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迷宮(ダンまち)

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だんじょん

迷宮(ダンジョン)とは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する地下空間。

※原作で起こった出来事などが記載されてますので、ネタバレに注意してください。

【迷宮(ダンジョン)は生きている】

【ダンジョンが哭いた…】

概要

迷宮都市オラリオ』の中心部地下に存在する迷宮。原作では『迷宮(ダンジョン)』と表記される。

ダンまちシリーズ』における重要な要素となる場所である。

作中では『世界三大秘境』と呼ばれるものの一つに数えられているという。

また、『三大冒険者依頼』に数えられるモンスター達も古代にこの地下から穴を破って進出したとされており、地の文では全ての元凶と称されている(もっとも、理由はそれだけではないようだが…)。

正確には「迷宮」と言うよりも「階層構造上となっている天然の地下空間」であると言えて、数多くのモンスターが生まれ棲息している魔窟でもあり、定期的に出現してくるモンスターが地上に進出してくるのを防ぐべく、あるいはモンスターから得られる魔石やドロップアイテムで収入を得るべく、各ファミリアに所属する『神の恩恵(ファルナ)』を受けた冒険者達が、日夜モンスターと命懸けで戦っている。

組成が破壊されても、側から修復を始めて再生する事から、『無限の資源』とも呼ばれている。

数千年以上前は「大穴」と呼ばれ、大陸の果てにある魔物が出てくる場所、冥府と繋がっていると認識されていたが、実際その存在を確認したものはいなかった為、半ば都市伝説の様な扱いを受けていた。

現在、大穴だった迷宮の真上には、ウラノスに『恩恵(ファルナ)』を与えられた数少ない眷族である名工・ダイダロスによって、オラリオの象徴とも言える50階建ての摩天楼施設である『バベル』が建造されており、バベル自体が迷宮からあふれ出て来るモンスターを封じ込めている「」としての役目を持っている。

また、『ギルド』の主神であるウラノス自身の権能である祈祷によって、迷宮の活性化を防いでいる。

1階層から12階層までが「上層」、13階層から24階層までが「中層」、25階層から36階層までが「下層」、それ以下の階層は「深層」と呼ばれている。

1、2階層を除く階層の最奥部では、「食糧庫(パントリー)」と呼ばれるモンスターの食糧が染み出す場所が存在する。

10階層から下の階層では、「怪物の宴(モンスター・パーティー)」と呼ばれるモンスターが大量発生する現象が、特定の地帯で起きている。

18階層、50階層の様に「安全階層(セーフティポイント)」と呼ばれるモンスターが出現しない場所も存在するが、別の階層からモンスターが登ってくる(あるいは下ってくる)場合もあるので、「完全に安全な階層などは無い」と判断した方が正しいと言える。

現在も、迷宮の構造を完全に解明しようと、【ロキ・ファミリア】を始めとするD級以上となる上位の探索系ファミリアによる「遠征」が度々行われているのだが、最深の階層にまで辿り着けた事例は現在の所無く、作中で描写された最も深い階層は【ロキ・ファミリア】が辿り着けた59階層となる。

また、既に踏破されている多くの階層は、先人の冒険者達が事細かく調査した事で、ギルドにより各階層の特徴やマップ等の情報が公開され、現在の冒険者達の助けになっているが、上層ですら完全に調査された階層は殆ど無く、中には今まで確認されていない「未開拓領域」と呼ばれる場所も存在する。

冒険者達にとっては莫大な富や名声を得るチャンスのある「宝庫」であるのと同時に、冒険者としてのステイタスを向上させる為の「修業場」となっているが、それ故に命を落とす危険が常に伴っている「戦場」でもあり、モンスターとの戦いで命を落とす者や死体さえ残さず消息を絶つ者が後を耐えない事にもなっている。

疲弊した所を見計らったかのようなタイミングで狡猾に産み落とされるモンスターや、悪辣な『迷宮の陥穽(ダンジョン・ギミック)』など、全てが命を落とす要因になりかねない、まさに魔境である。

当然だが、譬え上層の中でも上の階層であったとしても、一般人は勿論、『神の恩恵』を受けたとは言え駆け出しの冒険者が単独で行動するのは「自殺行為」も同然の場所であり、駆け出しの冒険者同士でパーティを組むか、あるいは所属しているファミリアの先輩格の冒険者から指導を受けながら行動するのが基本となっている。

一方、「自分達がモンスターから生き延びる為」、あるいは「個人的に気に入らない同業者達を始末するという邪な動機」から、『怪物進呈(パス・パレード)』という自分達に襲い掛かるモンスターの群れを他の同業者に押し付ける行いや、あるいはモンスターと交戦している冒険者に不意打ちで襲い掛かる等といった「冒険者達による問題・犯罪行為」も少なからず発生しており、この場合、死亡した被害者は「モンスターの餌」として捕食されてしまう為、証拠が立証出来ないケースが多く、またギルド側も、その行いに悪意が見られない限り、実行した冒険者達は追及されない事になっている(他の同業者達からの信頼を失い、犠牲者の遺族や仲間達による報復が待っている可能性はあるが…)。

皮肉にも、この凶悪なモンスター達の巣窟である迷宮の存在自体が、モンスターから回収された魔石を使って造った「魔石製品」でオラリオが暴利に等しい莫大な収入を得る事に繋がるのと同時に、他国の『神の恩恵』を受けた者達を圧倒する実力を持った冒険者達が大量に排出され、一種の軍事力を保有するに至っており、幾つもの国家系ファミリアによるオラリオへの侵略が「失敗」という形で終わっている。

モンスター達は各階層の壁から這い出てくる様に生み出され、壁は魔石の様な物で構成されており、壊した所で自動修復される事になる為、破壊はほぼ無駄な行為となる。しかし迷宮はモンスターの誕生より地形の修復を優先するため、ルームで休む時は武器で外壁などを傷つける事で、モンスターの誕生を阻害するといった行為を行うこともある。階層によって壁から生まれて来るモンスターは決まっているのだが、ダンジョンの階層を降れば降る程、より凶悪なモンスターと遭遇する事になり、命を落とす危険度も必然的に上がる。

特定の階層には、『階層主(正式名称は『迷宮の孤王(モンスターレックス)』)』と呼ばれる、個人は勿論、少数のパーティであっても勝ち目のない所謂ボスモンスターが排出され、大規模なファミリアならば総出で、少数のファミリアならば他のファミリアとの暫定的同盟によって撃破するしか方法は無いと言える。第一級冒険者クラスの実力者ならば、同格か自身より推定Lvの低い階層主を単独で打ち破る事も可能だが、それほどの力を持つ人間は限られている上に危険な行為なのは変わりない為、行おうとするものは少ない。唯一、格上の階層主をほぼ単独で打ち破ったのはアイズ・ヴァレンシュタインのみ。

ただし、モンスター達は常に無尽蔵で生まれてくる訳ではなく、ダンジョンの階層やモンスターの種類により次産間隔(インターバル)があり、殲滅後一定時間はモンスターが産まれない。階層主級の様な強力なモンスターともなれば、数週間から数か月生まれない場合もある。

一方、何らかの要因・経緯によって「他のモンスターの魔石を喰らって自らの身体を強化する」という狡猾な知性を備えた『強化種』と呼称されるモンスターも存在する。かつて存在した『血塗れのトロール』は、50人にも昇る上級冒険者を殺害する凶悪さを発揮し、本編に登場した『モス・ヒュージ』の強化種は、自分がダメージを受けずに魔石を効率よく摂取する為、敵の中でも最も強い冒険者であったベルをパーティから分断させ、更に残ったパーティには『怪物進呈』によって大量のモンスターをけしかけた上に、彼等がそれらを斃して残った魔石を喰らって自らの身体を強化させるという、冒険者の戦い方(それも悪い意味での)を模倣した悪辣な戦術を取っている。

