概要
オラリオの冒険者たちがいずれ達成しなければいけない『三大冒険者依頼(クエスト)』の一角にて、最後の一つである作中最強のモンスター。
太古の昔、ベヒーモスやリヴァイアサンと共に大穴より放たれた漆黒の竜。『迷宮神聖譚(ダンジョンオラトリオ)』最終章に登場し、『黒き終末』・『生ける厄災』と言われている。
神々が下界に君臨する前、英雄史上最強と謳われる人物により片眼のみが奪われ、オラリオの地から遠ざけられ、今も世界の果てにて存命である。
その際、落ちた鱗(祠でまつられるほどのサイズがある)は地上のモンスターへの魔除けとして、エダスの村を始めとした集落にて崇められている。
これを討伐した者は、名実共に『最後の英雄』の名を冠することになる。
「アストレア・レコード」の店舗特典ssによると黒竜は世界三大秘境の一つ『竜の谷』に結界で封印されており、7年前まではかつての覇者達が番人として結界を抜け出した竜種を討伐していた。『学区』はこの結界の強化方法を探していたらしいが、現在でも竜の谷からは凶悪な竜種が流出し続け下界の荒廃を進めている為成功したのかは不明。竜の谷に生息する怪物はLv.7の実力者でも討ち漏らしが発生するほど数が多く、現在の下界の戦力では対処不能の強さを持つ個体も存在するらしい。
かつて神時代の象徴たる【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の二大派閥が討伐に失敗し、壊滅させられた最強の「黒きモンスター」。
この二柱が落ちた事によって、オラリオのその後の情勢には大きな影響があり、全滅状態に陥ったゼウスとヘラの両主神はオラリオを追放され、その後に【フレイヤ・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】の二大ファミリアが台頭。また、その抑止力を失った影響により、活動を自粛していた『闇派閥(イヴィルス)』が活発化し、暗黒期が到来する。
さらにディックス・ペルディクスが異端児(ゼノス)の存在を発見したのも、この頃らしい。
加えて、本作のヒロイン、アイズ・ヴァレンシュタインの過去に深く関わりのあるモンスターである。
『メモリア・フレーゼ』の四周年イベント「アエデス・ウェスタ」で判明したことによると、黒竜討伐の失敗は神々にとってもかなりの想定外だったらしく、『オリンピア』の穢れた炎の除去は本来、黒竜討伐の後に行われるはずだった模様。
その為、プロメテウスはこの失敗を誰よりも悲しみ、ゼウスも負い目をずっと感じていたと言う。
本編18巻で、アレン・フローメルとアーニャ・フローメル兄妹の故郷を滅ぼしたのが『黒竜』であることが判明する。
考察
隻眼の黒竜のモデルとなっているのは、ベヒーモス、リヴァイアサンと共にユダヤの伝承で語られる幻獣・ジズではないかと予想されている。
頭上は天の高さまで届き、更に翼を広げると太陽を覆い隠してしまう等、隻眼の黒竜と共通し得る設定を持っているのだが、隻眼の黒竜と異なってジズは怪鳥として描かれている。
また、「陸」を司るベヒーモス、「海」を司るリヴァイアサンが旧約聖書で語られているのに対し、「空」を司るジズの存在は語られておらず、それ故にベヒーモスやリヴァイアサンに比べてジズの知名度は極めてマイナーにもなっている。
原作者からはアーディのスキルは黒竜戦必須級レベルと明言されているが…?