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エニュオ(ダンまち)

えにゅお

エニュオとは、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する謎の存在。
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概要


その神はずっと待っていた———。
仮面を剥いで、哄笑を上げる時を———。
己の身に宿した『邪悪』を解き放つ瞬間を———。

迷宮都市オラリオを滅ぼすべく暗躍を重ねている謎の存在。
紫紺のローブと漆黒のケープを身に纏い、顔を仮面で隠しているだけでなく、上半身にも幾つもの仮面を付けているという、おどろどろしい妖術師の様な不気味な姿をしている。

15年前、【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】によって壊滅寸前にまで追い込まれた、過激派のファミリアで構成された組織である『闇派閥』に対し、密かに力を貸している。
また、極彩色のモンスターや植物の姿をしたモンスターである「食人花」、「精霊の分身」といった迷宮にいる通常のモンスター達よりも不気味なモンスターの数々を戦力として保有している。

おそらく正体はであると思われるのだが、天界の神々によると「エニュオ」と言う名の神は存在していないらしく、またその名称は神々の言葉で『都市の破壊者』を意味しているとされている。
非情に用心深く、協力関係にある闇派閥や怪人(クリーチャー)達の前にも自らの姿を見せないどころか声も聞かせておらず、自らの配下である仮面の人物「エイン」をメッセンジャーにして接触しているのみとなっている。この為、闇派閥の首魁となるタナトスからも、「本当に神なのかも疑わしい」と評されている。

6年前に起きた27階層の悪夢にて迷宮の深層から下層にまで上がってきた『穢れた精霊』(9年前に、タナトスが召喚したワイヴァーンを撃退しようとした少女時代のアイズ・ヴァレンシュタインが初めて発動させた『精霊の風(エアリエル)』に反応して目覚めてしまった)と、エインを通じて独自に接触。更に闇派閥の残党や怪人(クリーチャー)等とも引き合わせる事で、協力関係を結ばせる事に成功している。
ただし、元々反社会的であった彼等を思う様に操れた訳ではなく、事が上手く運ぶ様に彼等からの要求の幾つかも受け入れており、その内の一つが地下の精霊勢力が求めていた「アリア」の捜索で、【ガネーシャ・ファミリア】の開催した「怪物祭(モンスターフィリア)」にて食人花が突然出現してオラリオで暴れたのも、アリアを探し出す事が目的であった(唯一の誤算であったのは、同時刻にフレイヤベル・クラネルに試練を与えるべく、意図的にモンスター達が解放されてしまった事にあり、それが原因で【ロキ・ファミリア】による対応が予想以上に早くなってしまった)。
しかも、運悪く「アリア」と思われる女性が【ロキ・ファミリア】にいた事実が発覚してしまった結果、秘密裏に実行していくはずだった自らの計画に、オラリオの最大派閥の一つとなる【ロキ・ファミリア】を介入せざるを得なくなってしまうという弊害をもたらしている。

第一次クノッソス進攻作戦では、【ロキ・ファミリア】、【ヘルメス・ファミリア】、【ディオニュソス・ファミリア】の同盟軍によってタナトスの眷属達が敗れ去った結果、闇派閥そのものを見限る事にし、タナトスに要請された精霊の分身の出撃を拒否。エインを通じて決別の宣言をした後、眷属達の仇討ちにはやっていたディオニュソスに罠を掛ける形で天界への強制送還へと追い込む事で、フィルヴィス・シャリアを始めとする【ディオニュソス・ファミリア】のステイタスを封印する形で無力化させ、同時に『祭壇』の仕掛けを発動させる事で、精霊の分身達の緑肉の氾濫によって「捕食」させる形で闇派閥の残党達諸共、全滅に追い込んだ。

余談

名前の元ネタは、ギリシャ神話に登場する女神及び神霊の名称である「エニューオー」から。
女神としては『殺戮』及び『戦闘』を司る存在で、かの暴虐的な戦神であるアレスの女性形とされており、または『殺戮』の女神であるエリスとも同一視されている。