また、ダンジョンが特定の異常事態に陥る事で次産間隔さえも無視して階層主が出現する他、階層主以上のポテンシャルかつ特殊な能力を備えたモンスターも出現する。悪戯にダンジョンの破壊を繰り返すような真似をすると、「修復が追い付かない」と判断したダンジョンによって、ウイルスを駆逐する免疫抗体の様な役目を持った強力なモンスターである『ジャガーノート』というモンスターが生み出され、痛い目に会う事になる(これが原因で、【アストレア・ファミリア】は全滅してしまった)。

更には、ダンジョンに『』が入って神威を感じ取った場合でも、異常事態を察知したダンジョンが「階層主の強化型」と言える個体を生み出す事にもなっており、本編ではヘスティアの神威を感じ取ったダンジョンが階層主の一体である『ゴライアス』よりも強力な『漆黒のゴライアス』を生み出している(この事が、「ダンジョンに神が入ってはならない」という禁則事項の理由となっている)。

数年前より、迷宮内での急激と言える異変の兆候がギルドで確認されている。

近年になってからは迷宮内に極彩色のモンスターや食人花、『精霊の分身(デミ・スピリット)』や『怪人(クリーチャー)』といった、迷宮内のモンスター達とは異なる異形の存在が確認され、「都市の破壊者」を意味する名を持った謎の存在エニュオとある経路によってその存在を知ったことで暗躍を開始し、エニュオと結託した長年オラリオに混沌をもたらすべく活動していた過激派ファミリアである『闇派閥(イヴィルス)』の戦力として利用されているのが確認されている。これは、ダンジョンの60階層以下に潜伏していると思われる『穢れた精霊』の本体が起因となっている。

また、オラリオ内で暗躍する闇派閥を調査する過程にて、ダイダロス一族によってバベルの迷宮全体を覆う形で建造されていた『人造迷宮クノッソス』の存在も確認されており、闇派閥だけでなく、裏社会に繋がりを持った【イシュタル・ファミリア】や無法者集団同然の【イケロス・ファミリア】等にも、ダンジョン内での非合法・犯罪活動に利用されている。

更には迷宮内で生まれてくるモンスター達の中からも、人間と同じ知性や感情を持っている上に、人間とモンスターの双方から敵視されているモンスター達である『異端児(ゼノス)』の出現という、「『エニュオや闇派閥によるオラリオの崩壊』よりも世界中を震撼させかねない異常事態(イレギュラー)」までもが発生しており、この事実を知るのはギルドの主神であるウラノスや彼に仕えるフェルズ(実質、異端児達のリーダー)、【ヘスティア・ファミリア】や【ロキ・ファミリア】、【ヘルメス・ファミリア】、【ガネーシャ・ファミリア】、【フレイヤ・ファミリア】といったごく一部のファミリアのみである(しかも、全体にではなく、主神や上層部の眷族のみというケースもある)。

上層

ダンジョンにおける最初の階層域。ギルドの定めている適正基準はLv.1。作中では上級冒険者が数多く登場しているが、オラリオにおいても大半の冒険者は下級冒険者(Lv.1)止まりであり、つまりほとんどの冒険者はこの階層までしか潜る事が出来ない。そしてその下級冒険者の多さから、事故の『質』は中層以降が上だが、『数』は上層が圧倒的と言われており、最も死者の多い階層域でもある。各階層全てがシンプルな洞窟タイプのダンジョンだが、下に進むとダンジョンギミックのある階層や大型モンスターが出現する階層も存在する。

1~4階層

基準ステイタスはLv.1のI~H。

【特徴】

迷宮の各階層の中でも、雑魚モンスターしか出現しない階層。出現率も低く、それよりも下の階層に比べればまだ安全の地帯である為、ステイタスの向上を目指す駆け出しの冒険者や戦闘訓練を目的とした上級冒険者達が徘徊している事も少なくなく、【ヘスティア・ファミリア】も現在サンジョウノ・春姫の経験値稼ぎのために時折留まる事がある。勿論、この階層でも駆け出しの冒険者が単独行動するのは危険である。

5~7階層

基準ステイタスはLv.1のG~F。

【特徴】

上の階層と同様、迷宮の階層の中では強力なモンスターの出現しない階層。しかしながら「新米殺し」と異名を持つモンスターも少なからず出現するため、危険度は上の階層より高い。

【出来事】

5階層では本編の物語冒頭で、『ミノタウロス』に襲われていた主人公のベル・クラネルが、ヒロインの一人であるアイズに助けられ、運命の出会いを果たした場所である。

また、外伝では並行詠唱を身に着けるためにレフィーヤ・ウィリディスフィルヴィス・シャリアに指導を受け、彼女から障壁魔法【ディオ・グレイル】を託された階層であり、後の事を考えるとレフィーヤにとっても重要な階層と言える。

7階層はリリルカ・アーデが、ファミリアの人間に『怪物進呈』の囮にされ、死にかけたところを間一髪ベルに救われ、彼のサポーターとして力になる事を誓った切っ掛けの場所である。

8~10階層

基準ステイタスはLv.1のE~C。

【特徴】

8、9階層は上と同じく洞窟タイプだが、壁面には苔がまとわりつき、地面には短い草の生えた高原に変わる。またルームの間を繋ぐ通路が短くなり、逆に各ルームが非常に広い作りとなり、天井の高さもそれまで3~4M(メドル)ほどだったのが10M近くになる。10階層は更に濃い霧が発生し、視界の妨害というダンジョンギミックや、怪物の宴といった現象も起こり、それまで出てこなかった大型級モンスターも出現する。

【出来事】

9階層はベルとリリの二人が、ベルの宿命の敵となる『隻角のミノタウロス』と遭遇した非常に因縁の深い階層。リリや【ロキ・ファミリア】の面々が見届ける中、ベルと『隻角のミノタウロス』が壮絶な一騎打ちを繰り広げ、最終的にベルによって『ミノタウロス』が斃される形で決着はつき、ベルが真の意味で「冒険者」としての始まりを迎えた場所となった。

しかし、「本当の因縁」はそれから始まる事になっている。

10階層では、エイナ・チュールにベルの安否の確認を依頼されたアイズが向かい、すれ違った矢先で突如現れたフェルズに、24階層で起こっているイレギュラーの調査を依頼される。

11~12階層

基準ステイタスはLv.1のB~S。

【特徴】

上層域の最終階層。基準ステイタスからも分かる通り、Lv.1として最高値の能力が必要となる。出現するモンスターもそれまで出てこなかった種類がいくつか登場し、稀少種であり実質上層のボスモンスターとも呼べる『小竜(インファント・ドラゴン)』が現れるなど、今までの上層階層とは危険度が一段と跳ね上がる。

【出来事】

本編5巻で、ベルがヴェルフ・クロッゾと初めてパーティを組んだと同時に訪れた階層。その時、インファント・ドラゴンと遭遇し、居合わせた下級冒険者達は共闘して討伐しようとするが、ベルの【ファイアボルト】の一撃であっさり討伐される。

本編19巻で、『学区』の【バルドル・クラス】の『第三小隊』が課題のインファント・ドラゴンのドロップアイテムを求めて戦うが、連携の悪さで倒せずスタミナ切れで何度も撤退を繰り返していた。だが、変装して編入していたベルが考案した作戦で討伐に成功する。

