合、『豊饒の女主人』の臨時お手伝い(ヘルプ)に入ることになっている。
作中屈指の人気キャラで出番や活躍も多く、事実上アイズやヘスティアに並ぶ三人目のメインヒロインと言える。
人物像
容姿
エルフらしい整った顔立ちと、空色の瞳と薄緑色のショートボブヘアをしている。とてもスレンダーな体型をしており、本人はあまり自分の体に自信がない。ちなみに現在の薄緑色の髪は、後述の一件で素性を隠すために染めたもので、【アストレア・ファミリア】時代は金髪のロングヘアだった。
性格
謹厳で実直な性格をしており、口調も厳しめだが気を許した相手には若干柔らかい態度になる。基本的無表情で必要以上に喋らないが、実はかなりの激情家で敵対者には容赦のない一面も。
心根は優しく正義感が強い女性で、人助けの為に自分から厄介事に首を突っ込む事がよくある。
戦闘以外は基本的に不器用で、料理をすれば炭化し、ベルとの朝稽古の際は気を失うまで叩きのめすなど、加減を知らず行動がやりすぎてしまう事がよくあり、本人も自覚している。この不器用さと真面目さが重なってポンコツ行動を起こす事がよくあるので、周囲からはよく「ポンコツエルフ」とからかわれている。
後述にあるように故郷のエルフの排他的かつ他種族への蔑視に嫌悪感を抱き故郷を飛び出したリューだが、自分もその風習が少なからず染みついてしまっている事から、故郷のエルフと変わらない醜いエルフと自嘲することもある。もっともエルフとしてはかなり柔軟な方で、かつて多くのエルフの森を焼き払った「クロッゾの魔剣」に対する忌避感なども持っていない。
エルフは自身が認めた者以外との肌の接触を極端に嫌う傾向があり、リューも例に漏れずいきなり触れられようとすると反射的に手を弾いてしまう癖が染みついており、彼女の手を初見で握れたのは、今は亡き親友のアリーゼ、恩人のシル、主人公のベルの3人だけ。そしてこの3人がリューに居場所を与える事になる。
恋愛観
恋愛に関しては、「男女が付き合うときはまず、誰もいない夜の森で、二人の永遠の愛を月に誓うべきだ」「婚姻の約束を結び、妖精の森で誓いを立てるその時まで手すら繋いではいけない」などと大真面目に言うなど、もはや貞潔と潔癖の意味を履き違えているレベルでの頭でっかち振りを見せている。(ちなみにこの恋愛観はIF小説『妖精の枝史』の方で回収された)
リューのこの考えは同胞のエルフから見てもドン引きもので、ダンメモのイベント『真夏の夜の恋宴(ミッドナイト・ラブ・サバト)』では、同じエルフのアリシアもリューの恋愛観を聞いて「彼女は同じエルフの中でもかなり希少」と呆れていた。
もっともこんな恋愛観を抱いている癖に、作中ではベルと裸で温めあったり、本作のラスボスの一角との戦いの最中に、オラリオ中が見守る中でベルに告白するなど、自分の恋愛観とかけ離れた事を色々しているが。
ベルとの関係
元々ベルに対しては、アリーゼに「もし、あんたの手を握れる男がいたらそれが運命の相手だから絶対逃がしちゃだめよ」と言われていた事や、ベルの純粋な人柄に触れるうちに少なからず好感を持っていたが、自分を救ってくれたシルへの恩義から彼女の恋を応援し、自身は一歩引いた立ち位置を貫いていた。
しかし、深層での死地を共にしてから彼に対する感情は大きく変化していき、深層脱出後のベルの一言でついに明確な好意を抱くようになり、彼への呼び方も常に「ベル」へと変わる(それまではベルの事は「クラネルさん」と呼んでおり、彼が窮地に立った時などは咄嗟に「ベル」と叫んでいた)。ベルに恋愛感情を抱いて以降は、ベルが絡むこととなると普段のクールさとは打って変わってポンコツ行動を起こすようになってしまった。
ポンコツ行動の例を挙げると
- ベルの顔をまともに見れなくなり、彼と目が合うと顔どころか身体ごと目線を逸らす。
- ベルから話し掛けられると一方的に会話して、すぐに離れようとする。
- ベルに後ろから声を掛けられたら、動揺のあまり手刀をお見舞いする。
- ベルに手を掴まれた途端、恥ずかしくなって思い切り地面に叩きつける。
- 気絶したベルをお姫様抱っこして逃走する(ベル・クラネル初のお姫様抱っこされる側)。
- ベルを介抱しようと回復魔法やら何やら色々試すが、最終的に膝枕に行き着く。
- Lv.7級の怪人(クリーチャー)が目の前にいるのに、ベルが近くにいると聞いた途端何もない所ですっ転ぶ。
- Lv.6の冒険者と対峙している最中だというのに、ベルの事を気にするアイズを見て激しく取り乱す。
- 【ヘスティア・ファミリア】での冒険者名に思わず「リュー・クラネル」を希望して主神のヘスティアをブチ切れさせる。
- ベルを巡って修羅場が起きている最中に、空気を読まずベルに「『派閥大戦』の時にした告白の返事はまだか」と火に油を注ぐような発言をする
- ベルに告白した姿がオラリオ中に中継されていたという事実に遅まきながら気づき、顔を真っ赤にしながら蹲って悶える。
と言った具合で、そのポンコツっぷりは加速する一方である。
ちなみに「エルフ」「金髪」「長髪」というのがベルの女性の好みで、作者によると【アストレア・ファミリア】時代のリューに最初に遭遇していれば、ベルは胸を撃ち抜かれていたとの事だが、【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』の前に伸びた髪を金髪へと戻したので、リューの外見はベルの好みにドストライクとなった。
アイズとの関係
ベルの特訓相手という奇妙な縁のあるリューとアイズだが、実はこの二人共通点が非常に多い。