関連タグ

闇派閥 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ソード・オラトリア










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デメテルとの関係
ディオニュソスが天界に強制送還された事で、エニュオの正体が彼ではない事を知ったロキヘルメスは、本当のエニュオの正体が何者なのかを突き止めようとしていた。

黒い邪竜とそれを囲う6人の乙女」の絵を見たベルより得た情報から、エニュオの真の目的が、かつて邪竜『ニーズホッグ』を倒したとされる大秘術『精霊の六円環』によってオラリオ全体を吹き飛ばす事にある可能性が出る中、デメテルとその眷属達である【デメテル・ファミリア】が行方を消した上に、ファミリアの拠点となるの館の地下で惨たらしい血の臭いとヒエログリフ文字による「犯行声明」と思われるメッセージが遺されていた。

「死に絶えろ、オラリオ。冥府への道は私が開く———」

これらから、デメテルがエニュオの正体である可能性が浮上し、ヘルメスはロキの推理から、行方の知れないデメテルの追跡を開始する。

【デメテル・ファミリア】の別邸である大量の食糧を貯蓄できる巨大保管庫にてデメテルと対峙したヘルメスに、魔物とは異なる不気味な雰囲気をまとった彼女は「『慈愛の化身』である自らが、下界にまつわる全てを愛せないという矛盾」について葛藤し「理不尽」や「差別」や「区別」の蔓延している下界への不本意を語ろうとするが…。

ヘルメス「———茶番は止めよう、デメテル。もうネタは上がってる」
    「あなたは『都市の破壊者(エニュオ)』なんかじゃない」

「エニュオはあくまでも自分だ」と主張するデメテルに対し、ヘルメスは彼女(デメテル)が真のエニュオの身代わりになっているだけで、その理由が「取引」か「脅迫」のどちらかであるだろうと推測を述べ、それを聞いた彼女は観念して真実を打ち明ける———。

デメテルは、何処か様子のおかしかった『ある神物』について探っていたのだが、深入りし過ぎて不用意な真似をしてしまった結果、エニュオであったその神物に感付かれてしまい、ペルセフォネを始めとする眷属達を人質に取られてしまう事になった。
最初は「黙って自分の言う事を聞け」と脅迫してくるエニュオに屈しようとしなかったデメテルなのだが、目の前で眷属達を見せしめ感覚で次々殺されてしまう惨い光景に、「慈愛の化身」である彼女は耐えられず心が折れてしまい、エニュオに言われるまま「何もしなくていい、何も殺める必要はない、ただ口を閉じていろ」という強迫を受け入れざるを得なかったのである。
そしてデメテルが愛する眷属を守りたい想いで必死だった結果、事態はどんどん悪化していく事になり、気付いた時にはオラリオが滅ぼされるまであと僅かとなってしまったのだった。
デメテルは、「エニュオ」を名乗る神物とは天界の頃から関わりがあったが、その時より彼の中にある「歪んだ本性」についてまでは、眷属達を人質に取られるまで気付く事が出来なかったのである。

なお、彼女が真の黒幕であるエニュオでは無いとヘルメスが悟ったのは、アレス率いるラキア王国が攻め込んできたあたりの時期、タケミカヅチから「デメテルの様子がおかしいから、力になってやってくれ」と相談された為である。
おそらく、その時には既にエニュオからの脅迫が始まっていたのだと思われる。










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エニュオの真実と結末
闇派閥や怪人達と結託してオラリオの滅亡を目論み、闇派閥を切り捨てて【ディオニュソス・ファミリア】と共に全滅へと追い込み、更には【デメテル・ファミリア】の団員達をも人質に取ってデメテルを脅迫していた、邪神の一柱・エニュオの正体…。

ロキ「———ディオニュソス、茶番は終わりや…」

それは、第一次クノッソス進攻作戦にて死亡したと思われていたディオニュソス本人だった!!