本編より9年前には、アイズの目の前に現れたタナトスが、わざと神威を発動し『黒いワイヴァーン』を出現させる事件が発生。この時、初めて自身に宿る魔法「エアリエル」を発動し、『黒いワイヴァーン』を撃破することに成功するも、これが原因で深層深くに眠っていた『穢れた精霊』本体が活動を開始してしまう。

中層

最初の死線(ファーストライン)と呼ばれている階層域。ギルドの定めている適正基準はLv.2。

上層とはモンスターの強さや遭遇率が格段に上がり、更に出現するモンスターも徒党を組み襲ってくるタイプや、魔法に近い遠距離攻撃を繰り出してくるタイプも出現する。ベルと因縁深いモンスター、『ミノタウロス』が出現する階層でもある。基本、Lv.1のみのパーティでは攻略不可能。譬えLv.2でも単独での探索は自殺行為であり、単独の探索にはLv.3以上のステイタスが必要になる。13~17階層は上層と同じ洞窟タイプのダンジョンだが、19~24階層は森林タイプのダンジョンとなる。

13階層

【特徴】

中層最初の階層。上層から一気に難易度が跳ね上がる事も相まって、実は上層を除いた場合最も事故の多い階層と言われている。

【出来事】

ヴェルフをパーティに加えたベルが、踏破の目標として選んだ階層で、順調に踏破していたのだが、モンスターに追われていた【タケミカヅチ・ファミリア】によって『怪物進呈』を受ける事態となってしまい、追い込まれたベルのパーティは15階層にまで落下してしまった。

14階層

【出来事】

春姫を救い出す方法に悩んでいたベルとヤマト・命が、ヘルメスから身請けの話を聞かされ、その資金調達の為に冒険者依頼で赴いた階層。しかし、その依頼は【イシュタル・ファミリア】が仕掛けた罠であり、フリュネ・ジャミールやレベル・ブーストを受けたアイシャ・ベルカによってベルと命が捕らえられてしまう。

15階層

【出来事】

13階層で『怪物進呈』を受けてしまったベルのパーティが落ちた階層。ヴェルフが負傷し、上層へ向かうのが難しいとリリが推測した結果、リーダーのベルによって18階層を目指して下層へ向かう事になっている。

16階層

【出来事】

18階層を目指すベルのパーティが通り過ぎた場所。序盤はリリの所有していたモンスターさえも嫌う悪臭を放つ「強臭袋(モルブル)」でしのいでいたが、効果が切れた後に4体ものミノタウロスが出現してしまうが、ベルが単独撃破。その後も、ベルとヴェルフの二人によってモンスターを撃破しつつ踏破していったが、途中でリリとヴェルフの二人が気絶し、ベルが二人を担ぐ形で17階層へと降りた。

17階層

【特徴】

18階層へ続く広間である「嘆きの大壁」にて、中層の階層主『ゴライアス』が出現する階層。『リヴィラの街』への妨げになるという理由で、街の住民による定期的な討伐が行われている。

【出来事】

気絶したリリとヴェルフの二人を担いでベルが下り、絶望的の状態となって18階層を目指し、予想よりも早い形でゴライアスが復活した結果、窮地に陥るものの、間一髪の所で『ゴライアス』の追撃から逃れ、18階層に降りる事に成功した。現在では【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共に18階層に赴く時、リヴィラの住民と共闘してゴライアス討伐に参加することもある。

18階層

センシティブな作品センシティブな作品

【特徴】

別名「迷宮の楽園(アンダー・リゾート)」。モンスターが出現しない迷宮の「安全階層(セーフティポイント)」の一つである階層。ただし、全く出現しない訳では無く、別の階層からモンスター達がやってきては滞在していた冒険者に被害をもたらしている。

階層全体に水晶が存在し、光の差さない迷宮内でありながらも天井に存在する大量の水晶のおかげで、朝と夜が存在し、広大な森や水浴びが出来る程の澄み切った湖もあり、「雲菓子(ハニークラウド)」や「水晶飴(クリスタルドロップ)」といった、人間も食することの出来る木の実も生っている。

【アストレア・ファミリア】の団員達の武器が納められた墓もこの階層に人知れず存在し、リュー・リオンは今も定期的に訪れている。

【出来事】

満身創痍となって辿り着いたベル達が、遭遇した【ロキ・ファミリア】の面々に介抱され、一時的に交流をしているのだが、ヘルメスの暗躍によって、ベルは覗きの冤罪を掛けられた上に、激怒したレフィーヤに追いかけ回されて共に遭難し、闇派閥の食人花と交戦する羽目に陥り、更にヘルメスに唆されたモルド・ラトローによって痛めつけられた挙句、ヘスティアの神意に反応して出現した『漆黒のゴライアス』と総動員した冒険者達と共に戦う事になる等、ベルにとってはまさに災難続きの場所となっている。

外伝においては、アイズが初めて怪人であるレヴィスと遭遇し、怪人や『穢れた精霊』との因縁が本格化してきた場所である。最初の安全階層や下記の「リヴィラの街」の存在もあり、作中で最も描写されている階層でもある。

リヴィラの街

冒険者達の手で独自に造られた街で、『世界で最も美しいならず者の街(ローグタウン)』と呼ばれている。アイテムや武器等が売られ、宿屋も存在するが、ギルドの目が届かない為に、冒険者のステイタスを強制的に表示させる「開錠薬(ステイタス・シーフ)」や他派閥の神でもステイタスの更新が出来る「更新薬(ステイタス・スニッチ)」等、地上では御禁制の品も普通に出回っている。しかし、それを良い事に値段は全体的に法外である為、【ロキ・ファミリア】のように自身で自足出来る派閥は利用せず、町の外でキャンプをする事も多いが、ダンジョンでの補給の難しさから利用するファミリアは少なくない。なお、過去に300回も及ぶ形でモンスターによって街は壊滅的被害を受けているのだが、そこで暮らす住人達の情熱の賜物なのか、再建も繰り返されており、作中でも怪人や食人花の襲来、漆黒のゴライアスの誕生、異端児による襲撃など、短い期間で3回は被害にあっている。街の元締めは、Lv.3のボールス・エルダー。『メモリア・フレーゼ』のイベント「迷宮の宿場街(ダンジョン・ローグタウン)」にて、最初に街を作ろうと言い出したのはリヴィラ・サンティリーニという名の女性冒険者で、街の名前はその人物にちなんで名付けられたという。

19階層

【特徴】

ここからは24階層までは、別名「大樹の迷宮」と呼ばれる森林タイプのダンジョンとなり、強力な状態異常攻撃や罠タイプのモンスターが出現するようになる。

【ヘルメス・ファミリア】の公式上での到達階層。

【出来事】

リヴィラの街の依頼でモンスター討伐に参加し、とある理由でパーティと逸れてしまったベルがウィーネを見つけた階層で、後のベルの冒険者としての在り方を大きく左右することになる存在、『異端児』との最初の出会いの場所である。

センシティブな作品

20階層

【特徴】

この階層に、異端児の隠れ家の一つである未開拓領域が存在する。

【アポロン・ファミリア】の到達階層。【ヘスティア・ファミリア】も、公式上ではここが到達階層となっている。

【出来事】

【ヘスティア・ファミリア】がギルドの主神ウラノス直々の強制任務で、ウィーネを隠れ里に送り届ける為に訪れた階層。アイズレベルならば単独でも日帰りで帰れるらしいが、その時点(原作9巻)の【ヘスティア・ファミリア】では実力・経験が乏しかったため、全員で挑んでギリギリ到達できるといった状態だった。無事、隠れ里にたどり着き、リドを始めとしたウィーネの同胞達と邂逅し、異端児達と交流を深めた。