以下例を挙げると
- 機動力と瞬発火力に長けた戦闘スタイルで、扱う魔法が風属性。
- 『器用』『敏捷』『魔力』に特化したステイタス。
- 作中でも最上位の才能の持ち主で、ランクアップが凄まじく速い。
- 心根は優しいが、怒りで我を忘れやすい一面がある。
- 戦闘以外は基本的に不器用で口下手。
- 復讐心に支配されて、自分を見失っていた時期がある。
- 母親の様に慕っている人物が世界最強クラスの実力者。
- 深層37階層での冒険を経てLv.6へのランクアップが可能になる。
- ベルとの出会いがきっかけでトラウマが癒されていく。
- 地毛が金髪。
- 担当声優の下の名前が沙織。
とこのように本当に多い。作中では似た者同士である故か、リューとアイズのどちらか一方で起きた出来事はもう一方でも起きる事が多く、現在進行形で共通点が増え続けている。このようなアイズとの共通点の多さから、そのうちベルはリューへの想いからスキルが発現するんじゃないかという考察まである。
両者のファーストコンタクトは、本編より7年前のオラリオ暗黒期の戦いまで遡る。『闇派閥』の凶行により友のアーディを喪い、彼女が亡くなった現場で打ちひしがれていたリューの元に、アイズが迷い込んできたのが始まり。アイズは覆面をしていたリューを闇派閥と勘違いし、リューは自分を闇派閥と見なしたアイズに激昂。自分に怒りを向けるリューに対してアイズが「それじゃあ戦う」と剣を抜き、リューも「これは自暴自棄な八つ当たりです」と謝罪しつつ得物を抜き、当時Lv.3だった二人の戦いが始まる。終始互角の戦いを繰り広げるが、アイズのお目付け役であるリヴェリアが現れたため勝負は中断し、結局この時は勝敗がつく事はなかった。ちなみに、この時のリューとアイズの戦いが書かれた書籍版『アストレア・レコード』2巻の地の文において、「二人は似ている」とはっきり書かれている。
その後も両者の因縁は続き、異端児編の終盤でまたも両者は相見えた。しかし、この時のアイズはLv.6、対してリューは春姫の『階位昇華(レベル・ブースト)』を加味してもLv.5相当、Lv.の差は如何ともしがたく、軍配はアイズに上がることとなる。ちなみに、この戦いは作者曰く『正妻戦争』だとか。誰を巡ってなのかは語るまでもないだろう。
リューが『豊饒の女主人』にいた頃は、自分の正体を知られたくないという思いからアイズとはなるべく接触をしなかったが、【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』の後に、お互いベルに戦い方を教えていると知った時は、自分こそがベルの『師匠』を名乗るのに相応しいと火花を散らしながら主張し合う描写がある。
時系列としては19巻の後になる掌編集2の書下ろしSSでは、丁度リューが『豊饒の女主人』のヘルプで買い出しに行っていた時にアイズと邂逅。この時初めてリューとアイズは、戦いとは無縁の場所で落ち着いて会話する事が出来た。
周囲との関係
リューの手を最初に握ることが出来た人物。彼女の誘いを受けてリューは【アストレア・ファミリア】に入団する事を決める。明るく前向きな彼女の姿は、リューにとって自分を導いてくれる『太陽』のような存在だった。
【アストレア・ファミリア】時代の仲間。徹底的な現実主義者である彼女の言葉に反発してよく喧嘩をしていたが、相性自体は非常に良く、切磋琢磨の過程で互いの技を学び合うライバル兼戦友のような関係だった。彼女の技や口癖の一部などはリューに受け継がれている。
【アストレア・ファミリア】時代の仲間。ファミリア内では一番の切れ者で、リューは彼女の教えを参考にする事が多かった。彼女から教わった「知識を知恵に変えろ」という言葉は、後にリューを通してベルにも伝わる事になる。
【アストレア・ファミリア】時代の友人で、派閥こそ違ったが大変親しかった。彼女の教えてくれた『正義は巡る』という言葉は今でも心の支えとして残っており、リューがLv.5ランクアップ時に発現したスキル【正義継承(アストラエ・ヴァルマス)】は、彼女のこの言葉が影響したものではないかとリューは推測している。
リューの手を握る事が出来た二人目の人物。復讐を終えて死を待つだけだった自分の心を救ってくれた恩人で、彼女に恩を返すためにリューは『豊饒の女主人』で働く事を決める。現在は親友と呼べる関係で、彼女の正体を知っても友情や態度が変わることはなかった。
『豊饒の女主人』の店主。本来エルフとドワーフは相性が非常に悪いのだが、ミアの器の大きさもあって、リューは彼女の事を「ミア母さん」と呼び慕っている。
『豊饒の女主人』の同僚。自分と違い不真面目な彼女たちに制裁を加える事もあるが、気の置けない大切な仲間だと思っている。
オラリオの『暗黒期』に出会い、共に『闇派閥』相手に戦った他派閥の友人。古い知己である彼女たちからは、かつての自分の通り名である「リオン」と呼ばれている。
来歴
本編開始前
元々は故郷『リュミルアの森』の大聖樹を守護する『守り人』の一族として生まれ、幼い頃から戦士としての教育を受けていたが、故郷のエルフの排他的かつ他種族への蔑視に嫌悪感を抱き、11歳の時に故郷を飛び出し、他種族の仲間を求めてオラリオへ向かう。
そこで出会ったアリーゼに勧誘されて【アストレア・ファミリア】に入団。わずか3年でLv.4に至るという凄まじい速度で成長していき、当時は【剣姫】と事あるごとに比較されていた。(『闇派閥(イヴィルス)』との抗争が激しい時代だったため偉業の経験を積みやすいという環境もあった)