ロキやヘルメスが、一度はディオニュソスが怪しいと疑いながらもその正体を完全に見抜けなかったのは、ディオニュソスが自らの手で生み出した「神をも酔わせる事の出来る神酒(葡萄酒)」の影響であり、それを自ら飲んでいたディオニュソスは、ワイングラスに映る自分自身の瞳を通して「自分が正義の為に行動する神である」という自己暗示を掛けており、それによって本当に自分を正義の神と信じていたディオニュソスの振る舞いから、ロキやヘルメスはその正体を完全に見抜く事は出来なかったのである。

また、ロキも当初は、ディオニュソスの醸造できる葡萄酒の原料となる葡萄を作る事の出来るデメテルが、神酒を使ってディオニュソスを操っていた黒幕ではないかと疑っていたが、あくまでも原料を作っていたにすぎないデメテルに、ソーマをも超える神酒の製法を押さえる事が出来るのかという疑問が浮かび、更に第一次クノッソス進攻作戦の後、ディオニュソスやタナトス、デメテルの他に「貧窮」を司る老婆の女神であるぺニアの行方が分からなくなったという事実が判明した結果、ディオニュソスと思われた光の柱と共に強制送還された神の正体が、実は神酒で酔わせて操られていたぺニアであったという結論に結び付いている(その証拠として、ロキがダイダロス通りでペニアと接触した際、彼女は骨付き肉と共にディオニュソスの元から盗み出していた神酒のワインボトルを持っていたのを、ロキは思い出している)。
なお、ペニアが神酒によってディオニュソスに操られていたのは、自らの死を偽装する為の『身代わり』にするだけでなく、【ディオニュソス・ファミリア】の眷属達を身代わりであるペニアの眷属として改宗(コンバージョン)させる為でもあり、ディオニュソスに提供された神酒で酔わされたアウラを始めとする眷属達は、同じく操られていたペニアを本物のディオニュソスと思い込んでしまい、何も気付かないまま、操られたペニアから『神の恩恵(ファルナ)』の編纂を受け、知らず知らずの内に改宗してしまう事になっていた(しかも、ペニアは「貧窮」を事物としているが故に、眷属がゼロという異色の女神で、つまりはペニアの異変について気付かれるリスクが限りなく低いという、身代わりにするにはうってつけな利点があった)。
そして、ディオニュソス(実際は彼によってナイフを突き刺されたペニア)が死んだと思い込んだのと同時に、ペニアの眷属となっていた彼女達も『神の恩恵』の封印によってステイタスが無力化されてしまった結果、誰もが本当にディオニュソスが死んだと思い込まされてしまったのである(唯一、ディオニュソスの眷属のままであったのは、エインの正体であるフィルヴィスのみで、そのエインに殺された上で食人花の餌にされてしまったと思われた彼女は、魔法によって構成された分身だった)。
ただし、ディオニュソスの眷属達の誰もが真実に気付いていなかった訳では無く、一部の者達は神酒の「酔い」が薄れて自分達の主神がディオニュソスでは無かったという真実に気付いた結果、口封じという形でエイン(フィルヴィス)に殺されてしまっており、それが『ソード・オラトリア』の初期にてディオニュソス本人が語っていた「『仇』に殺された子供達」であったのである。

正体を明かしたディオニュソスは、自身の行動の目的が、世界をかつての「英雄の時代」へと戻す事であると主張する。
まだ神が下界に降りなかった時代、人類は当初こそモンスター達に蹂躙されつつも、次第に成長していく事になり、神々が送った『精霊』の影響こそあったものの、人類は『神の恩恵(ファルナ)』の力が無くとも自分達の力だけで『人』としての限界を超え、モンスター達に立ち向かって未来を切り開いており、ロキを始めとする神々からも、『当時の子供達は化物で、未知の塊』とさえ評されていた。
人類が神々も認める程の偉烈を起こし続けた、あの「奇跡の時代」を取り戻す為ならば、悪名を背負ってでも冥府の扉を開くと主張するディオニュソスであったが、ディオニュソスの潜んでいた空間の周辺に飾られていた『狂騒』を表しているおぞましい壁画の数々を見ていたロキにはそれがすぐに「嘘」であると見破られ、本当はただモンスターの群れから逃げながら泣き叫び壊れていく子供達の光景…「狂乱(オルギア)」が見たいだけであるという歪んだ願望をロキに指摘されたディオニュソスは、あっさりと『貴公子の仮面』を外して、自己満足に陶酔した『獣の本性』を剥き出しにした。