24階層

基準ステイタスはLv.2のC~S。

【特徴】

中層の最終階層。初見殺しや異常攻撃に警戒し、人数がある程度揃っていればLv.2のみのパーティでも攻略は可能とされる。南西、南東、北に食糧庫が存在する。

【出来事】

本編では、遠征の強制任務を受けた【ヘスティア・ファミリア】が、アイシャ、【ミアハ・ファミリア】、【タケミカヅチ・ファミリア】と共に『派閥連合』を結成し、訪れた。Lv.4となったベルの成長や戦力が整っていた事もあり、僅か1日で到達。到達階層を4階層分更新するという快進撃を見せた。

外伝では、アイズが【ヘルメス・ファミリア】と共にフェルズの依頼で、この階層で起こっているモンスター大移動の調査に向かう。そして北の食糧庫にて、レヴィスと過去に死亡したとされるオリヴァス・アクトとの戦闘が行われる。Lv.6となったアイズの活躍やレフィーヤ、フィルヴィス、ベート・ローガの救援隊によって形勢は有利となったが、レヴィスには逃げられ、この事件により【ヘルメス・ファミリア】に数名の死者が出てしまう。しかし、これが切っ掛けでアイズ達と【ヘルメス・ファミリア】に交流が生まれ、レフィーヤとフィルヴィスは友人となった。また『都市の破壊者=エニュオ』の名も、この時初めて語られる。

下層

第二の死線(セカンドライン)と呼ばれている階層域。ギルドの定めている適正基準はLv.3。また、一部の情報はギルドにより規制されているが、等級が「B」以上と判定された探索系ファミリアは、強制任務(ミッション)において最低でも29階層にまでの到達が義務付けられている模様。

この階層では水源タイプや密林タイプ、砂漠タイプのダンジョンが出てくる等、モンスター以上に地形が厄介な部分が強く、下層に分けられているのもその為だとされる。27階層までならLv.2でも一応通用するが、下の階層に行けば行く程より大きなポテンシャルを要求され、29階層からとなる凶暴な恐竜型モンスターが大量に跋扈した『密林の峡谷』以降は、Lv.2のみのパーティでは絶対攻略不可能となっている。危険である反面、中層以上に多くの希少な素材や資源が存在し、この階層域で探索をすれば日に数百万ヴァリスを稼ぐ事も可能となっている。

迷宮開拓初期には、これより下の階層を『新世界』と呼び、現在の冒険者達もそれに倣っているという。某海賊漫画の後半の海とは関係ない。

25階層

【特徴】

水晶で覆われた洞窟から繋がる、最初の下層域。階層を構築するものほぼ全てが蒼色の水晶で出来ている。この階層から27階層は多層構造(建築物で例えるならば「吹き抜け構造」)となっており、最大の特徴は25階層から27階層にまで続く幅約400Mにもなる大瀑布、「巨蒼の滝(グレート・フォール)」の存在。その存在からも分かるように水源タイプの階層で、「水の迷都」とも呼ばれている。水中系のモンスターが多数生息する他、飛行系のモンスターも出没するので、頭上の注意も必要。水中での戦闘は、Lv.4以上の上級冒険者であっても「地形の圧倒的不利」から自殺行為とされ、仮に水流に落ちてしまった場合、陸に上がることが最優先とされている(『潜水』の発展アビリティがあれば話は変わるらしいが、オラリオでは『潜水』を会得出来る環境が少ないため、結局は誰も行う者はいない)。

【出来事】

本編12巻で、『派閥連合』が遠征の任務達成の条件に選んだ階層で、当初は順調にミッションを進めていたが、途中で『モス・ヒュージ』の強化種と遭遇し、攻撃を受ける。『モス・ヒュージ』の宿り木を受けてしまったヒタチ・千草や、同じく強襲を受けた冒険者達を救うべく、討伐を決意。様々な苦難に見舞われたものの、異端児の一人であるマリィの助けや成長したベル達の活躍、そして最後はベルが編み出した必殺技【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】によって、『モス・ヒュージ』を斃すことに成功する。

その後、【疾風】討伐の先行隊に参加したベルと別れ、待機していた『派閥連合』が、闇派閥の協力者が使役する深層のモンスター『ワーム・ウェール』と戦うことになる。これを何とか撃退するも、今度は迷宮が次産間隔を無視して誕生させた下層の階層主『アンフィス・バエナ』に、ベルを除いた『派閥連合』のみで交戦することとなった。

本編19巻で、ベルが【バルドル・クラス】の『第三小隊』に『修学旅行』と称してボールスら冒険者を護衛に雇って訪れ、「巨蒼の滝」を見せた。だが、稀少種のブルードラゴンと遭遇しベルは交戦するが、ドラゴンのブレスによって変装の魔道具が壊れて、『第三小隊』に正体が露見する。

26階層

【出来事】

『アンフィス・バエナ』との戦闘を終え、ベル救出に向かった『派閥連合』と途中で出会ったボールスを加えた一同が通った階層。立て続けに起こった異常事態のせいで、下の階層からの強力なモンスターまで襲い掛かってくる絶体絶命の中、ヴェルフがその状況を打破するために迷宮内で新たな魔剣を作るという、とんでもない案を宣言。その言葉を信じた仲間達に守られる中、ついに自壊しない魔剣《始高シリーズ》の作成に成功。迫りくるモンスターを一気に薙ぎ払い、先に進むのだった。

27階層

【特徴】

下層の階層主『アンフィス・バエナ』の出現階層。しかし「巨蒼の滝」を簡単に昇り、上階層にも姿を現すため、実質25~27階層が出現階層と言える。

「巨蒼の滝」によって出来た滝壺があり、滝壺の底には地上のオラリオ近郊の港町「メレン」の「ロログ湖」へ通じる穴が存在する。古代の水中系モンスターは、その穴から地上へ進出してきたとされているが、現在は三大クエストの一体『リヴァイアサン』のドロップアイテムから作られた「海竜の封印(リヴァイアサン・シール)」によって蓋がされて、これにより、外の世界の海へのモンスター進出は防がれる事となる。

【出来事】

【疾風】討伐隊として参加したベルがリューと再会し、真犯人であるジュラ・ハルマーが魔道具で操る『ワーム・ウォール』相手に交戦し、これを打ち倒す。しかしジュラの目論見によって、かつて【アストレア・ファミリア】を全滅させた厄災『ジャガーノート』が再び誕生。討伐に参加した、多くの「リヴィラの街」の上級冒険者が殺害されてしまう。マリィの助けもあり『ジャガーノート』に深手を負わせることに成功するも、生きていた『ワーム・ウォール』がベルとリューを飲み込み、二人はそのまま深層へと引きずり降ろされていまう。

本編開始の6年前には、「27階層の悪夢」と呼ばれる出来事が起きている。闇派閥が引き起こいた大規模な『怪物進呈』で、この事件によって闇派閥・ギルド傘下派閥双方の人間の多くが死亡したという。フィルヴィスは、その事件の数少ない生存者であるのだが、そこで起こった出来事は彼女の人生を大きく狂わせる事となってしまう。