しかし、5年前に『闇派閥』である【ルドラ・ファミリア】がダンジョン内で起こした大規模な破壊行動が引き金となって誕生してしまったイレギュラーモンスター『ジャガーノート』の強襲によって、ファミリアは自分だけを残して全滅してしまう。
生き残ったリューは主神のアストレアを都市外へ逃がし、髪を切り『闇派閥』への復讐を敢行。その際に『闇派閥』と癒着していた疑いのあるファミリア・商会・ギルド職員にまで及んだ事で賞金首として『ギルド』のブラックリストに載り、冒険者の権利を剥奪される事になった。皮肉にも彼女のこの復讐で『闇派閥』は壊滅し、オラリオの暗黒期は終わる事となった。
その後、重傷を負って倒れていた所をシルに拾われ、そのままむりやり『豊饒の女主人』で働かされることになる。(髪もこの時に少しでも正体がバレにくくする為にと無理やり染められた)
『豊饒の女主人』で働き始めた当初は仲間を失った事や帰る場所もない事から生きる気力を失っていたが、シルの言葉で前向きになり、亡くなった仲間達の分までオラリオを見守る決意をする。もっとも仲間達を失った事の心の傷や復讐に走った罪悪感は消えておらず、5年前から自分の中で時間が止まったような感覚に陥っていた。
仲間の墓をアリーゼたちが好きだと言ったダンジョン中層18階層「迷宮の楽園(アンダー・リゾート)」に建てており、彼女たちの墓参りのために定期的にダンジョンに行っている。
ちなみに『ギルド』の主神であるウラノスは、【アストレア・ファミリア】がオラリオに多大な貢献をしてきた事もあって、ジャガーノートにまつわる全ての情報を口外しなければリューを罪には問わない事と決めたので、『ギルド』から追われる事はなかった(但し、ブラックリスト登録などの最低限の義務は残った)。
本編
物語初期から『豊饒の女主人』のメンバーとして登場し、店員業の傍ら悩むベルに、元冒険者としてアドバイスをしたりしている。5巻では『怪物進呈(パス・パレード)』を受け、行方しれずとなったベル達を救出するためヘルメス達に同行し、18階層に到達した後は【アストレア・ファミリア】の仲間達の墓参りを行い、ベルに自身の身の上話を語った(ついでに水浴びを覗かれているが、当然彼に悪意はないので糾弾していない)。
その日の夜は、『闇派閥』と極彩色のモンスターに襲われ万事休すになっていたベルとレフィーヤを救出し、『闇派閥』のメンバーを尋問している。この時、たまたま入手した『ダイダロス・オーブ』が、後に異端児(ゼノス)編でベルの役に立つ事になる(外伝5巻参照)。
その次の日、ベルを嵌めタコ殴りにしているモルド達を止める為に動くが、その場はヘスティアが神威を放ち、有耶無耶になった。直後、彼女の神威を感じ取った迷宮が『漆黒のゴライアス』を産み落とし、その場にいた者達を抹殺しようとした所を阻止する為、リヴィラの街の住人達やベルと共に、そのまま交戦する。周りが苦戦する中、Lv.4として頭一つ抜けた立ち回りを発揮し、単騎で押さえ込むという大奮戦を見せ、ゴライアス撃破に大いに貢献した。
その後は地上に戻り、普段通りの日常を送るが、ベル達が【アポロン・ファミリア】と『戦争遊戯』することになると、ヘルメスから都市外からの助っ人と言う名目で助力を頼まれ、シルの頼みもあってか助力する。ベル達を助ける為に、『クロッゾの魔剣』を使う事も厭わずに【アポロン・ファミリア】の団員半数を引きつけ、小隊長のリッソスを難なく倒す。いつも以上の変装とヘルメスの手回しによって、この時も正体がバレる事はなかった。
異端児騒動の際は、店に訪れたベルにやった事は理解しかねるが、自身が決めた事なら挫けてはいけないと、一度復讐に身を堕とし、過ちを冒した彼女だからこそ強く響く励ましをした。攻防戦の際は、アスフィから『闇派閥』の情報提供を条件に協力を仰がれ、ベルと接触し、彼の頼みでアイズの足止めを受け持つ事になる。春姫のレベルブーストにより、一時的にLv.5の力を得て挑むも、経験の差で敗北する。
騒動から一段落した後、【ロキ・ファミリア】率いる派閥連合による第一次クノッソス侵攻作戦時に【ヘルメス・ファミリア】の援軍として同行するが、そこで生き残っていたかつての仇敵であるジュラ・ハルマーを発見し、逃げる彼を追いかけ離脱。その後、18階層で彼の手下であるジャンを尋問し、ジュラを追って下層に向かいジュラを発見し、鬼神の如き形相で襲いかかり、その場に居合わせた街の討伐隊とついに衝突してしまう。Lv.3も混ざった手練れの群れを瞬く間に突破し、逃げたジュラを追いかけ、追い詰めた所を追ってきたベルと再び遭遇し、変わらず遠ざけようとした…が明らかに違和感のある今回の騒動を当初から怪しいと感じていたベルがある推理をし、嘘を嫌い、誇り高いエルフの矜持を宿す彼女の瞳と言葉を信じた彼の信念により、一連の事件は全てジュラ達の自作自演であった事が発覚。
その後は、信じてくれたベルに感謝と謝罪を述べ、本性を表したジュラと対峙。操る『凶兆(ラムトン)』こと『大蛇の井戸(ワーム・ウェール)』を打ちのめし、追い詰めたと思いきや土壇場で彼の仲間のターク・スレッド達が25階層で大爆発を起こした事によって、異物を排除しようとした迷宮の意思によって、トラウマの象徴である厄災の使徒『ジャガーノート』が出現してしまう。
