概要
著:大森藤ノ、イラスト:ヤスダスズヒト、によるライトノベル。略称は「ダンまち」。
第4回GA文庫大賞〈大賞〉受賞。既刊は本編19巻、外伝14巻、短篇集3巻、特定のキャラの外伝が2本。
英語版でのタイトルはIs it wrong to try to pick up girls in a dungeon
2018年10月にArcadiaの書籍化作品としては初のシリーズ累計発行部数1000万部を突破した。
その後は2019年6月時点で1200万部、2023年7月時点では1500万部を突破している。
因みによく間違われやすいが、本作は小説家になろう発ではなく、Arcadia発である。(後から小説家になろうにも掲載はしていた)
そして、webに投稿されていたダンまちが『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 理想郷譚(プロトタイプ)』として、原作10周年記念プロジェクトの公式HPに掲載されている。
タイトルやイラストで誤解されがちだが、内容は英雄に憧れるだけだった主人公が様々な人物と出会い、仲間と共に冒険に挑みながら本物の英雄に成長していくという熱血かつ王道的なストーリー。またシビアな部分もあり、一部の人間達による悪意のある行為や、種族間の因縁や差別、身売りされる女性や恩恵を逆手にとった支配、国家間のにらみ合いなどといった明確な『悪』以外にも問題や危険を多く描かれている。その騒動に巻き込まれ、幼い子供などを含む無関係な一般人や、主要人物と近しい人物が死亡する時もあり、特に外伝は『闇派閥(イヴィルス)』との抗争がメインとなっていたためそういったシーンが多く、本編でも主人公達が成長していくにつれ同じような危険な場面が増えてきており、実際最終的には事なきを得たが、目の前で守ると誓った存在が一度は死亡してしまうという展開も起こっている。
作者曰く、タイトルの『ダンジョンに~』という題名はプロローグのタイトルで、本来は書籍前に改題した『眷族の物語(ファミリア・ミィス)』という題名にするつもりだったと何度か呟いている。しかしながら、現在のタイトルの中に入っている『出会い』というワードは、作中においても重要な要素の一つとなっている。
そして基本的にこの物語は、ベル・クラネルという一人の少年の一年間の冒険の軌跡である為、外伝も合わせれば三十巻近く出ているが、時系列的には未だに半年しか経っていない。
コミカライズの本編が『ヤングガンガン』にて連載中。作画は九二枝氏。
10巻まで発売されていたが、2018年に理由は明かされていないが突然休載となり、現在も連載の目途が立っておらず、事実上の打ち切り状態となる。だが、2019年12月より作画を矢町大成に交代し、原作7巻である「春姫編」から連載が再開された。既刊4巻。
外伝『ソード・オラトリア』のコミカライズ(作画・矢樹貴)が『月刊ガンガンJOKER』にて連載中。既刊25巻。
『ファミリアクロニクルepisodeリュー』(作画・桃山ひなせ)が『ガンガンONLINE』にて連載された。全6巻。
『ファミリアクロニクルepisodeフレイヤ』(作画・桃山ひなせ)が『マンガUP』にて連載中。既刊4巻。
また、アプリ『メモリア・フレーゼ』にてepisodeリューがフルボイス付きで実装されており、2021年の冬からはepisodeフレイヤが実装を開始した。
また、イベントの一つだった「聖夜の夢想歌(トロイメライ)」(作画・汐村友)が『マンガUP』にて連載中。既刊3巻。
テレビと映画で、アニメ化がなされている。これに関する詳細は後述。
ストーリー
迷宮都市オラリオ――『迷宮(ダンジョン)』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。
未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。
人の夢と欲望が全て息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出逢った。
「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ!」
「はいっ! 僕は強くなります!」
どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。