28階層

【特徴】

下層の「安全階層(セーフティポイント)」となっている階層で、「迷宮の花園(アンダーガーデン)」と呼称されている。

『迷宮の楽園(アンダーリゾート)』に比べると非常に狭く小さい範囲だが、それでも十分な広さは確保されており、妖精の森の花園の様に、クリスタルの柱や見晴らしのいい花の咲き誇った光景が広がっている。採取できる食料も決して多くは無いが、クリスタルを砕く事で希少果物(レアフルーツ)の『水晶飴(クリスタルドロップ)』や高級食材の肉果実(ミルーツ)が採取可能で、

ボールス曰く「階層が深過ぎて客も限られている為、割に合わない」という理由から、18階層の『リヴィラの街』の様な宿場街は設けられていない。だが、ボールスの様な元締めが目を光らせていない分自由な商売が出来る事もあってか、この階層にまで来れる実力のある一団が、『遠征』に向かう【ロキ・ファミリア】の様な大派閥や他のパーティを相手に法外な値段で商談をする事があるとされている。

アニメ第4期でも、ドルムルがこの階層に関して言及していた。

【出来事】

【マグニ・ファミリア】のドルムルたちが、下層で行方不明となった冒険者捜索のために訪れたが、捜索対象の冒険者たちは雑に喰われて、干乾びた死体となって、人目のつかないところに隠されていた。死体には蔦が巻き付いて花を咲かせていたことから、強化種のモス・ヒュージが安全階層で気が緩んだところを奇襲しようと待ち伏せしていたことを推察した。

29~32階層

【特徴】

白亜紀を想起させる大叢林(ジャングル)型の階層で、「密林の峡谷」と呼称される。

仰ぐ程の巨大な樹木が密に生い茂っており、更には複数の階層が三、四段の巨大な階段状である「水の迷都」以上の多層構造となっており、入り口の最上段から最下段まで見渡せる等、広大な場となっている。

ステイタスの誤魔化しが通用しない巨大かつ非常に狂暴な『恐竜種』のモンスター達が大量に跋扈しており、特にその中でも『弱肉強食』の象徴と言えるブラッドサウルスは他種のモンスターでさえも平然と喰らおうとする為、モンスターの魔石を喰らって出現する強化種の出現率もこれまでの階層とは比べ物にならない程までに高くなっている。

30階層からは本格的にLv.とステイタスが必要とされ、Lv.2では対処が難しくなるという。出現するモンスターの凶悪さからも長く留まるのは危険な場所で、休憩(レスト)を行うのならば急いで踏破してしまうか、28階層の安全階層(セーフティポイント)にまで引き下がるのが安全策である。更には、稀に深層の凶悪な希少種である巨大蛇の大蛇の井戸(ワーム・ウェール)が潜航する形で昇って来る事もあり、その場合だとより生還率は低下する事になる。

一方、巨大な幹を蔦って樹上に躍り出れば迷宮構造を無視する形で上の階層へ直行出来るという裏技もあるのだが、有翼の恐竜種であるゲイルプテラが上空を飛行し回っている為、魔術師による超弾幕でも無い限り危険過ぎる賭けとなるのは確かで、怪物の宴(モンスター・パーティー)にでもなれば一巻の終わりとされている。また、遠回りになる代わりに密林を経由せず恐竜種に遭遇しない地下洞窟的な二つ目の正規ルートも存在するのだが、こちらの場合だと『劇毒』を備えている毒妖蛆(ポイズン・ウェルミス)が出現し、希少な特効薬が無ければ死を免れられない等、ある意味で密林以上の危険性と生還率の低さを秘めている。

なお、30階層はジャガーノートが初めて産まれた階層となっている。

【出来事】

作中の5年前、闇派閥である【ルドラ・ファミリア】が何かしらの動きをしているとの情報を入手した【アストレア・ファミリア】が調査に向かい、そこで【ルドラ・ファミリア】が仕掛けた罠によって特定階層が大爆発に見舞われ、大崩壊を起こした出来事が発生。爆発を間一髪で回避しジュラ達を追い詰めるも、この大規模な迷宮破壊が原因で『ジャガーノート』が誕生し、リューを除く【アストレア・ファミリア】が全員死亡してしまう。

『派閥大戦』後にて、『学区』の生徒であるニイナ・チュールを『派閥体験(インターン)』という形で加えた【ヘスティア・ファミリア】が、強制任務(ミッション)を受ける形でこの階層へと到達している。Lv.5以上となるベルやリューだけでなく、階位昇華(レベル・ブースト)の能力を備えた春姫や魔剣を所有するヴェルフの存在もあってか、Lv.2であるリリや命がいても何とか探索が可能となっており、また『異端児(ゼノス)』達や『豊穣の女主人』の力を借りているとは言え、ベルやリュー救出の為に一度通過した経験があった事も功を成している。

【マグニ・ファミリア】や【モージ・ファミリア】も何度か進攻(アタック)に挑んでいるようだが、強力な『恐竜種』の存在もあって長い間攻略に躓く事になっているとされている。

33~36階層

※作中では未だ描写された場面がないので、判明している情報と出来事をまとめて記載する。

【情報】

詳細な記述がなく不明だが、『砂漠の迷園(サンド・ランド)』という砂地が存在する。

深層

真の死線(トゥルー・デッドライン)と定められる、迷宮の最大危険領域。ギルドの定めている適正基準はLv.4。

油断をしていれば第一級冒険者(Lv.5以上)でもあっという間に飲まれる危険地帯であり、あのアイズですら初めて足を踏み入れた時は怖いと心から感じたという。単独の攻略など絶対に不可能であり、単独で潜る事の出来るのは都市最強の冒険者オッタルと異端児の中で最強のアステリオスだけである。

ギルドによって一部の実力あるファミリアのみに情報公開が許されており、オラリオでも五指に入るであろう【イシュタル・ファミリア】ですらその全ての情報は明かされなかったという。下層以上に情報が規制されているその理由は、世界が違い過ぎて冒険者の心が折れかねないためである。火山タイプや荒野タイプ、上層以来の迷宮構造タイプのダンジョンなど、その種類は多種多様。

37階層

【特徴】

基準ステイタスはLv.4のD以上(集団探索前提)。

深層最初の階層。白濁色の壁面の特徴から「白宮殿(ホワイトパレス)」と呼ばれている。それまでの既存階層とは天井の高さ、通路や広間の規模も比べ物にならないほど巨大な作りとなっており、全体の範囲領域はオラリオがすっぽり収まってしまうとまで言われ、その広大さから地図作成されていない「未開拓領域」が多く存在するという。

最大の特徴は5つの『大円壁』で、その『大円壁』の間に錯綜する迷路を進む、あるいは無数にある段差を昇り降りしなければならない。それぞれの円壁は『第〇円壁』と呼称されており、隔てられた迷宮部は内側から順に『玉座の間』、『騎士の間』、『戦士の間』、『兵士の間』、『獣の間』と呼ばれている。前層の階段は『獣の間』の最南端に、次層への階段は『王座の間』の中心部に存在し、『玉座の間』では深層最初の階層主『ウダイオス』が出現する。