あまりの恐怖から、かつて見た事ないほど取り乱し、ベルだけで逃がそうとしたが、討伐隊のボールス達を追ってついに現れ、その場にいた冒険者を蹂躙していき、ベルも首に尾の一撃を叩き込まれ、致命傷を追ってしまう。生き残ったボールスだけは何とか逃がそうとジャガーノートに立ち向かうが、圧倒的な強さに追い込まれ、ここまでかと諦めかけたその時、マリィの血で全快したベルの【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】によって危機を脱し、ジュラもジャガーノートに切断され死亡する。だが、ジュラの最後の命令がまだ生きてたラムトンによって、ベルと共に深層まで落とされてしまう。
その後は、何度も深層での探索をこなした経験を生かし、ベルと共に決死行を行う事になる。が、既に理想を求める事が出来なくなっていった彼女は、『ホワイトパレス』の闘技場にてモンスターの大群を引きつけ、ベルだけは逃がそうと魔法で闘技場外に飛ばし、自身はそこを死に場所としようとしたが、別のルートから戻ってきたベルが【英雄願望(アルゴノゥト)】をフルチャージした火炎石で闘技場ごとモンスターを爆破し、その衝撃で床が抜けて生還する。
そして、この前代未聞の行動によって奇しくもせ今まで発見されていなかったセーフティーポイントを発見し、二人は休息を取る事に成功する。
二人とも消耗していたため、服を脱ぎ、そんなリューをベルは後ろから抱き締めて体温を温める。
そして、極限状態で疲弊し、眠ってしまったリューを置いて自分達を待ち構えていたジャガーノートに、ベルは一人戦いに挑む。
夢の中で【アストレア・ファミリア】の仲間達と最後の邂逅を果たしたリューは、アリーゼに「今のあんたの正義は何?」と問われ、それはベルを助け彼と一緒にシル達が待つ酒場に帰る事だと決意し起き上がり、少年と怪物がお互い命を賭けた最後の激闘を繰り広げる場に駆けつけて、介入する最終的に五年前の教訓を生かした事によって、ついにトラウマの象徴であったジャガーノートを討ち滅ぼすことに成功する。その後、救援に駆けつけた異端児達によってベルとともに地上に帰還した。
数日後のクノッソスの第二次侵攻では、ルルネに連れられ、アスフィ、アイシャ、春姫と共にレフィーヤ、ベートの援軍として駆け付け怪人のエインと戦う。
その後の『女神祭』でシルがベルとデートする事になった際、葛藤しながらも変わらず彼女を応援しようとしていたが、当日クロエの言葉を聞き、渋々尾行に承諾する。
2日目に、フレイヤの眷族で第一級冒険者のヘグニ・ラグナールがシルを狙い、『豊穣の女主人』のみんなでベルとシルを逃すため足止めをするが敵わず、ヘグニに倒される。
3日目にベルの元を訪れ、シルの告白を断ったと聞いた時は思わず詰め寄って問いただしたが、彼も憧憬への想いがあるため、責めるのは筋違いと納得した。そしてベルと共にシルを探しに行くが、そこにフレイヤの下知が下ったオッタルが立ち塞がり、瞬殺される。フレイヤがオラリオ中に魅了を施こそうとした際、アスフィに抱えられ脱出し、都市から離れたアグリスの町で手当を受ける。目が覚めた後、アスフィから事情を聞き、調査のためオラリオに潜入するが、『魅了』で操られた人々の捜査網により感づかれる。
その後は、フレイヤがアーニャの前でシルの正体は自分であると明かした事に愕然とする。自分達を助けたのはただの気まぐれ・神の娯楽と断言され、シルの姿で差し伸べられた手を拒絶するが、権能で行動不能にされる。そのままシルから「ベルを一緒に独占しよう」等と甘言されるが、その嫌悪と忌避感からもはや『シル』の皮を被ったナニカにしか見れず拒絶し、そのまま意識を奪われ、魅了は施されず本拠へ連行されて、地下室へ閉じ込められる。
室内で不自由なく過ごせる代わりに、呪詛(カース)の枷で脱走できない状態になっており、一週間が経った日の夜にヘルンが現れ、『出来るだけ本拠の東側で騒ぎを起こすこと』を条件に脱獄を手引きされる。当初は不信感を抱いていたが、シルの雰囲気を感じたことで彼女を信じ、騒ぎを起こしながら脱走。団員達相手に孤軍奮闘するも、ヘグニが現れた事によって追い詰められ殺されそうになるが、『魅了』が解除されたアイズに助けられる。
【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の『派閥大戦』が決まった際は、自分もベルの力になる為、シルの暴走を止める為、剣製都市ゾーリンゲンに住んでいる主神アストレアの所に向かい、ステイタスの昇華を行ってもらう事を決断。今まで貯まっていた経験値を使ってステイタスを更新してもらった結果、『神時代』史上初の連続昇華(ランクアップ)を成し遂げ、一気にLv.6に昇格する。また、ステイタス更新後は、自分の止まっていた時間が動き出した証として、背中にかかる程に伸びた髪を金髪へと戻している。
本編ではLv.5を飛ばして一気にLv.6に昇格したように描かれているが、18巻SSでは2度の昇華と記載されており、『ファミリアクロニクルepisodeリュー2』でゾーリンゲンでの出来事が明かされる。
ゾーリンゲンに辿り着いたリューは、【アストレア・ファミリア】の新たな本拠『星休む宿』へ赴き、そこで自身の後輩の立場である眷族のセシルと邂逅して、彼女から「アストレア様を捨てた裏切り者」と罵られて一悶着となるが、すぐにアストレアと再会する。アストレアに深い罪悪感を抱くリューだったが、「旅を終えた」ことを悟ったアストレアに温かく迎えられた。