「くひひひひっ……!」
「なぁんだぁ……バレているのかぁ」
「やめろよ、ロキぃ。ここまでくると不愉快だぞぉ?何も知らないお前に、何もかも見透かされるというのはぁ~」
「だが、そうだ、当たっている、当たっているとも!私が求めるのはただ一つ!」
「嗚呼、オルギア!愛しき狂乱の宴!!」
「英雄なんぞが活躍していた、かつて!下界がモンスターに蹂躙されていた、昔日!あの時代は良かった!誰もが醜悪な怪物から逃げ惑い、つんざかんばかりの悲鳴を上げる!天(そら)よりそれを眺めていた私は、いつも胸を高鳴らせていた!」
「知っているか、ロキ!!脆弱な子供達は理性が振り切れた途端直後、笑うんだ!」
「多大なる恐怖は偉大なる絶頂に変わり、精神と魂を解き放つ!!肉や酒をいくら貪ろうと届かない最高の瞬間は、怪物の爪牙に切り裂かれる血と臓物をもって完成される!愛らしくも美しい『巫女』達は己が身を『贄』に変え、私に『供物』を捧げるのだ!!」
「狂い叫ぶ子供達の悲鳴は、極上の葡萄酒にも勝る!!」

『逸脱の神』としての本性を露わにし、善良なる世界に混乱を引き起こす事を至上とするディオニュソスが恍惚とした表情と共に語る持論は、もはや常人どころか神ですらも理解に苦しむものでしかなかった。

「温厚で紳士的な人格者」と思われていたディオニュソスのその本性は、一言で言ってしまえば「常軌を逸した快楽主義者」そのもの。
これまで行ってきた暗躍の数々の中にも自分が犯人である事を示す「暗示(ヒント)」を残しておく等、まるでゲーム感覚で計画を進めており、当然、結託していた闇派閥のメンバーや怪人、穢れた精霊の事はおろか、自分の眷属さえも、全てが自分の欲望を満たす為の『道具』でしかなかった。
かつて神々同士で殺し合いをさせようとした凶悪な悪神であったロキですら、自らのエゴを満たす為なら他人や自分以外の神、その眷属達はおろか、自分自身の眷属達まで身も心も弄んだ挙句に平然と殺してしまえるディオニュソスの醜悪な本性には、絶句している。
ただ一人、天界で同郷の出身であるヘスティアだけは、その狂気に満ちた危険極まりないディオニュソスの「本質」について、漠然としながらも気付いていた様で、彼の事を「おかしい」ではなく「怖い」と評している(この時のヘスティアの一言が、ロキが最終的にディオニュソスこそが真の黒幕であったと確信する決定打となっていた)。

かつて天界に神々が退屈な日々を送っていた頃も、ディオニュソスは普段こそ温厚な振る舞いをしていたが、実は些細な事で激昂し、手当たり次第に他の神々に当たり散らすという酷い癇癪持ちであったらしく、このディオニュソスの問題的な部分について、ヘスティアは「病気」または「発作」と評している。
当たり散らしていた神々の中には、後にギルドの主神となるウラノスも含まれており、天界時代には自分のやる事なす事の邪魔をされた事に怒り、『密約』を交わす形でオラリオとなる地を封印して力無き人々をモンスターの脅威から守った事についても「自分の楽しみであった『狂乱』を奪われた」と考えている等、もはや愚劣極まりないまでの逆恨みを抱いていたのである(ディオニュソスがロキと結託する前より、ウラノスを「敵視」する位に疑いを向ける姿勢を見せていたのもその為)。
そして、かつての天界で行われた自分達の領地における最高位「十二神」選抜の際も、自分がその席に選ばれなかった「事実」を口実にして、神々で殺し合いをする『狂乱』を起こす事を目論んでいたらしいのだが、諍いになるのを望まなかったヘスティアが自ら席を降りて自身に譲った結果、目論見は頓挫してしまう事になり、正体を現した際にロキの前でヘスティアを「忌々しい女神」「ふざけた女神」と評しているディオニュソスのヘスティアへの逆恨みはあまりにも身勝手で筋違いとしか言いようのないものだった。
その後、天界で『狂乱』を起こしたとしても、いくら殺し合いをしようが『恐怖』も『絶望』も感じない『神』では自らの理想的な『狂乱』は実現しないと考えるようになったディオニュソスは、命に限りのあるが故に『恐怖』や『絶望』を感じられる『人間』達の暮らす下界で『狂乱』を起こす事を考え、その歪んだ欲望を満たす為だけに天界を離れて下界へと降りて来たのだった。