この階層には、次産間隔が無くモンスターが一定の数まで無限に産み落とされる大型空間「闘技場(コロシアム)」が存在する。ここでのモンスター達は常に互いを殺し合い続けている日常を送っており、まるで迷宮(ダンジョン)の意思がモンスター達を殺し合わせる事で何かを試そうとしている実験施設の様にも見える。ここは最初からでは無く「約30年前に突如として出現した」とされ、階層主以上の危険度とまで呼ばれており、ここに立ち入ればモンスター達に囲まれて嬲り殺しに会うのは確実な為、自殺行為にしかならない。第一級冒険者揃いである【ロキ・ファミリア】の面々でさえ決して足を踏み入れようとはしないその異様な特性から『無限の盃』と称されこのコロシアム自体が小さく凝縮されたダンジョンと言っても良いかもしれない。一方、「闘技場」の下には「安全階層(セーフティポイント)」の様にモンスターが産まれず、清流や食用に出来る草花が生えた地下空間『蒼の道』が存在する。隠し通路の様になっていた上に誰も足を踏み入れないが故に今まで発見されなかったのだが、本編にてベルとリューが偶然発見した。しかし『派閥大戦』の終結後、フェルズの調査によって闘技場(コロシアム)に新たな異端児(ゼノス)が誕生した結果、「闘技場(コロシアム)は迷宮(ダンジョン)が異端児(ゼノス)を意図的に生み出すべく設置させた場所」で、更に「『蒼の道』は闘技場(コロシアム)で生まれた異端児(ゼノス)を匿う為の場所」であった事実が発覚。以降、『蒼の道』は「新たに誕生した異端児(ゼノス)を封印する場所」も兼ねて、異端児(ゼノス)達の新たな拠点として利用される事になった。

出現するモンスターは骸骨(スケルトン)系が多く、それ以外にも戦士(ウォーリアー)系の大型級、猛毒を持つ稀少種なども出現し、そのどれもが推定Lv.3~4という驚異度を誇る。当然ながらモンスターの出現頻度も頻繁に起こり、内側に進むにつれ面積が狭くなり、構造も複雑化していくため、遭遇率も高くなる。この階層を探索する場合、最低でも治療師(ヒーラー)を加えた四人一組は必要とされ、第一級冒険者でも(上記の通りオッタルを除き)単独での探索はしないという。Lv.6クラスになれば話は変わってくるらしく、実際外伝では当時Lv.5のアイズとLv.6のリヴェリア・リヨス・アールヴの二人がこの階層に留まり、フィン・ディムナもそれを了承している。【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者が複数いるパーティならば、この階層にも資金調達や下位団員の育成、勉強のために遊び感覚で訪れることも可能。

【ヘスティア・ファミリア】、【ヘルメス・ファミリア】の非公式での到達階層。

【出来事】

初めて物語で語られる事になった外伝では、レヴィスとの闘いで自身の実力不足を痛感したアイズが『王座の間』に赴き、階層主『ウダイオス』に単身戦いを挑んだ。付き添いとして同行していたリヴェリアの多少の援護はあったものの、ほぼ単独と言っていいレベルで『ウダイオス』に勝利。晴れて、Lv.6にランクアップすることとなる。また「単独で『ウダイオス』に挑む」という条件を満たしたことで、歴史上今まで確認されなかったドロップアイテム「ウダイオスの黒剣」を入手。後にこのアイテムが、『漆黒のゴライアス』をベルが打倒する要因に繋がることとなる。クロニクルepisodeフレイヤでは、そのドロップアイテムの情報を聞いたオッタルが赴き(外伝画集SSにて、アイズ本人から直接聞き出した)、アイズ同様単身で『ウダイオス』に挑み、これを入手。彼の専用武装《覇黒の剣》が作成されることになる。

後に【ヘスティア・ファミリア】の初遠征が行われた際、『ワーム・ウォール』に喰われたベルとリューが引きずり降ろされ、瀕死の状態の中で脱出を試みることとなった場所となる。ベルがこれまでに体験したどの冒険よりも過酷で絶望的な状況だったが、リューの助けやアドバイスを聞き入れ実行していく事で、更なる飛躍的な成長を遂げることとなる。「闘技場」を崩壊させた事で偶然見つけた『蒼の道』を使い、正規ルート付近までたどり着くことに成功し、あと一歩で深層を抜け出せると思った直後、二人を待ち伏せした『ジャガーノート』が目の前に現れる。覚悟を決めた二人の共闘により、ついに『ジャガーノート』を撃破するもその直後力尽きてしまうが、『豊穣の女主人』や『異端児』の協力で駆け付けた『遠征連合』の救助が間に合い、無事全員で地上に帰還することに成功する。またこの一連の事件を経て、リューのベルに対する感情が大きく変わることとなった。

『派閥大戦』の終結後、ヘディン・セルランドヘグニ・ラグナールガリバー兄弟が護衛につく形で、ベルとリューの二人は再びこの階層の『蒼の道』にまで訪れる事になる。そこで、初めて闘技場(コロシアム)の誕生した理由がフェルズによって明かされ、その証明となる異端児(ゼノス)が封印された場所を目の当たりにするのだが、前世があまりにも危険な存在であったこの異端児(ゼノス)の処遇についてベルに決定が委ねられる事になり、和解出来る可能性を信じようとした彼の意向によって、引き続き封印され続ける事になった。

39階層

【特徴】

深層最初の「安全階層」。ベルとリューの深層脱出の際、かつて中層で行ったようにこの「安全階層」に逃げるという策が挙げられたが、状況的に厳しいとして却下される。

41階層

【特徴】

【アストレア・ファミリア】の到達階層。

45階層

【特徴】

うだるような蒸し暑さが立ち込んだ、火山タイプの階層。燃えるような朱色が辺り一帯の地面を埋め尽くしており、歪な岩の塊がそこかしこに転がっている。出現するモンスターは、岩石系が多い。

【イシュタル・ファミリア】の到達階層。

【出来事】

9階層でのベルと『片角のミノタウロス』の死闘を目にし奮い立たされた【ロキ・ファミリア】の幹部達が、下位団員の経験値稼ぎそっちのけで進撃を行っていた。

49階層

【特徴】

別名「大荒野(モイトラ)」。その名の通り一本の草木すらない、荒れ果てた広大かつ単一の階層で、石や砂など全てが赤茶色に染まった茫漠たる大空間。深層第二の階層主『バロール』が出現するという。【ロキ・ファミリア】が総員で迎え撃たなければならないほど、大量のモンスターが一斉に迫りくる広間を必ず通る必要があり、場合によっては階層主とモンスターの大群両方と戦闘をする事になるので、越えることも一苦労だという。

オッタルの単独での到達階層。

【出来事】

外伝『ソード・オラトリア』は、この階層での戦闘から物語が始まる。未到達領域踏破の為に遠征を行っていた【ロキ・ファミリア】が、『獣蛮族(フォモール)』というモンスターの大群を相手に攻防を繰り広げていた。最後にはリヴェリアの広範囲殲滅魔法によって全て焼き払われ、負傷者を出さずに次層へ向かった。

かつてオッタルが「鍛錬」として単身で遠征を行った時は、この階層までやってきて『バロール』とも交戦し、半殺しにまで追い込んだという。無事帰ってきたものの地上に帰還した時は満身創痍で、流石の彼でも相当無茶な行いだった模様。しかし、オッタルとしては『バロール』に止めを刺せなかったことが心残りのようで、いつか雪辱を果たしたいと考えており、再び挑む気満々のご様子。

50階層

【特徴】

深層二つ目の「安全階層」。噴火した火山灰に覆われたように、森林が灰色に染まった大樹林。18階層と比べると殺風景であるものの、樹木の間には清流も流れており、水分の確保も可能。遠征のような大所帯で物資も多い移動となると、【ロキ・ファミリア】でも5日はかかるという。