その夜、アストレアにステイタスを更新してもらうと、すぐにLv.5へ昇格する。リューはすぐにオラリオに戻ろうとするが、アストレアに止められてゾーリンゲンで準備を整えるようにと諫められる。さらにあえて発現可能な魔法を刻んでいないことを明かし、抗議しようとするとアストレアから「アリーゼ達のことを忘れかけている」と指摘され、しかも昇格によって生じた心身の『ズレ』の解消することを優先するように諭されたため、アストレアを信じてゾーリンゲンに留まる。
次の日から自主鍛錬に勤しむ中、セシル達がアストレアの頼みで『調整』の手伝いをすることとなるが、Lv.2以下の彼女達では荷が重いと断言し、その言葉通り彼女達をあっさり一蹴。だが、にもかかわらず特訓後に更新したステイタスがベルの【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】のように大幅に上昇したことに驚く。それから『調整』の度にステイタスは大幅に上昇し続け、彼女達と関わることで『先輩』の立場を自覚し、リューのための専用装備(オーダーメイド)を作れずに苦しむセシルを見て、かつての自分と同じと感じたリューがセシルに自分と同じく必死に迷って考えた末に答えを見つけるようにと諭す。
その後、アストレアから『派閥大戦』の日程が決まったことを知らされ、アストレアから最後のステイタス更新が行われる。その際、アストレアから実は最初のステイタス更新でLv.6に一気に昇格できるほど【経験値(エクセリア)】を溜め込んでいたことを明かされ、あえてそうしなかったのは、段階を踏まなければ心身の『ズレ』を解消するのに一ヶ月以上かかると予想されたことと、急激な『器』の拡大に耐え切れず手足が少なくても一本失う危険性があったためであった(大幅に上昇するステイタスも、これが原因)。
そして、強大な敵を前に1秒でも早くベル達のもとに駆け付けたい焦りにアリーゼ達を遠ざけていたリューがセシル達と交流したことでアリーゼ達のことを想い出したのを見て、アストレアは発現可能だった継承魔法【星々の記憶(アストレア・レコード)】を刻んだ。
セシルによって用意された戦闘衣(バトルクロス)と破損した《アルヴス・ルミナ》を素材にして完成した《アルヴス・ユースティティア》を受け取ると、アストレア達とともに『派閥大戦』が実施される『オルザの都市遺跡』へ向かった。
そして、『派閥大戦』が行われている戦場に遅れて参戦。派閥連合相手に無双していたヘグニに雪辱を果たす形で勝利し、そのままベルの元へ行き、彼とミアと共にオッタルと戦うことになる。その最中、ベルへの好意を打ち明けて彼に告白する。突然の告白に戸惑うベルだったが、当然返事をする暇があるわけがないため、一旦保留となり、そのままオッタルとの戦いを続行。さらにヘディン・セルランドの加勢によって形勢逆転したかに見えた時、オッタルが自身のスキル【戦猪招来】によって『獣化』して、ミアたちと共に叩きのめされる。それでも、ヘディンの発破によって立ち会った直後にサンジョウノ・春姫の階位昇華魔法【ウチデノコヅチ】によってLv.7に疑似ランクアップして再度オッタルと交戦し、ベルがヘディンの付与魔法【ラウルス・ヒルド】で回復・強化されてオッタルに戦闘不能のダメージを与えて勝利した後、自身とミアはこれまでのダメージでもはや動けないとして、フレイヤの下へ向かうベルを見送った。
『派閥大戦』が終結して【フレイヤ・ファミリア】が解体された後、オラリオを去ろうとするフレイヤの前にルノアたちと共に現れて、私たちに何か言うことがないのかと問いかけて、フレイヤがシルの姿で「ごめんなさい」と言った直後、思い切りシルの頬を張り飛ばした後に「謝るくらいで許すと思うか! 一生、許すものか!! ずっと私たちと一緒にいなさい!!!」と涙ながらに叫んだ後、シルが「私は女神をやめたい!みんなの側でシルでいたい!!」と叫んだ後で、ベルたちと共に歓声を挙げて承諾した。
本編19巻では、アストレアと二代目【アストレア・ファミリア】を剣製都市ゾーリンゲンまで送り届けた後、オラリオに戻って『豊饒の女主人』で行われた祝勝会に途中参加。そんな中、話がしたいとベルと一緒に店を抜け出し、アストレアとはこれからも連絡を取り合うがファミリアからは離れる事を決め、彼に【ヘスティア・ファミリア】への入団を望んだ。
翌日、ヘスティア達にも入団の意志を伝え、『豊饒の女主人』も元【フレイヤ・ファミリア】の『満たす煤者達(アンドフリームニル)』が雇われたことで問題なく辞めれたことで、ヘスティア達から快く迎えられて改宗して正式に入団。この時から、みんなと同じ目線ということで敬称を付けずに呼び捨てで名前を呼ぶようになる。
だが、『ギルド』は【疾風】を公式に死亡扱いにしているため、別の名前を名乗らざる得なくなった。そのため、偽名を考えたが、ベルを一瞥すると頬を染めて思わず、
「リュ、リュー…………リュー・クラネル…………」
と呟いて、ヘスティアにサンダルで頭を引っ叩かれる。
本人は「神の名を拝借するのは畏れ多いから、団長の名を借りるべきでは」と苦しい言い訳をしたがヘスティアに嘘は通じず、大荒れとなる。傍観していたベルとヴェルフは、リューのポンコツっぷりに「すぐに馴染めそう」と呆れていた。
その後、「リュー・アストレア」という名前で新人冒険者として出発することが決定する(エイナからは全く隠す気が無いと呆れ、すぐに【疾風】と気付いた彼女に恨みを抱く勢力から狙われることとなるが、元【フレイヤ・ファミリア】に悉く潰されている)。
『学区』に変装して入学していたベルが、エイナと一緒に食事をしているというシルのタレコミでヘスティア達とともにその店に来た際、ヘスティアとリリがベルとエイナを激しく問い質している中、無表情でベルを直視しながら、