これは、少年が歩み、女神が記す、
――【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――
登場人物
ダンまちの登場キャラクター一覧を参照。
世界観・用語
三千年以上前の時代。後に『迷宮(ダンジョン)』と呼ばれる巨大な大穴から無限に産み出されるモンスターによって多くの人々が蹂躙され、その凶悪なモンスターと戦った英雄たちの活躍が、様々なお伽噺(英雄譚)として現代に伝わっている。種族間の垣根を越えるまでは止めどなく溢れてくる物量に一度は絶滅寸前まで追い込まれている為、人々の間ではモンスター=悪は共通認識として浸透している。そして、千年前に一人の大英雄がなし得たある偉業によって天界から神々が降臨し、『神の恩恵(ファルナ)』と呼ばれる様々な事象から経験値(エクセリア)を得て能力を引き上げ、魔法やスキルといった能力を発現させることを可能とする力によって、人類がモンスターを退けていくようになっていく。そして神と眷族となった人間が『ファミリア』を組織し、多くのファミリアがオラリオに集い、世界の中心であり謎多き迷宮の攻略に日々挑み続けている。しかし、中には地上に進出したモンスターに対抗するためにオラリオ外にファミリアを結成している者や、国家と呼べる規模のファミリアを作り、国を立ち上げている者も存在する。
神時代
おおよそ千年前、迷宮に蓋をした後に神々が現れ、ファミリアが作られるようになってから、現代にいたるまで使われている時代の名前。
超越存在(デウスデア)
冒険者と並んで、この物語の根幹でもある存在。下界に未知を求めて(早い話、娯楽目的で)、降り立った神々である。共通の特徴としては、容姿端麗で軽薄。下界の住人達の嘘を見分けられる。俗っぽい連中が多いが、人間達との温度差はとてつもなく、下界の規則で『全知零能』でありながらも、基本的には人間の尺度では測れない存在。全ては面白いか面白くないかで行動を決めるので、場を掻き回される子供達からしたら、たまったものじゃない。
神の恩恵(ファルナ)
上記の通り、神が眷族達に与える恩恵。神が下界に君臨した事によって、神時代開幕と共に発展した物。授かった時点で常人離れした身体能力にスキルなど、様々な効果が得られる。但しあくまで『促進剤』に過ぎないため、器の昇華(ランクアップ)は本人次第。類い稀ない努力と無謀ともとれる冒険が求められる。どの冒険者も最初はLv.1から始まる。
ファミリア
神と眷族が、オラリオで活動する為に結成する組織の通称。大抵は冒険者をメインにした探索系ファミリアだが、商業系や医療系、食糧生産を担っている派閥も存在する。
都市外には上記の通り、国家系ファミリアと呼ばれる派閥の属性の中でも最大の規模と繁雑さを誇る(つまりは国単位位で構成された組織)物も少なからず存在する。
さらに『闇派閥(イヴィルス)』という邪神と呼ばれる神が統べる犯罪者集団も、当然確認されている。
怪物(モンスター)
ダンまちの登場モンスター一覧を参照。
単位
キロに値するK(キロル)、グラムに値するG(グラッド)、メートルに値するM(メドル)、センチに値するC(セルチ)が存在する。
ヴァリス
劇中で使われる通貨。詳細は不明だが、50ヴァリスあれば満足な食事がとれるらしい。
オラリオではもちろん、ラキア王国やオリンピアといった国外でも使われる模様。
『学区』では、「ラグナー」という独自の紙幣通貨が使われている。
魔石
ダンジョンのモンスターから採れる石。オラリオの収入源の一つで、ヴァリスと交換できる。
魔石を使った機械(エレベーター、照明、シャワー等)も作られている。
冒険者
本作に登場する人物ほぼ全てが該当する役職。上記の通り『神の恩恵』を授かり、『能力値(ステイタス)』を身に刻む事によって常人を遥かに凌ぐ身体能力、五感、魔法、スキルを手に入れて、迷宮のモンスターと日夜命懸けで戦う強者達。
Lv.1が下級冒険者、Lv.2が第三級冒険者、Lv.3~4が第二級冒険者、Lv.5から上が第一級冒険者に分類されている。また、Lv.2に上り詰めた時点で既にベテランであり、大雑把に上級冒険者と纏められる事もある。
オラリオでは『冒険者順位(ランキング)』という暇を持て余した神々が面白がって作っている冒険者順位表(ヒット・チャート)があり、毎週アンケートを取って集計して発表している。『最強の冒険者ランキング』や『新人冒険者(ルーキー)ランキング』などシンプルな物から『最可愛(カワ)エルフ』や『最美男(イケ)獣人』など面白おかしい物など様々なランキングが存在する。