【出来事】

【ロキ・ファミリア】は遠征で訪れた際、この階層を拠点として実行組と待機組に分かれて行動する。一回目は未到達階層開拓前に、冒険者依頼で51階層にある「カドモスの泉」の泉水確保のため2チームに分かれ、後に実行組が遭遇した『巨蟲(ヴィルガ)』の大群が待機組のキャンプを襲撃。更に『巨蟲』に寄生した羽化前の『精霊の分身』まで現れ、多大な被害を受けてしまう。アイズによって『精霊の分身』は斃されるも、物資の多くを駄目にされてしまい、遠征失敗として地上に帰還することとなった。

二回目は『巨蟲』の腐食液対策として、武器整備の為に同行を依頼していた椿・コルブランドに不壊属性の武器を提供してもらい、幹部メンバー全員と椿と二軍メンバー数人がサポーターとして参加し、59階層を目指した。

51階層

【特徴】

ここから57階層までは、『深層』では珍しい迷宮構造の階層となる。黒鉛色のダンジョンの組成は平面の天井と壁面を描き、錯綜し合う画一的ば通路が広間と広間の間を繋いでいる。『上層』と似たような構造だが、階層の規模と広さは桁違いであり、出現モンスターの強さと出現率の高さも比べ物にならない。この階層の数ヶ所には、「カドモスの泉」と呼ばれる泉があり、その泉水は貴重なアイテムとして高値で取引されている。しかし泉には、『力』ならば『ウダイオス』以上と言われている希少種である強竜『カドモス』が行く手を阻んでいる。

【出来事】

【ロキ・ファミリア】が【ディアンケヒト・ファミリア】からの冒険者依頼で「カドモスの泉」に向かうため2チームに分かれ行動するも、新種のモンスター『巨蟲』と遭遇し、腐食液によってラウル・ノールドが負傷。レフィーヤの魔法で撃退するも、待機組が襲撃させていることを悟り、急遽50階層に引き返す事となる。

二回目に訪れた際は、未到達領域到達の一点に目的を絞っていた事や、『巨蟲』への対策もしていたため、早急に攻略。次層への連絡路前に到着した後、緊張感を高めながら次層へと出発した。

52階層

【特徴】

この52階層から58階層までの層域は、別名「竜の壺」と呼ばれており、この階層から深層の危険度が一気に激変する。何度もこの階層に足を踏み入れたラウルは「52階層から下は本当の地獄」、リヴェリアは「50階層以上の常識は、あの層域からはもう通用しない」と語る。

最大の脅威であり「竜の壺」と呼ばれるその由縁は、58階層に生息する階層主級のモンスターである砲竜『ヴァルガング・ドラゴン』による「階層無視」の大火球砲撃。一度捕捉されれば立ち止まることは許されず、出現するモンスターとの戦闘も無視して砲撃の位置を感知し避けなければならない。砲撃の穴に落ちれば、当然58階層まで一気に落ちることになる。しかし『ヴァルガング・ドラゴン』から変わらず砲撃される上に、56・57階層付近の層璧の横穴からは、同じく「竜の壺」の由縁となっている『イル・ワイヴァーン』が何十体も襲い掛かってくる。

このあまりに出鱈目な規模と脅威故に厳重な情報規制がされており、【イシュタル・ファミリア】時代にこの情報を噂で耳にしたアイシャが『遠征連合』のメンバーに話した時は、その現実離れした内容に誰もが息を呑む事しか出来ず、「ダンメモ」のイベント『アストレア・レコード』では、18階層で似たような事態が起こった際、【アストレア・ファミリア】のメンバーがこういった現象が『深層』では当たり前のように起こるという事実を知り、戦慄を覚えることとなった。

現在、迷宮では37階層から下は全て『深層』となっているが、それまでの階層域の間隔や難易度の急激な変化からみるに、この階層より下からが第5の階層域と呼べるのかもしれない。

【出来事】

『ヴァルガング・ドラゴン』の攻撃を受ける中、ラウルのピンチを助けたレフィーヤが砲撃の穴に落ちてしまい、ベート、ティオネ・ヒリュテティオナ・ヒリュテが彼女を救うために穴に飛び降り、迫りくる砲撃やモンスターを迎え撃った。更にガレス・ランドロックが彼らの救援に向かい、一足先に58階層に足を踏み入れ、それ以外のメンバーは正規のルートを使い、58階層で落ち合うこととなる。

53階層

【出来事】

ガレス達が58階層で戦闘を行っているお陰で階層無視の砲撃が来なくなり、その好機を逃さず早急に突破を試みるフィン達だったが、途中『巨蟲』を使役するエインの襲撃にあうも、これを退ける。エインには逃げられるが、ガレス達との合流を優先するため、58階層へと急ぐのだった。

58階層

【特徴】

「竜の壺」の最下層であり、『ヴァルガング・ドラゴン』の生息する砲撃地点。49階層の「大荒野」同様、迷路などが存在しない広い単一の空間で、黒鉛の壁と天井が長方形を描く巨大「ルーム」である。モンスター最強と言われている竜種が、多数蠢いている。

【フレイヤ・ファミリア】の到達階層。

【出来事】

かつて【ロキ・ファミリア】が訪れた際は、階層無視の攻撃により体力とアイテムを含めた装備を失ったことで、58階層攻略を断念したという。未到達階層攻略の遠征にて、砲撃の穴から一直線で降りてきたガレス、ベート、ティオネ、ティオナ、レフィーヤがフィン達に砲撃を撃たせまいと『ヴァルガング・ドラゴン』を始めとする竜種や上階層から押し寄せてきた『巨蟲』の大群相手に、戦闘を開始。主にガレスの活躍もあり、数に苦戦しながらもモンスター達を斃していき、後に正規ルートから58階層に降りてきたフィン達と無事に合流を果たし、残存するモンスターを掃討した。

59階層

【特徴】

【ゼウス・ファミリア】の残した記憶によると、この階層から先は『氷河の領域』と呼ばれており、至るところに氷河湖の水流が流れ、極寒の冷気が動きを鈍らせるという非常に過酷な環境下の階層域だという。しかし【ロキ・ファミリア】が足を踏み入れた際、そこはアイズ達がレヴィスと交戦した24階層の食料庫と同様の、不気味な植物と草木が群生する密林の階層と化していた。地形・環境・生態系すら変容したその原因は、60階層以下に潜伏している『穢れた精霊』の本体の影響かとウラノスやフェルズは推測している。

【ロキ・ファミリア】の到達階層であり、現オラリオにとっての最高到達階層でもある。

読者の間でこの59階層は、『オラリオ(全人類)にとっての未到達領域』なのか『【ロキ・ファミリア】にとっての未到達領域』なのか意見が分かれていたが、後に作者が後者だとTwitterにて呟いている

【出来事】

記憶されている情報と全く異なる階層の状況に、誰も目撃したことのない「未知」への緊張感を覚えながら進む【ロキ・ファミリア】の面々が、『タイタン・アルム』に寄生し羽化した『精霊の分身』と交戦することとなる。階層全域を焼け野原にしてしまう程の強力な魔法を放つ圧倒的なその力の前に全滅寸前まで追い込まれる中、フィンがパーティを焚き付けるために「ベル・クラネルの真似事は、君達には荷が重いか?」と言い放つ。9階層でのベルの戦いを目にしたアイズ達や、ベルに対抗心を持つレフィーヤがその言葉によって気魄を取り戻し、『精霊の分身』に総員で挑んでいく。最後はアイズによって止めを刺され、見事『精霊の分身』に打ち勝つこととなる。