「まだ私は告白の返事を頂いていないのですが」
と、修羅場にもかかわらず超ド級の爆弾を投下。
ヘスティア達が大絶叫(ベルだけ奇声)と上げる中、『派閥大戦』が中継されていたから告白も中継されていたのではとエイナに指摘されると、その事実に気付いて顔を真っ赤にして羞恥に悶えるという盛大な自爆を起こす。
冒険者としての能力
戦闘スタイルは『魔法剣士』。高速戦闘で相手を翻弄しつつ並行詠唱で長文詠唱の攻撃魔法を行使する移動砲台であり、回復魔法も使えるオールラウンダー。並行詠唱の技術は非常に洗練されており、都市最強の魔導士のリヴェリア以上ではないかと評される程。白兵戦においてはや木刀や二刀の小太刀を使う。
アビリティは『敏捷』『器用』『魔力』が高水準であり、幼少期からエルフの戦士として教育を受けていた事や、オラリオの暗黒期を戦い抜いた経験もあり、Lv.4でも最上位の戦闘技術の持ち主。彼女の戦いを見た命からは目標と密かに掲げられているほど。第一級冒険者となったベルでも彼女の技と駆け引きには未だ及ばない。
【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』の前に、Lv.4からLv.6へと『連続昇華』するという前代未聞の大偉業を遂げる。Lv.6へのランクアップと同時に、アストレアの眷族たちの魔法を全て使える継承魔法【アストレア・レコード】を獲得し、付与魔法、攻撃魔法、回復魔法、防御魔法等、多岐にわたり使用可能。万能性に更に磨きがかかった。
また、新たに獲得したスキル【正義継巡】は同神血の眷族のスキルと魔法を強化し、自身も強化対象である。
ちなみに作者曰くガチャキャラに例えるとリュー、アイズの二人はSSSRランクであるとの事。
ステイタス
Lv3(大抗争開始前、最終判明ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
D504 | F373 | S902 | S904 | A800 |
狩人 | 耐異常 | |||
H | I |
Lv4(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
D587 | D501 | S935 | S954 | S900 |
狩人 | 耐異常 | 魔防 | ||
G | G | I |
Lv5(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
G288 | G201 | E494 | D507 | E457 |
狩人 | 耐異常 | 魔防 | 魔導 | |
G | G | I | I |
Lv6(18巻時点)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
I45 | I25 | I97 | H100 | I71 |
狩人 | 耐異常 | 魔防 | 魔導 | 連攻 |
G | G | I | I | I |
※Lv.5はアビリティの熟練度を限界まで上げずにランクアップしたので、Lv.4の最終ステイタスに比べてかなり低めとなっている。
スキル
- 妖精星唱(フェアリー・セレナード)
魔法の効果を増幅するスキル。夜の間は強化補正が増幅される。
- 精神装填(マインド・ロード)
攻撃時に精神力(マインド)を消費することで、力のアビリティを強化するスキル。精神力の消費量を含め、任意で発動できる。
- 疾風奮迅(エアロ・マナ)
疾走時、速度が上昇すればするほど攻撃力に補正がかかる。
- 正義継巡(アストラエ・ヴァルマス)
リューの一定範囲内に存在する同じ神血(イコル)を持つ眷族の『スキル』効果増幅と『魔力』及び精神力(マインド)加算、神の全眷族に精神汚染に対する中抵抗(レジスト)を付与。
増幅値及び加算値及び付与率及び効果範囲はリューの階位(レベル)反映。
発展アビリティ
- 狩人
Lv. 2ランクアップ時にのみ会得可能なアビリティ。一度交戦し、経験値を獲得したことのあるモンスターとの戦闘時に能力値が強化される。
- 耐異常
状態異常の症状を防ぐ事の出来るアビリティ。
- 魔防
作中で詳しい効果が説明されていないが、名称からして魔法攻撃に対する耐性が強化されるアビリティかと思われる。
- 魔導
威力強化、効果範囲拡大、精神力効率化。魔法を使用する上で、様々な補助をもたらす魔法円を作り出すことができる。
- 連攻
連続して攻撃を加えると、威力が向上するという攻撃系の発展アビリティ。
魔法
- ルミノス・ウィンド
詠唱式:【今は遠き森の空。無窮の夜天に鏤(ちりば)む無限の星々。愚かな我が声に応じ、今一度星火(せいか)の加護を。汝を見捨てし者に光の慈悲を。来れ、さすらう風、流浪の旅人(ともがら)。空を渡り荒野を駆け、何物よりも疾(と)く走れ——星屑の光を宿し敵を討て】
風・光の属性を持つ、広域攻撃魔法。緑風を纏った無数の大光玉を生みだし、広範囲に放つ事が出来る。
ジャガーノート戦では靴底に魔法を放ち、その爆発力で宙に舞い上がり、更に空中でも同様に魔法を使用することで『空中機動』、『高速跳躍』を可能にした。しかし、とても無茶な戦闘方法な為、相当に体を酷使することとなる。
- ノア・ヒール
詠唱式:【今は遠き森の歌。懐かしき生命(いのち)の調べ。汝を求めし者に、どうか癒しの慈悲を】
回復魔法。地形効果があり、使う場所が森林地帯の場合、回復効果に強力な補正がかかる。体力の回復と並行して傷さえ塞ぐが、効果が高い反面、ポーションのように即効性は無く、消費する精神力(マインド)も効率は悪い。
