仕事をする。働く
ほかに「よく動く・活動する」「作用する・機能する」などの意味合いでも用いられる。また「盗みを働く」のような悪いことにもいう。
人間は働くことで収入を得たり、他人と交流したりする。日本国憲法では、働くことは権利であるとともに義務でもあると位置づけられている。
「働く」という言葉は、もとは単に「動く」意味で使われ、現在は上記のような意味に転じて使われる。「はた(周囲の人)を楽にする」というのは俗説(参考:三省堂国語辞典第八版)。
日本の法律
国際労働基準
- 国際労働基準は、国際労働機関が制定した条約・勧告の総称である。国際労働機関では人類の平和と継続的な発展のために人道的な労働基準の決定とその基準を国際的に守ること(すなわち国際労働基準)が必要であるとしている。その根拠として二つ挙げられている。
- まず、労働基準を定める理由としては、不正・劣悪な労働条件が社会不安や貧困を引き起こす原因となり、多くの人民に困難や苦しみを与えるばかりでなく、結果として紛争や戦争の原因となり世界の平和を脅かすこととなるからである。
- また、国家単位でなく国際的に決定する理由として「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となるから」(ILO憲章より引用)である。
- 障害となる根拠としては労働条件を守らないことで不当に製品の金額が安くなる(ソーシャルダンピング)などが挙げられる。
- 日本は常任理事国でありながら下記条約のほとんどを批准しておらず、現在有効な条約183のうち48条約しか批准していない。
- 下記条約のうち批准しているものは最低賃金決定制度(第26号・第131号)のみであり、労働時間・休暇に関してはひとつも批准していない。
- 具体的な労働条件としては以下のようになっている。
労働時間(第1号・第30号・第47号)
- 労働時間は一日あたり8時間以内、かつ一週あたり48時間以内とされている。
- 適用されない者としては「監督の立場にある者」や「秘密の事務に従事している者」などである。
- また、特定条件のもとでは特定日に8時間を越えたり、特定週に48時間を越えたりすることは許されるが、この場合でも3週間の労働時間の平均が1日8時間・1週48時間を超えてはいけない。業種により多少の違いがあるが、工業・商業・事業所など通常の労働者に対して同程度の労働時間となっている。
休暇(第14号・第18号・第132号)
- 週休は週に一日以上。
- 有給休暇は1年勤務につき3労働週(5日制なら15日、6日制なら18日)以上となっている。
- また、休暇は原則として継続したものでなければならないが、事情により分割を認めることもできる。
- ただし、その場合でも分割された一部は連続2労働週を下回ってはならない。また、「休暇権の放棄等は国内事情において適当である場合は禁止または無効とすること」となっている(フランスでは休暇権の放棄は禁止されている)。
賃金(第26号(日本も批准)・第95号・第131号(日本も批准))
- すべての賃金労働者に対して最低賃金を定め、かつ随時調整できる制度が必要である。
- 最低賃金としては、労働者が家族を養える一般的賃金や生活費や社会的集団の生活水準を考慮したものでなければならず、また、経済的な要素(生産性や雇用の維持・発展性など企業側から見た要素)も考慮しなければならない。
- 最低賃金制度の設置、運用及び修正に関しては、関係ある代表的な労使団体と十分協議する必要がある。
労働者の定義
労働者
- 労働基準法第9条では「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義される。
- 労働契約法第2条では「使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者」と定義される。
- 労働組合法第3条では「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者」と定義される。
- 職業能力開発促進法第2条では「事業主に雇用される者(船員職業安定法 (昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項 に規定する船員を除く。
- 第九十五条第二項において「雇用労働者」という。)及び求職者(同法第六条第一項 に規定する船員となろうとする者を除く。以下同じ。)をいう。」と定義される。
- 法律により労働者の定義は異なっている。例えば、労働基準法では、失業者や求職者は労働者に含まれないが、労働組合法および職業能力開発促進法では失業者も含まれる。
- この理由は、労働基準法が使用者と労働者の間での労働基準を規定した法の観点によるからである。
勤労者
- 勤労者財産形成促進法第2条において「職業の種類を問わず、事業主に雇用される者」と定義される。
- 労働者、船員その他これらの者と同等の関係にある国家公務員、地方公務員は勤労者である。
- 自営業主や家内労働者、労働基準法等で労働者として取り扱われない者は、概ね、勤労者ではない。
未組織労働者
- 労働組合に参加していない労働者。
労働者の権利
- 国際労働機関では、労働者の基本的権利に関する原則として次のものを挙げ、加盟国に(個々の条約の批准・未批准に関わりなく)推進かつ実現する義務を課している。
- (a)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認
- (b)あらゆる形態の強制労働の禁止
- (c)児童労働の実効的な廃止
- (d)雇用及び職業における差別の排除
労働関係の機関
- 国際労働機関(ILO)
- 厚生労働省
┗都道府県労働局
┣労働基準監督署
┣公共職業安定所(ハローワーク)
┗雇用・環境均等部(室)
- 労政事務所(各都道府県により名称は異なる)
- 労働委員会
- 中央労働委員会
- 都道府県労働委員会
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構
- 国際労働機関では、労働者の基本的権利に関する原則として次のものを挙げ、加盟国に(個々の条約の批准・未批准に関わりなく)推進かつ実現する義務を課している。
(a)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認
(b)あらゆる形態の強制労働の禁止
(c)児童労働の実効的な廃止
(d)雇用及び職業における差別の排除
就職
職業
- 職業
- 職業一覧
- 業種
労働組合
- 労働組合(民間企業及び公営企業)
- 職員団体(一般の公務員)
- 教職員組合
- 労働団体
労働形態
労働政策関連項目
- 労働経済学
- 強制労働
- 労働市場
- 交代勤務
- 労政時報(雑誌)
- 正規雇用
- 非正規雇用
- 請負社員
- 転勤族
- 閑職
- アルバイト
- Eワーク
- 単純労働
- 失業
- ワーキングプア
- ディーセント・ワーク
- 働けば自由になる
- 指定公休
- 不法就労
- 労働経済学
- ワークシェアリング