この激戦によって、ベートとティオネとティオナはLv.6にランクアップ。レフィーヤも、Lv.4にランクアップする条件を満たすこととなった。

60階層

ここから先の階層は未だ作中で登場していないため、詳細は不明だが、『ギルド』によれば『千蒼(タリア)の氷園』という氷の世界が広がっているとのこと。

67階層

【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の双方が到達に成功したとされる階層。詳細は明らかになっていないが、この階層にて両派閥はヴェノムスカイ・センチピード・ドラゴンを発見し交戦したとされている。

71階層

【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】双方の到達階層とされる階層で、つまりは『全人類にとっての最高到達領域』とも言える。

この階層は勿論の事、これ以降の階層に関しての詳細は、現時点で全く判明していない。

最淵(カシオス)

【特徴】

深層にあるとされているが、どの階層にあるのかは不明。

小さな国がすっぽりと収まってしまうほどの大空洞。平原があり、山があり、かすかなせせらぎの音がすることから、川もあると推測される。砂漠と隣り合って氷河が共存しており、その奥には荒野があり、地面の上には輝きを散らす水晶(クリスタル)や石英(クオーツ)の群れが生えている。天井と思われる頭上は夜のように暗く、極光(オーロラ)の橋がかかっているように光って揺らめており、その光景はまるで「世界そのものの縮図」と言っても過言では無い。

切り立つ壁の最奥部には、黒にも、灰にも、紫紺の色にも見える黒い太陽や巨大な魔石の様な『球体』が存在する。異端児達は『球体』が一体何なのか理解は出来ないが、モンスターの根源(ルーツ)であると直感で悟っており、母なるダンジョンの『殻』と呼称している。

この大空洞は人類が立ち入ろうとすれば、まるで警告を放つ様に震えて崩落をもって押し潰そうとする為、モンスターしか踏み入る事が出来ない「禁断の領域」とされている。

【出来事】

『異端児からの手紙』でリド達が、異端児の新参者であるウィーネとアステリオスに、『遠足』と称して最淵(カシオス)へ案内した。

リド達は同胞として迎え入れた異端児達を折を見て連れて来ており、『殻』から発せられている母なるダンジョンの『声』(モンスターにしかわからない耳鳴り)が何を言っているのか分かるかどうかを確認させていた。残念ながらウィーネとアステリオスにも、何を言っているのか理解はできなかった。だが、『殻』から漏れ出る紫紺色の光は怒っている様にも、悲しんでいる様にも見えた。そして耳鳴りは耐えている様にも、爆ぜようとしている様にも聞こえ、迷っている様にも感じられた。

過去には、この大空洞の存在をフェルズにも報せて調査しようとしたが、まるでダンジョンが警告を放つ様に震え、崩落をもって押し潰そうとしてきた。

迷宮の謎

シリーズの主な舞台の一つであるが、「いつから存在したのか」、「何故モンスターが産まれるのか」、「そもそも何故存在するのか」、その全貌は多くの謎が秘められている。神々はその理由を知っているようだが、聞いても「ダンジョンはダンジョンだ」とはぐらかされるのみである。

数百年の時を生きるフェルズもダンジョンについて何かを知っているようで、ベルの「最下層に…ダンジョンに何があるんですか?」という質問に対し、「結ばれた契約…そして決着だ」と答えており、神々と何かしらの契約がなされた存在のようである。

因みに異端児と人類の共存には、最下層の攻略が必須であるようだが、詳細は未だ不明。

ダンジョンはその神に対し敵意を持っているような表現がされており、ヘルメスは「ダンジョンは憎んでいるのさ。こんな地下(ところ)に閉じ込めている、神々(おれたち)をね」と呟いていた。事実、本編ではダンジョンでヘスティアが放った神威を感じ取り、18階層に直接『漆黒のゴライアス』を、外伝ではタナトスが放った神威によって上層にて『黒いワイヴァーン』が産み落としている。この黒いモンスターは『神抹殺の刺客』と呼ばれており、劇場版『オリオンの矢』に登場したモンスター『アンタレス』も同じ存在らしく、また三大クエストの『黒竜』、『メモリア・フレーゼ』の1周年大英雄譚『グランド・デイ』に登場した『ベヒーモス・オルタナティブ』、3周年大英雄譚『アストレア・レコード』に登場した『神獣の触手(デルピュネ)』も同種のモンスターかと思われる。

神がダンジョンに入ってはいけないという決まりや、「神の力(アルカナム)」を地上及びダンジョン内で使用してはいけないという決まりは、黒いモンスターが生み出されないようにするためでもあるようで、『メモリア・フレーゼ』の3周年大英雄『アストレア・レコード』ではアストレアが、「もし神の力(アルカナム)の応酬が始まれば、ダンジョンは『約束の刻』を待たず、契約を破って…」と不可解な事を呟いていた。

異端児や一部の自我を持つモンスターは、ダンジョンの事を「」と呼んでおり、ダンジョンに入る冒険者達を病原体と例えられるのに対し、冒険者殲滅のために生み出された『ジャガーノート』を免疫細胞に例えられるなど、まるでダンジョンを生きた人間の女性の体の中とも取れるような表現がなされており、実際「ダンジョンは生きている」とも言われている。

そもそもジャガーノートだけでなく、異物の排除が遅れていると認識したのか次期間隔(インターバル)を無視して階層主をその特定の場所にピンポイントで産み落とすなど、意思を持っていないと出来ない事態である。

『メモリア・フレーゼ』のキノの旅とのコラボイベント、「迷宮と異国の旅人」にて、オラリオを発ったキノが、ダンジョンで見たモンスター達を人間の赤ん坊に見えたと語っていた。他作品のキャラクターの発言ではあるが、シナリオには原作者の大森藤ノも関わっているので、全く無関係の発言とも言い切れない。

第二次クノッソス進攻作戦の終盤、闇派閥の実質的首魁は、「迷宮(ダンジョン)はもう限界だ」と語っており、今後、これまで以上の何らかの異常事態が迷宮で起きる可能性が出ている。

また、ファンからは怪物の母と呼ばれるティアマトテュポーン、大地の原初ガイアがその正体では?と考察する声もあるが、現状は考察の域を出ない。

ちなみに、最終階層が何階層になるのかも明らかになっていないが、かつての二大派閥【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の幹部を務めていたザルドアルフィアの到達階層が71階層だったことが判明しており、このことから71階層以上ある事は確定している

大森藤ノ氏曰く、物語のラスボス御三家の一つとのこと。

関連タグ

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

迷宮都市オラリオ

迷路

ダンジョン

ダンまちの登場モンスター一覧

地下迷宮(転スラ)都市の中に存在する地下に広がるダンジョンつながり。こちらは主人公たちが考案、建造した人造迷宮のため、どちらかといえばクノッソスに近い。ダンまち本編と異なり、セーブポイントがある上にダンジョン内で死んでも生き返れる娯楽向けの素敵仕様だが、ダンジョン内での死亡判定は管理者の一存で変更可能という恐るべきシステムが存在する(具体的には、専用の腕輪をつけてれば死んでも復活できるが、その権利を剥奪してしまえる)。

また、管理者の能力で階層の順序そのものを丸ごと入れ替えることもできる。つまり突入したらいきなり階層の守護者と戦わされるなんてことも。ダンまち本編に準えて言うなら、バベルからダンジョンに潜ったら開幕早々深層に放り込まれてジャガーノートがお出迎えしてくれるのと同じことである。

とは言え、ルールをしっかり守れば安定した稼ぎも期待できるため、真っ当な者にとってはオラリオのダンジョンよりははるかに安全と言えるだろう。

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