詠唱式:【使命は果たされ、天秤は正される。秩序の砦、清廉の王冠、破邪の灯火。女神の名のもとに、天空を駆けるが如く、この大地に星の足跡を綴る。正義は巡る】
Lv.6への昇華時に発現させた魔法。能力は、自身と同じ神血(イコル)を宿した眷族達の魔法を行使できる『正義継承』というもの。甚だしいイレギュラーであり、未知であり、果たされた正義の剣と翼の誓い。
アリーゼ達の声が心から失われると、『継承』の効果は半減する。リューの精神状態次第で、出力が左右される。
装備
- アルヴス・ルミナ
本編から7年前、邪神エレボスが引き起こした闇派閥との『大抗争』の際、亡きアーディ・ヴァルマから姉のシャクティ・ヴァルマを経てリューの手に渡った故郷『リュミルアの森』の大聖樹の枝を素材にした、愛用の木刀。【ゴブニュ・ファミリア】に作ってもらったオーダーメイドで高い攻撃力と頑丈さを持ち、魔法の効果を増長させる魔力効果を持つ。銘の意味は『妖精の星光(ひかり)』。本編13巻で、ジャガーノートにより破壊されてしまった。
- アルヴス・ユースティティア
彼女の新装備。上記の壊されたアルヴス・ルミナの欠片を素材としている。アストレアが現在、在住している剣製都市ゾーリンゲンにて、いつか正義の答えを見つけたリューが訪ねてきた際、渡せるようにセシルに作らせていた。正義の星乙女の名を冠する星剣。
- 双葉(ふたば)
二刀の小太刀で、第二等級武装の中でも優れた業物。【アストレア・ファミリア】の戦友であり、好敵手でもあったゴジョウノ・輝夜の遺品。彼女の遺言もあって墓に返さず、使い続けることを選ぶ。
妖精の枝史
概要 購入者特典の為、解説と簡易なあらすじにとどめる。
10周年記念に、ダンまち公式がweb版を理想郷譚(プロトタイプ)と名付け、2023年1月公式サイトにて復刻連載開始。
GA文庫版では理想郷譚をリメイクし、3巻以降アイズがミノタウロス戦まで稽古をした世界線に変更されたが、同年4、5月にアニメ4期深章厄災篇Blu-ray初回購入特典で、理想郷譚の展開を改変せず3巻以降進行し、「アストレア・レコード」等の新情報を加筆した版『妖精の枝史』を発表。
理想郷譚の続編であり、GA文庫版とは平行世界にあたる枝史では、初期の設定通りリューが師範のまま進行。14巻深層でベルと結ばれ、憧憬一途の物語を終え、急成長をしないベルが英雄になる「枝史の先」のもう一つの冒険譚に続く引きで幕を下ろす。
「これが人を好きになるってことなんだと思います。」
枝史では、リューがミノタウロス戦前から師範である以外の展開はGA文庫版と同じ。すれ違いながら惹かれ合っていたベルとリューが回想を経て結ばれ、シルはリューがベルの隣ならいいと、己の名に誓って愛する者達を祝福し『派閥大戦』は起こらない。
ベルとは、【ヘスティア・ファミリア】と『豊饒の女主人』内では公認の交際を続け、Lv.5になったベルと二人でアストレアの元を訪れ、ゆっくりと時間をかけてLv.6に到達。この帰路、妖精の園に訪れ、まだ不安を抱えるリューに、後悔なんかしていない、貴女に一途であると伝え、「誰よりも何よりも大好きです」と永遠に至る愛を誓い合う。その後どんな想いが交わされたかは、
この先の物語は、まだ記されていない。GA文庫世界線と同じく、終末が産声をあげ世界に苦難が紡がれる。二人は引き裂かれるかもしれないが、英雄となったリューと英雄にならなければならないベルは、枝史の先で必ず再会を果たすと締めくくられている。
- 理想郷譚及び枝史は1か月ほどリューへの師事が先行している。この「妖精との時間」をベルが得た点以外は、14巻深層で肌を寄せ合いリューが振り向くまで、GA文庫版と同様に展開する。
- 理想郷譚で繰り広げられたスパルタ稽古は【アストレア・ファミリア】でヤヴァイ修行時代を送っていたからだった。ボロ雑巾、サンドバッグとはベルの代名詞。
- 深層では、光の彼岸シーンの間、現実のベルとリューが手を繋いでいたり、ベルが戦闘中に告白、ジャガーノートに対して「「 勝負だ 」」と二人で共闘する等、展開が異なる。
- 「私はベルさんも好きだけど、リューのことも大好きなんだよ?」「二人が幸せに暮らして、リューがいなくなった後、ベルさんの隣をもらうね」シル編は、リュー不在時に違った形で延期かもしれない。
- ベルが一人の女性を選び愛するまでを描き、憧れとは異なる愛を覚えた少年の物語となっている。
- 憧憬一途は沈黙し、もう起動することはない。高嶺に咲く花は、もう見えない。「たとえそれを失っても、僕、強くなりたいです。」子供ではなくなった、少しだけ大人びた顔をして。
理想郷譚(web版)のリュー 2011/04~2023/12
理想郷譚では、ベルがリューに師事し、戦闘の指導を受けている。
─いつかの路地裏。あの時リューさんが自分で言っていた「私はいつもやり過ぎてしまう」という言葉。あれは脅しでも誇張でも何でもなかったのだ。─
GA文庫版ではアイズがリューの指導シーンとセリフをほぼそのまま転用して指導しているが、枝史はこの部分が復刻加筆されている。
茶色に染めたショートヘアを稽古中は後ろに束ねている。年齢は十と少し。回復魔法を使おうとしない(所持しているかは不明)。
容姿年齢等はGA文庫版の設定に合わせ、枝史でもその他の諸設定と共に書き直されている。
14巻でも理想郷譚の世界線を示唆する地の文と二人の会話が存在しており、実際に本巻のあとがきで作者も「妖精ヒロインのトゥルーエンドに突入したい気分になってしまった」と旨を述べている。