ゼウス・ヘラの二人の神と双方のファミリアが失脚した15年前を切っ掛けに、ディオニュソスは計画を練り上げ始めていたが、自分の力のみで『狂乱』を実現させる場合だと、極論で「自分以外の神を抹殺しなければならない」と言う非現実的なやり方となってしまい、かと言って「神の力(アルカナム)」を行使してオラリオを滅ぼしてしまえば速攻での天界への強制送りが待っている上に他の神々によって「全てを無かった事にされる」だけであった為、ディオニュソスが自らの望む『狂乱』を実現させるには、自分が直接的に介入せず、下界の「要素」だけを用いてこの世界の規則に基づく形で破壊をもたらすしかないという、複雑な条件をクリアしなければならなかった。
しかし、6年前の27階層の悪夢によって魔石を埋め込まれて怪人(クリーチャー)と化したフィルヴィスを見た事で『穢れた精霊』の存在を知った結果、自らの計画が具体性が帯びていき、闇派閥や怪人達と結託。今日までにおいて、『穢れた精霊』を利用する形で念願の『狂乱』を起こすべく暗躍し続けていた事実をディオニュソスはロキに明かすのだった。
自らの子供達(口封じに始末した子供達)の墓の前で告げた『謝罪』の言葉でさえも「寂しくないよう他の子供達(アウラ達)と一緒に『生贄』に捧げられず、すまない!私の為の眷属(ファミリア)として、華々しく葬ってやるという『契約』を履行できず悪かった!」という悪意極まりない『本音』が隠れており、「私は私なりの方法で彼女達を愛でたいだけさ」と宣いながら笑うディオニュソスの姿には、何処までも子供達に愛情を注ごうとするロキに、「必ずこの『下界の凌辱者』を破滅させる」という憤怒と誓いを宿す程であった。

オラリオの戦力となる冒険者達と『異端児』の同盟軍によって『精霊の六円環』を構成する6体の精霊の分身達との激しい攻防戦が繰り広げられる中、新たに【フレイヤ・ファミリア】、【カーリー・ファミリア】、そして【ヘスティア・ファミリア】のメンバーやアステリオスまでもが援軍に駆けつけ、次々と精霊の分身達は追い込まれていき、ディオニュソスによって捕らわれていた【デメテル・ファミリア】の眷属達も救出されていく。
しかし、それでもディオニュソスの表情は、未だに余裕に満ちていた。

実は、冒険者達と6体の精霊の分身達の戦いは、最初からディオニュソスにとって想定内の事態でしかなく、『オラリオを滅ぼす』という目的も本当の狙いを隠す為のフェイクでしかなかった。
闇派閥と結託していたイシュタルを使って精霊の分身の脅威を見せつけ、それらが潜んでいるとされる人造迷宮にまでオラリオの冒険者達を乗り込ませ、6体の精霊の分身達と交戦させた真の目的は、6体の精霊の分身達のいる階層よりも下部に眠っていた「切り札」となる第7の精霊『ニーズホッグ』によって、総動員でクノッソスに乗り込んで来たオラリオの冒険者達全員を抹殺し、それによって時代が逆行するよう仕向ける事にあった。
オラリオ自体よりも、次代の担い手となるオラリオの冒険者達の滅びこそが下界崩壊の『鍵』となり、やがては自らの望む『狂乱』が訪れるとディオニュソスは睨んでいたのである。
ちなみにロキ達は、イシュタルが所有して【ロキ・ファミリア】が撃破した『天の雄牛』が7体目の精霊だと考えていたが、それは精霊の分身の『粗悪品』…所謂『偽物』でしかなかく(ディオニュソス曰く「懇切丁寧に育ててきた計画の礎を、あんなアバズレ(イシュタル)に渡すものか!」)、『天の雄牛』を倒した事で、ロキ達は残る精霊の分身が6体だけだと、まんまとミスリードさせれてしまったのだった(一応ヒントは残しており、それがクノッソスに飾られていた「黒い邪竜とそれを囲う6人の乙女」の壁画で、「黒い邪竜」が切り札のニーズホッグを示していた)。