ただし、神達から指定されたランキング以外のランキングは基本的に集計者の自由であり、作中ではある冒険者に依怙贔屓する集計者よって彼がランキングに入りやすい&自身の欲を満たすランキングばかり集計していた。
人種
一般的な人間である只人(ヒューマン)をはじめ、亜人(デミヒューマン)のドワーフ、エルフ(ハイエルフ・ダークエルフ)、アマゾネス、獣人、小人(パルゥム)など様々な人種が存在する。特に獣人は犬人(シアンスロープ)、猫人(キャットピープル)、狼人(ウェアウルフ)、猪人(ボアズ)など数多くの人種が存在する(牛人は何故か男性だとブルズ、女性だとカウズと呼ばれている)。また、ヒューマンとアマゾネス・獣人以外の亜人の間に生まれた者を半亜人(ハーフエルフ、ハーフドワーフなど)と呼ばれている。
人種のるつぼであるオラリオや『学区』ではさほどではないが、それ以外ではエルフは他種族を見下したりと種族間の対立もある模様。
地理・組織
物語の中心となる舞台の一つ。詳しくは個別記事へ。
- メレン
- ラキア王国
- 魔法大国(アルテナ)
- テルスキュラ
- シャルザード王国
- オリンピア
- 朝廷
- メイルストラ
アフロディーテが現在、在住している国らしい。
- ベルテーン
ファンタジー作品お馴染みの行政機関。供給品である魔石の換金や、クエストの発注などを行なっている。
正式名称は『海上学術機関特区』。
かつて海の覇王(リヴァイアサン)討伐にも使われた超巨大船『フリングホルニ』を校舎とし各地を巡る移動教育機関。
小説版『アストレア・レコード』では、『大抗争』が勃発した七年前には大陸の遥か東方にいた模様。
- 剣製都市ゾーリンゲン
本編15巻で、ラキア王国を飛び出したヴェルフ・クロッゾが一時期滞在していた都市でもあり、ヴェルフはこの都市の鍛冶場でヘファイストスと初めて邂逅した。なお、その時の名称は「剣製都市ゾーリンガム」と描写されていた。
余談
作者である大森氏は「かわいい女の子はもういいから、渋いドワーフやイケメンのエルフも書きたい」と、劇中劇でコメントしている。これが本当かは不明だが、容赦なくキャラクターをぶっ殺したいのを止められたりするなど、編集部との間にささやかな対立はある模様。
アニメ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(アニメ)を参照。
理想郷譚 プロトタイプ(WEB版)
デビュー前Arcadia(小説投稿サイト)投稿時の原稿を10周年記念復刻連載。理想郷譚
続編に『妖精の枝史』がある。
相違点の一つWEB版のリューと『妖精の枝史』の成り立ちはリュー・リオンを参照。
関連タグ
カテゴリ | ライトノベル GA文庫 ファンタジー |
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原作関連 | ダンまち(正式略称) 大森藤ノ |
アニメ | J.C.STAFF 2015年春アニメ 2017年春アニメ 2019年夏アニメ 2020年夏アニメ(延長)→2020年秋アニメ |
スピンオフ | ソード・オラトリア ファミリアクロニクル |
IFルート | それは遥か彼方の静穏の夢 妖精の枝史 時を渡る道化師 |
WEB版 | 理想郷譚 妖精の枝史(続編) |
ゲーム | メモリア・フレーゼ オラリオ・ラプソディア バトル・クロニクル |
カップリング | ダンまちNL |
users入り | ダンまち100users入り ダンまち500users入り ダンまち1000users入り ダンまち5000users入り ダンまち10000users入り |
コラボタグ | ダンジョンにプリキュアを求めるのは間違っているだろうか ダンまち×Fate ご注文はダンジョンですか? オンラインに出会いを求めるのは間違っているだろうか ストライク・ザ・ダンジョン |
その他 | 例の紐 |
#コンパス:2020年7月にコラボイベントが開催。アイズ・ヴァレンシュタインがプレイアブルキャラクターとして実装された。
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