※5巻付近まで連載。だから全くヒロインポジではない。
でもベルはリューのことばかり考えてる。もうお前ら枝史いっちゃえよ。
前世
『メモリア・フレーゼ』のイベント「アルゴノゥト」では、彼女と容姿がよく似たリュールゥというエルフが登場するが、恐らくリューの前世と思われる。性別不明で、聞かれるとはぐらかしてくる(アルゴノゥト的には、女性として扱っている)。世界を旅する吟遊詩人で、新たなる英雄の誕生とその栄光を歌にして、世界に伝える事を使命としている。現在以上に他種族との関係が悪かった時代のエルフでありながら、そういった偏見を全く持たず、寧ろ気軽に接してくる人物。掴みどころがなく、芝居がかった言動はどこか旅人の神と似ている。
見た目もリュー同様に若々しいが、実年齢87である。(後述のナイツ・オブ・フィアナではさらに20年経過している。エルフの中でも長寿の王族リヴェリアが実年齢100前後であること、リュールゥも高貴の血筋であることから当分容色は衰えそうにない。)
また、物語終盤で真名がウィーシェという事が明かされ、レフィーヤの故郷である『ウィーシェの森』との関係者かと思われる。因みにオラリオにも、エルフの店主が開いている同名の店がある。
アルゴノゥトの続編にあたる「ナイツ・オブ・フィアナ」の時代も精力的に活動しており、『英雄の時代』の為に各地に回り、人類軍結成の為に動き回っている。
レフィーヤの故郷『ウィーシェの森』の名前になっている『始祖』である。『ウィーシェの森』は『世界三大詩人』の一人であるリュールゥを慕うエルフ達が、かつて滅びたリュールゥの故郷の森を再建した妖精里。
中々に高貴な血筋であり、王族からの保護の手から逃れる為に性別と真名を隠している根無し草。
「同胞よ。森を飛び出せ、世界に目を向けろ。
絆を繋げ、妖精の輪を広げろ。
エルフよ、どうか真の誇りの意味を知れ!」
今日の『ウィーシェの森』の教えである。
正直リュールゥの失敗談だった啓蒙活動(一部抜けている)が伝承されているこの里、当人は笑うだろうか、舌打ちするだろうか。なにしろ当人が背を向けた故郷である。
なお、エルフの『始祖』にはアールヴとルビが振られ、傍系は始祖を名乗ることは許されていない、筈。何故『始祖』と表現されたか、関連性は全く不明。
『ファミリア・クロニクルepisodeリュー2』にて、リューの一族の古の吟遊詩人について言及された。リューとリュールゥは遠い血縁の可能性が考えられる。
余談
予告
アニメシリーズでは、一部を除いてWeb予告のタイトルコールを担当している。1回目はいいのだが、2回目からはタイトルに正しさを求めるのは間違っているとでも言わんばかりに、毎回間違ったタイトルを読み上げている(サブタイの方はちゃんと正しい)。
3期では、毎度のごとく間違ったタイトルを読み上げるのに加えて、サブタイの当て字とサブタイを同時に読み上げ、それを2回繰り返すという、さらにシュールなものと化している。
(例「片翼と書いてモンスター、片翼と書いてモンスター」)
TVアニメ『ダンまち』 WEB予告映像集 第2話~13話
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27705755
関連イラスト
※酒場店員時の服装
※冒険または戦闘の時の服装
※現役時の服装
※現在18巻以降
※私服
関連項目
豊饒の女主人 アストレア・ファミリア ヘスティア・ファミリア
リリルカ・アーデ ヴェルフ・クロッゾ ヤマト・命 サンジョウノ・春姫
- キリト…ソードアート・オンラインの主人公でベルと中の人が同じ。「単独行動が基本」、「活躍の弊害で周りに敵が多い」、「過去に目の前で自分のチームのメンバーを全員見殺しにしてしまった」など、負の面で共通点が多い。そして全滅したチームのメンバーには、リューと中の人が同じヒロインがいた…
- 妖精弓手…『ゴブリンスレイヤー』に登場するエルフ。アプリ『メモリア・フレーゼ』のコラボストーリーでリューと共演し、リュー自身が彼女のコスプレをして戦いに臨んだ。ちなみにリューの方が年上に見えるが、妖精弓手は少なくとも2000年は生きているので実際には約100倍の開きがある。
- マリエル…『アナザーエデン』に登場する神官見習い。こちらも『メモリア・フレーゼ』のコラボストーリーで共演した中の人が同じキャラ。
- 八重樫雫…ありふれた職業で世界最強のヒロイン。主人公に想いを寄せる親友を応援していたが、いつしか自分自身が主人公に想いを寄せるようになったという共通点がある。ちなみに中の人はアリーゼと同じで、かつ親友の中の人はアイズと同じ。
- オティヌス…とある魔術の禁書目録のヒロインで、主人公と2人きりの絶望的な逃避行の末にデレたという共通点がある。そしてこれがきっかけで読者人気が跳ね上がったところも同じ。こちらは主人公の心強い味方だった作中の主要人物ほぼ全てが殺す気満々で襲ってくるという、異端児編や深層の比じゃないルナティックモードだったりするのだが。そもそもこうなった原因は、逃避行の直前に世界中を巻き込んで主人公の心を折るという17巻のフレイヤもかくやの暴挙をやらかしたことにある。一言で表すならリューとフレイヤのハイブリッド。
- ヤマト…ONEPIECEの中の人繋がり。名前がリューに憧憬を抱く少女と同じで、年下の主人公と共に強大な敵に立ち向かった女傑である。なお、リューが木刀を手に風を操るなら、あちらは金棒を手に氷を操る。