ニーズホッグによって魔力が逆流された影響で、一度は冒険者達に追い詰められた精霊の分身達も再活性化し始め、その勢いを押し返し始めていく。
ディオニュソスは、自らの計画の障害となるのは【ロキ・ファミリア】、【フレイヤ・ファミリア】、【ガネーシャ・ファミリア】、【ヘファイストス・ファミリア】の4つのファミリアに、ウラノスの私兵となる『異端児』、そして予想外という形で参戦してきた【カーリー・ファミリア】の6つの勢力であると判断しており、その推測は概ね間違ってもいなかった。
しかし、フィン・ディムナからの要請によってレイの協力を得たベル・クラネルがニーズホッグの元へ向かい、自らのスキルである「英雄願望(アルゴノゥト)」と「憧憬一途(リアリス・フレーゼ)」を発動。それによってクノッソス中に鳴り響いた大鐘楼の音にディオニュソスが半ば混乱する中、各地で追い詰められていた冒険者達は大鐘楼の音と共に奮起する形で6体の精霊の分身達を次々と撃破していき(ついでに『異端児』達の援軍であるアステリオスは、半ば暴走している)、そして【ロキ・ファミリア】のメンバー達を『憧憬』の対象に、その力を最大限にまで増幅させたベルの「英雄の一撃」によって、最後の切り札となるニーズホッグも撃破されてしまう。
ニーズホッグの存在を暴露していた時には、自らの計画が完璧で勝利を確信していたディオニュソスは哄笑を上げていたが、ここ1年の間で冒険者となり、急激に頭角を現していったベル・クラネルという一人の冒険者の存在を見落としてしまった事が最悪なミスへと繋がってしまい、ここにディオニュソスが15年もかけた計画は完全な破綻を迎えてしまったのである———。

自らの敗因が、「神らしい慢心と全知の驕り…そしてとっておきの『未知』」にあったとロキに指摘されたディオニュソスは、逆上して短剣でロキを殺害しようとする。
しかし、手の中に隠していたモンスターの死骸から拾った灰紛を投げつけられた事で視界を奪われ、その隙を突かれる形で、これまで奪われた自分の眷属や他の神々とその眷属達、そして使い捨てにされたディオニュソス自身の眷属達の無念の代弁者となったロキによって、「落とし前」としてボコボコに叩きのめされる(しかも、やりすぎて天界に『送還』される事にならないよう、ギリギリ力を加減されていた)。
異常なまでの『狂乱』への執着から、「『神の力(アルカナム)』を使ってロキを殺す」という手段も取れなかった(『神の力』を行使してしまうと、それを察知した天界側によって強制送還されてしまう)ディオニュソスは、自分が切り捨てたタナトスや怪人、闇派閥の残党、挙句の果てにはモンスターにまで助けを求める往生際の悪さを見せていた。

最後は自らの元へと駆け付けてきた分身の方のフィルヴィスに散々悪態を吐きながらも、同時に「そんなお前が愛おしい」、「天界に帰っても、私の側にいろ」という本心を告げた後、ロキ達に自分の敗北宣言と称賛の言葉、そして「ダンジョンがもう限界だ」という事実と、「私の野望が阻止された所で、『約束の時』を待たずして下界は『冥府』へと変わり、自らの望んでいた『狂乱』はやってくる」という予想を言い放ち、自らの胸を短剣で貫いたディオニュソスは、哄笑を上げながら分身のフィルヴィスと共に光の柱に包まれて天界へと強制送還されるのだった。

かくして、冒険者や神々を問わず多くの犠牲者を出した、エニュオことディオニュソスによって引き起こされた事件は、完全な終息を迎えた———。

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闇派閥 外道 サイコパス 鬼畜 テロリスト

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